月別アーカイブ: 2020年2月

公衆トイレの手洗い場をチェックしてわかったこと

この週末に車を利用して新鮮な野菜を買いに遠出しました。どこへ何を買いに行ったかというのは改めて紹介するとして、いわゆる直売所にオープンと同時くらいに着きたかったので、帰りはともかく行きは早朝出発にして高速道路を使いました。

高速道路は途中で止まることもなくスムーズに進むことができ、さらに言うと早く着き過ぎるような状況になった場合、手前のサービスエリア・パーキングエリアで時間調整ができるので今回は多少早く出発して多くのサービスエリアに寄ったのですが、やはりそこで気になったのはトイレの衛生環境でした。

もちろん、高速道路会社の職員の方が定期的に清掃を行ない、明らかに汚した所があればその状況を放置せずに片付けてくれることによって、多くの感染症が防がれているということは十分想像することができます。今回は静岡を東名高速で西に向かったのですが、どのサービスエリアのトイレも十分綺麗でした。

ただ、今まではインフルエンザやノロウィルスに備えることが基本だったのですが、今年はそれに加えて今だ正体不明のウィルスについて対策しなければならず、見えない菌を意識するような事も必要になってくると思うのです。

今回、東名のサービスエリアのトイレを見て思ったのは、新しい施設の場合にはもし手にウィルスが付いてしまったとしてもきちんとトイレの手洗い場で手洗いをすれば何とか大丈夫だろうと思えたものの、古い施設の場合には手洗い用の洗浄液や乾燥について不安が残りました。プッシュしてもわずかしか出てこないような設備だと、なかなか手に付いたウィルスを完全に落とすことは難しいでしょう。さらに、エアータオルの設置の有無も重要だろうと思います。

というのも、全ての人がタオルやハンカチを持っていればいいのですが、そうでない人がトイレを使った場合には手そのものを洗わなかったり、洗っても濡れた手のままで出てくる可能性があります。そうすると、不完全に洗った手にもしウィルスが付いていたら、くしゃみによる飛沫のように水しぶきが飛ぶことにもなってきます。低い可能性の話であることはわかっていますが、もし洗浄液が不十分であれば、利用する人のためにハンドソープを置くという手もありますし(これは今回利用した道の駅でそうした場所があったので)、この時期だけペーパータオルを置くということもコストはかかりますができるでしょう。

勘違いして欲しくないのは、今回の話は利用者の側から無理な要求を通そうとしているのではなく、新型肺炎についてわからない事がクリアされるまでは、日本全国を移動している人の間で新型肺炎が伝染ってしまわないように、きちんと手洗いができる環境および、洗った手を乾かすための手段を用意することで、多少はウィルスの拡散を抑えることができるのではないかという考えのもとの提言です。

今回の利用では当然私はタオルを持って行きましたのでエアータオルがない場所ではタオルを使いましたし、洗浄液の出が少ないような場所では、改めて施設入口に置かれていたアルコールを手に付けて消毒をした上で中に入るように心掛けました。今回はサービスエリアを利用したのは早朝だったため、団体の観光客とも全く会いませんでしたので、高速道路を利用する場合の時間というものも大事になってくるのではないかと思いますが、今回のお出掛けで改めて自分で準備し、何が危険なのか意識して利用することの大切さというものもわかりました。

同じように車でのお出掛けを考えている方がいましたら、その必要性を感じられるなら、車で旅をする時には手洗い後に使うタオルとともに、必要に応じて石鹸やハンドソープを持って行くことも十分ありだと思います。もし利用する公衆トイレの設備では不十分だと思ったら、積極的に自分の持ってきたもので手洗いはしっかり行なう方がいいと思います。


送料無料が実施された楽天市場で起こりそうな事

楽天の三木谷社長が発表した3,980円以上の商品を一律送料無料にするという宣言は、一部の加盟店が反対し、公正取引委員会がこの件について調査するということが決まっているようですが、この問題はまだまだ問題を引き起こしそうです。

というのも、公正取引委員会が独占禁止法違反という結果を出しても出さなくても、その時点で騒動は終わりにはならないだろうと思うからです。楽天の言い分が認められなくても、楽天側はさらに問題を泥沼化させ、送料無料を「消費者のため」という理由で強行することは十分考えられますし、楽天の言い分が通ったとしても、それに反発する加盟店の動きがさらに強硬になることも考えられるからです。

果たして、もし楽天が今回の一部送料無料を実現させたとして、消費者は本当に潤うのでしょうか。実は今、すぐにではないのですがモバイルバッテリーを買おうとしていて色々と調べているのですが、その中でちょっと楽天市場での価格設定がダイレクトショップと違うような事例を発見してしまったので、その内容および、せっかくなのでモバイルバッテリーの具体的な製品と照らし合わせて説明したいと思います。

まず、私自身のモバイルバッテリーについてのニーズというのは、先日購入した中古のノートパソコンでも使えるものを新たに購入することを考えています。具体的には少し大き目のバッテリーでもACコンセントが付いていて、ノートパソコンのACアダプターを直接差して充電できるようなものがあればと思っています。この点については、現在の主流であるUSB Type-Cから給電できるようなノートパソコンであればもっと選択に幅があったのですが、古いノートパソコンの場合にはコンセントが差さったり、変換アダプターを使用ができる特殊なバッテリーが必要になるのです。

