月別アーカイブ: 2019年10月

モバイル運用が当り前になった社会を支える電池の進化

2019年のノーベル化学賞は、吉野彰氏のリチウムイオン電池についての研究に与えられることになりました。毎年のように候補に挙がっているという点では、もはやいつノーベル賞になるかということが注目されていたようなところがありましたが、人間というのは寿命もありますし突然の事故ということもあります。ご本人が研究を行なっていた企業に関わっている中で受賞できたことは、ご本人にとっても企業にとっても大いなる喜びだったのではないでしょうか。吉野氏の開発した技術をパソコンやスマホのモバイル運用で活用させていただいている身として、心より祝福の言葉を送らせていただきたいと思います。

私が初めてパソコンを購入したのは外に持ち出さないデスクトップパソコンでしたが、二台目のパソコンとして私が選んだのは、当時はまだ大きくて重かったノートパソコンでした。その電池は当時はまだリチウムイオン電池がなかったので、大きくて重いわりに長時間使えなかったので予備電池を用意しなければならなかったニッケル水素電池がノートパソコン用の電池でした。

デジタルカメラもまだ単三のアルカリ電池を使って電池を使いすてる機種が主だった時代で、これもニッケル水素電池の単三型の充電池を使うことで使いすての利用からは脱却できたものの、当時のニッケル水素電池は長期間の保存をしていると放電してしまうので、常に充電状態を把握しておかないと、新しく充電した電池を入れたのにすぐ電源が落ちて全く使えないような旅先での悲劇も経験したことがあります。また、電池の特性上アルカリ電池では1.5Vある電圧が1.2Vしか出ないため、動作が不安定になることもあったのかも知れません。

こうした不便さを一気に解消したのがリチウムイオン電池で、小型化と大容量化(高電圧化も)、継ぎ足し充電ができる(ニッケル水素電池は昔は継ぎ足し充電をするとメモリー効果で本来の容量よりも利用できる時間が少なくなる問題をかかえていたのです)というメリットは、モバイルでの電子機器の利用を便利にしてくれました。

さらに、スマホの薄型化にも電池の進化は一役買い、さらにモバイルバッテリーの一般化がなっていく中て、様々な電子機器をモバイルバッテリーで充電することができるようになったことで、旅行の時だけでなく、災害に備えるという点でも生活を変えてくれました。

車中泊用に以前購入したポータブルバッテリーは、車のバッテリーと同じ鉛蓄電池を使っていたものを当初は使っていたので大きく重く、充電するにも時間がかかっていたのですが、先日購入したACコンセントのあるポータブルバッテリーはリチウムイオン電池搭載で小さく軽くなり、さらにソーラーパネルからの充電も可能なので、もしこの文章を書いている時点で日本に接近している台風で自宅が長期停電になったとしても、台風が通り過ぎて晴れればその日の夜に使う電気を自分で発電して貯めて使うことができるという、ちょっと前なら考えられないような便利な事になっています。

現状でもう少しお金を掛ければ家全体の電気をまかなうくらいの容量のあるリチウムイオン電池を設置し、自宅の屋根にソーラーパネルを付けることで何もしなくても太陽から自分の家で使う電気を供給することもできるようになりました。電気自動車に備えられた電池で自宅での生活をまかなうシステムもすでにできていますし、こうした状況は吉野氏が今回評価を受けた研究によってなされたことだということを改めて考えると、やはりもっと早くノーベル賞を受賞しても良かったのではないかなと思います。

将来的にはさらに大容量で、充電も早く爆発の危険のないスーパーキャパシタや全固体電池など、現代の研究者がしのぎを削って新たな電池の開発に邁進されていますが、今回の吉野氏の受賞はこうした次世代の電池を研究されている方にとっても励みになるでしょう。

電池の進化というのは世界のエネルギー問題を劇的に解決する可能性を秘めています。太陽光や風力など自然の力を使った発電がいまいち日本で普及しないのは、発電した電力をためておくことができないため、常に発電所を動かし、さらに遠くに送電することでの発電ロスをも考えた上で運転をしているためどうしても安定して動かすことのできる火力発電や原子力発電に依存してしまうところがあるように思います。

もし大容量の電力を貯められる新たな電池が開発されれば、家庭で使うくらいの電力なら十分にまかなえるくらいになるでしょうし、電池自体をコンテナに積んで運ぶことで、日中の晴れ間しか発電できない太陽光発電でも、パネルで発電した電気を少ないロスのみで利用することができるようになるのではないでしょうか。

これから電気自動車が普及していくかは、リチウムイオン電池の次の電池が担っているとも言えます。現在地道な研究を続けている方々には、こちらからは応援するしかできませんが、今来ている台風の生む原因とも考えられる地球温暖化を止めるためにも、新たな電池の開発を心からお願いしたいと思います。


台風への対策とともに考えておきたい不気味な地震の兆候

当初、日本列島に上陸するといっても、西日本が直撃という感じだった2019年の台風19号は、10月9日現在10月12日から13日あたりにかけて、静岡県から関東地方に上陸する可能性が高くなってきました。台風の動きは予報通りにはいかないとしても、台風という災害はその規模とスピードを解析することにより、現状では日本の関西・四国・東海・関東という広い範囲で大きな被害を地域に残しながら進むような感じなので、台風に対する対策というものを考えておく必要があります。

