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大型サービスエリアはどんな利用のされ方をしているか

NHK総合テレビで毎週放送されている「ドキュメント72時間」という番組があります。ある場所にカメラクルーが常駐し、取材開始から72時間の中で起こったドキュメントを放送するというもので、2018年11月30日の放送は名神高速の草津パーキングエリアでの取材でした。大阪~名古屋~東京へと続く西日本最大のパーキングエリアで、当然のごとく24時間営業です。一体どんな人たちに取材したのかと気になって先日録画したものを見てみました。

このパーキングエリアは観光バスや夜行バスの休憩スポットにもなっており、自家用車を運転してこなくても利用ができるので、単身赴任の地から家族の待つ家に帰るのに新幹線を使わずに夜行バスに振り替えることでその差額で家族にお土産を買って帰るんだという男性がいて、その方は関西全域のお土産を入手できる大きなパーキングエリアであるため、かなり時間を掛けてお土産を選んでいたのを取材されていました。

私も東京から夜行バスで静岡まで帰る時に、そういったサービスエリアの使い方というものをすることがあります。東京~静岡路線の場合は足柄サービスエリアで休憩になるので、おみやげの購入とともに、中日本高速道路株式会社の直営するうどんや「足柄麺宿」でぶっかけうどんを食べるのが定番になっています(^^;)。元々は同じ東名高速道路の中井パーキングエリアで営業する「中井麺宿」を立ち上げる際に社員を四国まで修行に行かせて、四国の腰のあるうどんを提供するお店の姉妹店としてできたお店だと把握していますが、うどん好きということもあって、車で通る時だけでなく高速バスの休憩の時間を利用して深夜のうどんをいただくのが定番になってしまいました。

番組で紹介された草津には京都まで車で観光に行く際には通るのですが、高速道路を降りる大津のインターがサービスエリアを併設しているので、どちらかというと草津は素通りすることの方が多いのですが、今回取材を受けていた方を見て思い出したことがありました。

というのも、大津在住の友人宅に電車利用で泊まりに行った時、朝ごはんの用意がなく、近くにはそれほどおすすめの場所がないということで友人の車で連れて行かれたのがどこあろう草津のパーキングエリアだったのです。このパーキングエリアには一般道から入場できる入口と駐車場があり、さらに早朝から走るドライバーのための朝食メニューが安くて量も多く、確かその時には豚汁の定食を食べたと思いましたが、ある意味朝食らしい朝食をいただくことができました。

その時の私と同じような利用方法をしている人が番組に出てきまして、その方は深夜3時過ぎにかなりのハイテンションで現われたところを取材されていました。その方は近くにあるスナックのママさんとその常連さんの一団でしたが、全員お酒を飲んでいたら当然車を運転できませんので、お店終わりを待っていつも集まるメンバーの中に代行運転のドライバーを入れて(時間からして恐らく代行運転の営業が終わった頃だろうと思われます)、その人に運転させることでお店終わりに軽食をいただきながらまったりしているという、取材クルーからしたらちょっと変わったサービスエリアの使い方をしていると思われたようでした。

実のところ、このブログでもちょくちょく紹介していますが、一般道から高速道路のサービスエリア・パーキングエリアを利用するというのは結構ニーズがあって高速道路会社の売上に貢献しているところがあるということです。例えば、私の地元である東海道沿線には東名高速と新東名が並行して走っているのですが、特に新東名の沿線というのは山の中を走っていて、大きな国道も通っていないので、周辺で遅い夕食を食べたいと思った場合、地元にある食堂などが軒並み閉まっていると、かなり車を走らせて市の中心部に出なければならないというのが新東名ができるまでのことでした。一般道からのサービスエリアの利用というのは週末の日中にはかなり駐車場から車が入ってきますが、夜間から深夜にかけてならそこまでの利用者はいないと思います。加えて一部の飲食スポットやサービスエリア内のコンビニは24時間利用できますので、もし街の中で24時間営業しているお店に行くより高速道路のサービスエリアの方が近くにあるのだったら、無難に食事をしたいと思った場合にはサービスエリアに一般道から入る方が便利だということになります。

番組では、その他のサービスとして草津パーキングエリアで設置されているコインシャワーを利用するトラックの運転手の方にも取材していましたが、お風呂でなくコインシャワーであるということがパーキングエリアらしく、時間が限られた中で汗を流すのに利便性という点では十分です。地方を車で走りながら車中泊の旅を続ける場合、常に利用できるお風呂がない場合には事前にサービスエリアの施設内容を調べた上でコインシャワーのあるところを利用できれば、リフレッシュもできますし、そこそこ長い距離を連続して走ることができるようにもなるので、積極的な利用もありだと思います。