ACコンセントのあるモバイルバッテリーはネットで検索すると多くありますが、中には海外製で今話題の「サクラレビュー」が多い、本当の性能については「?」が付くものも少なくありません。人柱覚悟で買ってしまってもいいのかも知れませんが、さすがに安いものではないので、やはりきちんとした性能を発揮してくれるものを購入したいものです。

ということで調べたら、国内のメーカー製ということで唯一あったのがサンワサプライのノートパソコンとスマホが充電できるモバイルバッテリーのシリーズでした。具体的には以下の3つの製品が使えそうな感じになっています。

(1) 700-BTL035(3.62V 22,800mAh USB2ポート AC1ポート最大65W)
(2) 700-BTL025N(3.62V 11,400mAh USB1ポート AC1ポート最大65W)
(3) 700-BTL033BK(3.7V 17,400mAh USB1ポート 変換プラグ12V16V19V)

機能と大きさのバランスを考えると、ノートパソコンのみの利用なら(3)の700-BTL033BKが一番バランスが取れています。ただ、ACコンセントが付いているものなら、ノートパソコン以外にも使える家電ができるので、災害対策用としてはおすすめになります。できれば(1)の700-BTL035という大容量のものを買いたいところですが、緊急避難的に使うことを考えれば、より安く買えるであろう(2)の700-BTL025Nでも何とか実用的に使えるだろうと思います。

ちなみに、この製品はサンワサプライのダイレクトショップでしか価格コムで調べたら取扱いがなく、サンワサプライは楽天市場にも出店していて、Amazonでも買えるので、まさに「ダイレクトショップ」「楽天」「Amazon」で価格の比較をすることができるということになります(楽天はダイレクトショップの価格・AmazonはAmazonが直接出品しているもの)。以下のデータは2020年2月7日に調べたものなので価格自体は後から見る方の参考にはなりませんが、「直売」「楽天」「Amazon」でどのくらい違うのかというものを見るにはいい例ではないかと思いますので、ここでその具体的な価格について紹介します(以下の価格は全て税込送料込です)。

・ダイレクトショップ (1)15,800円 (2)9,980円 (3)12,980円
・楽天市場      (1)15,800円 (2)在庫なし (3)13,800円
・Amazon       (1)15,790円 (2)9,980円 (3)13,800円

ちなみに、楽天もAmazonもダイレクトショップやAmazon本体の在庫がない場合は他の店舗(Amazonの場合はマーケティングプレイス)が出品していればその価格が検索した際には出てきます。こうして比較してみるとポイントについては考えない場合はやはり本家で直接購入するのが一番安く、在庫も優先的に用意されているということになるでしょうか。

ちなみに、楽天市場で欠品だった(2)の他の店舗の最安価格は14,800円とかなり高額でした。これも各店舗で値付けをする楽天の仕組みからすると仕方ないところだろうと思います。この中で注目したのはダイレクトショップと楽天・Amazonとの間に露骨な価格差があった(3)でしょう。もし楽天が一部商品の送料無料を強行した場合、4千円そこそこの価格の商品については、送料を考えるとこれくらいの価格差が普通になるかも知れないというは容易に想像できます。

この辺は宿泊のサイト経由と直接宿の提供しているサイトからの価格差という感じのように、今後はっきりと差が付いてくるような事が起こってくれば、こうした事情をわかっている人ならば、あえて楽天市場で買うよりも直接メーカーサイトから購入する方がお得に購入できる場合が出てくると思われます。こうした事が積もり積もってくる中で、やはり消費者は安くて便利なところに動くわけですので、しっかりと調べて価格差で損だと感じないような賢い消費活動を行ないたいものですね。


2020年2月現在のマスクについての様々なお話

今の社会はテレビを見なくなった人が多くなっているとは言うものの、やはりテレビニュースの影響力というのは人々の行動様式を変える力があり、すでにマスクの一般向けの販売についてはほとんど入荷せずという状況になっています。

このまま品薄が続くと、医療機関で使用するマスクや消毒用のアルコールについてまで在庫が底をついてしまう可能性があるのだそうで、自分のためでなく転売するためにマスクを買い占めるような事かあると、どうしても使わなくてはいけない所にまでマスクが行き渡らなくなってしまうので、さらに混乱が広がってしまう可能性があります。

さらに、私の所には来ていないのですが、「マスクの無料配布」というような内容のメールを送り付け、そのメールに添付されたファイルを開かせることによってウィルスはウィルスでもコンピューターウィルスの方にパソコンやスマホを感染させて、そこから個人情報を抜き出そうとする輩がネット上にはいるということです。中には、京都府山城南保健所の名を騙ったそれらしい注意喚起のメールの中にウィルスを仕込んだ添付ファイルを付けて送っているようなケースもあるようです。

こうしたメールについては、メールの内容自体は怪しいものではないので、つい開いて見てしまおうと思えてしまうわけなのですが、この場合の予防策は新型肺炎より簡単です。基本的にどんなメールでも、添付ファイルや本文中のリンクをむやみに開かないで、どうしても開かなくてはならないような文面になっていた場合は、その添付ファイルやリンクの内容を改めて調べるようにすることで、感染を防ぐことができます。

私自身は全てのメールをGmailに一元化しているので、自分の受信フォルダ(ウェブメールを利用しています)の中にはすでにウィルスチェックや、文面によるあやしいメールを排除をされて問題ないメールしか入ってこないようになっています。それでも、添付ファイルのあるメールが出てきた場合には、直接ファイルやリンクを調べることになります。

