月別アーカイブ: 2020年3月

3月25日から受付開始「d Wi-Fi」はdポイントクラブ加入のみが必要

ドコモの契約者の中で、データプランに入っている人が毎月の利用料なしで当面使えていたWi-Fiサービスの「docomo Wi-Fi」は2021年にサービスを終了し、この3月25日から新たなWi-Fiサービスの「d Wi-Fi」の受付がはじまります。

このプランの最大のポイントは、ドコモの回線を持っていなくても「dポイントクラブ」に登録していればそれまでドコモがデータプランの契約者のみに(私の場合はドコモの契約はあるものの通話のみのプランだったため利用できないでいました)使えていたWi-FiがMVNOを含む他社ユーザーでも使えるということで、これで誰でもあえて怪しいフリーのWi-Fiに接続しなくても安全に外でWi-Fiを使ったインターネットが可能になるということです。ドコモがこのような動きになったのは、東京オリンピックのためもあるでしょうが、恐らく5Gの契約が増えればWi-Fiにあえて接続するような人が減り、将来的には規模の縮小もできるのではと思っているのかも知れません。

このサービスで使えるSSIDは「0001docomo」「0000docomo」で、同時接続台数は5台までということで、無料で使えるWi-Fiとしてはダントツのサービスであることに間違いはないでしょう。そうなると当然、今後は2~500円を追加してのWi-Fiサービスだけを有料で行なうサービスにも影響が出るでしょうし、大手キャリアがこうしたサービスに追随するようなことがあれば、5Gが普及する前に、多くの人が外でも使えるブロードバンドの魅力に気づくはずです。ドコモは「d Wi-Fi」について、今後はスマホでの利用が簡単にできるように専用アプリを夏頃までに発表するということなので今後の展開に期待したいですね。

そのような試みがさらにドコモが先行して進めていくと、例えばWi-Fiエリアのカフェやファミリーレストランとdポイントが連携すると、今後はネットを使いたいがために利用する人も増えるでしょうから、利用するチェーン店とdポイントカードがそれなりに選別される理由になることも十分考えられます。同じWi-Fiを整備するにも、ドコモのWi-Fiが集客に結びつくということになれば、それによって業界の勢力図も変わっていく可能性もあります。

個人的には全国どこにでもあり、駐車場が完備していて、席にコンセントもあるようなチェーン店で無料のWi-Fiを安全に使えるようになれば車中泊の旅の計画を立てる場合でも、休憩・食事を取りながらパソコンを店内に持ち込み、そのお店で飲食した後で一通りネットを回ってブログを更新し、メールやLINEのチェックまで行なえれば、緊急時を除いてパソコン上でできることが増える分、外に出ずっぱりの状態でも自宅と同じようにネットが使える状態が通信費を足さなくてもできるのは有難いです。

先日書いたように、今後5Gのエリアが国内で整備されていくと思いますが、そうではない地域に移動した際にはまだまだWi-Fiが使えると有難い部分はあります。現状では私のように4GのLTEで中速の契約を安くしておけば、今後はドコモの「d Wi-Fi」が全国のエリアで安全に使えるようになるわけですから、回線を選ぶ場合にもWi-Fiの事を考えずに済む分、さらに色々な選択肢が増えてくると思います。今後のドコモ以外の他社のWi-Fiサービスの動きにも期待しながら日々ネットでニュースを追っていきたいと思っています。


ADSLの後は5Gで大丈夫かドコモの「ギガホ」の内容から探る

新型コロナウイルス感染症の状況で東京オリンピックの開催はどうなるかわからないものの、携帯電話の5Gは予定通り利用できるようで、以前のソフトバンクに続いてドコモがその概要を発表しました。

ソフトバンクは4Gより1,000円高い価格設定でしたが、ドコモはその様子を見て決めたのかはわかりませんが、4Gより500円高いだけで2年縛りなしのギガホプランが使えるようになるようです。通話定額はないデータ通信が月間100GBまで使える(しばらくはキャンペーンで無制限に使えるそう)ギガホの料金は税抜で7,650円になるということです。音声オプションのかけ放題が1,700円で、5分以内通話のみ定額では700円と、この点は変わりません。

