月別アーカイブ: 2021年8月

オリンピックで高揚した人々が夢から覚める時に何が起きるのか

オリンピックで毎日メダルラッシュにわき、オリンピックを歓迎していた方たちはその期間中は確かに幸福であっただろうと思います。私自身、そこまで賛成というわけではなかったのですが、それでも毎日放送されるのは見ていて、ずっと家にいなくてはいけない気持ちを紛らわす効果はあったと思いますが、いったんオリンピックの喧騒が去った今、改めてここまでの流れというものを考えてみると、ちょっとした寂しさや悲しさというものが生まれてくるような気がしてなりません。

この辺の気持ちの動きを何かの本で読んだ気がして昨日は色々とその出典を調べていたのですが、それが戦前に書かれた坂口安吾のエッセイ「日本文化私観」の中にあったことをようやく調べることができました。坂口安吾は当時からかなり遊び歩いていたようなのですが、そうした遊ぶことによっての精神の高揚が去る瞬間について、このように書いています。

(ここから「日本文化私観」三、家に就いてから引用)

「帰る」ということは、不思議な魔物だ。「帰ら」なければ、悔いも悲しさもないのである。「帰る」以上、女房も子供も、母もなくとも、どうしても、悔いと悲しさから逃げることが出来ないのだ。帰るということの中には、必ず、ふりかえる魔物がいる。
この悔いや悲しさから逃れるためには、要するに、帰らなければいいのである。そうして、いつも、前進すればいい。ナポレオンは常に前進し、ロシヤまで、退却したことがなかった。ヒットラーは、一度も退却したことがないけれども、彼等程の大天才でも、家を逃げることが出来ない筈だ。そうして、家がある以上は、必ず帰らなければならぬ。

(引用ここまで)

今やっている人がいるかはわかりませんが、キャンピングカーで車中泊をしながら日本一周をしている人の中には、こうした「家に帰ることの寂しさ」から逃れるためにハンドルを握ってずっと旅を続けることが可能な方法を行なっている方もいるかも知れません。ただし、日本一周した後にはどうするのか? という事もあります。家を捨ててキャンピングカーで生活しながら日本国内を転々としたり、最近では毎月定額を払うことによって全国のゲストハウスを自由に使うことのできるシステムを使って全国を回るライフルタイルが生まれてはいるものの、そうした生活はいつまで続けることができるのか? という気もします。

私自身は、とりあえず帰ることのできるベースを持った上で日常から離れるような旅であり車中泊旅というものをこのブログでは考えています。当然、旅の予定を立てるまではワクワクし、出掛けて目的地に着くまではそのワクワク感は続きますが、帰る段になると、帰らなくてはならない状況を恨めしく思います。ただ、そうして無事に家に帰って改めて新しい予定を立てるような流れを作らないと(ずっと旅に出続けている生活にしてしまったら)、私の場合生活そのものが破綻してしまうのではないかと思っています。

翻って今回の東京オリンピック後の社会について考えると、今の政府は、それこそナポレオンのように前進あるのみで行けるところまで行ってやろうという、かなり無茶なやり方を続けていると思えます。この前進というのはパラリンピック終了まで続くとは思うのですが、一連の行事が終わってしまったら今よりさらに寂しく悲しい現実というものがやってくることは何となくわかります。その時にどうするのかを考える時、まずは自分や家族、友人の健康を第一に考え、後で後悔しないような生活を続けていくしかないのかなと今では思っています。

様々なご意見はあるかも知れませんが、自分の親世代はワクチンをすでに二回接種しているので、私自身も何とかして年内までにはワクチンを打てるように最善を尽くし、ワクチンが打てたところで、車でお出掛けを考えてみようかなという流れを考えていますが、果たしてどうなるでしょうか。


楽天モバイル回線利用で大雨の際にはどの電波を掴んでいるかのチェックを忘れずに

昨日は、台風から変わった温帯低気圧の影響で、まるで台風が上陸したかのような強風と大雨が一日中続くような天候でした。こんな時は、外に出ることによって直接の影響はなくても何かが飛んで来て自分の身や車に当たってしまうかも知れません。東京ではたまたま街路樹の木が倒木で車を直撃したというニュースも有り、新型コロナウイルスとは関係なくあえて自宅から出ないと決めることも大切であると実感しました。

となると、相変わらずテレビやネットを使って時間つぶしをする事も増えるのですが、私のところで固定回線の変わりとして使っている楽天モバイル回線の調子がおかしくなってしまっていました。

