世界大会で活躍するには神経の図太さが必要か?

東京オリンピック前年ということもあるのか、2019年10月というのはラグビーワールドカップだけでなくバレーボールのワールドカップが並行して行なわれる中、さらに深夜から早朝にかけて中東のカタール・ドーハで行なわれている世界陸上と、世界のトップレベルのスポーツ大会が目白押しで、だからこそ活躍している人とそうでない人との差がはっきりしているように思います。

まず、活躍という点で言えば自国開催に向けてあらゆる強化を行なってきたラグビーの日本チームのパフォーマンスは素晴しく、国内だけでなく海外での強いチームとのテストマッチを重ねる中で、本大会の海外チームのプレッシャーを跳ね除けて、特にアイルランドとの試合で勝利するまでにはどんな練習をしていたのかということまで気になってしまいます。

今回は、逆に期待されたものの全く活躍できなかった選手にスポットをあててみます。一昨日に行なわれた女子5000mの予選で、田中希実(豊田自動織機TC)選手が日本歴代3位という高記録を出し予選を突破したことが大きく報じられましたが、本人に取材したニュース記事を読んだだけでも、単に恐い物知らずの若手というには実にしたたかに世界大会のレースについて分析していたというように思いました。トラックのレースは団子状になって進むため、選手同士の接触はあたりまえで、田中選手も足を踏まれたり膝から血が出たりする中で冷静にレース展開を読み、予選通過のラインに必死に付いていった中で(5着までが無条件で予選通過、残りはタイム上位5人まで)、6位になったもののタイムで拾われて(全体では12番目)の予選突破という快挙につなげたのです。

それに反するように、代表のもう一人で私の住む静岡市出身のランナーとして中学生時代から地元の市町村駅伝で抜群の強さを見せ、個人的には大いに期待をしていた木村友香(資生堂ランニングクラブ)選手の方は全く世界の力に歯が立たず、惨敗で予選突破はなりませんでした。

レース後の木村選手のインタビューでは、スローペースで始まったレースの中、なかなか自分のペースで走れなかったということと、他の選手とぶつかった時に露骨に文句を言われるなどしたため、精神的にナーバスになって後方を走らざるを得なかったということを話していました。

ここではどうしても予選突破した田中選手との比較になってしまいますが、無心で団子状態の中に飛び込み、接触があっても全く気にしないで自分の走りができた田中選手と比べると、国内大会では強くても翌年のオリンピックに向けては相当頑張らないと結果には結びつかないのではないかと思えました。

予選突破した田中選手の決勝でのレースには期待したいところですが、マラソン以上にトラックの長距離走というのは世界との差が大きいため、入賞すら難しいということは十分承知していますが、やはりラグビーのように日本選手が海外勢に引けを取らないレースをし、最後まで興奮して応援することのできるようなレースを行なってくれたらとも思うのです。

木村選手のレース後の話は、私がここでこんな事を書くまでもなく後悔だけが木村選手の心の中に残ってしまったレースであったことを示しています。そこから木村選手がどれだけ奮起して世界に対して戦えるだけの力を付けていくかが、個人的には楽しみだったりします。

ラグビーワールドカップでジャイアントキリングを起こした日本チームの主将リーチ・マイケル選手は、たまたま前日にバレーボールのワールドカップを見ていて、日本女子チームがこちらもジャイアントキリングを起こし、世界一位のセルビアに逆転勝ちしたことに勇気をもらったと試合後のインタビューで答えていたこともあります。このような事というのはスポーツジャンルの垣根を越えて、様々なアスリートの力となっていくだろうと思いますので、木村選手をはじめとした世界を相手に実力を発揮できなかった選手におかれましても、今回世界を相手に確かな結果を出しつつあるラグビー日本チームのように、東京オリンピックではぜひリベンジできるよう、精進を重ねていただきたいと思います。以上観ている側の勝手な感想でした(^^;)。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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