車中泊での心構え」カテゴリーアーカイブ

車中泊をするということは、自分の知らない土地に車を停めて長時間過ごすということもあり、その土地土地の人との関係がうまくいかないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。ここでは、そうした事も想定しながら車中泊の旅に出掛けられる場合の心構えについて考えていきます。

キャンプ場で感染症は防げても

個人的には休みが続いても泊まりでのお出掛けは自粛していますが、どうしてもレジャーでお出掛けしたい人にとってキャンプが人気という話があります。確かにテントサイトを離して利用すれば、極力他人との接触が抑えられ、日常から離れた非日常を楽しむことができるでしょう。

ただ、そうしてやってきたキャンプ場にも危険はあります。昨日のニュースで、長野県上高地の河童橋の近くにある小梨平キャンプ場で、テント内に熊が侵入し、中で寝ていた女性を引っ掻いて10針も縫う怪我をしたということです。上高地は新型コロナウイルスで人は来なくなっているとはいえ、一年を通じてのハイシーズンである8月に熊が出るということは普通には考えにくく、それだけ熊の餌が無く、熊の方もリスクを考えた上で人間が密集するようなキャンプ場までやってきたということになるのでしょうか。

山でキャンプをする時の基本は、テントの中の食べ物の扱いには注意し、匂いで熊を含む他の動物がやってこないようにすることだと思うのですが、さすがに今まで熊が出たことがないキャンプ場でのことなので、つい気が緩んでしまったのかも知れません。しかし、家を出て自然の中で生活するということになると、いつどんな災難に遭うかはわかりません。小梨平キャンプ場はテントを襲った熊が捕獲されるまでは閉鎖されるということですが、改めて自然の恐ろしさというものを感じるとともに、食べ物は夕食時に食べ切り、テント内に食べこぼしが残らないよう片付け、更にテントの中に匂いを残さない工夫も必要でしょう。さらにキャンプ場の管理棟があれば、熊に狙われそうな食料の保管をお願いして直接テントが襲われないように対策を立てることも必要になってくるでしょう。

その点、車を使っての車中泊の場合は、車をロックして寝れば直接襲われることはないとは思うのですが、生ごみや食べ残しを車中泊する車の回りに散乱させているような事をやっていると、生命の危険はなくても、野生動物がやってきて車に傷を付けられたりする可能性も無いことはありません。大きな動物に体当たりされれば、自動車事故のような状況になることも考えられますので、車中泊旅であっても食料の管理や生ごみ・食べ残しの処理についてきちんと考えた上で行なわないと思わぬトラブルになるかも知れません。

また、今回の事件が起こる前、2020年7月から熊の出没情報があり、キャンプ場の方でも注意を呼び掛けていたといいます。こうした状況は、事前にネットでも調べることができる場合もあると思うので、出掛ける前にはそんなクマ出没情報の有無をチェックして、危険だと思った場合にはお出掛けそのものを中止するとか、勇気を持った撤退も有りではないかと思います。


新たな携行必須品は「エコバック」と「マスクケース」?

昨日、ちょっと近くのドラッグストアに買い物に行こうと家を出てしばらくして、手に財布だけ持ったままでマスクをしていないことに気付きました。あわてて家に戻り、マスクを付けて買い物に行ったのですが、そのまま行っていたらお店に入れなくなるところでした。

というのも、まだそこまで新型コロナウイルス感染者の数が増えていない静岡県でも、厳しく入店管理をしているところがあり、そのドラッグストアでは入店時にアルコール消毒が必要で、さらにマスクを付けないで入店してきた場合は、サービスカウンターで有料のマスクを購入してから買い物をするようなシステムになっていました。ここまでやらなければ、いつお店からクラスターが出るかわからないということもあるのでしょう。それにしても、個人的には少々甘く考えていたところがあり、今後自分の行動を考える際には色々と見直すところも増えてきそうです。

一応、自分の車の中には紙マスクを常備していて、うっかりマスクを忘れてしまった場合には車にあるマスクを付けて外に出るようにしているのですが、今回のように徒歩や自転車で外出してマスクを付けるのを忘れてしまった場合、外でマスクを買うしかありません。一応自宅にはそこまで潤沢ではないですが、布用のマスクが全て汚れてしまった時に備えて紙のマスクも少々置いてあります。今後は、無意識にマスクをしないで外出してしまった場合、たとえそれが徒歩でも自転車でもマスクが必要な場合にはすぐに出して使えるようにするという、意識の変革が必要なのではないかと改めて思いました。

