非常用ラジオは一台に限定しないことでいざという時には便利に使えるようになるのでは?

少し前のブログに書きましたが、もし大きな災害でインターネットからの情報収集が難しくなった場合、さらに大規模な停電も起こってしまった場合、明かりとともに必要だと思われるものに「ラジオ」があります。いわゆる「非常用持出袋」に入れっぱなしにしても大丈夫ということで過去のブログに書いておすすめしたのが東芝のTY-JKR5という手回し発電機能が付き、発電した電気をキャパシタ(コンデンサー)に蓄える仕組みのラジオでした。

東芝ではTY-JKR5の後継機としてTY-JKR6というラジオも出しています。こちらのラジオはアナログのダイヤル式チューニングではなく、液晶搭載で直接周波数表示ができ、良く聞く放送局のメモリーもできるようになっていたり、LEDライトもランタンモードを備えていたりしています。基本は全てボタン式になっていますので、昔のラジオだとチューニングが合っているのかわかりにくいような場合には良いかと思いますが、その分一分間手回しでラジオを聞くことのできる時間は少なくなっています。個人的にもこの新製品を買うかと言われれば微妙と答えることになるでしょう。ただ今回新たに調べていて新しいラジオの情報が入ってきましたのでそれをまずはお伝えします。

元々、スープーキャパシタを手回し発電ラジオに搭載して製品を作ってきたブランド名「KOBAN」の太地ホールディングスで、雑誌「通販生活」向けに紹介されている手回し発電ラジオがあります。それが「ECO-303」という型番のラジオなのですが、ここではTY-JKR5との比較という点で紹介していきます。

防水仕様でアナログチューニングというのはTY-JKR5と同じなのですが、この製品では従来よりスーパーキャパシタの容量が大きくなっているのではないか? というデータを調べていて見付けてしまいました。比較対象として一分間に150~180回ハンドルを回すことでどのくらいラジオがスピーカーから聞けるかというデータなのですが、TY-JKR5は約35分なのに対し、ECO-303では約40分となっています(AM放送をスピーカーで聞いた場合)。コンデンサの容量表示でも「3V 20F」という表示があります。TY-JKR5も「3V」という表示はありますが、わずかですが聞ける時間(カタログ値)は少ないですね。

ちなみに、後継機のTY-JKR6では「2.7V」と元々少ない上にAMスピーカー利用の場合は同じ条件で約15分ということなので、液晶画面やボタン操作に電力がかかっていることが想像されます。

ただ、このくらいならまだTY-JKR5の方が良いかなとも思うのですが、人によっては圧倒的にECO-303に興味がわくと思われるのは、手回し発電を行なわないでも利用できる乾電池が、TY-JKR5の単四2本ではなく、より容量が多い単三2本で使う仕様になっているということです。エネループをラジオ用の電池としてECO-303と一緒に、パッケージを開封しないで保管しておくと、現在販売されているスタンダードもでるでは、満充電から10年間保存していても約70%の容量をカタログ上で保証しているので、パッケージを開いてすぐに使える可能性が高いです。エネループスタンダードもでるの単三の容量はmin 2000mAhで、単四になると半分以下のmin 800mAhとなり、ECO-303で単三エネループを使うと、手回ししなくても聞けるだけの時間はかなり増えるでしょう。

ただし、こうした乾電池およびエネループを災害時にも充電してラジオの聴取に利用するのであれば、もう一つ違った選択肢もあります。どういうことかというと、手回し発電ラジオは乾電池を使わないようにして、それとは別に単三2本で動く自分が常用できるポケットラジオを別に用意するというパターンです。

というのも、TY-JKR5もECO-303も、ネットの口コミにも出ていますが、本体をコンパクトに作るためにFM放送用のロッドアンテナが短く、近くに放送局があれば良いですが、災害時に情報を発信するコミュニティFM局の電波をうまく捉えられないような場合があるのです。これは、本末転倒な感じもしますが、世の中は今までAM局が中心となって情報発信を行なってきましたが、今後はより細やかに地元の情報を知りたいなら、コミュニティFM局の方が優れている部分もありますし、夜になるとAM局が他国からの大きな出力による放送にかき消されてしまう地域の場合、ワイドFMで同時放送をしているAM局を聞くためにはFMの感度を高くする必要が出てきたものの、今の防災ラジオはあまりそうした事情が考慮されていないという事情もあります。

そこで、これらの災害用ラジオよりロッドアンテナが長く、単三2本で動くポケットラジオは国内・国外メーカーから数多く発売されているので、乾電池(できればエネループを推奨)用の自宅で聞くラジオとして2台体制にして持つ方が、手回し発電ラジオで一本化するよりも良い結果が出る場合もあるのではないでしょうか。

国内メーカーのパナソニックやソニーでも単三2本タイプでアナログチューニングタイプであれば2~3千円台で買えますし、デジタルで放送局をプリセットできるタイプでも5千円もあれば十分購入できます。ラジオの性能という点では日本よりも中国のメーカーの方が良いという話もあるので、中国メーカーのラジオを持つのもありでしょう。ただし、中国メーカーの小型タイプのラジオは単三2本ではなく3本のものが多いですし、本体の操作方法にも慣れが必要なので注意は必要ですが、多機能でさらにはFM・AMだけでなく短波放送も入感することで、地元の放送が聞けなくても全国エリアの短波放送や、海外から聞こえてくる日本語放送が聞け、さらに情報の入る幅を広げるラジオを導入する手もあります。どちらにしてもポケットラジオではうまく入らないようなコミュニティFM局をきちんと聞けるラジオを、防災ラジオとは別に持つということは大事だと思いますので、もし興味があるようでしたら家電量販店のラジオコーナーにも注目してみるのも良いと思います。


カテゴリー: ラジオ | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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