最後に、番組ではこのパーキングエリアからヒッチハイクを試みる若年層の方々にも取材していましたが、単なる交通費の節約でヒッチハイクをするのではなく、ネットに自分がヒッチハイクをしている姿を同時中継しながら登録ユーザーに見てもらうためにヒッチハイクをしているような感じのユーチューバーの人もいて、時代も変わったものだとしみじみ思いました。そのユーチューバーの方はまさかの同じユーチューバーの集団と知り合い、その車に乗せてもらえましたが、番組でハンドルネームとは言え身分とだいたいの経歴を晒してしまったというのは、今後ネットでの同時中継を中心に活動するというのは、どんな人が見ているかわかりませんし、放送後の活動を考えてもかなりリスクの伴う行為だと私は思います。そこまで頑張ってどのくらいの収入があるのだろうと思いつつ、せめてその体験が彼の後の人生に何らかの役に立つように願うしかありません。


しばし車のない生活をして考えたこと

先週の金曜日から車を車検に出し、代車も使わずに週末を過ごしていました。つまり、全く自分で運転する車のない生活になってしまったのですが、常に使っていた車がないというのは思いの外大変でした。

というのも、自分一人だけで移動するためには自転車も原付もあるので不自由はないのですが、人を乗せての外出が一切できないというのは、買い物や外食もすぐには行けないということで自然と外に出ずにテレビを見て過ごすだけになってしまいました。

電車やバス、地下鉄などの公共交通網が発達している地域ではそこまで自動車の必要性を感じない方もいるかも知れませんが、数日間だけではありますが車のない生活をしてみて改めて高いお金を掛けて車を維持することのメリットを感じるとともに、もしこのまま車を手放した場合、そこまで公共交通網が整備されていない場所でどのように活動していくのかということも考えてしまいました。

バスは途中に目的地があればいいのですが、そうではない場合はタクシーを呼ぶというのが普通でしたが、最近ではカーシェアサービスというものもあります。カーシェアのサービスを利用したいと思っても当日急に車が使いたいと思った場合に車があるのかというのが差し当たっての問題になります。また運良く使える車があったとしても車のあるところまで出向かなければならないとしたら、何とかして現地まで行ける交通手段を考えなければなりません。人を乗せて出掛けたいと思っている場合、一緒に車のあるところへ他の公共交通機関で移動するか、一人が取りに行って残りの人が待つかということになります。

事前に予定がわかれば届けてもらう方法も無いことはないと思いますが、どちらにしてもこうしたカーシェアリングサービスは、徒歩圏内で車が借りられるような場所になければスタートするまで時間が掛かることになり、距離によってはタクシーを呼んだ方がいい場合の方が多い地方がまだまだ日本にはたくさんあるのではないでしょうか。

もし今後カーシェアリングが普及するなら、全国どこへ行っても存在し、駐車スペースもある場所にサービスを広げていかないとなかなか使いものにならないような気がします。ガソリンスタンドでもコンビニでもいいですが、スマホやパソコンで近くの配車場所にあるかどうかの確認および、すぐに用意できない場合でも拠点まで運んでくるまでの大まかな時間がわからなければ気軽にはなかなか使えないでしょう。でもさすがに、すぐ使いたいのにすぐに使える車がなく、車を回送するための待ち時間が相当あるとなった場合は、サービスを使うこと自体に躊躇するかも知れません。そういう意味では多くの車が近い場所に用意しやすい、狭い地域に人が集まっている首都圏でこそ使えるサービスという感じもします。

車を持つコスト面で言うと、購入時の価格の他、毎年の自動車税、2年おきの車検代に損害保険料、そして毎月のガソリン代やもしもの時の整備費用ということを考えると、必要な場合にタクシーを使うようにしても十分なのですが、むしろ今後もなかなか地方でカーシェアリングの組織化が難しいことを考えると、もう一つの可能性というものを考えてみたくなります。それは「自動運転によるバス・レンタカー・カーシェアリング」という考え方です。

この前提には一般道でも安全に自動運転できる車が市販されることが必要になりますが、自動運転車が普通に利用できればコミュニティバスの運行経費の削減になり、地域を担う交通手段として将来にも残る可能性が大きいでしょう。コミュニティバスの路線として成り立たないようなところでも、シェアでの利用が可能な自動運転車がスマホのアプリで呼出されれば、自走で呼出場所まで来てくれて、タクシー代わりに使っても良く、借りた車でそのまま旅行にも行くことができれば、現在のレンタカーやカーシェアリングにおける大きな問題が解決されることで、現状よりも更に利用しやすくなるでしょう。

というのは、もし借りた車で事故を起こした場合、決められた料金に加えて車の修理代だけでなく、車を修理に出している間に営業に使えない分の休業補償相当額まで追加で請求されるか、その分の自動車保険の加入が必要になるのですが、自動運転車がその自動車の欠陥のせいで事故を起こしたとしたら、それはメーカーの補償案件となるので車に乗っている借り主やコミュニティバスを運営する団体側には金銭の負担はなくなるはずです。その分料金も安く使えることになるかも知れませんし、将来的にはタクシーや路線バスが担っている地方での移動手段にとって変わることも考えられているようですから、そんな未来も想像してみたくなるというものです。