今回の台風は勢力が強く、風もかなり強い状態で上陸する可能性が高いということで、もし先日の台風で大きな被害が起きた場所が再度その風を受けてしまうような事になったら本当に大変ですし、そうでなくても私の住む場所を含むどこかが台風による大きな被害を受けることは間違いないと思うので、各々が最悪の状況になることを考えながら、準備をすることが大事だと思います。

基本的には野外に風で飛びそうなものを放置しない(重ければ重いほど風の勢いで飛べば無防備な人を直撃して人的・物的被害を生み出す恐れがあります)ということがまず第一ですが、あと大事なのは、余分な下準備をして生命を危険にさらさないということです。

雪国の方なら十分おわかりのことだと思いますが、屋根に上って作業をする場合は、十分に安全を確保してから行なわないと、命綱もない中で高所から転落したらかなり危険です。それほど高くない場所での作業でも、インターネットで調べるとまさかと思うような状況でさえ、転落して命を落とした事例があるのです。

例えば、高さ約60cmの脚立に乗って作業をしていて、仰向けに転落したことで死亡事故につながったこともあるそうです(その際、ヘルメットや保安帽の着用はなかったそうです)。台風に備えて窓に板を打ち付けるために脚立に登って作業をするような事もあるかとは思いますが、バランスを崩したりそれこそ強い風にあおられることで仰向けにひっくり返るような事は無いとは言えません。さらに中高年の方々の場合は、自分の頭の中では転倒や転落を避けることはたやすいと思っていても、体が付いていかずに自分の意志とは違った転び方をすることで体にダメージが出てしまうこともあります。できれば脚立を使った作業は補助してくれる家族などがいる時に、ヘルメットを着用の上行なうようにしましょう。

そして、屋根が飛ばされてしまってはどうしようもありませんが、現実に起こりそうなのが停電です。特にオール電化の家では調理すらもできなくなってしまいます。通信については基地局は補助バッテリーがあるのですぐ切れるわけではありませんが、せめて明かりとテレビ・ラジオの情報の入手(テレビはスマホのワンセグが利用できます)ができるくらい、モバイルバッテリーの充電や電池(エネループなどの充電池含む)の用意をしておくことは基本ですが、さらに飲料水のストックをした上で簡単に調理ができるカセットコンロの用意などをしておきましょう。

食事は冷凍食品よりもお湯があれば食べられるインスタント食品や、米を炊いて缶詰を食べるような方向で考えた方がいいでしょう。お米は常に電気炊飯器で炊いている方も、カセットコンロを使い鍋で炊く方法を解説しているキャンプを楽しむ人のページもありますので、事前にそうした鍋での炊飯の仕方をプリントアウトして用意しておくというのも立派な災害対策の一つだと言えるでしょう。

そんな風に、台風の脅威を前にして生命の危険を避けるためには無駄な外出をしないで物資を整えた家の中から出ないということでほとんどの方は大丈夫だと思うのですが、昨日ちょっと気になることがありました。それは、東京23区で震度3を記録した直下型の地震が起きたことです。

日本で地震と言うと、東日本大震災の震源となる三陸沖や、東南海大地震の太平洋プレートが揺れる地震、さらには熊本や北海道で起こった地震の事が思い出されます。しかし、過去の日本では首都圏の直下が震源となった「関東大震災」がありました。現在でも首都圏を震源とする直下型地震は起こるのか? という話はあり、政府は東京都、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県を含む南関東地域のどこかを震源として起こるマグニチュード7クラスの大規模地震が『30年以内に70%』の確率で起こるのではないかという風に警鐘を鳴らしています。

昨日の夕方に起きた地震はマグニチュード3.5の震度3ということで大規模ではないものの、ラグビーワールドカップ開催中に起こったものだけに、それほど大きな地震でなくても海外からのお客さんが驚いてパニックになったらどうするのかというようなことも頭をよぎります。ラグビーの台風対策は、場所を台風の影響のないスタジアムに移して無観客試合というものがあるそうですが、今年と来年はイベント開催時に地震が起こったらどうするのかということも考えておかないとまずいような気がしてなりません。


スマホのカメラが高性能になると気を付ける点も増える

最新のiPhoneのカメラ機能はどんどんデジタルカメラに近づいていて、ズームレンズが機能上付けられないという所はあるのですが、そこを強引に画角が違うレンズを3つ付けています。つまり、単焦点のレンズ3本を付け替えて撮影するのと同じようなハードが搭載されており、本体にはアプリを利用すれば画像の編集・加工ができますし、さらにGPS情報を付けることで撮影場所を後から特定できます。そして元々電話として作られたものであるので、撮った写真をすぐに誰かに送ったりSNS上にアップすることができるようになっています。

本当にこんなものが一般化したおかげでコンパクトデジカメを好んで購入しようとする人はいなくなり、日本というより世界のコンパクトデジカメ市場の様相が変わってしまったわけですが、こうした一般の人が普通にスマホで写真を撮りそれをネットにアップするようなことが普通になったことで、新たな問題が起こっています。

こうしたことは十分承知な方もいるとは思いますが、昨日、夕方のテレビニュースでとあるアイドルがSNSにアップした写真を解析されて住所を特定されたという実際の事件を紹介しながら写真のアップロードをする場合に注意する点について報道していたのですが、なかなかそういう事を全てクリアにして問題を回避することは大変です。