ちなみに、5G開始などのキャンペーン割引については上記の内容では加味していません。ドコモのサイトや他のサイトで見ると安い金額が出ているというのは、そうしたキャンペーン割引を加えているからで、基本的には上記の金額で比較検討すべきだと思いますので、あえてこの金額で何ができるのかという事について考えてみたいと思います。

スマホから大型テレビにテザリングしてインターネットを利用した動画・テレビ放送などを見ることを中心とした生活をしていても、なかなか月100GBまでは使うことはないと思いますが、それでも今回のような引きこもり生活をする中でずっとネットで動画を見まくるような事をしていると、高速クーポンが足りなくなるような可能性もあります。そこで大切になるのは、将来的には起こるであろう高速データ通信を使い切った時にどのくらいの制限が入るかというところにあるでしょう。

将来ドコモが月間の高速通信の制限をした際に制限する速度は、最大3Mbpsとなるそうです。これは、現在の4Gでのギガホでの制限時の最大1Mbpsから比べると3倍の速さになることが期待され、もし2~3Mbpsが普通に出るのなら、かなり局から離れて遅いADSLくらいは出るということになるのかも知れません。さらに、5Gのギガホでも4GエリアではLTEでの通信が可能ということなので、追加の500円と5G対応機器に変更することで、もはや移動しながらでも自宅のインターネットのように利用できる環境が整うということになるのかも知れません。

これは、本格的にキャンピングカーを作り、その中に電源とパソコンを入れて「動く書斎」のようにしたいと思っている人にとってはかなり魅力があるプランになったのではないかと思います。私自身はそれこそ最大3Mbpsが5Gになったことで出るなら、ドコモのギガホほど最高速出なくてもいいので、最大3Mbps固定のプランをどこかドコモMVNOの業者がやってくれればその方が嬉しいのですが、まだ5Gのエリアは僅かなので、普通の人はそこまで5Gにすべきだとは思いません。

しかし、自宅の他に別荘でも同じ環境でインターネットを使いたいとか、移動中も移動する書斎の中でインターネットを快適に使いたいという人であれば、ドコモの出してきた金額というのはそこまで高くないのではないかという気がするのです。私の場合はまだ500kbps程度の中速で外では我慢しようと思っているので格安で利用するためには速度の遅さは我慢しますが、速度を我慢したくないという人や、速度云々の事など全く理解しないお子さんやシニア世代の人とネット接続を共有するような場合には、大手キャリアでも選ぶ意味は出てくると思います。

また、月7,650円のギガホに、月1,700円の通話放題をプラスして、9,350円で通話と通信し放題のスマホを作れば、もはや日本国内ならどこにいようと関係なく一つの番号で連絡が付き、さらに場所に縛られずどこでもブロードバンドが使えるようになります。もちろん、MVNOによってこれより安く通信・通話放題のSIMは出てくるかも知れませんが、現在のキャリアでも5G利用に月1万円かからないというのは、なかなか魅力的ではあります。

このブログはあくまで車中泊のブログなのでさらに車中泊にからめますが、今後5G利用ができる中で地上波などのテレビ放送が順次同時配信でネット視聴できるようになってくることを考えると、一台のノートパソコンを持って行くだけで、あとは必要に応じてBluetoothスピーカーを揃えるだけで、テレビやオーディオ類をセットしなくでも全てパソコンと5Gで解決できるので、大幅に車内装備を減らすことができるようになるでしょう。1年後、2年後が楽しみなる今回のドコモの5Gについての発表でした。


「永久不滅ギガ」の仕組みがある「y.u mobile」とは?