尾畠春夫さんに学ぶお金を掛けない車中泊旅のスタイル

2018年9月23日にTBS系で放送された「情熱大陸」で、過去このブログで書かせていただいたことのあるボランティア活動家の尾畠春夫氏に密着取材した様子が放送されました。ご覧になった方も多いかと思いますが、このブログでは主に尾畠さんの車中泊生活はどうなっていたのかという点について、番組を見てわかったことを書いてみようと思います。

まず、取材当時にボランティア活動をしていた広島県呉市天応地区には軽のワンボックス車を使って入り、特別扱いではなく毎日ボランティアの活動票のような紙に記入して主に民家の中に入った土を取り除く活動をやっていました。そうした正式な手続きに乗っ取って活動をしているところから、避難所となっている天応地区の小学校の校庭に車を駐車することを許されているようでした。

また、学校の水道を使って一日働きづめで汗だくになった衣類の選択を折りたたみバケツを使ってやり、洗濯物は車が停めてある横にあるアスレチック系の遊具のロープの網のところに掛けて乾かしていました。その様子だけ見ると、過去に何度もネットで叩かれた道の駅に住んでいる長期滞在者の様子と変わらない行動であるのですが、一つ大きく違うのは、地元の人のために活動をしにきてくれ、さらに正式な手続きに沿って活動をしているということから、校庭での車中泊生活を地元の人が認めてくれているということです。

いくら尾畠さんと言えども、最初は地域の人からするとよそ者なわけですから、それなりに地元の人からすると警戒感を持って見ていることはあったと思います。しかし現地での働きぶりや、山口県周防大島での行方不明のお子さんをすぐに見つけた能力の高さを知るにつけ、一目置くような形で接するようになったであろうことが番組を見ている中でも出てきていました。現地ではできるだけ地元の人と会話をするように心掛け、有名な赤のつなぎにも背中に自分の名前を書くことで、誰だかわからなくて地元の人が不安になるような事は極力避けているようです。そうした尾畠さんの人柄が逆に人を引き付けることもあるようです。

お昼休みの休憩中に尾畠さんを訪ねてきた男性がいて、その方のお母さんが尾畠さんに食べてもらいたいとお好み焼きを渡したら、尾畠さんは相当恐縮しているようで何度も何度も頭を下げ、感極まったような表情をしていたのですが、自分から困っている人のところに行って活動するのには慣れていても、他人から施しや好意を受けたりすることには慣れていないという印象でした。単にテレビを見ていただけの私でも尾畠さんの事が好きになってしまったので、地元でその人となりに触れている地域の方々はなおさらでしょう。改めて私達が旅行であっても地元でない土地を訪れる時には基本その地域のローカルルールには従い、単に地元の方の好意に甘えるだけでなく、何か現地でお返しができるような事はないかという風に考えることが、一般の方から見られる車中泊の旅行に悪いイメージを持っている人の考えを変えるきっかけになるのではないかと思ったりまします。

番組では車の中までは取材していなかったので、個人的には見たかった車中泊のための工夫など車内の様子は見ることはできませんでした。しかし、その後大分県の自宅の中で取材を受けているのを見たところ、けっこう男の一人世帯で部屋は散らかっていて、何となく車の中もそんな感じでした。車内は日常的に使うものが無造作に散らかっている風だったので、全く同じとはいかないまでも、日々の自宅で暮らしている環境と同じような状態で車中泊をしているということが考えられます。ただ気になるのは後部はフラットなスペースだとは言っても、ゴザを敷いたくらいの感じだったので、今後エコノミークラス症候群に決してならないとは言えません。せめてキャンプ用のマットを敷いた上に寝るようにして欲しいものですが。

食事はボランティア先ではおにぎり2個だけとか、家に帰ったらパックごはんとインスタントラーメンを鍋で煮て、そこに味付けに焼肉のたれを掛けるといういかにも男の味気ない料理(^^;)でお腹を満たしているのを見ましたが、あれなら車中泊でもコンロがあれば簡単に作れるので、お金も掛からないだろうと思いました。

また、活動先でお風呂は呼ばれないものの温泉はお好きなようで、何せ地元が温泉の宝庫である大分県で、原付バイクで少し走ったところに無料で入ることのできる露天風呂の温泉があるので、そこの熱い湯に浸かり、体が熱くなったら外に出て休むということを繰り返して3時間くらいは温泉を楽しむそうです。いつもお風呂に入りに来る人とのコミュニケーションが豊富なので、その場に帰って入る温泉が尾畠さんにとってのお風呂なのだという気もします。

このように、粗食で携帯電話も持たず(情熱大陸のスタッフも連絡が取れないので活動先に出向いて直接コンタクトを取ったそう)、かかるのは移動のためのガソリン代くらいということで、決して費用を掛けなくても車中泊中心なら割と長期間の旅でも行けるのではないかと思うわけです。

個人的に今回の尾畠さんの活動を見るにつけ、さらにコストを掛けずに車中泊する方法について考えてみました。パックごはんは手軽ですが、さらにお金を節約するなら、お米をそのまま持って行き、灯油や車用のガソリンでも使えるバーナーを持って行ったり、拾った流木や小枝の使えるネイチャーストーブを使って火事の心配のない河原のような場所を使って調理するようにすれば、後は車を停める場所さえ確保できればそれほど毎日お金を使うこともありません。

それにしても、年金の受給が始まる65才から今のような車を使ってのボランティア活動をし出したというのは、実に興味深いところです。現在お仕事をしていてなかなか長い休みが取れないという方にとっては同じくらいの年齢になったら、車中泊をしながら日本一周の旅をしたいと思っている方もいると思いますが、尾畠さんの行動に学ぶところは少なくないのではないかと思います。粗食でも不満に思わず車中泊の長丁場にも耐えられる健康な肉体をキープすることが大切であるとしみじみ思いました。


ドライブレコーダーはいつまで「外付け」なのか?