とにかく怪しいファイルをダブルクリックしないように気を付けてダウンロードし、Windowsの場合、標準装備のウィルス対策ソフトや有料で入れた対策ソフトを使ってスキャンしてもいいですし、有料のソフトにはメールソフトで受信する時に警告を出してくれるものもあります。また、そうした用意がない場合でも「オンラインウィルススキャン」とネットで検索すると、ネット上に対象ファイルをアップしてウィルス入りか安全かを調べることもできます。

さらにメール内にリンクがある場合について、そのリンクをクリックせずにメールの書き出しの部分(非リンク部分)をコピーしてそのままネット検索すると、そのメール自体が怪しいメールなのかそうでないのかが、自分で調べることもできます。怪しいメールでその内容も必要のないものだとわかれば、すぐに削除することで安全にスマホやパソコンを使うことができるようになるでしょう。

そして、今後の不安と言えば、新型肺炎だけでなくインフルエンザや花粉症の方がどうしても使いたいのにマスクが医療機関優先になってしまい、こちらの地方ではすでに花粉が飛び始めている中でマスクが使えない人が出てくるということです。

その点について、「買えないなら作ろう」という考えでマスク作りのための型紙を公開しているサイトがあります。

・無料型紙工房ことろ
https://www.cotoro.net/archives/65582745.html

上のサイトにアクセスし、作り方の説明を見ながら次のページに移動するとダウンロードできる型紙があります。サイト管理人のご好意で、自由に型紙を印刷して利用することが許可されています。もし周辺にネットを利用できない方がいる場合は、A4サイズの紙に印刷したものを渡すことについては許可を出しているとのことなので、ガーゼを利用して洗うことで使い捨てにしないマスクを自分で作るという事も考えてみていいのかも知れません。ガーゼで作ったマスクは洗って再利用が可能なので、あてのない旅をする場合には用意しておくと便利かも知れません。

とにかく、人々が困っていることに乗じてお金や情報を得ようとするような輩に心を許してしまわないように気を付けながら、マスク不足の今を乗り切るようにしたいものですね。


UQmobile専用のギガぞうプランのメリット

過去のブログで紹介したことのある公衆無線LANサービスの一つで、有料で安全性が高いWi-FiサービスであるWi2 300の提供する有料サービスの「ギガぞう スマホ専用プランを契約しました。

ちなみに私が現状で使っているWi-Fiサービスは、OCNモバイルONEに付いているWi-Fiサービスがセブン-イレブンをはじめとするポイントで安全安心なWi-Fiが使え、さらにNTT西日本エリアでは独自のDoスポットが使えるので、日常生活の中ではこれらのエリアに移動することで、LTE通信を使わなくてもほぼ無制限に動画などの利用が可能になっていたのですが、こうした運用に慣れてしまうと、使えるならLTEでの通信よりもWi-Fiでという感じになってきてしまうので、さらに利用できるスポットを広げるためにギガぞうのスマホプランの加入をずっと考えてきました。

ちなみに、全く何の関係もなくこのプランに入る際には月額182円(税抜)で税込価格が200円なのですが、auとの関係が深いUQmobile加入者には、初回有料プラン申し込み時には申込月を含めた4ヶ月間無料で利用できるだけでなく、月額も150円(税抜)の税込165円と少し安い価格で利用できます。ただ、この特典を受けるためには無料で取得できる「auID」を取得してUQmobileの利用料金と合算して支払うことが条件になっています。

気になるのが、中速の500kbpsでのオプションサービスをスタートさせたmineoとの関係ですが、今回ギガぞうの無料期間が5月末まであるので、この期間内にUQmobileのデータプランに何らかの変化があるかどうかを見る中で、せっかくだからWi-Fiのサービスも使ってみようという感じで加入してみました。

OCNモバイルONEのWi-Fiエリアとギガぞうのエリアは微妙に補完しあっているという印象で、マクドナルドやガストというようなお茶を飲んだり食事をしながらネットを利用する場合に有用な場所でギガぞうが使えたり、新幹線などの列車内でも使えるようなので、機会を見てスマホ単体での利用の他(スマホプランはスマホ一台でしか利用できません)、アプリをインストールしたスマホからBluetoothテザリングをしてのパソコンでの利用の使い勝手についても試してみたいと期待しています。

なお、エリアがかぶるところも当然ながらあるのですが、ギガぞうの方は直接接続できるのはスマホ一台だけですが、OCN モバイル ONEの方はパソコンで直接接続できる仕様になっているので、パソコンでの利用についてはあくまでOCNが使えない場所でギガぞうでのテザリングを利用するというイメージです。現在の日本の有料Wi-Fiサービスを考えた場合、私のようにOCN モバイル ONEとUQmobileを併用しているなら、Wi-Fiも一部お金を払ってでも両方加入した方がかなり高速データ容量を節約できるように思えます。

最近ではNHKの同時配信の流れを受けて、ついに民放も同時配信についての実験を始めたりして、テレビはワンセグでなくネット回線を利用して見るような流れになっていきそうな感じです。現在でも私の環境では、自宅にテレビサーバーを置き、そこ経由で日本全国どこにいてもサーバーにアクセスすれば放送が見られるようにはなっていますが、自宅の通信回線がADSLというのがネックで(^^;)、いまいち画質が悪かったり途中で止まったりします(ADSLの上り速度は極端に遅いため)。今後、Wi-Fiの繋がる所でワンセグチューナーがないスマホでもリアルタイムでテレビや動画の生配信が利用できるなら、MVNOのデータプランは最低限でもいいということになるかも知れないので、しばらくは外でWi-Fiスポットを見付けたら極力利用してみようと思っています。