USEN-NEXT HOLDINGSとヤマダ電機が新たに「y.u mobile」のサービスを開始するというニュースを知りました。今後既存回線の乗り換えを模索している自分にとっては新しいサービスは魅力的なのかそうではないのか、ともあれ公式サイトの情報や、ニュースサイトからの情報を集めてみました。

契約プランは2つで、個人利用におすすめな「シングルプラン」(音声通話付きSIM月額1690円、データ通信容量3GB)と、複数の間でSIMカードを使って容量をシェアできる「シェアプラン」(音声通話付きSIM月額5990円から、データ通信容量20GB)があるのみです。ここでは基本となる「シングルプラン」の内容を紹介しながら「y.u mobile」の内容に迫って行きましょう。

まず、ここのSIMはドコモ回線を使っていて上記の音声通話付きプランの他にSMSオプション付きのSIMも選べるデータ通信専用プランもあります。その料金はSMSありで月額1,020円、SMSなしだと900円と、まずまず標準的な価格設定だと言えます。

シンプルなプランですが、音声通話付きのプランではかけ放題のオプションがあり、MVNOでは珍しい24時間掛け放題のオプションも少々高いですが月額2,700円プラスで用意されています。あと、10分以内なら月額850円になりますが、この料金が適応されるのは、専用アプリを使ってプレフィックス通話を行うことで通話料が半額の30秒10円となる「y.uでんわアプリ」の利用が必須となります。ただ、MVNOで24時間掛け放題のオプション提供は珍しいので、セールスポイントの一つになるのではないでしょうか。

そして、もう一つの特徴が、高速通信の容量を使い残した場合、翌月末までの繰越ではなく、最大100GBまで貯めることができるのです。月3GBでは足りない場合、1GBにつき300円の追加で高速通信の追加利用が可能なので、足りなくなったらどんどん追加しても、まだ使っていない分は期限なく残すことができますので、プランが一つしかなくても使った分だけのきめ細やかな利用が可能になり、人によってはトータルの月額料金を節約することもできるのではないかということになるでしょう。

また、音声通話付きのSIMの利用者には発売から5年以内(または購入から1年)以内ならいつでも加入でき、年間最大30,000円までの修理費用がカバーされる「修理費用保険」がサービスされます。中古の端末でも対応できるということで、これも他社にはないサービスです。

ひとつ気になるのは、公式ページにもその記載がなかった「高速と低速の切り替えは可能か?」ということですね。ちなみに公式ページの「マイページからできること」のページには「マイページではご契約情報やご請求情報、データ利用状況がご確認いただけるほか、データ容量追加などの各種お手続きが行えます。」との記載があるのみで、ヤマダ電機で販売しているヤマダニューモバイルでは切り替えができないことがわかっているので、あくまで説明を読んだ限りでは、低速で使い続けて高速クーポンを最大まで貯めるような使い方はできないものと思っておいた方がいいだろうと思います。

このような事を踏まえると、今の所個人的な本命であるUQモバイルのスマホプランSと比べると微妙かなと思いますが、今キャンペーンを行っていて1年間の継続利用でその分の料金が返ってくるというかなり思い切った契約者集めを行っていますので、お試しをしながらその使い勝手を判断するのもありなのかとは思います。

それにしても、楽天モバイルのプラン発表からシンプルなプランの発表がつづきます。利用形態の違いによる特徴を今後多くの業者が出してくれれば面白くなっていくのではないかと思います。


感染を受けやすい人の行動について

先日、どうしても電車を使って行かなければならないところがあって、小一時間往復電車に乗って移動しました。一応、できる限り新型コロナウイルス感染症を避けるようにして出掛け、電車内や駅の利用にもいちいち気を付けて行ったつもりです。

具体的にはマスクを付けて混雑する車両は避け、手すりやつり革には小さなタオルを利用して直接手で触らないようにし、食事の前にはしっかり手洗いをした上でアルコール消毒をしてからということを心掛けました。必要に応じて手袋をしようかとも思って持って行ったのですが、今回の場合はそこまでしなくても他の人がベタベタ触っているようなところに手を触れることはなかったので使いませんでしたが、そんな風にいちいち気を付けているこちらからすると、逆に自分から感染を受けに行っているのではないかと思ってしまうような人と出くわしてしまいました。

その人は恐らく60代から70代のシニア層くらいだと思われる男性の方で、ロングシートの真ん中に荷物を置き、その隣に靴を脱いだ状態で座っていました。マスクはしていません。無意識にでしょうが手が顔に行ってしまうような、何やら落ち着きない感じでの動きが危険性を感じたので、その人から少し離れた場所をキープしていたのですが、さらなる行動を取りはじめました。