といっても回線が使えなくなったのではなく、気が付いたら回線が楽天回線ではなくauのパートナー回線に知らないうちに切り替わっていたのでした。実は、今回のような大雨の天気の時は、携帯電話の電波は水に吸収されやすい特徴を持っているので、受ける電波の強さが晴れている時に比べると弱くなるのだそうです。

一応今使っているモバイルルーターでは、楽天回線を優先的に受信するような設定にしているのですが、雨の影響で電波が弱くなると、同時に受信している電波の中で楽天回線より安定して届いているauのパートナー回線の電波を掴み直すような事がどうやらモバイルルーターの中で起こっているようです。そうなると、パートナー回線では5GB使ってしまうと最大1Mbpsに制限されることになってしまいます。

こういう時にはすぐさまネット上から「スピードテスト」と検索し、実際にスピードを測ってみることをおすすめします。ちなみに今月は早々にパートナー回線の高速分を使い切ってしまっているので、どうやってもスピードが1Mbpsを超えない結果を見て楽天回線を掴んでいない事が確定したことで、モバイルルーターの電源を入れ直すことで再度楽天回線に復帰することができました。

こうしたことは、未だプラチナバンドを取得していない楽天回線だけに、完全に楽天回線のみを掴むような設定のできない機器でネットに繋いでいる身としては、いちいち調べないといけないのです。今後、楽天は自社回線を広げ、パートナー回線の提供を私の地域でも廃止するかも知れません。そうなればいちいちモバイルルーターの電源を切って切り替える必要はなくなるのですが、今回のような大雨の時期には通常時とはかなり接続スピードが落ちたり接続そのものが切れたりつながったり不安定になる可能性も考えなくてはいけません。

逆に、こうした大雨の場合に電波強度が落ちるという情報を知っていれば、そういった状況に対処してその時だけプラチナバンドを使える別回線を代替的に使うとかの対応も可能です。この辺が有線でなく無線をメインにしてインターネットを使っている場合の宿命でもあるのですが、雨の時には同時に使用する端末を減らすように心掛けるような事も、今後は必要になってくるのかなと思います。私と同じように楽天回線をメイン回線に使おうと思っている方についても、今回のような大雨が長く続くような場合は、ネットを使う前にちゃんと速度が出ているかどうかのチェックをするように心掛けましょう。


東京オリンピックの閉幕とともに国内報道が十分でなかった競技について考えてみる

様々な意見がある中で強行された東京オリンピックが閉幕を迎えました。私自身は自宅から出ない生活を実践する中で様々な競技を見ていましたが、テレビ中継だと必ずしも見たい競技を常に中継してくれることはなく、改めてネット配信の有難味を感じました。

私の場合は、テレビにAmazon Fire Stickをつなげることで様々なアプリをインストールして動画サイトを見ているのですが、パソコンやタブレット、スマホでは生中継が見られる仕様になっていたTVerアプリは、テレビに接続したFire StickではLive中継の様子を見られない仕様になっていました。なぜこんなせこいことをするのか今もってわかりませんが、こちらとしてはその対策として、Fire Stick用に提供されているウェブブラウザを起動して、東京オリンピックの中継を配信している「Gorin.jp」に接続し、そこから好みの競技を生で見ていました。

具体的には静岡県内で競技が開催されているにも関わらず、見に行くことができなかった自転車のロードレースおよびトラックレースについては実際に見に行けたら面白かったのにと思いつつ見ていましたが、ネットがなければ生の感動は味わえなかったと思うと、やっと時代は上から押し付けられたテレビ番組として見せられるだけのものではなくなったと思えた状況ではありました。

ただし、オリンピックを伝えるメディアの対応というのは、あまりにもメダルを取った選手やチームに偏重して盛り上がっているようで、メダルに関係なく素晴らしい活躍をした選手の事を伝えていないのではないかという事を感じています。今回の大会では惜しくもメダルを逃した選手の中にも注目すべき選手は多く、陸上の走り幅跳び、中・長距離で入賞した方々などはメダル獲得されたアスリートと遜色はないと思えます。

ただ、陸上はテレビ中継が入るメジャーな競技であるため、その偉業というのはたとえメダルまで届かなくても、多くの人の心に残るものだったように思いますが、最初からテレビ中継もなくその偉業もメダルに届かなかったためかほとんど報道されないような事になってしまったのは馬術総合馬術個人で4位入賞を果たした有本一真選手と、障害馬術で6位入賞を果たした福島大輔選手が活躍した馬術競技でした。戦前のロサンゼルスオリンピックの金メダリスト、バロン西(西竹一)選手以来、89年振りに入賞を果たし、メダルには届かなかったもののその活躍はもっと知られてもいいはずです。もちろん、自国開催ということで競技で乗る馬の移動によるストレスは少なく、他国の選手に比べて有利なところもあったでしょう。ただそれにしても、今回の東京オリンピックを目指しての強化が実り、入賞という成果を上げたことはもっと称賛されるべきだと思います。