というのも、最新の注意をして周りの風景や場所を特定させるような建物や標識を排除して撮影されたもののようでしたが、その写真で住所を特定するために解析されたものは、そのアイドルの「瞳」に映った建物の画像だったのです。そのアイドルの方は、スマホで撮った画像をフルサイズのままアップしてしまったようで、普通に等倍で見れば瞳に何が映っているかはわかりませんが、スマホといっても一昔前のiPhoneSEでも1,200万画素もあります。

この画素数をフルに使って撮った写真を拡大すると、瞳に映ったわずかな画像であっても、その場所がだいたいどこかを特定する建物を認識できるだけの情報になってしまったのでした。実際はその写真からそのアイドルの最寄駅(写真説明から自宅の最寄り駅であることはわかっていたそう)を特定し、その駅前を張っていたところ本人が現われたので尾行して住居を突き止めたということなのだそうです。さらに、これは少し前に話題になった話ですが、手のひらを正面にして撮った写真をアップすると、指の指紋を拡大し解析されて指紋認証システムを騙してしまうという手法についても同じような危険だと言えるでしょう。

普通の人ならいくら好きだと言っても(逆に好きならこそ止めるべきですが)連日他の事もしないで画像を解析し、ストーカー行為をすることはありませんが、今の世の中では別にアイドルや有名人でなくても、たった一枚のネットにアップされた写真から自宅がばれてしまう可能性は十分にあることをまずは認識すべきだということです。

日々SNSに写真をアップすることが普通になっている方は、まずは自宅のそばで撮った写真をアップしないようにするというのがテレビでの対策として放送されていたのですが、もう一つの注意点は、スマホで撮った写真をそのままアップしないで小さくてもウェブ上では十分にわかるくらいまで写真のサイズを縮小してからアップするということも大事です。そしてもちろん、スマホカメラの設定で、GPSを「切」にしてから撮影するということも撮った場所を簡単に特定させないためにも注意して設定を考えるべきです。

私の場合は、スマホの写真を直接アップすることはまずありません。スマホで撮影した写真はGoogle Photoに自動的にアップロードされる設定にしているのですが、実際にこのブログで紹介する写真は、そうしてパソコン上でも共有したスマホ撮影の写真をいったんダウンロードして、その画像をリサイズするだけでなく、あらゆる画像ファイルに記録されている詳細な情報をパソコンの画像閲覧・加工ソフトの「irfan View」(Windows用のフリーソフト)とそのプラグインセットをインストールすることで利用できるようになる「Web用に最適化する」というメニューからリサイズとGPS情報を含む様々な画像ファイルに残ったデータを消したものをアップしています。

さらに「irfan View」には「画像効果」を付ける機能もあり、一部名前を出したり顔を出したりしたらまずそうなものが写っていたときのために「モザイク」で直接その物を覆うことで問題のない写真としてアップすることもあります。もともと、スマホで文章を書くよりもパソコンのキーボードで書いた方が早いし正確なので、画像についてもいったんパソコンで加工してアップすることを徹底しています。

そうした事はブログだからできることなのかも知れませんが、スマホの写真を直接アップする場合、安全ということを徹底するなら、アプリが使えこなせないなら一枚はカメラアプリの設定で「640×480」(ケイタイメールサイズという名称で出てくる場合もあり)のサイズ設定があればその最少サイズで撮り、そちらの方をアップするようにするというような一手間を掛けることも大事だと思います。もちろん、撮影時に自宅のそばを避けることも大切ですし、地域が特定できる建物は写り込まないような撮影をし、さらにあからさまに他人が写り込まないように気を付けるなど、自分で楽しむための写真と、ネットにアップする写真とを分けて考えることがこれからは必要になってくるのではないでしょうか。


静岡県・由比港の桜えび水揚げの推移と「浜のかきあげや」の営業情報

昨年から漁獲量が激減したことで深刻な問題になっていた静岡県由比港の桜えびですが、一定の禁漁の効果が出たのか、状況に変化がありました。2019年10月5日(土)におよそ1年振りに営業を再開したのが由比港内にある「浜のかきあげや」でした。桜えびのかき揚げそばや生桜えびの丼などを売り、県内外から多くの観光客を呼んでいたのですが、今年は例年5月の連休に行なう「桜えびまつり」も中止になってしまっていました。

5日の営業再開日には新聞報道によると、約500人が訪れたということですが、気になるのは今後の営業はどうなるのかということでしょう。

基本的には桜えびの漁獲高が劇的に増えたわけではないのですが、このままお店を閉め続けることになると、人の流れが消えてしまうという危機感をお店や漁協の方々は持っていたそうで、2019年中は、土曜・日曜・祝日のみ営業し桜えびのかき揚げや生桜えびやしらすが乗った丼の提供を行なうということです。

2020年の営業については現状では未定ということですが、これも桜えび漁の漁獲高が上がるかどうかによるところが大きいようです。この「浜のかきあげや」は旧東海道からだけでなく、国道一号線バイパスから車で入ることもできますし、JR由比駅から徒歩で十分に行ける距離にあるので(過去に行った「桜えびまつり」では車で行くと大変なことになりそうだったので電車で行きましたので確かです(^^))、興味のある方は、ぜひ平日以外の日に静岡を通った際には立ち寄っていただけると嬉しいです。