昨日は日中を自宅で過ごすのも大変だと思い、車で出掛けたのですが連日の酷暑の影響かも知れませんが、なかなか車のえあこんが効かないようなことになってしまいました。いつもはスマホやタブレットをカーナビ代わりにしているのですが、昨日は直接日光に当てているわけではないのに、車内がエアコンで冷えないためかすぐにスマホ自体が熱を持つような感じになってしまいました。

今年の夏は特別だとは言いますが、スマホを車内に入れて音楽再生やカーナビとして使う場合、今後はエアコンの吹き出し口にスマホをセットできるようなスタンドも用意しておくべきだと思いました。

ただ、カーナビならそれでもいいのですが、なかなか車内の熱の影響から逃れられない場所にしか設置できないものがあります。それが、いざという時の記録として役立つドライブレコーダーなのです。

この夏の暑さで、外付けタイプの電子機器はのきなみそのあまりの車内の暑さに動作を止めてしまう可能性があるのですが、例えば車を停めている時に車内に入ってくる日光を遮るためのサンシェードを使っても、ドライブレコーダーを熱から守ることは難しいでしょう。というのも、ドライブレコーダーの中には停車中も動作をしていて、車にいたずらを仕掛ける輩や、当て逃げをした車の決定的瞬間を動画に収めることができるものもあるわけで、そのカメラの目を覆ってしまうことはなかなか難しいでしょう。さらに過去にあった車に外付けしたモニターを熱から守るためのカバーのようなものを付けるという方法もあるのかもしれませんが、逆にそのカバーのおかげで熱がこもってしまわないかが心配になります。

そもそも、車に乗っていて主には前方の様子を録画するドライブレコーダーの有効性が言われていますが、前方だけを録画していても、最近問題になっている「あおり運転」を後ろや左右の車線から行なわれた場合、なかなかその行為の決定的瞬間を捉えることができません。今の自動車はセンサーを付けて急な人の飛び出しを回避したり、ギアを間違えて本来行っては行けない方向に急発進してしまうことを避ける自動ブレーキのような装備が標準で付くことが多いですが、なぜか前だけでもドライブレコーダーを標準で付けた車というのは出てこないのが残念です。

というのも、後付けの純正でないドライブレコーダーの場合はどうしても車内に設置すると最初に書いたように車内の暑さから急に動作しなくなったり故障することが考えられるのですが、設計段階から車の前後左右にカメラを置き、それをコンソールで集中管理できるような純正ドライブレコーダーがあれば、本体が車内で露出されるようなことがなくなり、暑さにも強いドライブレコーダーが作れるのではないかと思います。

どの装備を優先するかというのは議論のあるところであると思いますが、事故の際の言った言わないの争いや、盗難やいたずらなどの犯人の特定のためには、車を停めている時でも少ない電力で前後左右で録画を続けることのできるドライブレコーダーを標準搭載した車というのはかなりドライバーから求められている車ではないかと思うのです。

車中泊をする場合でも、外から不審者が近づいてきたのを車載カメラで捉えたら、設定でアラームを鳴らしたり、スマホに警戒情報を送るようなことができれば、車中泊をする際の安全対策にもなります。もしそうした機能を実現する場合にネット接続が必要になる場合は、メーカーに指定された通信サービスの加入が必須ではなくMVNOの格安SIMでも利用できるようにして欲しいですが、まずはそうしたドライブレコーダーがメーカーで最初から用意された車が一般化することが望まれるのではないでしょうか。


免許証やIDカードをかざして乗る車の可能性

運転免許を取得できる年齢でない人たちが、家族の車を運転して起こす大きな事故は定期的に起こりますが、先日もそのような自損事故が起こり、誰が運転していたのかの情報はないものの、シートベルトをしていなかった人がいて車外に放り出されてしまった方もいたそうです。今回のケースでは早朝の自損事故ということで、他の車や歩行者、自転車が巻き込まれたというようなことは起きませんでしたが、このような事故が起こるたびに、日本の自動車メーカーはなぜこんな悲惨な事故が起こる環境をそのままにしているのかと思います。

同じ想いというのは飲酒運転撲滅のために車内にアルコール検知器を付けた車があればいいと思うのですが、今回はもともと免許を持っていない人や、免許不携帯の状況で運転させないための仕組みが車に付かないかという話です。