そこで、以前面白そうだからと100円ショップで買っておいた、最大3枚収納できるマスクケースと、折りたたんで小さくなるエコバックを財布を入れている巾着袋に一緒に入れておくことにしました。これなら、巾着袋さえ外出の時に持って行けば、マスクもエコバッグも自前で用意できるので無駄な出費を抑えることができます。まだ新型コロナウイルスの方は収束しないでしょうし、再び自然に還る素材でレジ袋が無料配布される保証はありません。

めんどくさいようですが、この2つのグッズを一度用意してしまえば、何らかの事情でマスクやエコバッグを使ってしまった時だけ、使った分の補充なり使い終ったエコバックを畳んで元のようにコンパクトに仕舞うことだけに気を配れば、外出先であわてることも少なくなるでしょう。

まさに、今年の初めには考えられなかったエチケットとしてこうしたグッズの準備が当り前にならざるを得ないのではないかと考えます。ずっと家にいてたまに出掛けた先でマスクを忘れて他の人とトラブルになってしまうようなことがあると、せっかくの外出が最悪の状況になってしまいます。些細な事ですが、自分で準備することによってトラブルの芽を摘み、トラブルなく安全に外で楽しめるように気を配りたいものですね。


改めて車中泊を意識した工夫と車選びの必要性を考える

6月から7月にかけて、日本国内ではどこかが梅雨の長雨による洪水被害に遭遇しています。私の住む静岡でも伊豆半島や山間部が大きな被害を受けていますし、歴史的には一度も崩れたことがないというようないわゆる「地盤がしっかりしている」と思われている場所でも、ちょっとした事で崩れる可能性は0ではありません。大雨の最中に大きめの地震が起きる可能性だってあります。そうした事も考えた上で、危機管理について考えておかなければいけないということを最近はしみじみ感じています。

2020年の水災に対して、避難所へ行かずに車中泊をしながら避難している人も多いようです。過去の災害でもペットを避難所に入れられないとか、隣で避難している人との距離が近く、プライバシーが管理できないという理由で車中泊をしていた方は多いと思いますが、今年の場合はそれに加えて避難所に集まった人から感染する感染症の恐怖というものもあります。

こうした脅威が意識されていないと、かつて起こった阪神淡路大震災(1月17日)の、地震とは直接の関係はないものの、多くの被災者がインフルエンザ中心の感染症で亡くなったという報告をたまたまテレビで見ていて、自分や家族が感染しないようにするには、必要以上に他人と密にならないように車の中で過ごす時間を増やし、泊まりも車の中で車中泊ということになってくるわけです。

ただ、ご自宅の車が軽自動車・小型車の場合は、4人ないし5人乗りの車であっても車中泊ができるのは大人と子供の割合にもよりますが、夫婦二人と小さなお子さんの3人がせいぜいで、お子さんが大きくなれば全員が車中泊することは難しいと言わざるを得ません。

さらに、車がフルフラットにならず、単にシートを一番後ろにスライドさせてリクライニングさせても、手足を十分伸ばすことができず、エコノミークラス症候群で最悪命の危険も出てくることを忘れてはいけません。シートを後ろにずらすと前方に空きスペースができますが、その部分に荷物やクッション、バランスボールなどを詰め込んで、最低限両足を伸ばせるような事ができるか、さらに体を伸ばした状態でできるだけシートと体との間に隙間ができないように、マットレスや座布団などを家から持ち出し、少し寝ただけで体の節々が痛くなるような事がないように寝床を作れるのかということも試し、一日車中泊して無理だとわかったら、やはり避難所に行く方がいいと思います。

逆に考えると、今乗っている車だとどうしても車内がフラットにできない(クッションなどで段差を埋めても)なら、大きめのマットレスを中に入れれば何とか家族が川の字になって寝られるようなアレンジができる車への乗り換えを考えるというのも一つの方法だと思います。

ちなみに、私が現在乗っているホンダフィットでは、一人での車中泊を想定しているので以下のリンクのようにコット(キャンプ用のベッド)を使って快適な就寝環境を得ることはできますが、二人以上で同時に車中泊をするにはなかなか大変です。

フィットで車中泊するためのセッティング その2 B24 cot(OEM:Voyager)を使うためのポイント

一応、レジャー用途で一人用のテントを車に載せてはいるものの、大雨の中でのテント泊というのは不安になりますし、家族が車の中に避難して夜を明かすには不十分です。そうなると、災害対策としてももう少しフラットの空間が広がる車に買い換えるか、フィットの運転席側の空間でも快適に車中泊できるような方法を考えるべきであるかも知れません。