桜えびの動向については地元の新聞にその原因などについての論考が載っているのですが、海水温の上昇によって桜えびの生息域が動いてしまったという話もあるそうです。そうなると由比港が唯一桜えびが食べられる場所ではなくなってしまうという可能性もあるわけですが、水揚げが戻りさらに現地に活気が訪れることを期待しながら、桜えびの情報にはこちらも気を付けていたいと思っています。


ナルゲン(nalgene)Kitchen広口0.5Lボトル

昨日のエントリーを書きながらネットでナルゲンの方の0.5Lボトルを注文し、翌日にはもう届いていました。これでラグビーワールドカップのスタジアムに自宅から水を持って行けるようになりました。

やはり新しいということははいいもので、さらに透明なボトルということで光っているように思えます。普通の水の入ったペットボトル(500ml)と並べてみましたが、大きさ的にはほとんど変わらないものの、厚手のプラ容器ということで相当頑丈であるという感じがします。

サイズは一般的な登山用のナルゲンボトル(0.5L)と同じで、キャップやアクセサリを共用できます。もっとも、ボトルカバーについては普通に100円ショップに置いてあるようなものの中から選んでもいいような気がします。

一般的にプラスチックボトルと言うと、海に流れ出したプラスチックのゴミが海洋生物にや地球環境に悪影響を与えると国際的に非難され、プラスチックストローを今まで出していたファーストフードやレストランでは、脱プラスチック化が進むなど、あまりいい話は聞かないと思いますが、それは日本に蔓延しているペットボトルが大量に消費され、そののゴミが無造作に捨てられる現状があるからだと思います。

今回購入したナルゲンのボトルは、BPAやBPSといった人にとって有害とされる物質を使っていないので安心して使い続けることができます。様々な匂いのきつそうな物を入れても洗えば臭わなくなるので、とんでもない破損をしない限りは長く使い続けることができます。これは、かなりすごいことなのです。

製品の寿命ということで言えば、登山用として売られている、キャップが本体に接続されているTritanシリーズのボトルには容量を計れる目盛りが付いているのですが、これが長く使っているうちにだんだんと消えてくるのです。このTritanシリーズのメリットとしては山での計量カップの代わりとして使えるというものがあり、そのメリットを生かして使っている人にとっては、目盛りが消えた頃が替え時なのかも知れませんが、今回購入したキッチンボトルの場合は、最初から目盛りも、製品名の記載もないのです。ですから、そういう事を気にせずに使い続けられそうです(^^)。

このボトルは旅先などで水筒として使う場合、先に書いたペットボトルのゴミ拡散を防ぐ働きもしてくれます。たいがいの自販機で売っているペットボトル(主に水や無糖のお茶類が前提です)の容量は500mlから650mlくらいだと思いますが、購入したところですぐこのボトルに移し、残ったらその場で飲んでしまえば、自販機の横にあるごみ箱に購入したペットボトルをすぐに捨てられます。結果として空いたペットボトルはすぐにリサイクルに回すことができるので、今の日本の社会の中で飲み物を消費しながらきちんと空き容器の処理もできる、環境対策としても良いボトルではないかと思っています。

さらに、パッキンがないので手入れがしやすく、広口で漏れにくいナルゲンボトルの特性を生かし、個人的には水に溶かして飲むスポーツドリンクやお茶類を活用し、ペットボトルから移したお水に粉末の飲料の素を入れてシェイクして飲むというのも十分にありそうです。

今や世の中は「マイボトル」というのはステンレス製の真空二層構造で、保温・保冷に威力を発揮するものが主流になりました。かくいう私も多くのそうしたマイボトルを持っていますが、あえて保冷・保温機能のないシンプルなプラスチックボトルを選び、そのボトルを使う頻度が多くなっている今の状況を考えると、ボトルについても他のグッズ同様に「シンプル・イズ・ベスト」ということが言えるのではないでしょうか。ある意味究極なシンプルさを持つこのボトルは、応用範囲も広くて料理にも使えるという点もあり、今後も長く使える道具として使っていくことになると思います。


あえて買うなら長く使え、用途の広いボトルを

以前このブログでラグビーワールドカップのチケットを紹介したことがありましたが、その試合がいよいよ来週に迫ってきました。ワールドカップが開幕してからワールドカップをスタジアムで観戦するため、何を持って行っても大丈夫なのかということも実際に大会を運営していく中で色々変わってきていて、その情報を仕入れながら改めて何を持って行くべきかを考えました。といっても、無駄なものをたくさん持っていけば行くほど、入場前の手荷物検査が大変になりますので、必要最低限のものだけにしたいと思っています。

過去のブログで紹介しましたが、開幕当初は弁当やお菓子を持ってスタジアムに入ろうとした場合には全て没収ということになっていましたが、スタジアムの売店で満足に食べ物が買えないということもあり、自分が食べる分程度の食べ物の持ち込みは許されることになりました。一応スタジアム内で食べ物を入手できなかった時の事を考えて、サンドイッチなどの軽食のパックを買って持って行こうと思っているのですが、そこで問題になるのがスタジアムでビールなどのお酒以外の飲み物を入手できるかどうかということです。