免許証は中にICチップが入っていて、一部のスマホで専用のアプリを使うことで、そのICチップに何が記録されているかを見ることができますが(免許を作った時に指定した暗証番号が必要な場合があります)この仕組みを使ってICチップの内容を正常に読み取れたらドアが開きエンジンがかかるようになるような車というのは、今の日本の技術をもってすれば十分に作ることは可能でしょう。というか、大きな会社ではIDカードを使って無関係な人を仕事場に入れないようなシステムは普通に行なわれています。

今回事故を起こすような人が、他人の運転免許証を使って車を動かすような事も考えられはしますが、さすがに運転免許は車の鍵のように家族の誰もが手に取れるような場所に放置しておくことは考えられませんし、自分の子供や孫が不穏な行動をするのでは? と思われた場合は隠すこともできます。

また、ドライブレコーダーが標準装備になることが普通になり、事故や不法侵入を検知したら録画した内容をクラウド保存できるような仕組みもメーカーさえやる気になれば近いうちに実現は可能かと思います。そうなれば車内を中から撮影することで車上荒らしの瞬間をとらえることも可能になるでしょう。そういった車を所有する人のリスクを軽減するような装備が新しい車にも付いていれば、もし車を壊されたり車内に置いておいたものを盗まれたとしても(多くはドアをこじ開けられるようなことが多い)、犯行の様子がしっかりと記録されていれば、泣き寝入りのケースが減り、自動車保険の保険料の軽減にも繋がるかも知れません。

現在の新型車の新装備といえば自動安全ブレーキということになり、そちらが優先される傾向があるのかも知れませんが、自動ブレーキは車検の際の点検項目になるそうですので、車の保有コストは今後ますます上がることも考えられます。そんな中で、車にかかる経費を少しでも抑えるための装備についても自動車メーカーの方々には将来の標準装備になるよう期待したいと個人的には思います。


ゴールデンウィーク中のラジオから情報を得たい!

このゴールデンウィーク中は近場へ行って買い物のついでに観光らしいことをしたぐらいでしたが、やはり大型連休というのは道は混んでいるわ有名な観光名所には人が集まってくるわで、必ずしもその場所へ行こうと思っていれば別ですが、何か面白いところはないかぐらいに考えている人にとっては場所の選定に苦しみます。ただ今回は、お金もかからずに時間がつぶせる隣町の公園で初夏のバラが咲いている中、富士山をバックに写真を撮ってきたくらいです。

今回のような連休中、長い渋滞で車の中でどう過ごすかということを考えた場合、気軽にできることはラジオを聞くということでしょう。高速道路に乗りっぱなしの場合ある意味逃げ場がないということもあり、現在のラジオは渋滞の予想される時期には一つのテーマに沿った長時間の番組を用意していて、その内容が自分の好みに合えば、かえって車の中でラジオを聞いている時間が長くなるほど番組を聞き続けられるわけで、それはそれで嬉しいと思う方もいるでしょう。代表的な番組はNHKラジオの「今日は一日◯◯三昧」(◯◯の中にテーマが入ります)で、今年のゴールデンウィーク後半は以下の内容で放送されました。

・2018年5月3日(木・祝) 今日は一日“秋元康ソング”三昧2018
・2018年5月4日(金・祝) 今日は一日”アナログ・レコード”三昧
・2018年5月5日(土・祝) 今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧 2018

もちろんゴールデンウィーク前半や、お盆や年末年始に主にこの番組が放送されるので、すでに長距離移動のお供に利用している方も少なくないでしょう。ただ、これはあくまで車の中でラジオを聞き続けるしかない人に向けての対策と一つとしてNHKが出してきた一つの答ではあるものの、他の方法で連休のドライブに役立つプログラムはあるはずです。ここではそんな事を考えてみます。

まず、今回日帰りで出掛けた静岡県内のエリアをカバーする静岡放送のケースについて紹介します。私の出掛けた4日と5日は、一部番組とタイアップしたイベントとのコラボ企画が通常の番組内で現地からのレポートとして放送されていたのですが、静岡県は東西に長い県なので、その時に静岡県内のどこにいるかで、すぐに放送されているイベントのところまで行けるならラジオを聞いていて良かったということになるのかも知れませんが、全く違う場所で聞いていた場合、県外から観光目的で来た人にとってはあまり役に立たない内容になってしまうというのが残念でした。

過去に私が県外へ出掛けていた時に、やはりその時の現在地と近いところのイベントの様子を伝えてくれていると現地での行動の参考になります。人が集まっているのか、目玉企画には間に合うのか、現地の駐車場事情はどうかとか、細かく伝えてくれればくれるほど役に立ちます。もちろん、ラジオリスナーは様々でいろんな要望が放送局には来るとは思うのですが、ネットではなかなか調べられないような情報をラジオからリアルタイムで聞いた上で動けるようなイベントや観光名所の紹介も連休中のラジオでやっていただければ嬉しいです。