海外クルーズ船で情報まで隔離されないためにラジオの活用を

コロナウイルスによる新型肺炎の広がりというのは、身近なところで具体的な感染者は出ていないので、ピンと来ない方も少なくないと思いますが、様々な報道を見るにつけ日本と他の国の対応に違いがあるということを知る中で、日本の方が他の国よりも優れている点とそうでもない点が際立ってきたような感じがしています。

例えば、オーストラリアは感染者をオーストラリア大陸から離れたクリスマス島に隔離するように留め置いて、一定の期間を経過して初めてオーストラリア大陸に入ることができるようなやり方で国内での感染を封じ込めていますが、日本政府の大変さ(島国できちんと千人以上の人間を隔離しておくための土地がない)は十分にわかるものの、勝浦のホテル三日月に武漢からのチャーター機で日本に帰ってきた人を誘導したのは良かったものの、家族でない人が一時期同部屋になるような部屋割りをされて、もしかしたら同部屋のどちらかがコロナウイルスに感染していた場合、部屋割りが原因で自分が感染するかもしれないという恐怖を与えられることになりました(現在ではそうした対応はされていないようです)。

これは完全に素人考えで、実現する可能性はないと言われることは承知の上で書きますが、今回横浜港で国内に上陸できないでいる「ダイヤモンド・プリンセス」という大型客船まさに移動する大型ホテルと言うべきものなので、もしこうした国内にある大型客船を日本政府がチャーターすることができれば、少なくとも客室の数だけの感染者と思しき人の隔離施設として利用することもできるのかも知れないと思ったりします。今回のダイヤモンド・プリンセスに残った乗船客についても、時間は相当かかっていますがきちんと検査をして陰性ならば船から降りられるわけですから、少なくとも船内の様子のみを心配すれば済みます。特に今年の東京オリンピックで海外からやってくる観光客の宿泊場所として大型客船を利用するという構想があることも聞いていますので、それなら船をチャーターするような選択肢というものを考えた危機管理体勢が取れれば良かったのにと素人の考えながら思います。

今回ダイヤモンド・プリンセスで乗客が足止めされる原因になったのは、すでに下船した乗客が新型肺炎の陽性反応を示したことで、船が横浜港から進めなくなってしまったのですが、問題なのは船内をしばらく新型肺炎にかかった人物がウロウロしていたということを、他の乗客が早い段階で知らされていなかったということでしょう。

昨日のニュースでは問題の人物はレストランでの食事は当然していたそうですし、プールで泳いでいたという事実もあったようです。船内に感染者がいて、そうした行動をすれば当然コミュニケーションを取る人もいたでしょうし、これも船内で「この乗客の事を知っている人がいたら名乗り出てください」という形でも呼び掛けて、濃厚接触した人間を絞り込むことはできなかったのかなんて考えてしまうのですが、船内に新型肺炎にかかった人物がいたという事自体を日本国内にいる家族からの連絡で初めて知ったという人もいたということですから、対応の遅れが目立っているように感じます。それでも、船の中であったことが乗客および乗務員の一斉検査という行動を可能にし、新型肺炎にかかった人とそうでない人とをより分けることはできます。その点については良かったと心から思います。

今回のダイヤモンド・プリンセスの航路は横浜から台湾・香港方面にも寄港するというものでしたが、自分の命にも関わりかねない感染者の情報を船の発表の前に自ら手に入れる手段が全くなかったかというと、そうでもありません。実際私は漠然と海外クルーズに憧れていて、あのジャパネットたかたの提供するクルーズについて羨ましいと思いつつ見ていたのですが、その前に調べなければならないことがまだあるということを今回改めて実感した思いです。それは、海の上でいかに情報をを確保するかということについてです。

情報というとやはりスマホやパソコンを使ったインターネットを連想しますが、基本的に海の上というのは携帯電話の電波というのは陸上にいる時のように使えないかも知れず、特に日本の領海を離れてしまった場合、いい気になってスマホを使っていると国際ローミングに切り替わって高額な料金を後から請求されてしまう可能性も出てくるのでそれは避けたいところです。基本的にはスマホのモバイルネットワーク通信を切っておき、船内のWi-Fiを利用するか、寄港時にその港のある国(日本および海外)のアクセスポイントを使ってのネットや電話をするかというのがいいと思います。

今回の事で改めてダイヤモンド・プリンセス船内のインターネット環境について調べてみたところ、船内では無料のWi-Fiはあるものの、その範囲は船内での連絡に利用に限定されていて、船の外部との接続はできないものなのだそうです。私達が国内で利用するようなインターネットを利用するにはツアー代金の他に有料での利用となり、その利用限度によって一日14ドルから30ドルちょっとを払うか、船内にあるインターネットカフェを利用するかどちらかになるようです。今回のような誰がかかっているかわからない感染症の場合、多くの人が殺到するであろうインターネットカフェの利用はできれば避けたいところです。今回の場合は乗船客は感染者が乗船していたことを知らされていなかったのですが、普通の人はインターネットのない生活こそクルーズの醍醐味とばかり、わざわざ毎日お金を出してインターネットにつなぎまくらなくても、クルーズ期間中くらいはネットとは離れた生活をし、船内の娯楽施設で楽しめればいいと思った方も多くいたのではないでしょうか。