大会では無料で利用できる給水所を用意しているということですが、何しろとんでもない人が押し寄せるスタジアム内で無事に入手できるのかわかりませんし、同じ飲み物でもビールならそれほど待たずに買えるようですが、ソフトドリンク類というのは購入するのが難しい状況もあったようで、運営の方ではこれまで用意した量の倍くらいのソフトドリンクを用意するような通達を出したということがニュースになってはいたものの、購入するために行列に並んでいる間に試合が始まってしまうかも知れず、できれば事前に用意した飲み物を持ち込みたいところです。

しかし、大会運営の方ではテロ対策という点でこのペットボトル等の飲み物の持ち込みは認めることはなく、ペットボトルなどの飲み物は手荷物検査の場所で没収になります。ただ、唯一の例外が市販のペットボトルでなく自前の水筒に水やお茶などを入れて持参し、手荷物検査のところで実際に口を開けて飲むことで薬を飲んだり水分補給のためとして例外的にスタジアム内に持ち込み可能なのです。

ということで、自前のボトルに水でもお茶でも入れて持って行けばいいのですが、今回は今後の旅にも日常生活にも便利に使えるようなボトルの購入を考えました。基本的には保冷や保温のできるステンレス水筒ではなく、入れた中味が誰にもわかるように厚手のプラスチックを使ったボトルを新たに購入しようと思って2つの候補を出しました。それが以下のリンクのボトルです。

プラスチックボトルのスタンダードは、すでに1リットルのボトルを持っているナルゲンのボトルが評価が高いですが、もう一つリストアップしたモンベルのクリアボトルは、ナルゲンの蓋が本体と一体になり失くす心配がないタイプが、同じ0.5リットルのナルゲンのボトルと比べると500円から600円くらい安く購入できます。

モンベルのボトルとの比較ということでもう一つ挙げたのがナルゲンの登山用ではないキッチン用(といっても性能的には登山用と変わらないのでお買得)という蓋が本体とつながっていないタイプのボトルで、価格的にはこの2つのボトルはほとんど変わりません。

単に水筒として使うだけなら、100円ショップで売っているプラスチックボトルボトルでも良さそうなのにと思う方も少なくないと思います。しかし、これらのボトルの特徴として厚手のプラスチックを使っているので落としても傷が付きにくく、蓋はゴムパッキンがないのにきつく閉まることで漏れないという特徴があります。私の持っている1リットルのナルゲンボトルはこの夏、水出しの麦茶を作るのに大活躍したのですが、冷蔵庫に横にして入れても一切漏れることはありませんでした。

さらに、同じナルゲンボトルを春には「いちご酢」を作って長いこと冷蔵庫に入れていたのですが、きちんと中を洗ったら全く中にいちごや酢の匂いが残らず、麦茶を作ってもその匂いが残ることはありません。旅先でさっと洗えれば、炭酸ではない水やお茶を入れても、違和感なく使い続けることができます。

二つのボトルの違いは、蓋が本体と一体化しているかしていないかということになるのですが、これについては使い方によってどちらのボトルがいいのかということに違いが出てくるでしょう。旅先でラフに使う場合は、蓋は一体化していた方が失くす心配はないのでモンベルのボトルに軍配が上がるでしょうが、主に家庭内で水筒だけでなく様々な食材を入れて使うような場合、蓋を本体から外してきちんと洗えた方が便利な場合もあります。そのため「キッチン」という名が付いているのでしょうが、ここで、もう一つの二つのボトルの違いについても紹介しておきます。それが本体の耐熱・耐冷温度の違いです。

・モンベル クリアボトル
耐熱温度:本体 90℃/ キャップ 100℃
耐冷温度:本体 0℃/ キャップ 0℃

・ナルゲンボトル
耐熱温度:本体/100℃、キャップ/120℃
耐冷温度:本体/-20℃、キャップ/0℃

耐熱・耐冷性能のどちらもナルゲンボトルの方が良いことがわかります。これはどういうことかというと、夜間でお湯を沸かしたものをボトルに入れる場合、モンベルクリアボトルの場合は少し冷ましてから入れないと変形の恐れがありますが、ナルゲンボトルの場合はそういう事を気にしないでお湯を入れられ、冬の寒い時期に湯たんぽとしての利用も可能になります。さらに、逆に暑い夏にボトルを保冷剤代わりに水やお茶・スポーツドリンクを凍らせて持って行きたい場合、ナルゲンボトルならキャップを外して冷凍することで、まず家庭用の冷蔵庫なら問題のないカタログ値になっています。さらに、今回紹介したナルゲンのキッチンボトルなら本体と蓋を切り離しておけるので、まさにボトルを凍らせて持って行くにはベストの選択になるのではないかと思います。

基本的にはどちらを選んでも間違いのないボトルだと思いますが、水筒以外にも使い回すことを考え、今回はナルゲンボトルの方を発注しました。うまい具合に届けば、改めてそのボトルについてのレビューを行ないたいと思っています。


世界大会で活躍するには神経の図太さが必要か?