それで思い出したのが、前に善光寺の御開帳の時に長野県に出掛けたら、何と周辺駐車場の状況まで交通情報とともに伝えてくれたのには驚きました。御開帳は七年に一度の大きな行事なので、こうしたことも当然あるのでしょう。個人的には週末ごとには無理でも、ゴールデンウィークやお盆の時期に自社が必ずしも協賛しないイベントであっても各地区に中継設備のある機材を持ったレポーターが複数の地方イベントをレポートしてくれれば、近くにいて今から訪れても大丈夫なものでしたら、予定を変更して行ってみたくなるかも知れませんし、少なくとも当日の面白いイベント情報が民放ラジオを聞くだけでわかれば、高速を降りたら民放ラジオに選局し直して聞きながらお出掛け先を選ぶような放送の活用もできるのですが。


軽自動車の排気量増加が実現すれば

昨日は東日本大震災メモリアルデーでした。あの震災で個人の人生だけでなく様々な状況が変化することを余儀なくされてきたところがあります。そして震災から7年経ち、変化のないまま存在しているものに「軽自動車の規格」があります。

現在の軽自動車のラインナップを見ると、グレードの高い車では価格もかなり高く、車重も重くなり、タイヤの空気圧も高くなる傾向があり、現状の軽自動車の規格である660cc以下というエンジンではかなり無理があるのではないかという指摘もされることもたびたびあります。

私自身が今乗っているホンダ・フィットは1300ccのものですが、車体が1トン以下ということもあって、軽自動車はもちろん、1000ccと比べても十分走りに余裕がある感じでこの車に決めた経緯があります。もちろん、余裕を持って運転するためにはさらに排気量の高い1500ccの車の方がいいわけですが、今の車は燃費もよく、エンジンのパワーと車体とのバランスがいいという感じなのです。そのようにして考えると、現在の1トンを超える軽自動車というのは完全にパワー不足でターボを搭載しないと坂道ではスムーズに走れない場合もあります。ターボをつけると価格も上昇しますし、エンジンが複雑になる分トラブルが増える可能性もあります。ノーマル車でもアクセルをベタ踏みするなど頻繁に行ってしまうと、燃費も落ちますしエンジンに無理をさせている分、普通車と比べると10万キロを超えた車が中古市場で敬遠されるなど、経済への影響も出てきます。

今これを書いている状況で政府は財務省の文書問題でそれどころではないという事があるのかも知れませんが、現状の軽自動車の新車を高額な価格で買い、通勤などで過走行になったら下取り価格も一気に下がるような形で個人消費者に短期間での買い替えを促すような現在のような状況というのは何とか変えていって欲しいと思うのですが。

具体的には国内メーカーがすでに海外生産のコンパクトカーで実際に新エンジンを搭載して発売している800ccのエンジンで軽自動車登録ができるようになれば、かなりエンジンと車体のバランスが改善されスムーズな走行をしながら、さらに燃費が伸びる車が作れるのではないかと思えます。

さらに、先日紹介した日産のe-powerセレナの発電専用のエンジンが1200ccだということを考えると、もし800ccの発電専用エンジンを積んだ軽自動車ができれば、これは電気自動車なのでガソリン車と単純に燃費比較するのは違うかも知れませんが、セレナの燃費がカタログ値で26km/Lを超えていることを考えると、とんでもないエコカーができるのではないかという感じもします。軽ワンボックスでそんな車ができれば、荷台部分をワンルームの部屋に改造すれば、一人から二人までの車中泊には十分でしょう。もし普通にコンセントが使えるような車が出たら、変な意味でなく十分車の中で生活できるような車になるでしょう。軽ワンボックスは軽自動車売れ筋の肝でもあると思うので、メーカーによる特別グレードの軽キャンピングカーが用意されるようなら、それはそれで楽しみです。

もしそんな新たな規格の軽自動車が実現した場合に、気になるのは価格ですが、コンパクトな電気自動車、日産のノートe-powerの価格はだいたい200万円前後ですので、現状の軽自動車のハイグレードと同じくらいです。軽キャンピングカーでなければ十分今の軽自動車の価格帯に寄せてくることは可能でしょう。軽自動車の税金も規格はそのままで上がっていますので、さらに軽自動車税を上げたいと思う方がいるなら、せめて軽自動車の規格を上げていただいて、普通車並の走りと耐久性能を持つ軽自動車にしていただきたいです。それがさらに日本の車を海外で売るための性能向上にもつながるのではないかと思います。日本の消費者というのはある意味世界でもかなり物の品質に対しては厳しい目を持っていると思います。ぜひ新規格の軽自動車を世界に売り込んでもらい、経済をさらに活性化して欲しいものです。


良いサービスは使う方のマナーも試される

日本では当り前と思われるサービスの中には、海外から来た人達には画期的なものと映るものがあり、それゆえにトラブルの種になるような事があります。高速道路のサービスエリアを始めとする公共のイートスペースにある給茶器によるお茶・お湯・冷水のサービスがその一つではないかと思います。

このブログを書き始めた頃というのは、まだ海外から多くの観光旅行客が訪れることもなく、給茶器を使う人というのはあくまでその場でお茶をいただくために利用していたので人がいない深夜など裏技的に水筒に移し替えて後で飲むこともいいのではないかと思っていた時もありましたが、現在はそうした「給茶器から水筒に移して持って行く」という行為を観光バスに乗ってやってくる乗客のほとんどがやるようになってしまうと、あえてそれまでは注意書きなどしなかった給茶器に、「水筒に移すのはご遠慮下さい」というような注意喚起を複数の言語とイラストでしなくてはならないような状況に変わってきています。