そうは言っても乗客にとっては、過去にさかのぼれば感染するかどうかの瀬戸際のような状況だったわけなので、早めの乗務員の対応(乗客は各客室にこもって食事はルームサービスとか)があった方が良かったと思いますが、今回のような乗客に対する情報伝達の遅れが海外クルーズでは普通だとしたら、今後船の旅を利用するような場合は、自分である程度の情報を仕入れるための対策を用意しておく必要についても考えてしまいます。有料のインターネットサービスに入って客室内で毎日情報収集するのも良いですが、そのインターネットは船の方で提供される分コントロールすることもできてしまうように思うので、船長の判断一つで、乗客のパニックを心配するあまり情報を遮断されてしまう可能性も0ではないでしょう。

最初に書きましたが、船の中というのは外界から隔離された社会というところが良くも悪くもあるので、そんな中で船とは関係なく緊急避難的にでも情報を入手するための方法は、個人レベルで対策しなければなりません。その際、高いお金を用意して衛星電波を使った通信を利用しなくても、短波放送が聞けるラジオ一台あれば事足ります。今回のクルーズ船のルートなら日本国内のAM局でも十分だったかも知れませんが、日本の領海を離れた時のためにNHKの海外向け日本語放送であるNHK World Japanやこれは国内向けではありますが全国カバーしているラジオNIKKEIを船内でも聞けるようにしておけば、定時のニュースで日本ではどんな事が起こっているかということについてはおおまかに知ることができるようになります。必要であればラジオニュースをスマホの録音機能を使って録音し、船の乗組員に聞かせて対応を迫ることもできるでしょう。そうした情報収集をしていたら今回の場合、特にレストランで感染者と濃厚接触された方のいる可能性があるため、騒ぎになる前から安全な部屋の中で過ごすことも可能だったと思われます。

クルーズでない現地を回る海外旅行の場合、ホテルや公共施設ののWi-Fiサービスおよび、現地で利用できるSIMカードとモバイルルータを利用すればラジオがなくても情報は入手できますが、地域によってはネットがつながりにくい場所もあるかも知れません。急にクーデターが起こってネット使用不可能になることもあるかも知れません。個人的には海外旅行に行く場合もラジオはあった方がいいと思いますが、特にネット自体を船内で管理されている海外クルーズに参加されることを考えている場合には、ある程度感度のいい、さらに短波放送が受信できるラジオの用意を考えておくことがゆくゆくは身を助けることもあるかも知れませんので、一つ用意しておきましょう。私はすでにそうしたラジオは中国のものですがPL-380という機種を使えるようにしてあります。さらに、事前にネットで海外向けのNHK World Japanの放送時間(時間は世界標準時なので必ずしも現地時間とは一致しないのでご注意を)、そして放送される周波数をプリントして用意しておくことでいざという時にスムーズに海外でもNHKからの日本語放送を聞くことができるようになります。

モバイルバッテリーでも使用できるラジオ TECSUN PL-380

上のリンクは私が過去にこのラジオを紹介した時の内容ですが、今の日本ではこのラジオ以上にコストパフォーマンスのいい短波ラジオはなかなかありません。それこそ日本の家電メーカーは高性能なラジオを作ってその評価を上げたというところもあったのですが、現在のラジオというのは非常時の手回し発電ラジオのようなものが出ているものの、短波の聞ける手回しラジオというものもソニーや松下は作っていなくて、本当の意味での日本の方が海外での情報を得る最後の砦というのは中国のメーカーに任されているような感じになってしまっています。

それが時代の流れといえばそれまでですが、これはメーカーだけが悪いということではないことも確かです。日々の生活の中でテレビすらも必要ないと思っているネット依存の社会があるからこそ、ラジオというメディアは顧みられなくなってしまっているのでしょう。しかし、5Gという次世代インターネットがもてはやされる現代にあっても、ラジオしか情報源がなくなる可能性というものを今回の事で再認識したということは、私にとってはきっちりと備えるためのいい教訓だったように思います。早くこの新型肺炎の騒動は鎮静して欲しいと思いますが、デマに惑わされることなく正しい情報収集をするためにも、ネットの情報をラジオニュースで確認するなど、細心の注意をしないと行動を誤る事もあることを考えながら、万全の用意をお願いできればと思う次第です。


マスクが買えなくてもダイソーで買える感染症予防グッズ

この週末、テレビニュースを見ると全国的にマスクが買えない状況が続いているとのことだったのですが、私の住む静岡県内でも軒並み薬局やスーパーからマスクは消えていました。

たまたま、私はこんな騒動になるとはわからない中でインフルエンザ対策のために、今日本で一番安いワイヤー入りのマスクではないかと思われる、ダイソーの不織布マスクを購入していました。この騒動を受けて週末にマスクを買い足そうと思って購入店に改めて出向いたところ、まさかの売り切れになってしまっていました。30枚で税抜100円というのは破格なので、もしダイソーで見掛けたらゲットしておくことをおすすめします。ちなみに、私が購入したお店(すでに売切れ)の掲示では「一家族1個限定」ということになっていました。便乗値上げをするようなお店では買わず、こうしたお店を巡回しながらきちんと正規の買い方で安くて使えるマスクを購入することをおすすめします。