東京オリンピック前年ということもあるのか、2019年10月というのはラグビーワールドカップだけでなくバレーボールのワールドカップが並行して行なわれる中、さらに深夜から早朝にかけて中東のカタール・ドーハで行なわれている世界陸上と、世界のトップレベルのスポーツ大会が目白押しで、だからこそ活躍している人とそうでない人との差がはっきりしているように思います。

まず、活躍という点で言えば自国開催に向けてあらゆる強化を行なってきたラグビーの日本チームのパフォーマンスは素晴しく、国内だけでなく海外での強いチームとのテストマッチを重ねる中で、本大会の海外チームのプレッシャーを跳ね除けて、特にアイルランドとの試合で勝利するまでにはどんな練習をしていたのかということまで気になってしまいます。

今回は、逆に期待されたものの全く活躍できなかった選手にスポットをあててみます。一昨日に行なわれた女子5000mの予選で、田中希実(豊田自動織機TC)選手が日本歴代3位という高記録を出し予選を突破したことが大きく報じられましたが、本人に取材したニュース記事を読んだだけでも、単に恐い物知らずの若手というには実にしたたかに世界大会のレースについて分析していたというように思いました。トラックのレースは団子状になって進むため、選手同士の接触はあたりまえで、田中選手も足を踏まれたり膝から血が出たりする中で冷静にレース展開を読み、予選通過のラインに必死に付いていった中で(5着までが無条件で予選通過、残りはタイム上位5人まで)、6位になったもののタイムで拾われて(全体では12番目)の予選突破という快挙につなげたのです。

それに反するように、代表のもう一人で私の住む静岡市出身のランナーとして中学生時代から地元の市町村駅伝で抜群の強さを見せ、個人的には大いに期待をしていた木村友香(資生堂ランニングクラブ)選手の方は全く世界の力に歯が立たず、惨敗で予選突破はなりませんでした。

レース後の木村選手のインタビューでは、スローペースで始まったレースの中、なかなか自分のペースで走れなかったということと、他の選手とぶつかった時に露骨に文句を言われるなどしたため、精神的にナーバスになって後方を走らざるを得なかったということを話していました。

ここではどうしても予選突破した田中選手との比較になってしまいますが、無心で団子状態の中に飛び込み、接触があっても全く気にしないで自分の走りができた田中選手と比べると、国内大会では強くても翌年のオリンピックに向けては相当頑張らないと結果には結びつかないのではないかと思えました。

予選突破した田中選手の決勝でのレースには期待したいところですが、マラソン以上にトラックの長距離走というのは世界との差が大きいため、入賞すら難しいということは十分承知していますが、やはりラグビーのように日本選手が海外勢に引けを取らないレースをし、最後まで興奮して応援することのできるようなレースを行なってくれたらとも思うのです。

木村選手のレース後の話は、私がここでこんな事を書くまでもなく後悔だけが木村選手の心の中に残ってしまったレースであったことを示しています。そこから木村選手がどれだけ奮起して世界に対して戦えるだけの力を付けていくかが、個人的には楽しみだったりします。

ラグビーワールドカップでジャイアントキリングを起こした日本チームの主将リーチ・マイケル選手は、たまたま前日にバレーボールのワールドカップを見ていて、日本女子チームがこちらもジャイアントキリングを起こし、世界一位のセルビアに逆転勝ちしたことに勇気をもらったと試合後のインタビューで答えていたこともあります。このような事というのはスポーツジャンルの垣根を越えて、様々なアスリートの力となっていくだろうと思いますので、木村選手をはじめとした世界を相手に実力を発揮できなかった選手におかれましても、今回世界を相手に確かな結果を出しつつあるラグビー日本チームのように、東京オリンピックではぜひリベンジできるよう、精進を重ねていただきたいと思います。以上観ている側の勝手な感想でした(^^;)。


水増しされたレビューに引っかからないために

一昨日のNHK総合テレビで放送があった「クローズアップ現代+」は「追跡! ネット通販 やらせレビュー」と題してAmazonでの商品レビューを活用というより悪用した、特定の出品者の利益になるように五つ星レビューをお金を出して書かせる仕組みや、逆に自分のところの商品を売るために邪魔になりそうな同業他社の製品にわざと一つ星の事実無根の書き込みをアップするような犯罪行為について詳しく紹介していました。

Amazonでのショッピングは、私も普通に利用していてあまり恐さというものを感じることはないのですが、先日知人と話をする中で、その方はあまりAmazonでのショッピングにいい思い出がないらしく、現在は他のサービスを利用しているという話を聞きました。そこまで嫌な思いをしたのは何が原因なのかということまでは聞かなかったのですが、Amazonの場合、ページをよく見ないとAmazon本家から購入することができないというトラップがあるので、まずはそうしたことを理解することで多少は安心して利用することができるのではないかと思います。

NHKの番組の中でもその内容について詳しい説明がなかったのですが、Amazonの「売り主」というのはAmazon本家からのものだけでなく、誰でも登録すれば売ることのできる「マーケティングプレイス」があります。商品を購入する場合、「カートに入れる」ボタンが有ると思うのですが、「マーケティングプレイス」の商品の場合、そのボタンの下に「この商品は、○○(業者名)が販売し、Amazon.co.jp が発送します。」というような表示がある場合、Amazonからの直送であってもAmazonは業者から発送を委託されるのみで、商品の内容についてはあくまで業者側の対応になります。中には発送自体もAmazonの倉庫からではなく、業者から直接送られてくる場合もあるため、Amazon本体が発送する場合に利用できるPrime会員特典の送料無料のサービス、さらに「コンビニ店頭受取」や「ヤマト運輸営業所受取」のようなサービスも利用できない場合があります。

