スマートフォンの発熱に関する報道について

 先日テレビを見ていたら、スマートフォンが充電中や使用中に発熱して事故になった事例があるという報道がありました。そのニュースを詳しく追っていったところ、独立行政法人の国民生活センターが2014年2月20日に公表した「スマートフォンの充電端子の焼損や本体の発熱に注意」とする報告の一部を報道したものでした。

 この報告書の内容を読みましたが、残念ながら焼損や発熱による低温やけどの事例は書いてあったものの、具体的なメーカー、機種名の記載はありませんでした。今後スマートフォンを購入しようと思っている人については、まさか販売側からこうした情報を教えてくれるわけはないでしょうし、買ってからこのような事例にあたってしまったら泣くに泣けないでしょう。車の場合はリコールが大きなニュースになりますが、スマートフォンについてはメーカーが製品の無料修理をするという話も聞きませんし、独自の情報収集が大切になるでしょう。

 今回指摘されている事例は2点あって、それぞれに対策が必要になると思います。まずは、スマートフォンを充電中や使用中に本体が熱を持ってしまう場合です。事例の中には充電中に布団の中でスマートフォンを使っているうちに寝てしまい、低温やけどをしたというのがありますが、これはただでさえ熱くなりやすいスマートフォンを布団にくるむようにしてしまってはカイロや湯たんぽのように高温を発する事は予想出来ますのでユーザー側の注意で回避可能です。また、夏の暑い日に車の中でカーナビアプリを使うような場合、充電中に発熱するタイプのスマートフォンは使えないと思った方がいいでしょう。現在はソフトのバージョンアップで改善されていますが、私が持っているdocomoのスマートフォンF-10Dをカーナビ代わりに使おうとして、本体の発熱があまりにひどいのでスマートフォンの方で強制的にシャットダウンしてしまったという経験があります。これは、防水による密閉性と小型化による設計の余裕の無さがあるにも関わらず、高能性CPUによるサクサク感を求めるユーザーとの妥協の産物なのかも知れませんが、メーカーは製品として出してしまった以上、ある程度CPUの動作を抑えることで発熱を防ぐアップデートを提供していく義務があるのではないかと思っています。先述のF-10Dをアップデートする前は充電中も使用中も相当熱くなっていて使用を躊躇するほどだったのが、アップデートを実行してからは私の使い方では、充電中だけでなく使用中でもほんのり温かい程度まで改善されたということがあるので、メーカーの方には今回の国民生活センターの報告を真摯に受け止め、相当の発熱を起こす端末については早めのアップデートで対処していって欲しいと思います。

 もう一つは充電中に焼け焦げるような事故についての対応です。こうした事例にまでなるとユーザーは当然ショップに文句を言いに行くので、メーカーの調査した原因がありますが、充電端子周辺に異物があって、それが原因と判定されることが多いようです。製品として出す前には当然そうしたことも想定して出してきていると思うのですが、これについては本体を薄くするためにmicroUSBというちょっとひねると破損してしまうような端子の基準を使って多くの製品が作られていることにそもそもの原因のように思えます。個人的には昔のACアダプターの形状で何ら問題はないと思っているのですが、現在はスマートフォンだけでなくデジタルカメラやWindowsタブレットでも採用されていて、恐らく同様のクレームは広範囲に出てくることが予想されます。私自身、充電用に買ったmicroUSBケーブルの先端をちょっとぶつけたり踏んづけたりしただけで破損してしまって充電ができなくなった経験がありますので、充電をする前にケーブルの破損がないか、またスマートフォン側の端子にゴミが入っていないか確認してから充電することは必要でしょうね。

 こうしためんどうな確認をしたくない場合は、ケーブル経由での充電を少なくとも自宅ではしないような機種を手に入れるという方法もあります。実は今、私がNexus5に興味があるのは、充電方法に無接点充電パッドを使えるというところにもあるのです。ここで何回も紹介しているF-10Dはこの無接点充電に対応していて、本体とセットで充電機が付いてきたので、Nexus5を購入すればその充電器を流用し、ケーブルを使わないで毎日充電できるので、少なくともケーブルが原因による破損事故は回避できるでしょう。しかし、不良による充電池の変形については、機種によって確認できないものもあります。今のスマートフォンの中には電池が内蔵になってしまって一般ユーザーが電池がどうなっているか見たり、交換できなくなっていることもありますので、そういった機種のスマートフォンを使われている方は、手で持った感じがいつもと違うと感じたら要注意です。ともあれ、スマートフォンのユーザーのすそ野を広げたいと携帯電話会社やメーカーが思っているなら、今回紹介したような問題における対策をした上で新製品を出してきてほしいものです。


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