往復はがきとミニレター

 インターネットや携帯電話で情報収集や連絡が当たり前にできる今の時代、そうした手段が閉ざされることによってはじめてその有難みがわかるという経験を実際に被害に遭わなかった方々も多く感じておられるのではないかと思います。今回の震災においては、現地の状況をテレビでしか確認できず、現地の知り合いの安否はどうなのかということが最大の関心事でありました。

 しかしながら被災地方面への電話連絡は控えざるを得ず、メールでの連絡においても、多くの人たちからたくさんのメールが集中すると、パソコンのアドレスなら大丈夫だと思いますが、携帯電話のメールについては、メールボックスの容量というものがあり、実際にメールを読まれる方の事を考えると、なかなか出しずらいというのが正直なところです。

 大規模な停電で、一部の公衆電話を除く通信手段がほとんど使えない場合、最新のテクノロジーよりも以前からある古い通信手段に頼らざるを得ないこともあるでしょう。そこで、今回敢えて紹介するのが、太古の昔からある文字によるコミュニケーションプランです。

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 そんな中でまず写真の往復はがきをチョイスしたのは、何の通信手段も持たない人に出した場合、筆記用具さえあれば先方の様子がこちらにわかるような情報と一緒に返信してくれる可能性があるということです。実際に今回の震災でも、被災地の友人との安否確認に往復はがきを使っていた方がいるそうです。いざという時のために自宅内だけではなく、車の中にも常備しておけば、自宅から遠く離れた場所で生活しなけれぱならなくなるような状況を伝えるとともに相手の状況も得ることができるでしょう。

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 郵便局で売っているものの中で、以前からたびたび利用させていただいているものの中に、もう一つここで紹介させていただくミニレター(郵便書簡)があります。封筒として使われる紙の裏に罫線が引かれているので、そこに文章を書くことができるような仕組みです。ハガキの料金+10円の60円で人に読まれたくない私信を送ることができ、返信用のハガキや同じミニレター、大切な写真など、25グラムを越えない範囲で薄いものなら、この中に入れてそのまま送ることができます。投函する前に全体を糊付けして密封する必要がありますが、切手と同じように乾いた糊が付いていますので、水さえあれば封もできます。緊急時にはレターセット一式すら入手することが困難になることも予想できるので、往復はがきとセットで車内スペースの中に入れておけば、発信ツールとしては十分でしょう。そして当然ですがある程度の数を用意しておいても全くかさばらないのもメリットであると言えます。

 なお、こうしたハガキ類については、もし以前に使おうとして使わなかったり、書き損じたりした年賀はがきが余っている場合は、一定の手数料だけでこうしたものと交換ができます。もちろん、使っていない年賀ハガキを複数車の中に忍ばせておき、いざという時の連絡手段に使うのもありだと思いますが、相手から返信をもらいたい場合には現状では往復はがきやミニレターの中に返信用のものを入れて送るのが簡単で確実なので、多少の手数料は出しおしみせずに交換した方が結局はお得だと思います。ハガキの代用として使いたい場合は往復はがきの真ん中を切って使えばいい話ですし。できることならばこういった通信手段を使うような事はない方がいいと思いますが、普通の旅でも使えるもので、あってもそれほど邪魔にはならないものです。今回の地震で人とのつながりが取れないことに不安を感じられた方は、このようなアナログで古い通信手段も実は結構使えたりするということを覚えておいて損はないでしょう。

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