さらに言うと、日本のAmazonのページから購入しても海外の業者がAmazonに出品している場合、海外から直接発送されるようなケースもあるので、到着まで相当時間がかかることもあり、それをトラブルと感じる場合もあります。まずは欲しい品物がAmazonで見付かった時に、この商品はAmazon本体が販売しているのか、それともAmazonの仕組みを利用している業者が販売しているのかということを見分けることが大事です。

番組では全ての業者が悪いというようなニュアンスでは報道してはいませんでしたが、多くの利用者が、商品を購入した人が書くことができるレビューを見て、さらにその評価が高いものを選んで購入するという傾向があることを利用したレビュー集めのブローカー(海外拠点)に取材していました。

そこでは、無人化された中に多くのスマホがあり、自動プログラムでスマホから商品を購入し、さらにレビューまで自動翻訳でアップしてしまう、まさにレビューの水増し操作とも言えるものでした。そうしたものとは別に、日本国内でアルバイト的に五つ星のレビューを書くことを条件に購入した商品の代金を返金し、レビューに対する謝礼を出している現状についても報告していました。前者は明らかに日本語がおかしいレビューになるので、その内容をじっくり読めばそれが「サクラのレビュー」かどうかわかりますが、後者の方は一応商品を注文し、その写真とともにそれらしくレビューをした場合、その内容を詳しく読んだとしても、それがサクラのレビューかどうかを判別することは難しいと言わざるを得ません。

そこで、一つのヒントとして書かれているレビューの内容に注目し、その表現がきちんと使った上でのものなのか、表面的に機能を紹介し「買ったばかりなのですが良さそうです」というような、実は全く買ったものの使っていないで書かれたレビューなのかどうかを見極める必要はあると思います。これは表現の問題ですが、明らかな嘘(すぐ壊れるのに「耐久性抜群」と書くとか(^^;))のレビューというのはそのレビューを書いた本人のアカウント凍結や剥奪という処分にもつながっていく可能性があり、そこまでのリスクを取りたくない場合は、当たり障りのないレビューで五つ星を付けるようなこともありそうです。

番組では、こうしたAmazonのサクラらしいレビューを見破る助けとなるようなサイトを紹介していました。さすがにテレビで出てくるくらいですから、ちょっとレビューの数自体が不自然に多すぎるような商品を買おうか迷っている場合には、こうしたサイト(サクラチェッカー)の活用もいいのではないかと思います。

https://sakura-checker.jp/


移動中の片耳ワイヤレスイヤホンの効果

先日購入したことを紹介した、ワイヤレスでスマホとつながるイヤホンですが、移動中や電車の中などでは単なる音楽を聴くためだけでない利用の仕方があることが、色々調べる中で自分の中でわかってきました。

すでにこれから書くことを実践されている方は少なくないと思うのですが、ワイヤレスヘッドフォンを使っていない方にとっては、音楽を聞く以外の活用法ということであえて紹介します。ちなみに、これから書くことは私個人の事なので他の方に当てはまるかはわかりませんが、私自身が電話やメール・LINEの着信について音を出したくないタイプなので、常に自分のスマホ・ガラケーはマナーモードにするか、全く音の出ないサイレントモードにしています。これは、もし音が鳴るようにしておいたまま映画やお芝居・講演会などでモードを切り替えるのを忘れてしまわないようにという配慮からですが、そうしておくことについての問題もあります。

電話の場合はマナーモードにしておけば、呼出音が出ている間は本体が震えることで着信がわかるので、そこまで神経質になることはありませんが、メールやLINEの着信音は同じように震えても一瞬のため、常に画面やライトの様子を見ながらでないと、大切なメッセージが送られてきているのに、着いているのかもわからない状況になりがちです。そういうこともあって、現在の日本では多くの人がスマホの画面を見ながら様々な行動を伴にしているということでもあるのですが、「歩きスマホ」や自転車運転中にスマホを見ながら移動したため歩行者相手の大きな人身事故を起こすような事も出てきています。

歩きスマホなどの危険は十分皆さんはご承知だろうと思いますが、友人と待ち合わせをしていてそのやりとりをLINEでやっているような場合は、どうしても移動中の着信が気になってしまいます。そこで、私の購入したワイヤレスにこだわらなくてもいいのですが、スマホにイヤホンを付けてメールやLINEを使うスマホと連動させておくことで、本体から音を発することなく自分の耳だけに着信音を鳴らすことができるという当り前のことが便利だと改めて感じることになりました。

普段の移動の中で、ワイヤレスのイヤホンを片耳だけ付けて、音楽やラジオの音を鳴らさない状態で着信音が鳴った時点でスマホを確認すれば、ずっとスマホの画面を見ていなくても、スマホ自体はバッグの中に入れていても良くなります。音楽やラジオを聞いている場合でも、もし着信が入れば音楽のボリュームが多少絞られて着信音を聞くことができます。メールとLINEの着信音は違うので、メールは確認の必要がなければそれはスルーしてLINEの着信が入った場合のみ移動しているなら安全なところで止まってからスマホの画面を確認すればいいわけです。