そんなわけで、今回のオリンピックでもメダルに振り回されるような報道に終始した感があり、見る側の注目をメダリスト中心に集めるようになってしまったのは重ね重ね残念です。考えてみれば、オリンピックに参加したほとんどの選手は入賞はおろか決勝にも出られない成績で終わるわけで、そうした多くの選手についても想いを寄せることで、必ずしも目の前で起こる事実に一喜一憂しない心を保っていきたいと改めて思うところです。

まだパラリンピックは残っていますが、真夏の祭典はこれで終わり、無観客で赤字になった分を多くの人の税金によって補填されることになり、これからあと二週間あまり、オリンピックのためにどのくらい新型コロナに感染した人が出てくるのか次第に明らかになっていきます。今後の状況を考えると先行きは暗いような感じがしますが、それでも私たちは暮らしていかなければならないわけで、日々の生活の中でもなかなか報道されないようなニュースにも関心を持ち、世の中に取り残されないようにしていきたいものだと改めて思ったオリンピック期間の状況ではありました。


二酸化炭素排出を抑える交通手段としての鉄道の気になる整備状況

世界のニュースでは新車販売の中で電気自動車など二酸化炭素を排出しない車以外の販売をしないようにして、車社会での二酸化炭素を排出しない車の割合を高めようとする取り組みが紹介されています。ただ、全ての車が電気自動車や水素自動車に置き換わるには相当な時間がかかると思われます。ここでのポイントは、日本で普及しているガソリンエンジンと電気のハイブリッド車も新車販売ができないような事になっているということですね。

現状で電気自動車の場合、家に置く場合、充電するためには特別な設備が必要で、いわゆる青空駐車場のような所では充電は不可能です。集合住宅ではさらに大変で、充電設備のある駐車場ができたとしても、マンションの管理費が増えたり、駐車場を月極で借りる場合にコストが増大します(ガソリン代との関連もあるのでトータルのコストは安くなるかも知れませんが)。さらに旅行の際など充電スタンドをすぐに探せるのかということと、ほとんど残量がバッテリーにない時に満充電までどのくらい時間がかかるのかということを考えると、なかなかハイブリッド車やガソリン発電機を積んだ電気自動車止まりなのではないかという感じもしなくはありません。

今のガソリンスタンドの代替施設という風に考えると、電気自動車よりも水素ステーションで今と同じように燃料を入れられる水素自動車の方が私は可能性があるのではないかと思うのですが、全国津々浦々に水素ステーションを作ることが今の日本の国力で本当にできるのか? ということも最近は思っています。水素自動車も結構高額ですし、いくら安全と言われても気体の中でも爆発的に燃えてしまう水素を充填した車は、大きな事故や車両火災でも本当に大丈夫なのか? など、まだまだガソリン車に置き換わるまでの課題は多いのではないかと思います。

そんな中、自動車ではなく鉄道の世界ではローカル線の車両をあえて電化せず、気動車に変えていくという取り組みに興味を持ちました。新幹線や首都圏の鉄道は架線から電力を供給する電車で今後も問題ないと思うのですが、それは電話線と同じで地方へ行けば行くほど、一駅一駅にまで有線でネットワークを張り巡らせるよりも、車両そのものに推進力を持たせ、架線のメンテナンスをする必要を無くす方が今後の社会を考えた時には良いと思えます。

ただ、今までは非電化区間ではディーゼルエンジンの気動車を使用していて、二酸化炭素排出の問題があったのですが、今度JR東日本が磐越西線で導入する気動車は、軽油でディーゼル発電機を回し、そこで作った電気で走らせるいわゆる日産の電気自動車式の車両なのだそうです。ですから、排出する二酸化炭素の量も普通の気動車と比べれば少なくなりますし、今後に向けては水素を燃料にした燃料電池を使って走らせる車両も計画されているそうです。

個人的には、まずは鉄道の世界から最終的には水素を燃料にした車両を今のディーゼル機関車に置き換え、架線管理が大変な地方のローカル線についてもこうした車両を導入することで、JR貨物についても完全に二酸化炭素を発生させないエネルギーで物を運ぶような仕組みを完成させることができてくれれば、状況も変わっていくのではないかと思いますね。