ただ、ヨーロッパではマスクを付けて外に出ているというのは、インフルエンザをはじめとする感染症にかかっている人という風に見られるので、マスクを予防のために付けるということの効果についても疑問が持たれているところもあります。もし出掛けた先のどこでもマスクが購入できなかったとしても、別の対策グッズを購入して新型肺炎に備えるのもいいと思います。

まず、私の場合マスクより効果があるかもと思ったのは、本来外で花粉を付けないように工夫されている税抜100円の「花粉メガネ」です。写真で見た通り、フレームが厚くなっていて顔にフィットすることで直接花粉が目の粘膜から入りにくくなっています。もちろん、新型肺炎のコロナウィルスはマスクをしていてもその小さな穴を抜けて入ってくるほど小さいので、直接保菌者から飛沫を飛ばされた場合はマスクをしていても絶対ということはありません。そんな中で、一番の自分でできる予防方法は「徹底的な手洗い」と「菌が付いているかも知れない手で体の粘膜を触らない(口・鼻・目)」ということです。

手洗いについては特に食事の前に念入りに行なって、口から原因菌が入らないようにするようにする事で感染症の発生を抑える効果が期待できるでしょう。ただ、原因菌が体に入る可能性は他にもあって、それは個人的な行動に関係するのですが、私の場合などはわかっていてもつい手を洗っていない状態で顔や目の近くに手が行ってしまう事があります。さすがに鼻はほじらないですが(^^;)、最近は黄砂や花粉が飛ぶような日には目の回りが気になってつい手で直接触れてしまうということもあります。ちなみに、私自身は花粉症の症状は出ていませんが、やはり花粉が多い時にはそうでない時との差に気付く感じですね。

この花粉メガネをしていれば、そうした目への違和感を感じることを防ぐことができ、目の回りを触るかわりにメガネのフレームに触って周辺の違和感を解消することもできます。その際、直接自分の手が顔に触れることはないので、その点でも安全です。

最後にもう一つ、外出時にどうしても手が洗えないような状況に備えるためのアルコール消毒ができるグッズを探していて、写真の「アルコール消毒綿」(税抜100円)を見付けました。モノは4センチ四方のサイズの綿にエタノールが主成分の薬液が付いているもので、14包あります。体の粘膜や傷の部分に使うことはできませんが、手洗いもできず、さらに液体のアルコールも近くに見付からない場合に使うことができます。さらに、液体のアルコールと違い、スマホなどの物を拭くことで普段使いの中でよく触れるため、様々な菌がついているかも知れない物をアルコール消毒できるというメリットも有るのではないかと思います。

このように、マスクがなくても意外と感染症予防に有効なグッズが100円ショップを改めて見直せば色々あるので、今回紹介したダイソーでないお店でも同様の商品が置いてあるかも知れません。色々探して自分的に使えそうなグッズを発見してみるのもいいのではないでしょうか。


mineoのデータをうまく使うには「複数回線持ち」という方法も

先日紹介したMVNOのmineoでは月350円のオプション料金で低速時の最大値を200kbpsから500kbpsに上げるサービスを発表しましたが、もう一つ興味深い新サービスがあります。それが「ゆずるね。」という2020年3月23日から開始されるものです。

現在、どのMVNOでも利用ピークの時間には速度の低下が起きるようになっています。この傾向を回線の増強で解決するのは簡単ですがお金がかかります。mineoでは、一番速度が遅くなるお昼の12時から13時の間にネット利用を制限するとアプリのボタンを押して「宣言」した場合、その間のデータ通信がmineoの想定したデータ量より少なかった場合に宣言が達成されたということになります。この宣言達成が月間で何回できたかによって翌月に様々なサービスが受けられるというのです。毎日スマホでボタンを押す手間を掛けても、魅力的な条件というのは以下の通りです。

・5回達成 100MBの追加クーポン
・10回達成 23時~7時の間データフリー利用可
・15回達成 200MBの追加クーポン
・20回達成 プレミアム1DAYパス(24時間使い放題)獲得

20回達成すれば全ての特典を翌月利用することができるようになります。問題なのはどのくらいのデータ消費だと達成になるかということですが、1MBだったら確実、数MBでも可能性ありということだそうです。ただまだ運用が開始されていないので、サービスが開始された後にはそうしたデータが集まってくると思います。

個人的にこの中で興味があるのは月10回達成で得られる夜間に限っての使い放題です。旅行に車で出掛ける際には深夜にあえて車を運転して距離をかせぐことが少なくないので、その際Wi-Fiを用意しなくても高速ネットが深夜から早朝にかけて使えるというのは魅力的です。ただその代わり、学校や会社へ行っている方は授業や仕事中には使えないスマホを使いたいのを我慢しなければならないわけなので、月の3分の1は朝に学校や仕事になったら夕方まではメールやSNSでの確認ができなくなってしまいます。

だからこその特典なのですが、お昼の通信も行ないつつ宣言を達成する方法があります。それは単純な話、もう一回線のMVNOを契約してお昼にはもう一つの回線を使うというものです。最近のスマホには2枚のSIMカードを使えるものもありますし、安いSIMフリースマホでテザリングするか、モバイルルーターを使えば、お昼にはmineoのSIMカードを使わない設定にし、他の端末からのテザリングでネットすればメインスマホでもう一回線の通信を使うことが可能です。