こうしたやり方は、やはり電車と徒歩での移動中には効果を発揮すると思います。同じような方法として、車を運転中で常にマナーモードやサイレントモードにしている場合、イヤホンでなくBluetoothスピーカーに接続しておくことで、車の中だけで音を出すように自分のスマホを設定することができます。ただ、一人で乗っている時以外には、通知音がスマホ本体からではなくスピーカーから出てくるとうるさいかも知れませんので(^^;)、状況に応じてイヤホンに切り替えるかスピーカーの電源を切るとかの対応が必要ですが。

私自身は、こうしてブログを書いていても、常にスマホを見てメッセージのやり取りをするようなことはそこまで頻繁にはなく、友人などと連絡を取ったり待ち合わせの連絡に使うぐらいです。それでも、いざという時には即時的に連絡を受け取りすぐに連絡を返したい時もあるので、そんな時にはしっかりと準備して必要な情報を逃さないようにつとめたいと思います。


ポケベルサービス終了で空いた電波について

2019年9月いっぱいで終了したことがニュースになったものの一つとして、かつては多くの人が使っていた「ポケットベル(ページャー)」のサービスがあります。すでにほとんど使っている人はなく、医療用として使われていたところもあったそうですが、最後までサービスを続けていた東京テレメッセージでは、ポケットベル終了後の事も考えての今回のサービス終了だったようです。

というのも、東京テレメッセージでは新しい技術が出てくるとすぐ解約して乗り換えてしまう一般ユーザーを相手にする商売よりも、確実に買ってくれて長く使ってくれるお役所相手の仕事のためにポケットベル用の電波をすでに使っています。

まだ私の住む静岡市では実用になっていませんが、日本の地方自治体が住民に出す防災情報の伝達のために電波を使い、ラジオという形で住民に配っているところがあります。私のところでも防災ラジオの配布があって入手しましたが、静岡市が採用している防災ラジオというのは地元で放送している「コミュニティFM」のFM波を使って防災情報を流すようになっています。コスト的には今あるラジオ受信機を少し改造すれば作ることができ、セットしておけばテレビがついていないような時でも自動的にラジオが鳴り出し、防災情報を入手することができるのですが、一つ問題があります。

FMラジオで、しかもコミュニティFMということになると、静岡市のすべての地域で良好にラジオが入感するとは限りません。いざという時にラジオから発せられる情報がしっかり聞き取ることができるかというのは、しばしば地元のコミュニティFM局は試験放送をするので、それが聞けるうちはいいのですが、ただ問題はそれがたまたま電波の状態が良い時だけ聞けているだけかも知れない恐れがあるということです。全ての試験放送のうち、本当に全てを受信できているのかというのは、実際のところ私にもわからないところがあります。

東京テレメッセージの扱っている防災ラジオは、通常のAM/FM波の他にポケットベル用の280MHzの電波を受信することができ(専用のホイップアンテナがあれば受信可能)、この周波数で緊急情報が流されます。この放送の大きな特徴は、受信するのは通常のラジオ放送ではなく、ポケットベルと同じ「文字情報」であるということです。送信設備は広いエリアをカバーし、実際に専用のラジオから出る音声は文字情報を機械的に合成したものではあるものの読み上げる方式にしているため、役所のパソコンから打ち出した文字情報をそのままラジオから流すことができるようになっています。通常のラジオ放送のように、電波が弱くて聞こえないということがなく、文字の内容をラジオが受信しさえすれば、ラジオ内で音声が合成され、はっきりと聞こえる仕組みになっているので、災害対策としてはかなり高いものになっているように思います。

これによって広い範囲で大がかりな送信システムを用意しなくても、これまであったポケットベル用の設備を流用することで県単位のエリアで送信できます。さらに停電時の対策についても考えられていて、ラジオ自体は常にACアダプタを付けておいて内蔵する主に単三電池の消耗を抑え、停電になっても内蔵されたアルカリ電池で2日ないし3日受信を続けることができます(当然、代えの電池があればその期間を増やせます)。

また、情報の送信側としても、ポケベル送信設備そのものがだめになってしまったらいけませんが(近くの送信設備がだめな場合、隣接する送信所からの電波も受信可能なのでまずサービスが止まる心配はないとは思います)、停電時でも普通のパソコンを衛星通信を使った回線と接続することで、パソコンで作った文字を電波に乗せることができるそうです。そうなると放送設備が全壊したり、マイクの前に立ってしゃべる人がいないような状況が起こっても、パソコンと衛星回線だけあればその都度情報を出せるわけで、大停電が起こったとしても情報を出し続けられることになります。

今回の一般ユーザーに対するポケットベルサービスの終了というのは、逆に言うと今後絶対に必要になると思われる、ライフラインがつながらない場合でも情報を得る方法の一つとして大いに普及する可能性があるということなのです。

ですから、皆さんの住まれている自治体で新たに「防災ラジオ」を配布したり販売するという話があった場合、そのラジオが単なるラジオなのか、それともポケットベルの電波を受信できるものなのかを調べる必要があります。もしポケットベルの電波を受信できるラジオだった場合、何はともあれ申し込んで入手することをおすすめします。一通りこの技術について調べてみると、何かポケットベルのサービスが終了した事での寂しさもなくなり、今後への展望も見えてくる感じがするので、まずは興味のある方はお住まいの自治体ではこの辺の事情はどうなっているかということを問い合わせてみてはいかがでしょうか。