また、タンカーやフェリーのような大型船の燃料を水素に置き換えることはできないのかということもありますね。この件についても、すでに川崎重工、ヤンマー、ジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)の3社が2021年5月に船舶用の水素エンジン開発を担う新会社を設立することを発表しています。そうなれば、同じガソリンエンジンの車を使って旅行へ行く場合でも、長距離を運転せずにフェリーで運び、また観光地を周遊するのに車に積める電動アシスト自転車や電気スクーターを併用しながら観光を楽しむことで、私たち自身も車の買い換えコストよりも安く二酸化炭素排出削減に協力できるのではないかと思います。つまり「パークアンドライド」のような仕組みを作り、移動手段の燃料を水素にすることで、かなり社会は変わるのではないかと期待するところです。

逆に、あまりに今の古いガソリン車の税金を上げるなどして性急に電気自動車に置き換えるようなやり方をされると、私自身運転はできても車の所有を諦めざるを得ない状況になってしまうかも知れません。そうなると、必要な時に車を借りるような形でしか車を運転できなくなるのですが、一見コストがかからずに良さそうな感じではあっても、何かがあって利用が集中してしまったら自分の好きなタイミングで車を使う事を諦めざるを得ないことにもなってしまいますので、その点は慎重に行なって欲しいと切に思います。


自粛期間中に思う夏の車中泊の難しさとその対処方法

日本列島は全国的に猛暑に襲われていまして、さらに今週末には台風の直撃を首都圏が受けることが心配されています。昨日の静岡市の最高気温は34.2℃でしたが、連日日本国内の最高気温は40℃に迫るくらいのところも出てきています。

感染症の予防というのはもちろん必要ですが、熱中症への対策も考えていかないといけません。外出の際には水を用意することと、塩飴を持ち、汗が出過ぎた場合に備えているものの、用意した水を飲み干したらコンビニや自販機の飲み物を補給することも必要でしょう。

ただ、感染症の関係もあり、まだ日が高いうちから自宅に籠もって過ごすような事をしていると、さすがに窓を全開にして扇風機を付けるだけでは熱い風を受け体温も上がっていきそうな感じがして、エアコンのお世話になることになってしまいます。

当然、無理をせずに自室にいる時にはエアコンを付ける事は推奨されることではあるのですが、体が冷房に慣れてしまうと今後夏に車中泊の旅をする時に、とても車の中では寝られないのではないかと思ったりもするのです。

車自体に家庭用エアコンを設置してオールシーズン快適に車中泊ができるように環境を整えている方もいるでしょうが、私の場合は普通車での車中泊が主なので、車で走行中に車のエアコンを使うことはできても、車を適当なところに停めて車中泊をする場合にはエンジンを止めるのが普通なので、実際に夏に車中泊をするということになったら、様々な夏用の車中泊対策をするだけでなく、体も夏の暑さに慣らさないと車中泊の旅自体が危険なものになってしまいます。

それは、スマートバンドをはめて毎日の睡眠の状態をモニターしていると思うのですが、やはりエアコンを付けて室温を下げて床につくのと、窓全開で扇風機を使うだけの場合とは寝入りの時間からトータルの睡眠時間まで変わってきてしまいます。過去にはアイスノンのような冷たい枕で首筋を冷やしながら外からの風と扇風機だけで寝ていたこともありますが、恐らくそれでは十分な睡眠を取ることは難しいと思います。

これは自分でも経験があるのですが、連日睡眠不足のまま運転を続けていると、運転していて落ちそうになるような状況になり得ます。その際は早めに車を停められる所を探して仮眠を取る必要に迫られますが、遠方の目的地に向けて車中泊をしながら旅をするような場合には、旅の日程そのものに影響が出るだけでなく旅先で大きな事故を起こす危険すらあります。

私がこのブログを始めた頃とは車中泊についての環境も変わり、普通車でもやろうと思えば何とか車内で寝られそうなグッズを整えることはできます。車の中に冷蔵庫がなくても、寝る直前にコンビニでロックアイスを購入し、スポーツ用に使われる複値の氷嚢の中に入れて、余った氷はクーラーボックスでキープしながら首筋と全身を冷やしつつ、ポータブル電源でもある程度の連続使用ができるほど消費電力が少ないDCモーターの小型扇風機(サーキュレーター)を車内に持ち込めば、狭い車の中でならかなら満足できる風を得ることができるので、氷嚢で体を冷やしながら風に当たることで、快適とは言えないまでも何とか寝られるようにはできるかなとは思います。