今後、実際に自分の車で家族との車中泊を考えている方は、持ち出せる寝具や座布団・クッションを総動員して何とか手足を伸ばして二名が寝られる場所を確保するとともに、フロントガラスには日よけのサンシェードを設置し、サイドの窓にはタオルをガムテープで止めるなどして一時的なカーテンを作って、外から見られる事を防ぐなど、車内のプライバシーについても対策することをおすすめします。外から車中泊をしている車は、中でランタンなど照明を付けているとかなり中の様子が見えてしまうものです。車内自体は個室になっているので、つい周辺に気が行かなくなってしまいがちになるので、昼だけでなく夜も、いったん外から自分の車を見て、中の様子がわからないような処置を施すことも忘れないで下さい。


自分の車を守るためドライブレコーダーに加えて付けたい補償

あおり運転の動画がテレビで放送されることに慣れつつある今、さらにびっくりしたのが、東名高速道路上り東郷PA付近において、車の後方を走行しながら「エアガン」とみられるものを窓から出し、前を走る車にめがけて打ってくる衝撃的な映像でした。

この映像は前方と後方にカメラのあるドライブレコーダーでないと撮れない映像だと思ったのですが、実際は同乗者が後ろ向きに撮影した動画がニュースでは流れているようです。ただ、一人で運転することが多いなら、現在ドライブレコーダーを付けている方でも後方も撮影できるものに買い換えを検討しなければならないと真剣に考えている方も少なくないでしょう。しかしそれだけでは不完全です。ここでは、実際に決定的な犯行の瞬間を撮影し、警察に届出をした後にあった方がいいことについて考えてみます。

最初にお伝えした「エアガン」を発射した車については、テレビではナンバープレートが隠れていたもののきちんと記録されているようだったので、少なくとも車の持ち主が特定され、その中でその時間に運転していた人物が特定されるでしょうが(ナンバープレートには付け替え疑惑がありますが、犯人は特定され逮捕状が出ているそうです)、問題なのはエアガンによって傷つけられた車の傷を修理する費用について、特定された犯人に支払能力があるか? というもう一つの問題が出てきてしまいます。

そもそも、事件となった後で何をするかわからないようなその相手と賠償について直接交渉するなんてことはできるだけ避けたいというのがほとんどの人が考えることでしょうし、そんな時の事を考えた自動車保険による補償というものを考えるのが、ドライブレコーダーを設置することとともに大事になってくることなのではないでしょうか。

基本的には車の保険には「車両保険」があり、その保証内容によって被害を受けた車両を修理するための支払いが受けられますが、たとえ自分に非がなくてもケースによっては翌年の保険料が上がってしまうディメリットがあります。今回のように動かぬ証拠として動画があり、その犯人を特定できる場合は、自動車保険のプランの中で翌年の保険料が上がらないまま相手との交渉を代行し、賠償金を払ってもらうのに利用できる特約があります。

最近では基本プランでセットされている場合も多いので、今お持ちの自動車保険の保険証券を見て欲しいのですが、その中に「弁護士費用特約」というものが入っているかどうかがポイントになります。紹介したエアガンで撃たれたような場合は交通事故ではないので、直接保険会社の担当社員が動けないというのが現在の考え方ですが、相手に対する交渉事を弁護士に依頼する費用について、保険会社が支払うというのが「弁護士費用特約」です。この特約は単体で利用しても翌年の保険料が上がることはないので気軽に保険会社に相談の上で知り合いの弁護士や保険会社が紹介してくれる弁護士に動いてもらえます。

個人対個人の交渉では全く話にならなくても、さらに一括での修理費支払いが無理だと言われても、弁護士が直接交渉することにより相手は話に応じざるを得ず、さらに弁護士に依頼してからは個人同士の直接交渉はできませんので、相手と話すこと自体がストレスになるような事もありません。うまく示談が進めば、一括払いは無理でも分割での賠償を得られる可能性もあります。

ただし、この「弁護士費用特約」というのはあくまで弁護士に支払う報酬にあてられる費用を出すだけなので、弁護士を通しても何ともならない相手だった場合、修理費を回収できない可能性もありますので(ただしその際にかかった弁護士費用は規定の金額分保険でまかなわれます)、その点だけはご了承の上、いざという時に備えるのがいいのではないかと思います。


暑熱順化が夏の車中泊のカギか?

