報道機関のツイッターに望むこと

 昨日の台風から変わった温帯低気圧について、私のいる静岡市周辺では大きな被害はありませんでしたが、昨日は別の件でひどい目に遭いました。午前中に用事を済ませようと車で静岡市中心部へと向かったところ、明らかにいつもと違う感じで渋滞にはまってしまいました。

 渋滞とは言っても車は動いていたので前の車に着いて進んでいったのですが、静岡駅周辺のとある場所に来た時、その渋滞の原因がわかりました。大きな会社や飲食店の連なる場所に続く道路が警察や消防によって封鎖されていて、周辺に大勢の野次馬がでていました。本当は通行止めになっているところを通って目的地へ行きたかったのですが渋滞に巻き込まれながらの大回りを余儀なくされ、それでも何とか駐車場にたどり着き用事を済ませてきました。

 用事を済ませている間けたたましいサイレンの音は聞こえるものの、現場で何があったかは全くわかりません。テレビやラジオも通常の放送を続けていますし、こういう時こそスマートフォンを使って地元マスコミのニュースサイトにアクセスすればわかると思ったのですが、載っているのは前日のニュースばかり。それならばツイッターを見ればわかるかなと思い新聞社やテレビ局のトップページ経由で公式ツイッターの内容をいろいろ見てみたのですが、どの報道関係のアカウントにも全く何も情報は載っていませんでした(^^;)。

 上空には報道のものであろうヘリコプターがけたたましい音をたてて現場に留まっていますし、銀行の周辺なので強盗か通り魔かなどという想像もできましたが、ひょんな事で情報が入ってきました。現場周辺をぬけてきた知り合いにたまたま会ったからで、その人の言うことには「爆破予告があった」という事でしたが、この情報は後から検証すると少々違っていました。改めてツイッターのアプリを開き、現場から報告している人たちのツイートを見てみましたが、爆発物が仕掛けられているという情報に混じって、その知り合いの方が話した内容と同じ、爆破予告の電話があったので騒いでいるという内容も見受けられました。

 結局のところ事の真相を知ったのはお昼前のテレビニュースで、銀行の中に爆発物のような不審物が置かれているのを守衛の方が発見し110番通報し、現場に警察や消防の他、爆発物処理班が不審物を運び出すまで周辺の道路を封鎖していたということなのでした(実際は爆発物を模したもので、爆発する危険はないという悪質ないたずら)。それと同じ頃に今回の事件の舞台となった銀行の本部に爆発物を仕掛けたと電話があったということも事実のようでした。つまり、どちらの情報も間違いではなかったわけですが、どちらか一方の情報だけを見た場合は状況判断を誤ってしまう可能性があるということですね。

 だいたい午前9時半ごろから警察がやってきて、不審物を持ち去ったのがだいたい11時30分ぐらいだったということで、およそ2時間半この件に関する正確な情報が得られなかったことになります。ニュースを見てから改めて地元新聞社のツイッターアカウントを確認したら、テレビニュースと同じような時間に初めてこの事件のことを触れていましたが、不審物を持ち帰って現場の封鎖が解かれたのを確認したかのように、全て終わってから情報を出すのならツイッターでわざわざ発信する意味がないのではないかと強く思った次第です。

 交通事故や火事の場合なら見ればわかるのでわざわざ報道機関が即時ツイートなどしなくてもいいと思いますが、今回のように相当現場に緊張感があるものの、そこで何が起こっているかわからない状況というのは本当に恐ろしいものです。爆発物らしいものが中にあるとわかれば、現場周辺に人は集まらず遠巻きに眺めているような感じになると思うのですが、何もわからずに近づいて被害に遭うような状況も考えられます。今回の場合はツイートの内容を真に受けた場合、中に爆発物がない爆破予告のみというようにも受け取れてしまうので、やはり現場からの実況のみで軽々しく情報を鵜呑みにしてしまうことは危険な面もあります。

 従来の情報網では現場周辺の口コミを頼るしかないような状況であっても、今のスマートフォンを持つ人が多い状況ならば、地元の報道機関ならもう少し迅速で正確なな現場報道ができたのではないかと思うのですね。中の状況がわからなくても警察や消防が爆発物処理班と一緒に現地に入り、周辺道路を封鎖しているという事実関係だけでもツイートしてくれれば、それを見た人であればやみくもに現場に近寄ることもなく、私が聞いたような断片的な情報を真に受けてしまうこともなくなります。きちんとした情報が確認できるまでは公式に出したくないという理屈はわかりますが、それ以上に事実誤認のツイートによって現場におけるパニックやデマが発生する可能性もあるわけですから、信頼できる報道の情報こそ迅速であってほしいと思います。


スポンサーリンク

コメントを残す