ただし、運転中に頻繁に睡魔に襲われる用になり、スマートバンドなどでの睡眠チェックで睡眠時間が足りないと判定された場合には、早めに近くのホテルやネットカフェの個室を取りエアコンの効いた部屋でリフレッシュするようなことも夏の車中泊旅には必要になってくるのではないかと思います。

仮眠ということで言うと、最近のネットカフェは地方に行けば郊外の駐車場も広い場所にあることが多いので、昼でも気軽に入り、シャワーを浴びてさっぱりしてから手足を伸ばして数時間リフレッシュタイムを持つだけでもかなり違ってくると思います。今の季節もエアコンのある部屋で寝ていても、やはり寝る前には汗を流して体をさっぱりさせてからにするとその快適度はかなり違ってきます。

それにしても、やはりこの時期に車中泊をするというのはかなり大変ですので、どうしても車中泊しなければならない状況になったとしても、何の準備もせずに無理に車の中で寝るというのは熱中症になる危険がありますのできちんと対策を立て、その対策がどうにもならないと思った場合には無理をしないことを心掛けましょう。


auがサービスを開始する「モバイルルータープラン 5G」は使えるか

ADSLのサービスが終わりに向かっていく中で、私は楽天モバイルのSIMをモバイルルーターに入れて、家庭内でルーターと接続することでたまに不安定になることはあるもののそれなりに使い勝手の良いネット環境を作っていますが、一般的な方がADSL代替のサービスを探す際、前からある工事のいらないSoftbank Airのような無線によるインターネット接続手段を考えている方も少なくないのではないでしょうか。こうしたサービスは、auやドコモも出してきています。

こうした家にモデムを置くタイプのネット接続については、有線と比べると電波の影響を受けることがある反面、有線のケーブルを引く必要がないので、モデムをコンセントに接続すればすぐに使えるというメリットがあります。

私自身、Yahoo!ADSLを使っていたので、解約をする際にはSoftbank Airを代替サービスとして勧められたのですが、比較的ネットが混雑する時間帯(19~23時くらい)に相当スピードが落ちるということが言われていたので、さすがに乗り換える気にはなりませんでした。私の場合は、たまたま楽天のSIMを入れて使うことのできる「モバイルルーター」と有線LANケーブルが接続できる「クレードル」のセットをすでに持っていたので、ハードを追加購入することなく楽天モバイルの電波が利用できれば、ADSLよりも速くて快適なネット環境を手に入れることができ、今に至っているわけですが、いよいよauやドコモから始まる無線インターネットはどうなのか? ということで今回は2021年8月6日からサービスが開始されるauの「モバイルルータープラン 5G」について、改めてその内容と料金について見ていくことにします。

サービス開始日と同日に発売になる家庭用ルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11 ZTR01」は価格は3万9600円ですが、36回の分割払いで購入する場合、毎月割適用で実質0円で利用することができます。つまりこのサービスを安く使うためには実質3年縛りということになるのですが、ここで問題になるのが通信の内容と制限ということになるでしょう。基本料金は割引のない状態で税込5,458円となっています。

このルーターは5G Sub-6と4G LTE、WiMAX2+が同時利用できますので、5GやWiMAX2+のエリアであればスマホの4Gよりも高速で快適な速度での通信ができそうです。契約内容には「スタンダードモード」(WiMAX2+のエリアで提供)と「プラスエリアモード」(auの4Gエリアで提供)の二つがありますが、「プラスエリアモード」には基本料にプラスしてオプション利用料1,100円(税込)が追加でかかるという当初の話だったのが、先日のニュースではその追加料金はかからなくなったようです。ただ、プラスエリアモードでは月のデータが15GBを超えると最大速度が128kbpsに制限されるというとんでもない規格なので、それならUQモバイルの「くりこしプランM」のSIMをモバイルルーターに入れて使った方が良いくらいなので(UQでの制限は最大1Mbpsです)、WiMAX2+のエリアに自宅がなく、お店の方に「プラスエリアモード」を勧められた場合はやんわり断わった方がいいでしょう(^^;)。