というのも、その時の電車内はそれほど乗客はいなかったので、どんな落ち着きのない動作をしていても、その場にとどまっていれば自分からウィルスを撒き散らすこともないでしょうし、他人の飛沫を受けるようなこともなさそうでした。しかしその人は自分から荷物をその場に置いたまま席を立ち、車両内をウロウロしだしたのです。途中手すりやつり革にも素手で手を付けながらその場をうろついているので、こういう人が外出して誰かが付けたウィルスを手につけてしまい、結果として感染症を引き起こす原因そのものを取り込んでしまい、自分の家族に感染症をうつしてしまう可能性があるのだなとしみじみ思ってしまいました。

私自身は荷物を網棚に載せたときに手が車内に付いたり、座れなかった場合にはつり革をタオル越しに触ったくらいで、できるだけその人が触った箇所を避けるような形で電車を降りました。その後、念のため手を念入りに洗い、食事に入ったお店に用意されているアルコールで消毒してから食事をしたのは言うまでもありません。

流石にこの時期に素手でベタベタそこら中を触りながら移動するというのは、あまりにも感染症に対する注意が少なすぎると思いますし、感染症の危険が少ない時期であってもおすすめできるような行動ではないのではないかと思います。あと、今回出掛けてみて気付いたのが、鉄道会社の方でも人が多く乗ってくる車内についての対策を打っているということでした。アナウンスで、「今から車内の換気を行ないますので冷風が体にあたるようなことがあってもご了承下さい」という風に前置きして、密閉された車内の換気を行なっていたところに出くわしたのです。こうした事でどのくらい感染症が防げるのかはわかりませんが、アナウンスがあった時はちょうど人が多く乗り込んできた時だったので、多少は安心できました。今回の移動は普通列車か新幹線か迷ったところもあったのですが、在来線の普通列車の場合は駅に着くごとにドアが全開になりますし、空気中にウィルスが漂うようなことはないと思われるので、時間はかかっても普通列車で人の多くない時間に移動するのは間違っていないと感じました。

今回、あえて出掛けてみてインフルエンザ・ノロウィルスの対策が必要な時期については、現在のような多くの人が触っている可能性の高いところには直接触らないようにし、無駄に動き回らずにできるだけ自分の手に何かが付くような行動を控えることで、ある程度の予防はできるのではないかと改めて思いました。あらゆる行動を自粛し、自宅から出ないで過ごすという事にも限界がありますので、どうしても公共交通機関を使わなければいけない時もあると思いますが、無意識にとってしまう自分の行動に気を付けるとともに、公共物にできるだけ触らないことを意識してウィルスを自宅に持って帰らないような気配りをすることを心がけましょう。


大型書店の存在意義とFireタブレットを使った電子書籍の可能性

大都市以外の地方都市では、なかなか大手の小売店でも売上が上がらずに撤退ということがしばしば起こります。普通の小売店の場合はそこまで驚かないのですが、私の地元である静岡駅から歩いてすぐのところにある、市内でも最大規模を誇る書店がこの5月半ばにも閉店になるというニュースを聞き、改めて活字本を売るということは難しいということを感じざるを得ません。

ちなみにそのお店の規模は雑誌から専門書まで約60万冊を揃えているところで、急に本が欲しい場合にその場で購入できる他、どうしても見付からない本も書店経由で注文することで送料がかからずに取り寄せてもらえるのですが、そうしたお店がなくなると大変だなと思う半面、私自身も紙の本を買うよりも電子書籍にという風に流れになってしまっているので、時代の流れ的に仕方ないのかなという感じもします。