東海から関東にかけて梅雨明けの声を聞くことになりました。晴れるようになると、日中は猛烈な暑さになり、さらに夕方には大気が不安定になり、雷を伴った大雨が降り、夜は蒸し暑くなるという天気にこちらではなっています。

蒸し暑い日本の夏に対してはクーラーのある部屋で休むことが熱中症にならない方法だということで外に出られないような状況になっている人もいるかも知れません。そうした生活というのはある意味ではいいと思うのですが、単に外出するだけでなく、外でレジャーをしたりキャンプや車中泊で夏の暑い盛りにクーラーを使えない状態で寝るような状況になった場合、暑さを体感しないでまともに暑さにやられてしまうと、それが体調を崩す原因にもなりかねません。

特に今年の状況は、それまで雨や曇りの日が多く、東京などは梅雨明けがかなり遅くなるなど、涼しい日々が続いていたのに急に暑くなったことで、体が暑さについていけなくなるような形で体調を崩してしまうケースがこれからは心配になってしまいます。

そこで、勧められていたのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という暑さに体を慣らす行動です。元々人間の体というのはある程度は暑さに対応できるようになっており、汗をかいたり皮膚の血流を増やすことにより体温の上昇を抑え、さらに汗として出てしまう塩分についても、汗をかく人は体外に出てしまう塩分の割合が少なくなり、その分の塩分が血液中に再吸収されることから、汗をかかない人よりも脱水症状を起こしにくい(体の塩分が少ないと体に水分をつなぎとめておくことができないので脱水症状を起こしやすいのです)という情報もあります。

蒸し暑くなったからと言って、一日中クーラーがある部屋でずっと生活をしていると、部屋から出ない場合にはほとんど汗をかかずに済んでしまうということがある反面、外に出てあまりの暑さだった場合に体がだるくなったり、夏バテの症状も起こしやすくなってしまいます。

そこで、この時期に必要なことはある程度汗を流して自分の体を「暑熱順化」させることが大切になっていくのです。これからの時期、車で出掛けた際には好んで車中泊をやる人だけでなく、どうしても目的地にたどり着けずに車の中で仮眠を取らざるを得ないという場合も考えられますので、「車中泊をしない自分には関係ない」ということはなく、この夏に車で長距離の移動を計画している人にとっては、今のうちから自分の体を暑さに慣らしておくことを考えておくべきだと思います。

具体的には、「やや暑い環境」で、「ややキツいと感じる」運動を1日30分行なうことで汗をかくようにする事が推奨されています。ウォーキングや自転車での移動というのが誰にもできることですが、お風呂に入って汗をかくようにすることも良いと言われています。当然、そうした運動の際にはきちんとした水分補給が大事になりますので、運動をする場合や夜寝る前にはしっかりと水分補給を忘れないようにしましょう。

こうして、たっぷり汗をかいた後は、しっかり着替えるようにしないと汗が冷えて逆に体が冷えてしまいますし、何より不快になりますので、水分補給を含めたこまめな体をケアをこの時期にはしつつ、いざという時の車中泊にも体調をくずさない体を作ることを目指しましょう。


夏に向けた季節の車中泊の環境作り

夏の車中泊というのは冬と比べると、着込んだり暖房方法を工夫すれば電気を使わなくても(お湯をわかして湯たんぽを作るなど)何とか行なえるのではないかと思うのですが、夏の暑さの場合はクーラーを使わないとなかなか快適に車内を冷やすことは難しいように思えます。

実は先日、大阪朝日放送の深夜番組「ビーバップハイヒール」で、思わぬところで命を落とすケースというものを解説した放送をTVerで見たのですが、旅行中の若い女性が前日に普通に生活していたものの、翌朝起きて来ないと思ったらホテルの部屋で亡くなっていたという、かなりレアなケースだとは思いますが、その際の死因は何か? という風な形で番組は進行していきました。

恐らくテレビで紹介されるくらいなので実際にこのような形でお亡くなりになった方がいて、その状況を解説していたのだろうと思うのですが、この場合の死因が「エコノミークラス症候群」であるという事に、当初はちょっと納得が行きませんでした。

ただ、ホテルのベッドで普通に寝ていても何かの拍子で血栓ができる事は考えられますが、たまたま固い物の上に乗ったとかしないと普通のホテルのベッドのようなところで血栓ができるという事は考えにくいと思うのですが。ただ、番組ではホテルの部屋でかなりの汗をかいて水分が抜けたため体内の血がドロドロになってしまったということと、その女性がホテルの部屋であってもトイレに起きたくないと寝る前に水分を摂らなかったため、普段よりも血栓ができやすい状態になっていたという補足説明がありました。たとえ自宅であっても、寝相の関係で体を圧迫することで血栓ができやすくなった場合、十分な水分補給をしていないと命の危険もあるという事を改めてこの番組を見て認識することになったのですが、そう考えると改めて考えてしまうのがやはり真夏の車中泊の環境整備というところになります。

過去に言われてきた事に、単に車のシートを倒しただけの状態で寝に入った場合、ベッドで寝る場合と比べるとかなり不自然な格好で過ごすことになってしまうわけですので、まずは体の一部に力がかかり、血栓ができる事をできるだけ防ぐため、フラットな床にマットを敷き、体重を分散させるような寝床を作りたいですし、異様に汗をかいて体の水分が抜けてしまわないように風通しを良くするなどの工夫も必要になります。もちろん、水のペットボトルは常に枕元に置いて、喉が渇く前に定期的な水分補給を心掛けることも忘れてはいけません。