ちなみに、スタンダードモードの制限については、Softbank Airのように混雑する時間帯に強制的に制限されるのではなく、直近3日間利用の通信量が合計15GB以上の場合に制限されるということです。ホームページの内容では「混雑時間帯に概ね1Mbps」とありますので、一番使いたい時間に長時間規制される可能性がありますので、複数の端末(テレビを含む)で動画を使っている方はかなり厳しいかも知れません。まだサービスが開始されていない状況で書いているものの、私の使っている楽天モバイルの場合(楽天回線使用時)1日10GB使うと最大3Mbpsと、多少は条件が緩く、規制された場合でも端末単体での使用でなら何とか動画も見られるくらいの制限になっています。その代わり現状では楽天はホームルーターを販売していませんし、最高速のスピードも10~20Mbpsと、「モバイルルータープラン 5G」でWiMAX2+・5G・4Gを同時使用する場合の受信時最大2.7Gbpsと比べるとかなり遅いという点はあるので、トータルではそこまで使わないものの複数の端末を同時接続しても快適に使えるだけの速さを求めたい場合には選択肢にはなると思います。

ただ、個人的にはこうした家用の無線ルーターはドコモの「home5G」一択だと思っているのですが(今のところ直近3日間での制限は考えられているようですが、具体的な制限については言われていないので)、これも5Gが一般的になり、5Gだけで最高速でなく中速あたりでそこそこ安くて使える格安SIMのプランが出てきたら、大手キャリアの据え置き無線ルーターのプラン自体、登録住所でしか使えず、家庭用ルーターを分割購入する縛りがあることを考えると、auの場合はやはりルーターを分割で購入した場合の36回払いというのがネックです。今から3年後にはもはや、どんな風にネット環境が変わっているかわかりませんし、基本的にはそうした変化があった場合にすぐに乗り換えられるものを使う方がいいのではないかと個人的には思います。


なぜ日本のメーカーはユーザーがワクワクする製品を出せなくなってしまったのか

最新のiPhone12を使って映画を撮れるということを全面に打ち出したUQモバイルのコマーシャルは、アップルが最新型のiPhoneの機能を紹介するために作ったコマーシャルの後追いという感じではありますが、今ではすっかりデジカメよりもスマホのカメラで十分という流れができつつあります。

それならそれで、日本のカメラメーカーにはそれなりのスペックのデジカメにAndroidアプリと4G・5Gの通信機能を付けてレンズ交換式のデジカメ兼スマホのような製品が出たら面白いと思ったのですが、すでにそうした製品は出ているようですね。

しかもその製品とは日本メーカーではなく中国のYongnuoという交換レンズ主体カメラ機材メーカーで、カメラはフォーサーズレンズが使え、Android10が載って、SIMカードを入れれば4Gでの通信が可能で、チルト式の背面液晶が5インチあるYN455というものだそうです。現在、オリンパスやパナソニックのレンズ交換式カメラを使っている方は、そのレンズを流用して使えるということで、普段はパンケーキレンズを付けてスマホのように使い、必要に応じてレンズを交換して幅広い撮影に使うことも可能になります。ここではあえてリンクは張りませんので、どんなものか見たいという方は「YN455」で検索してみてください。

惜しむらくは、中国の製品ということでデフォルトではGoogle Playは使えないということですが、いわゆる裏技的にアプリを入れて使うことは自己責任でということらしいので、ガジェット好きな方にとってはかなり興味をそそられるのではないかと思います。

ちなみに、売出しの価格は海外では日本円で6万円台ということらしく、日本でどのくらいの人が買うのかは未知数ですが、改めて中国メーカーと日本メーカーとの違いというものを感じてしまいます。日本の企業に元気があったころは、「こんなもの誰が買うのか?」と思うような変な家電製品が多く作られました。それこそ、量販型デジカメのはしりとも言えるCASIOの「QV-10」も発売当初は定価が6万円台でしたが相当売れて日本に新たなデジカメ市場が完成したのでした。

紹介したYN455という製品は、日本のカメラメーカーが作るレンズ交換式カメラのように、出てくる絵の綺麗さを追求したりする性能については不明なところが多いですが、「今ある技術を組み合わせてどんな面白いものを作れるか」といった点で日本のメーカーも見習うことが多いのではないかと思います。昔の日本のメーカーだってコンパクトカメラにラジオを付けた「ラジカメ」やラジカセにテレビを付けた「ラテカセ」なる商品を出していました。今ではテクノロジーの進歩により、基本スマホに何か付加価値を合わせれば様々な用途で便利な製品ができそうな気もするのですが、残念ながらこうした新製品のニュースが海外、特に中国からだったりするとかつての日本のメーカーの変な製品を面白がっていた私としては残念な状況にあると言わざるを得ません。

そうは言ってもYN455というハードが爆発的に売れて日本のカメラメーカーを脅かすような事にはならないとは思うのですが、例えば鉛筆の反対側に消しゴムを付けるというような単純なことでも、その製品が馬鹿売れするような事はあると思います。こんな時だからこそ、日本のメーカーには見ただけで面白そうでワクワクする製品の登場を期待したいものです。