例えば、mineoで一番安い月間500MB/700円のプランに低速最大500kbpsのオプションを付けても税抜1,050円で済みます。これに月間3GBでアプリによる高速と低速の切り替えができ、月間1,000円前後のSIMと併用しても、純粋にデータ利用にかかるコストは月間2,000円ちょっとになります。極端な話、お昼の一時間だけは月間3GBの高速クーポンを取り崩すように使い、それ以外の時間はmineoの最大500kbpsの速度で通信し、深夜にさらに高速で使うという時間によってサービスを使い分けることにより、低コストで最大限の効果を得られるようになります。宣言を月10回以上達成し深夜クーポンを獲得した上で、深夜にダウンロードしまくる人が多く出てくると、帯域が圧迫され深夜の通信速度が低下する可能性を指摘する方もいますが、逆にそうしたユーザーの利用の裏をかくぐらいのことまでやる気なら、それなりのメリットも得られるのではないでしょうか。

当初から深夜のネット接続をせずに早く寝て、サービスの終わる午前7時よりかなり前に起床し、早朝にスマホ利用のピークを持っていくのです(^^)。好みの動画を見まくるような事をしても、生活自体はメリハリのある早寝早起きという健康的な生活に変えるという事で、「早起きは三文の徳」を実践するのもいいのではないでしょうか。最近のTVerのラインナップを見ていると、深夜放送の多くが見逃し配信されているので、深夜から早朝へとネット視聴の時間をずらして快適に楽しむというのが個人的なおすすめの使い方です。

もちろん、わざわざ2回線にせずmineoの回線だけでも我慢すればこれらの特典は得られますが、やはりみんなが使っている昼間に使えないというのは辛いと思いますし、mineo自体の通信スピードがかなり遅くなった場合に備えてのバックアップ回線としても使えるというのはポイント大です。できれば、mineoで契約した回線とは違うキャリアを借りた回線で利用すれば、一つのキャリア自体がトラブルになった時も代替回線として使えるかも知れません。

ただここまで書いたことはまだ実勢速度も何も確認しないで書いている机上の空論でもあるので、最大500kbpsのお昼以外の実行速度の評価がないうちは先走って契約すると後悔する可能性もなくはありません。具体的には2020年3月から4月くらいにかけて口コミや実測のデータを分析し、この方法が本当に使えるのかという判断ができるのではないかと期待しています。


2020年2月からガソリン携行缶への給油が変わる

世の中で、今まで普通に使えていたものが、少しの不心得者がいるために使えなくなってしまうことがあります。ネットのヘビーユーザーの事ではありません(^^;)。かつては家で手軽に温泉気分を味わうことのできた液体の入浴剤「ムトウハップ」「草津温泉ハップ」が販売できなくなり、用法を守って正しく使っていた人と製品を作っていた会社が大損害を受けました。

この2月から本格的に変わったことに、表題にもあるガソリンを専用の携行缶に入れて販売する事に規制がかかることになりました。その原因は、多くの方がご存知のように、携行缶にガソリンを入れて建物ごと燃やしてしまった京都の事件の影響を受けての事なのですが、今後車に入れるのには変わらないのですが、ガソリンスタンドに行って携行缶にガソリンを入れる場合には以下の事が必要になるそうです。

・身元の確認(運転免許証や写真付身分証明書)
・住所と氏名の記録
・ガソリンの使用目的の記録
・購入したガソリンの量の記録

以上の記録を台帳に1年間を目安に保存するようになっているそうです。もし一連の手続きを拒否した場合は、警察への通報もされる可能性があります。もちろん、専用の携行缶以外へ入れるような事もできなくなります。

車での旅行の場合はわざわざ携行缶を用意するほどの事はないと思うのですが、車やバイクでの移動を伴わないでガソリンを買う必要のある方は色々大変になると思います。思いつくままに書くと、草刈り機などの農作業用の機械に使う場合、発電機を動かす場合、キャンプ用のガソリンストーブを使用するような場合です。ガソリンスタンドに用がある方について、運転免許証を持っていない人はいないかも知れませんが、自転車で少量のガソリンを買いに行っていた人については常に免許証や身分証明書を携帯していなければなりません。ガソリンスタンドの方もなあなあで済ますわけにはいかないので、毎回きちんとした手続きが必要になるのでその点は忘れないようにしましょう。

さらに個人的な懸念があります。一部のガソリンスタンドが個人情報の管理をいやがるあまり、携行缶持参の利用者を断るようなケースも考えられなくもないということです。最近は無人タイプのセルフスタンドが増えてきましたが、その種の店では店員がいないという理由で携行缶への給油はできないようになっているので、有人のお店でも携行缶への給油ができない地域とかがあると、キャンプ用にガソリン発電機を使っていて予定の量を使い切ってしまった後に困ることもあるかも知れませんし、災害時に停電が起こったような場合に、それこそトラブルの種になる可能性もあります。

現在の自動車の燃料は、まだまだガソリンが主流であるので、こうした規制を取るようになったと思いますが、現状の規制によって同様の事件を発生させないようにする事は難しいことも確かです。せめてもう少し電気自動車が普及してからこうした規制をして社会的に車の燃料をガソリンから電気にシフトするような形だったら良かったのですが、こうした規制のために別のトラブルが起こるような事のないように関係各所の方にはお願いしたいところです。