さらに、血栓予防に開発された「弾性ストッキング」を履いて寝るということも、エコノミークラス症候群を心配する場合にはやっておく必要もあるかも知れません。夏の車中泊については万全にしたつもりでもこのように危険があるものだと思っていた方が、いわゆる最悪の事態を避けられるというようになるのではないかと思います。

また、個人的にはここで紹介できるだけのノウハウはまだ持っていないのですが、水を入れて気化熱で冷たい風を起こす、USB経由で動く「冷風扇」は、水で濡らしたフィルターに風を当てることで多少の加湿効果もあると思うので、車内を乾燥させず、扇風機よりも涼しくなるのなら、気休めに過ぎないものかも知れませんが、夏の車中泊用に物色してもいいかなと思っています。ただ、どのくらい熱帯夜の中で使えるかということはわからないので(^^;)、今後の課題ということにしたいと思います。


今だからこそカップ麺用の自動販売機があったらいい

NHK総合・BSプレミアムで放送されていた朝の連続テレビ小説「まんぷく」が最終回を迎えました。ここ数年のNHKは、コマーシャルを放送せず、特定の企業の利益になるような事を普段の放送では決してしないのに、このドラマのように事実に基づきながらもフィクションをおりまぜれば、ドラマを見ていたほとんどの人が「チキンラーメン」「カップヌードル」を売り出している日清食品の物語ということはわかっているという、基本的にコマーシャルをやらないNHKの大きなる矛盾を感じてしまうわけですが、それだけ「カップヌードル」という製品は画期的な食品だとも言えます。

いつでもどこでも作ってすぐに食べられることはもちろんすごいですが、調理方法がお湯を注いで3分ないし5分(一部の製品の場合)待つだけというその作り方も「チキンラーメン」の時にできていたとは言え、器も一体になったことで野外や旅先での心強い備蓄食料としても意味が出てきます。

大機な災害に備えて役所などが市民に配る分のカップ麺を用意しているところもあるでしょう。問題は前回のテーマでも触れました、災害時にどうやってお湯を作るのかということになってきます。

今までは何とか自分で用意してきた水から火器を使ってお湯を作る方法について考えてみましたが、災害が起きなければ、旅先でカップ麺を食べるにはかえって事前にカップ麺を用意しない方がスムーズに食べられるという事があります。

というのも、今のスーパーやコンビニでは、電気ポットに定期的にお湯を用意していて、自店で購入した商品を店内で食べることができるようになっています。今後は消費税引き上げの影響で購入した商品を店内で食べられるイートインの存在意義も問題になってくることはあるでしょうが、あえて高い税金を払ってでも、購入と同時にお湯を入れて調理し、その場で食べることができる環境が整っている今の日本は大変便利だと改めて感じます。

そんな中で、朝ドラでカップヌードルを売るために考えられたものの一つに、その場でお湯を注いで食べられるようにする自動販売機の存在が知られるようになりました。私自身もそんな自動販売機があったことは記憶していて、それこそ高速道路のサービスエリアや一般道のドライブインに設置されていて、まだコンビニエンスストアのない地方では単に商品が出てきて、お湯を入れて食べるだけの単純な作りだったものの、深夜に何も食べる所がないような場合には重宝しました。うろ覚えの知識で済みませんが、最近でも静岡県内では静岡と愛知の県境にある「潮見坂」の道の駅でカップヌードルの自動販売機を見た気がします。

先に述べた通り、今後の消費税引き上げにともなう軽減税率の適用について、スーパーやコンビニ内に「イートインスペース」を付けて提供する場合、単にカップ麺を買って帰る場合には8%で済むものの、イートインスペースで食べることを申告しただけで10%になるので、もしかしたら今あるイートインスペースが無くなってしまうのではないかという恐れも出てきます。

では、カップ麺の自動販売機の場合はどうなのでしょうか。同じように考えると最初から10%上乗せされた形で販売されるのかも知れませんが、自動販売機の回りに飲食スペースが無い場合はどうなるのでしょうか。同じように判断に迷うケースとして、様々な飲み物を提供する自動販売機があります。ペットボトルや缶入り飲料の場合、その場で必ずしも飲まなくてもいいので8%で提供できるのではないかという可能性があります。

さらに言うと、カップが出てその中に注入するタイプの自販機はどうなのか? というところもありますが、逆に今回の消費税の軽減税率の判断で、単なる商品の販売ということになれば、自動販売機でカップ麺を購入したいと思う人のニーズが生まれます。