オリンピックが自国開催になって改めてわかる世界情勢

今回の東京オリンピックは開催をすること自体に賛否両論あったものの、自国のメダルラッシュにテレビや新聞では連日多くの報道が流れ、すっかりテレビ観戦にはまっている方も少なくないでしょう。私自身もそうした人の中にいるわけですが、単純に日本選手がメダルを取ったという事だけではなく、世界の注目が良くも悪くも集まる場の中で起こることには、今まで詳しく知らなかった世界に目を向けるチャンスでもあることを感じるここ数日となっています。

日本にいると国内の事およびアジア諸国の情勢は報道されるものの、日本から遠く離れた海外の国の事というのはなかなか実感がわかないというのが正直なところだろうと思います。ただ今回、陸上の短距離の女子選手が母国に強制送還されそうになり、IOCに他国への亡命を求めたというニュースは、ヨーロッパで一番独裁的な指導者がいるというベラルーシという国を改めて詳しく知ることになりました。

個人的に驚いたのは、大統領のルカシェンコ氏が、自国の選手が一つもメダルを取っていない事に不満を示し(これを書いている段階では、その発言があった後にトランポリン男子で金メダルを獲得しています)、現場にまで介入してきたということです。今回、最終的には隣国のポーランドに亡命することになったクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手は、選手に相談なく今まで自分が試合で走った距離でないリレーへの参加を強制され、それに対してコーチ陣に異議を唱えたら強制帰国させられそうになったということで、亡命を希望してIOCに訴え、今回の騒動が私たちの目に触れるきっかけとなりました。

強制帰国させられると、簡単に自分の意志により自国のスポーツ界を支配しているような大統領ですので、そのまま帰国させられたら人権を抑圧されるような仕打ちを自国で受ける可能性がかなり大きかったということになります。ここまであからさまな話というのは、試合に負けたら「鞭打ちの刑」を受けるという話があった中東の国や、強制収容所に入れられる可能性のある他の独裁国家の事を連想します。

私自身、そこまでして自国の人民を支配しているという事がオリンピックで起こった事件によって世界中に広まってしまったことで、結局損をしたのは当のベラルーシの大統領だったのではないかと思えてしまいます。独裁者の一存で色々なことが決まってしまう社会というのは、こんなに不自由で理不尽であるのかということを知り、決してわずかな人たちの考えだけで様々な物事が決まってしまうような社会に変わっていって欲しいと願わずにはいられません。

そして、これは政治的な話ではありませんが、オリンピック開幕前に母国に強制送還されてしまったアフリカのウガンダ共和国の候補選手が逃げ出した問題についても、ウガンダに限らず世界では多くの人たちが貧困にあえいでいてオリンピックというイベントを利用してでも何とか現状を何とかしようとしている厳しい状況があることを改めて知ることになりました。せっかく、東京でオリンピックが行なわれているのですから、競技の結果だけでなくそうした数々の競技外の話というものも、マスコミにはしっかり伝えて欲しいと思います。


新型コロナウイルス対応ワクチン接種の予約の内容で社会が滞る可能性も

世の中の興味の多くは東京オリンピックにあるのかも知れませんが、私の周りではしゃれにならない状況になってきています。昨日、仕事に出たら直接関わりはないものの同じ職場の人が当日に体調が悪くなったと連絡を入れて仕事を休み、危うく仕事に穴が開くところだったらしく、あくまで「お願い」という形ですが、全員にということでこちらの方に話がありました。

その人は新型コロナのワクチン接種を受けた翌日(仕事の当日)に熱が38℃まで上がったそうで、とても仕事どころではなく休むしかない状況に追い込まれたのですが、職場の方では可能な限り、今後ワクチン接種の予約を取る際には、自分の休みの日の前日にするなど、ワクチン接種の副反応が起きても仕事に影響を受けにくいような日程で予約して欲しいということでした。

これは、もっともな話だと思うものの、私の住んでいる静岡市のワクチン接種の方法では、必ずしもそうした日程調整ができないので、もし自分に副反応が出たら周りの人に迷惑を掛けてしまうのではないかと思えたりして、困惑しているというのが正直なところです。