オリンピックの卓球はむしろ4年後の方が楽しみが多い

今後の新型肺炎の日本での状況を考えると、休みでもなかなか出掛けられないような事が考えられます。出掛けたいのはやまやまですが、あえて感染症にかかる可能性がある場所には行かず、おとなしくテレビやネットで楽しい事を見ていこうと、今はライブ配信のスポーツに注目しています。

今年の東京オリンピック種目の中で、活躍が期待される種目の中で、少々期待値が上がり過ぎだと思えるのが男女の卓球です。同じ個人競技でもバトミントンは桃田選手の怪我の具合が心配ですが、金メダルを獲る可能性が高いと踏んでいますが、卓球の場合は団体では女子は銀止まり、男子はメダルが穫れるかどうかははっきりと断言できないような状況なのではないかという気がします。

個人戦もやはり中国の壁は厚く、個人ではメダルが獲れれば十分頑張ったと評価してもいいくらいの差が世界トップとはあるように思います。しかし、オリンピックは4年に一度のことですし、何かのアクシデントや確変が起こってあれよあれよという間に頂点に上り詰めてしまうような事も競技は違いますが、バルセロナオリンピックの岩崎恭子選手のようなヒーロー・ヒロインが出てこないとも限らないので、何かの競技ではそういった嬉しいサプライズを期待しながらオリンピックを見ようと思っています。

出場選手の選考が結果を分けることになるのですが、最近では卓球に限らず多くの競技ではオリンピック出場選考に「世界ランキング」の数字を採用しており、公平な選考であることは間違いないのですが、これが恐らく大舞台での「番狂わせ」を起きにくくしているのではないかと思いますね。

今回女子団体戦の代表になった平野美宇選手は全日本でも早々敗退し、先日行なわれたドイツオープンでも中国人選手に敗れ、東京オリンピック本番に不安を持っている人も少なくないかも知れません。しかし彼女は多くの国際試合に出場したことでランキングは上げたものの、中国をはじめとした各国の選手に研究しつくされており、それがプレッシャーになっているかのようです。その殻をいかに打ち破るかということが平野選手にとってオリンピックまでの課題でしょうが、現在国内でランキングトップの伊藤美誠選手より早くブレークしてしまったことが、現在の彼女を苦しめているとも思えます。

平野選手がブレークしたのは、それまでのつないで相手のミスを待つようなプレースタイルを、ハリケーンと称された圧倒的な攻撃スタイルに変え、当時の中国選手を凌駕するほどのピッチの早さによって、東アジア選手権個人戦で当時の中国の世界トップを次々に撃破したのですが、そうしたスタイルの急激な変化を相手に悟られない状況というのは、オリンピックではあまり考えられません。

というのも、卓球に限らずオリンピックの出場を目指す選手は世界ランキングを獲得するために世界各地を転戦し、多くの国際試合に出場して結果を残す必要があります。当然、多くの国際試合に出ていればそのプレースタイルは研究・対策され、同じ事をしてもなかなか勝てなくなってしまいます。手の内を見せたくないと思っていても、それで世界ランキングが上がらなければオリンピックに出場できませんし、無理をして試合に出場して怪我をしてしまうような事も起こるかも知れません。

冷静に今の日本と中国チームの総合力を比べると、やはり中国チームの強さが際立つわけで、その差を半年で一気に埋めることは困難です。国内トップの伊藤美誠選手や張本智和選手はもう練習の様子をマスコミに公開しないで対中国の隠し玉のような技術や戦術をじっくりと仕上げて欲しいと思いますが、東京オリンピック以降で今後の展望ということを考えると、そこまで悲観的な考えは持っていません。

先日の全日本卓球選手権で私が一番すごいと思ったのは、男女個人で優勝した宇田幸矢選手と早田ひな選手よりも、男子の準決勝で張本選手に惜敗した戸上隼輔選手でした。戸上選手は体幹を小さい頃から相当鍛えていたのだそうで、現在でもかなり体勢が崩れても強いボールを打てるだけの身体能力があり、利き手と反対側で打つバックハンドの威力がすごいことも魅力です。彼は予選を勝ち抜き、ドイツオープン1回戦で世界ランキング1位の中国・樊振東選手と当たったのですが、何もできずに負けると思っていたら、敗れたものの1セットを取ったという結果に素直に驚きました。今後さらなるトレーニングを行なって体ができてくれば、張本選手以上に中国の脅威になると思います。さらに厄介なのはボール自体の威力がすごいので、全日本で張本選手に敗れる原因となった小さく止める技術をものにし、そこからとにかく自分の有利な状況で強く打ち込めるようにしていけば、ある意味奇をてらうような事をしなくても、中国を力で粉砕できる可能性を秘めている選手だと思います。彼にはぜひ東京の次のオリンピックでは世界ランク1位を目指して精進してもらいたいです。

そんなわけで、先日の全日本選手権を見て、ついに日本の対中国の取り組みもここまで来たかという風に素直に思えました。女子でも世界ジュニアで決勝で対戦した長﨑美柚選手と小塩遥菜選手が同年代の中国選手を撃破していますし、今回の東京の次以降のオリンピックの方が楽しみなぐらいで、今後も卓球の試合を見る楽しみは続くだろうと思います。今回のオリンピックの期待はその分少ないですが、でも半年の間にできることはたくさんあるだろうと思うので、出場する選手の奮起を期待しつつ、本番を楽しみにしたいですね(^^;)。