オリンピックの卓球はむしろ4年後の方が楽しみが多い

今後の新型肺炎の日本での状況を考えると、休みでもなかなか出掛けられないような事が考えられます。出掛けたいのはやまやまですが、あえて感染症にかかる可能性がある場所には行かず、おとなしくテレビやネットで楽しい事を見ていこうと、今はライブ配信のスポーツに注目しています。

今年の東京オリンピック種目の中で、活躍が期待される種目の中で、少々期待値が上がり過ぎだと思えるのが男女の卓球です。同じ個人競技でもバトミントンは桃田選手の怪我の具合が心配ですが、金メダルを獲る可能性が高いと踏んでいますが、卓球の場合は団体では女子は銀止まり、男子はメダルが穫れるかどうかははっきりと断言できないような状況なのではないかという気がします。

個人戦もやはり中国の壁は厚く、個人ではメダルが獲れれば十分頑張ったと評価してもいいくらいの差が世界トップとはあるように思います。しかし、オリンピックは4年に一度のことですし、何かのアクシデントや確変が起こってあれよあれよという間に頂点に上り詰めてしまうような事も競技は違いますが、バルセロナオリンピックの岩崎恭子選手のようなヒーロー・ヒロインが出てこないとも限らないので、何かの競技ではそういった嬉しいサプライズを期待しながらオリンピックを見ようと思っています。

出場選手の選考が結果を分けることになるのですが、最近では卓球に限らず多くの競技ではオリンピック出場選考に「世界ランキング」の数字を採用しており、公平な選考であることは間違いないのですが、これが恐らく大舞台での「番狂わせ」を起きにくくしているのではないかと思いますね。

今回女子団体戦の代表になった平野美宇選手は全日本でも早々敗退し、先日行なわれたドイツオープンでも中国人選手に敗れ、東京オリンピック本番に不安を持っている人も少なくないかも知れません。しかし彼女は多くの国際試合に出場したことでランキングは上げたものの、中国をはじめとした各国の選手に研究しつくされており、それがプレッシャーになっているかのようです。その殻をいかに打ち破るかということが平野選手にとってオリンピックまでの課題でしょうが、現在国内でランキングトップの伊藤美誠選手より早くブレークしてしまったことが、現在の彼女を苦しめているとも思えます。

平野選手がブレークしたのは、それまでのつないで相手のミスを待つようなプレースタイルを、ハリケーンと称された圧倒的な攻撃スタイルに変え、当時の中国選手を凌駕するほどのピッチの早さによって、東アジア選手権個人戦で当時の中国の世界トップを次々に撃破したのですが、そうしたスタイルの急激な変化を相手に悟られない状況というのは、オリンピックではあまり考えられません。

というのも、卓球に限らずオリンピックの出場を目指す選手は世界ランキングを獲得するために世界各地を転戦し、多くの国際試合に出場して結果を残す必要があります。当然、多くの国際試合に出ていればそのプレースタイルは研究・対策され、同じ事をしてもなかなか勝てなくなってしまいます。手の内を見せたくないと思っていても、それで世界ランキングが上がらなければオリンピックに出場できませんし、無理をして試合に出場して怪我をしてしまうような事も起こるかも知れません。

冷静に今の日本と中国チームの総合力を比べると、やはり中国チームの強さが際立つわけで、その差を半年で一気に埋めることは困難です。国内トップの伊藤美誠選手や張本智和選手はもう練習の様子をマスコミに公開しないで対中国の隠し玉のような技術や戦術をじっくりと仕上げて欲しいと思いますが、東京オリンピック以降で今後の展望ということを考えると、そこまで悲観的な考えは持っていません。

先日の全日本卓球選手権で私が一番すごいと思ったのは、男女個人で優勝した宇田幸矢選手と早田ひな選手よりも、男子の準決勝で張本選手に惜敗した戸上隼輔選手でした。戸上選手は体幹を小さい頃から相当鍛えていたのだそうで、現在でもかなり体勢が崩れても強いボールを打てるだけの身体能力があり、利き手と反対側で打つバックハンドの威力がすごいことも魅力です。彼は予選を勝ち抜き、ドイツオープン1回戦で世界ランキング1位の中国・樊振東選手と当たったのですが、何もできずに負けると思っていたら、敗れたものの1セットを取ったという結果に素直に驚きました。今後さらなるトレーニングを行なって体ができてくれば、張本選手以上に中国の脅威になると思います。さらに厄介なのはボール自体の威力がすごいので、全日本で張本選手に敗れる原因となった小さく止める技術をものにし、そこからとにかく自分の有利な状況で強く打ち込めるようにしていけば、ある意味奇をてらうような事をしなくても、中国を力で粉砕できる可能性を秘めている選手だと思います。彼にはぜひ東京の次のオリンピックでは世界ランク1位を目指して精進してもらいたいです。

そんなわけで、先日の全日本選手権を見て、ついに日本の対中国の取り組みもここまで来たかという風に素直に思えました。女子でも世界ジュニアで決勝で対戦した長﨑美柚選手と小塩遥菜選手が同年代の中国選手を撃破していますし、今回の東京の次以降のオリンピックの方が楽しみなぐらいで、今後も卓球の試合を見る楽しみは続くだろうと思います。今回のオリンピックの期待はその分少ないですが、でも半年の間にできることはたくさんあるだろうと思うので、出場する選手の奮起を期待しつつ、本番を楽しみにしたいですね(^^;)。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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