というのも、こちらでの予約方法はまず第一回目の接種日を決めると、自動的に第二回目の接種日が三週間後に決まってしまうのです。この方法でも土日休みの人ならいいのですが、私の場合一週間の中で休日が変わる可能性もあるので(必ずしも土日祝日休みではないのです)、特に副反応の心配がある第二回目の接種については、接種の翌日が出勤日になる可能性もあります。そうなって実際に副反応が出たら、私自身も仕事を休んで他の人に迷惑を掛けることはほぼ確定してしまいます。

もちろん、一回目と二回目の予約を個別に行なうことになると、確認作業など業務が煩雑化して大変なのはわかるのですが、いざ自分の事として考えてみると、やはり予定していた人数が急に集まらなくなり、仕事ができなくなるリスクを多くの事業所が抱えることになるなら、特にサービス業やライフライン関連の仕事の人については(複雑なシフトで休日出勤もあるような場合は特に)、臨機応変に二回目の接種の日程を変えられるようにしないと、これからいわゆる働きざかりの人の接種が増えると思うので、副反応の影響による社会の停滞が問題になってくる可能性も出てくると思うのですが。

それと、本来は年齢とは関係なく、常に不特定多数の人と接触する可能性のある業種で、実際に現場に出ている人については、内勤の人は後回しにしてでも先にワクチン接種をするような優先順位の付け方も、今後の爆発的な感染上昇を抑えるためには必要ではないかと思うのですが。

ちなみに、私のところにはすでに接種券は来ていますが、国から来るはずのワクチンが予定していた個数が届かない影響で、本来なら昨日からネット予約できるはずが、予約自体ができなくなってしまいました。現状ではいつ予約できるかもわからない状態になってしまっています。身内の高齢者は軒並み二回打てていて、副反応がないのだけが救いなのですが、しばらくはオリンピック・パラリンピックをテレビ観戦しながら大人しくしているしかない残念な状況になっています。


Androidバージョンアップの悲喜こもごも Android11になるものならないもの

昨日、ふと気付いたら先日中古で4,500円で購入したドコモ版Galaxy A21にバージョンアップのお知らせが来ていたのでバージョンアップの作業を行なったのですが、これがAndroid10を最新のAndroid11にするバージョンアップでした。ドコモのホームページでは「Android 11 へのバージョンアップ予定の製品」として紹介されていたので期待はしていたものの、「予定」はあくまで予定であって、同じような対象スマホを持っていても、結果バージョンアップが行なわれることなく終わってしまった経験もしているので、何とかバージョンアップできたことで、たとえ性能は並以下であっても長く使える可能性が広がったことは嬉しく思います。

逆に言うと、安くAndroid11搭載のスマホを欲しい場合には、ドコモ版のGalaxy A21は狙い目のスマホということになります。基本性能は低いので使う人を選ぶと思いますが、私の場合は、親に長く使えるものなら使ってもらいたいと思って購入したスマホなので、落として壊したりしなければ、想定より長く使ってもらえるのではないかと期待しています。

そうした嬉しい情報がある反面、私自身がメインで使っている楽天モバイル版のOPPO Reno Aは、Androidのバージョンは11の前の10にも届かないAndroid9の状態で止まってしまっています。内容がほぼ同じながらAndroid10が載った後継機のOPPO Reno3 AはもうAndroid11へのアップデートが来ているようなので少しの差でえらい差になってしまったように感じています。しかしまあ、購入するタイミングというのは人それぞれで、成功する場合もあるし失敗する場合もあります。どちらにしても5G対応のスマホではないので、もし今後もアップデートがなくAndroid9のままだったら、早めに買い替える決断をすることができると前向に考えるしかありません。

この辺の事は、iPhoneを使っている人にはわからない話かも知れませんが、AndroidスマホはiPhoneと比べると安く購入できますし、楽天モバイル利用については、楽天Linkアプリの使い勝手がiPhoneの方が格段に悪くなってしまったこともあり、やはり楽天モバイルで通話やSMSを使いたい場合には、Androidスマホにこだわる必要があるのです。

新品の場合は私のOPPO Reno Aのようにバージョンアップされるものされないものの境界というのは購入時にはわかりませんが、中古でスマホを探す場合にはできるだけ発売日が早いもので、メーカーのホームページやキャリアのサイトからの情報を活用して、少なくともOSのバージョンアップ予定に入っているものの中から選ぶようにすることが改めて大事であることが実証されたことになります。

願わくば、Android9で使えなくなるアプリがしばらくは出てこなければいいなと思うのですが、どうしても使いたいアプリがある場合には発売からそれほど時間の経っていない、今自分の使っている回線で使えるスマホを安く購入しておくこともスマホを安いコストで使い続けるためには必要な事なのかも知れません。