さらに一部のコンビニエンスストアが深夜の営業をしないということが当り前になってくると、今までは必要なかった人員を必要としない営業の方法として改めてカップ麺の自動販売機の設置へ舵が切られるような状況もあるのではないか? という気もします。

どのくらい自動販売機による売上げが上がるかということも考えなくてはいけませんが、定価で売れるというのも自動販売機の魅力であり、昔懐かしいお蕎麦などの自動販売機が揃った「オートスナック」が観光名所にもなる現在、新たなカップ麺の自動販売機の設置が全国で進んでくれれば、車中泊の旅で夜食が食べたくなった場合に、マップで登録された自動販売機の設置場所へ向かい、そこで夜食をいただいた上で車中泊というパターンも使えるようになるかも知れません。

ただ、そもそも今年10月に消費税が引き上げられるのかという問題もあるのでまだ不確定な要素は多いのですが、メーカーが新たに最新の自動販売機を全国に設置するということになったら、ぜひ食べに行ってみたいものですが(^^)。


インドネシアの津波の恐ろしさから車中泊の旅を考える

インドネシアで起こった大きな地震を伴わない津波の被害は、日を追うごとに大規模になっていくようで、まだまだ増えるのではないか? という感じもします。それは、いわゆる何らかの「予兆」が全くない中、さらに周りも良く見えない深夜に起こったという悪い条件が重なったことにより、まともに津波を受けてしまった人が相当いるだろうと思えるからです。

今回のケースは、少し離れたところにある火山の噴火によって土砂崩れが起き、その土砂の勢いで津波が起こったという、地震とは関係なく突然やってくる津波ということなのですが、テレビでは何故か日本で同じような地震による被害の可能性について、多少の報道はあったものの(九州の阿蘇山の噴火で地すべりが起き、別のところで津波が起こった事例があるとの話はテレビで見ました)、自分の住む南海トラフに接する地域ではどうなのか? ということについては説明はなかなかされません。

そんな中、これは2017年10月のニュースなのですが、正に今回のインドネシアで起きた津波と同じようなメカニズムでの被害が過去に出ていたのではないかとする研究が発表されたというものがありました。

それは、日本の歴史では戦国時代初期の1498年に起きた、南海トラフ巨大地震と考えられながら全体像が不明確な「明応地震」について、駿河湾内で海底地滑りが原因の局所的な津波が発生した可能性が高いと指摘する研究があるというのです。

駿河湾は数々の深海魚が生息する深い海溝があることでも有名ですが、そんな高低差のある海底内では海底に震源域がある地震や、海底火山の噴火活動によって崩れてしまった場合、場所と規模にもよると思いますが、通常の津波よりも早く陸地に到達する津波となって沿岸部を襲う可能性も拭いきれないという話もあります。

このニュースは、津波工学が専門の阿部郁男常葉大教授が執筆した論文、「駿河湾内の津波痕跡に着目した1498年の明応東海地震の津波波源の検討」、土木学会論文集B2(海岸工学),Vol.73,2017.が発表される前に地元の新聞社が報じたものですが、今のところ大きな地震に伴う津波警報・津波注意報は出てくるものの、海底での地すべりが地震とは関係ない原因で起こった場合、すぐに警報を出して告知することは難しいでしょう。

今回のインドネシアでの津波は、暗くて海の様子が見えない深夜に起こったことで、全く津波が来ることを考えていない中で被害に遭ったという点で、やはり車で出掛けて海の近くで車中泊スポットを探す場合でも、高台で車中泊をできる場所を探した方がまさしく予想もできない災難から逃れるためには、そこまでの配慮も必要になってくるのかと思うところもあります。

海に限らず自然は様々な恵みを私たちにもたらしてくれるものの、ほんの気まぐれで容赦なく破壊を起こす恐い存在でもあります。車中泊場所を決める場合、多くの車が集まる道の駅や高速道路のサービスエリアを嫌い、人や車の来ない場所を見付けるような方もあると思いますが、今の世の中ではスマホのアプリに防災用の危険箇所を表示してくれるアプリもあります。私が入れているのはAndroid用になりますが「地理院地図++」というアプリで、防災関連のハザードマップの他、道路の冠水危険箇所や事前通行規制区間など、いざという時に役立ちそうな様々な情報が記載されたマップを利用できるので、車中泊場所のチェックや、通行時の安全を確保するために必要になれば使いたいと用意しています。ただし、最初に紹介した通り津波というのは現在の学問をもってしても正確な被害範囲を予測することは難しいと思いますので、各種データはあくまで参考とした上で、安全に車中泊できる環境について考えていきたいものです。


ヒッチハイクを甘く見ない方が良い

先日このブログでも紹介しましたが、NHK総合テレビの「ドキュメント72時間」で名神高速道路の草津パーキングエリアに密着した際、本線への入り口のところで車に乗せてもらおうとするヒッチハイカーにも取材していました。