ここで改めて善意で行なわれている公共の場所でのサービスについて考えてみると、それらのサービスは必ずしも特定の人だけに向けられたサービスではなく、さらに積極的にサービスを受けようとする人だけでもなく、全ての人が平等に使えるように用意されていると思っていいでしょう。ですから使う場合には自分さえ使えれば後はどうでもいいという風に考えている人がいたりすると、そんな人たちのためにサービス自体が無くなってしまうことを含めて、今まで通りにはならない条件が付いたりとサービス内容が変わっていってしまうこともあるわけです。

写真は、先日私が訪れたある高速道路のサービスエリアで撮影したものです。このサービスエリアでは今まで冷水を出す機械は置いてあったのですが、季節の事もあるでしょうし、コンビニや他の土産物を売るショップで売っているカップ麺などを作って食べるため(深夜などレストランが閉まっている時間帯もあるのかも知れません)、サービスエリアのご好意で電気ポットが2つ自由に使えるようになっています。

お子さんのために粉ミルクを溶かしたり、薬を飲むために冷水は使いたくないような場合にも、気軽に白湯が手に入るサービスというのは利用者にとって有難いと思いますが、こうしたサービスも使う人が「自由」という言葉から「いくらでも使って良い」という風にとらえるか「他の人の事も考えて適量を」という風に考えて使うかで今後のサービス内容も変わってくることも考えられます。

過去と今を比べると、道の駅や高速道路のサービスエリア自体を目的地にしてドライブをするような休日の過ごし方をする人が増えてきたように思います。もちろん、道の駅やサービスエリアには長時間運転して疲れた体を癒やし、必要に応じては仮眠を取る場所でもあるのですが、過去と比べると利用者の幅が増える中で、様々な利用者の間でのトラブルを避けるような行動がこうした運営側の用意する便利なサービスを増やすことになります。もし旅先で、現地の方の行なっているサービスを見付けたら、そんな事も考えてみてはいかがでしょうか。


仕事で忙しい人は「道の駅」に行け?

表題の言葉は、一昨日(2018年3月3日)にNHK総合で放送された「NHKスペシャル AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン 第2回「働き方」」の中で日本の労働者からデータを取った内容をAI(人工知能)に分析させた結果の中の一つです。数多くの質問のある中で、「仕事への満足度」が高いパターンを分析する中で、「仕事が忙しくても道の駅に行っている人は仕事に満足している」という結果が出たことによる、「追体験のすすめ」ということになるのかも知れません。

このブログでは、道の駅というと「道の駅で車中泊してもいいのか?」とか、「道の駅でコンセントを勝手に使っていいのか?」とか、車中泊に関する話をする中で出していることが多いです。そもそも、まだ高速道路がない時に長距離移動をする車のオアシスとして存在したのは民間のドライブインであったのですが、高速道路の開通や国道のバイパスが出来ることによって車の流れが変わる中で廃れていったりする中、主要な国道であっても下道を通る車にとって休憩場所がないことから国の政策で作られたのが「道の駅」のそもそもの目的だったように思います。

それが、道の駅に人や車が集まることに目を付けて地域の特産品を売る直売所ができたり、観光施設や温泉を併設するなどして道の駅自体を目的にしてやってくる人が多くなりました。この番組で言う「道の駅に行く」というのは、決して車中泊のために仮眠するために立ち寄るのではなく、施設の営業中にちょっとした買い物と手軽な周辺観光をするために訪れるケースであることは間違いありません(^^;)。

番組では道の駅が密集している千葉県の道の駅に取材していましたが、まさに関東から日帰りの気軽なレジャーとして道の駅を目的に訪れるというのは大変に無難な選択で、無理な計画を立てなくても帰ってこられるので翌日の仕事に影響することも少ないでしょう。番組の前提が「満足度の高い働き方をするための方法」をAIに導き出してもらうことを目的にしていましたので、これはこれで今の日本のライフスタイルを正確に投影していると思えますが、道の駅を回るのが日本のレジャーの王道のようになってしまっているのは、それも日本の現状なのかとしみじみ思ってしまいたくなります。

しかし、そんな事を考えず道の駅で仕事のストレスを発散し、翌日から気合いを入れ直して働ける環境を作れる施設であるならば、そうした環境を十分活用してリフレッシュのために日常から離れた空間に出向くというのは悪いことではありません。かく言う私もなかなか長期の休みが取れずに、それでもちょっと出掛けたい時には道の駅中心にドライブという事をやってしまっていますし。

ただ、本気で働き方を変えたいと思っている方が多いなら、道の駅観光自体を否定はしませんが、欧州のようなリゾートとまでは行かないものの5日間くらいは連続で休みが取れるような労働環境になれば、2泊3日から3泊4日ぐらいの小リゾートで日本全国や海外を巡るリフレッシュタイムを取ることができます。

ただしそうしたことが当り前になるには賃金そのものが上がるということと、就労時間を減らしながらも生産性を上げるという事も必要になってくるでしょう。ただ、車中泊という選択をすることで、そこまで賃金が上がらなくても、今まで行ったことのない場所へ行き、自然の風景を愛でながらストレスのたまった体をリフレッシュすることもできます。本質的に車の中で寝る事に違和感を持っている人もいると思うので、「仕事でストレスが溜まったら車中泊に行け!」というような結果をAIが出すことはないと思いますが(^^;)、車中泊好きな人については仕事に影響を残さないくらいで色んなところに行けるような休みがあれば、仕事の生産性は上がるのではないか? という感じもします。少なくとも、将来には道の駅へ行くだけのレジャーで満足する以上のリゾート体験が当り前になるような社会になって欲しいなと思います。


日本国内の遠征を地味に支える車中泊のノウハウ

この文章を書いている最中の2018年2月下旬というのは、冬季平昌オリンピックの話題が連日報道されています。昨日行なわれたスノボード男子ビッグエア予選に登場した大久保勇利選手は残念ながら決勝にわずかの差で進めませんでしたが、彼のオリンピックへの挑戦を紹介するフジテレビの作ったVTRの中で強調されていたのは家族の協力で、特に日本国内の遠征に同行し、遠征代を節約するために車中泊でしのいだということでした。

大久保選手は北海道出身で、当然国内の大きな大会は北海道以外でもあるので、その度にフェリーで本州に渡り、車で移動しながら大会を転戦するのに全ての大会前にホテルを取るだけの金銭的な余裕がないようであれば、最初から車中泊しやすい車を選び、単にシートを倒すだけの形で寝るのではなく、翌日に体に影響が出ないように全身を伸ばして寝られるような形にできる車中泊用の車をカスタマイズしたことが想像されます。

それでも、車のガソリン代や食費・お風呂・洗濯など車中泊生活にだってお金は掛かります。ただ、日本は海外とは違いスキーやスノーボード競技というのはマイナーな競技で、大久保選手の他にもソチオリンピックの銅メダリストで平昌のスノーボードではハーフパイプ男子に出場し、惜しくも決勝には進めなかった平岡卓選手も幼少の頃から自宅のある奈良県から大会に出場するため車中泊用の車を週末に走らせ、さらにお金のかかる高速道路はできるだけ使わずに遠征に付き添ったという話があります。

最近は先に紹介した大久保選手がクラウドファンディングで遠征費を募ったということがニュースになっていましたが、それも大会で好成績を挙げてから後のことなので、いくら才能があってもその才能が花開くまではできるだけお金を掛けずに遠征を続けるためには車中泊の環境を整えることが重要なポイントになってくるだろうということがわかります。

基本的にはフラットな就寝スペースを確保することができれば大丈夫でしょう。というのも、現在はアスリート用のお供としてあの浅田真央さんや高梨沙羅さんもオリンピックの時に現地に持ち込んで使っていたと言われる「エアウィーヴ」のポータブルタイプあたりを使えば、車内を生活空間として使えますし、この辺はあくまでも本人との相性が大切にはなりますが、宿舎の手配にお金を掛けることを思えば、他メーカーでもアスリート支援に多くの商品を販売しているので、それらの中で本人の体に合う最高のものを選んで購入しても多く使えば使うほど高価なものでも十分元は取れるようになると思います。

また、車内で寝るという事に関して隣の車のアイドリングや話し声がうるさいというようなディメリットも考えられるのですが、この就寝環境について常識はずれな「トレーニング」として一流のアスリートに対して行なったのが日本のレスリングを強くしたと言われる八田一朗さんの睡眠に対する考え方でした。

オリンピックは海外で、さらにいつもと違う環境で行なわれるため、時差ボケで力を発揮できなくならないように真夜中に選手を叩き起こしてすぐに練習させたり、そうは言っても大事な試合の前には睡眠を取ることが必要だと考えた八田氏は、いかなる状況であっても、さらにごく短時間であっても体を休めるために眠ることのできるような訓練が必要だと説いていたのだと言います。つまり、多くの人や車が行き交う駐車場内での車中泊でも十分に睡眠を取り、翌日の試合でベストパフォーマンスのできる選手なら、大きなプレッシャーの掛かるオリンピックでもプレッシャーを力に替えていい成績が期待できるのではということにもなります。

そんな、車中泊をしながら全国を転戦している多くのアスリートがまだ日本には多くいると思いますが、基本的には寝ていてエコノミークラス症候群に陥らないようにフラットな床を作り、その上には体を休めるのに適したマットや枕を採算度外視で探し、チャレンジする本人が体を痛めないで寝られる環境を作ってあげれば、お金に恵まれて常にホテル泊しかしていないライバルと比べて車中泊をすること自体が良い鍛錬になる分有利になることもあるでしょう。今後のオリンピック・パラリンピックの競技を見ながら、そんな車中泊に関するエピソードにも今後は注目していこうかなと思っています。