びっくりしたのは、単に交通費節約のために乗せてもらうのではなく、自らの行動を生配信することが目的でヒッチハイクをしている人がいたことです。その方は男性でしたが、髪を長く伸ばしていて、遠目から見ると女性に見えることで、男性のドライバーを騙すと言っては何ですが、あわよくば自分の姿を見てドライバーがどんな変化を見せるかということをあわよくば配信して自分のチャンネルを見てくれている人を楽しませようとしているフシがありました。

こうした事はユーチューバーの鏡というべき演出方法なのかも知れませんが、お金の無い若者の移動を援助しようと思った人の心をないがしろにさせてしまう可能性もあるので、事前事後に十分な説明があって運転手がその演出意図に理解を示した場合なら許されることもあるかも知れませんが、生配信ではすでに世界中に向けて先に流れてしまうので、後からいくらフォローしても許されないという可能性も出てきます。

私自身はそういう事に巻き込まれるのはあまり好まないので、番組を見た後には今までケースによっては乗せてあげてもいいかなと思っていたところもあったのですが、今後は慎重に相手を観察した上で誰でも乗せてあげるようなことは慎もうと思えてしまいました。他の方はわかりませんが、いきなり自分の車の中で生実況を始められたら、相当の違和感を感じるというのが普通ではないかと思うのです。

そんなヒッチハイカーについて、前々から言われている「車に乗せる方のリスク」がそのまま事件になってしまったニュースが有りました。40代の女性が自宅付近まで送って欲しいと通り過がりの車に乗り込み、降りる際に助手席にあった運転者のカバンを掴み、半ば強奪するような形で降りた強盗の疑いで逮捕されたという事です。運転者に気付かれないように置き引きをするのではなく、相手に抵抗されることを見越しての行為は、下手をすると運転者が怪我をしたり最悪の場合は命を落とす可能性もあります。こんな事が普通に行なわれる社会にこれからの日本がなっていくのだとしたら、正直怖いですね。

私自身は見知らぬ人との間でヒッチハイクをしたこともされたことも経験はないのですが、まだ車を持っていなかった学生の頃、男女別相部屋というとほ宿とかユースホステルを利用していた時には、たまたま知り合った車で来ていた社会人のお兄さんに私ともう一人いた旅行者の人が車に乗せてもらい、電車やバスでは行けない観光地へ連れていってもらったことに感謝し、逆に自分が車で旅をするようになって同宿になった人と団体行動をする際に複数の車に分乗してプチ団体旅行のように楽しんだことはいい思い出です。ただ、その場合は事前に宿で食事をしたり談話室でお話しをする中でこの人は、翌日に車に同乗させても大丈夫なのか判断することは可能でしたし、もし何か問題があった場合は宿に宿泊者のデータを聞けばその人の素性は明らかになったので、お互いに納得の上で車に同乗させたりさせられたりという付き合いをしていましたが、今ではちょっとそんなことはできないかも知れません。

そんなことを考えながら書いていて、小説家の坂口安吾のエッセイ「エゴイズム小論」の事を思い出しました。童話の赤ずきんちゃんが親切心から森のお婆さんをお見舞いに行ったものの、その先でおばあさんに化けていた狼に食べられてしまう(最後には狩人によってお話では助け出されますが)という、話を引き合いに出して「親切」という行為について書いています。その中で心に残っているところを今回ご紹介します。

(ここから「坂口安吾/エゴイズム小論」からの引用)

親切にしてやったのに裏切られたからもう親切はやらぬといふ。そんな親切は始めからやらぬことだ。親切には裏切りも報酬もない。(中略)親切のおかげで殺されても仕方がないといふ自覚の上に成立ってゐる絶対の世界なのである。

(引用ここまで)

確かに、自分の今までの行動というものを顧みるに、ほいほいと知らない人の車に乗るのもこちらから知らない人を車に乗せるのも、ある程度は性善説に基づいて行動をしていますが、最悪の場合にとんでもない事件に巻き込まれる危険はあっただろうと思うものの、基本的には恩に着ることはあっても着せたことはありませんでした。まさに「情けは人の為ならず」の精神だったように思います。

今後、車にどうしても乗せてほしいと頼まれた場合、もし最初からの同行者がいた場合は自分の判断で何らかのトラブルに巻き込んでしまう危険性がないとも言えないので、同行者の方から乗せてあげてほしいと強く頼まれない限りはヒッチハイカーは乗せないと思います。一人で運転中にそんな場面に出食わした場合は、紹介したニュースのように貴重品を見えるところに置かないで、簡単に車内の荷物を盗まれないように、事前に車内の座席に物を置かないようにするなど(こうした心掛けは車上荒らしの被害防止にも役立ちます)の対策は今後必要になると思います。くれぐれも軽い気持ちでヒッチハイカーを乗せることは避け、自分なりの結論というものを見付け出してみることをおすすめします。


「無人販売所」が将来なくならないために

日本では季節によって様々な作物が収穫でき、春夏秋冬どこかでおいしくいただける名物があるものです。そんな中、シーズンを迎えた温州みかんの地域ブランドで、抜群の糖度があり人気も最高の「三ヶ日みかん」の農家さんの受難に関することが地域のニュースとなって配信されてきました。

全国どこの地域でもある「無人販売所」は、売る方にも買う方にもメリットの多い手法です。自分の田んぼや畑の近くに販売所を設置し、お金を入れる箱を設置すれば道の駅のように許可をとったりしなくても、すぐに自分の所で収穫した農作物を販売することができます。人気の無人販売所では近所からだけでなくわざわざ遠方から来てくれる人もいるかも知れませんし、人件費がかからずに販売ができるというのは、現金収入のない農家さんにとっては大変ありがたいものでしょう。

また、購入する側にとっても、まさか無人販売所でその土地とは全く関係ない作物を売るということはないでしょうから、生産者の顔を想像しながら安心して購入することができますし、金銭の授受を簡略化しているがゆえのメリットもあります。それは、お店だとどうしても細かい価格になっていて支払いがめんどくさいところ、無人販売では利便性の面から細かい端数の出ない売値にしている状態で量も多くなっていたりして、あくまで原価に近い状態で安く購入できるということです。

そんな貴重な場所である無人販売所の状況が色々と変わりつつあるというのが全国的な傾向なのだそうで、今回ニュースで見た三ヶ日みかんの産地でも起こっています。ここまで書けば多くの方はおわかりでしょうが、無人店に出ている作物を持って行っているのにお金を入れなかったり記載されている価格を無視して、少ししかお金を入れないで持って帰る万引き行為が後をたたないのだそうです。

地元紙の取材に応じた老夫婦は不本意ながらも販売所の中にお金を出して監視カメラおよびカメラ稼働用のバッテリーを数万円のコストを掛けて設置したところ、ひどい時には商品の半分が万引きの被害に遭っていたこともあった以前と比べて、カメラに写った姿から窃盗犯の特定ができたこともあって被害額が目に見えて減っていったとのことです。しかし、そうした設備投資をしないと、タダではないとわかっていても持って行ってしまう人が無くならないのでは、ダミーの監視カメラが見破られたり、何の対策もしていない善意の無人販売所が万引きの被害に遭ったまま泣き寝入りしてしまうことを意味します。今後の無人販売所のあり方についても、販売所そのものを閉鎖する事を含めて生産者は考え直すことも予想されます。

農産物の窃盗については、収穫直前ですぐに売れる人気の農産物に狙いを付けて、一気に収穫しながら盗んで行く事件は全国で起こり、問題になっています。そうした事件と比べると無人販売所での万引きは規模こそ小さいですがやっていることは同じで、罪も大きいということを忘れてはいけないでしょう。

今後、従来の形の無人販売が継続できなくなるくらいの万引き行為が深刻な被害を農家の方々に与えるくらいになってしまったら、ごくごく零細にやっているところを除いては、卵やイチゴの無人販売で良く見るような自動販売機形式での無人販売を考えるところも出てくるかも知れませんし、生産者自体が手広く商売をしているところの中には、クレジットカードや電子マネーをかざすことで目的の品物が入っているケースを開けて商品を取るような機材を導入して、料金もしっかりと消費税込みのものを取るようなことにもなってくるのかも知れません。ただそうした機械を販売目的で使えるところというのはある程度限られてしまい、そういうところにも大規模にやっている農家と、あくまで小規模にやっている所との格差がさらに広がってしまい、買う方としても今までのような素朴な無人販売所での買い物を楽しめなくなってしまうような気もします。

日本が欧米と違うのが、行き届いた公衆道徳を多くの人が守ることだと言われていた時代もありました。それこそ誰でも開けることのできるクッキーの缶にお金を入れるような形式の無人販売でも、夕方に生産者が行けばきちんと売上げと金額が一致しているようなことが普通だったのです。現代の日本は国内でも一部のマナーの悪い旅行客が場を荒らす事例もあるなど、そうした過去の状況とは違うことは当然わかってはいますが、せめて昔から無人販売があったことを知っている人の間では、やはり購入した分のお金はきちんと箱に入れて、小規模で消費税も取らないで販売してくれる農家さんに感謝する気持ちを持って無人販売所を利用するというのが大事になっていくのだろうと思います。