活字を読む文化自体は、こうしたブログやTwitterで単文を追ったりしている人も多くて、活字そのものがすたれるものではないと思います。今回の新型コロナウィルスの騒動の中で考えると、電子書籍の利用に本格的に移行している人であれば、サンプルをネットで見て、買いたいものを電子書籍という形で購入するのには実際の店舗に行く必要もないですし、さらにネット通販のように注文から配達までのタイムラグもなく購入したらすぐにダウンロードして読むことができるので、家から出ずに楽しめるという点で優れています。私が電子書籍を利用する場合、Amazonが提供しているKindle形式なのですが、一度Kindle本として購入すれば、同じIDとパスワードでアクセスすれば、手持ちのスマホに入れたKindleアプリだけでなく、専用のKindle本リーダーでも読めますし、Amazonが販売しているFireタブレットには購入時にKindleリーダーアプリが入っていますので、こちらでも問題なく読めます。

なかなかそういった事をご存じない方も多いのか「Fireタブレットはセールでかなり安くなっているが、一体何に使えるの?」というような質問を受けることがあります。個人的にはFireタブレットはカラーでKindle本を読むために使うだけでも十分元が取れるのにと思っているのですが、なかなか私の周りでは理解されないのが残念です。

私自身は7インチのAlexa搭載モデルを、キッズ用の耐衝撃カバーといっしょに利用しているのですが、AmazonのスマートスピーカーであるAlexaには私が知っている限りでは電池内蔵のケーブル無しでも動作するモデルがなく、Amazonのスマートスピーカーをどこにでも持ち運びたい場合にも役に立つのです。本稿とは関係ありませんが、無線Wi-Fi環境のあるホテルの部屋で使えば簡単にモーニングコールのセットができるので手放せません。

KindleとAlexaの機能を組み合わせた便利な使い方としては、本によって利用できないものもありますがAlexaの中の女性の声でKindle本の中味を読んで聞かせてもらうことも可能です(FireタブレットではKindleアプリから目的の本を呼びだした上で手動での合成音声による読み上げも可能です)。もちろん、正しい読み方をしなかったり微妙にイントネーションがおかしくなるところはありますが、単にスマホや専用リーダーで紙の本の代わりに読むだけのものだと思っている人からすると、音声読み上げ機能というのは便利で、紙の本にはない魅力の一つになるでしょう。

Fireタブレットにはその他に8インチと10インチのものがありますが、セール時期には10インチタブレットが1万円そこそこの価格で買えるので、絵本や漫画用に使ってもいいと今後の利用の状況によっては買い足そうかとも思っているくらいです。

ただ現状でもなかなかこうした使い方が普及しないのは残念ですが、現在のFireタブレットもカバーを付けたことで衝撃には強くなったものの、水にはやはり弱く、大人の考えられないような使い方をする小さな子に使わせても安心なモデルの販売を待ちたいところではありますが、現状でも十分Fireタブレットは電子書籍リーダーとして使えるので、このような使い方を多くの人が知ってしまうと既存の書店は本当に大変になってくるだろうと思います。

ちなみに、著作権の切れた文学作品を電子書籍化して提供している「青空文庫」から気に入った作家の小説やエッセイをFireタブレットにダウンロードしてくれば、ダウンロードにかかる通信費のみの負担で、国内外の有名な作品を無料で楽しむことができます。なかなか外に出掛けられなくてイライラするような時、そうした本を自宅にいながらにしてダウンロード入手し、読むのが大変ならFireタブレットに文章を表示しつつ活字を目で追いながら読み上げの音声を聞くという形でなら今まで読めなかった名作を読むこともできるでしょう。小売業の方々には大変な状況が続きますが、なかなか家から出られない中でもすぐに利用できる電子書籍から奥深い本の世界を覗き、改めて直接本屋さんを訪れて本の魅力を再確認するようなこともあると思いますので、今後も何とか電子書籍と紙の本の共存ができることも合わせて望みたいですね。


データ5GB使っても1年間1,500円/月(税別)というビジネスモデル

何気なくインターネットブラウザを開いてみたら、表題のような広告があり、どこの業者かと思ったらまさかの楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」のものでした。Rakuten UN-LIMITの売りというのは楽天のエリアにおいては「通話掛け放題」「データ通信無制限」で、1年間は無料で使えることが売りだったはずなのに、なぜこのようなネット広告が出てきたのか考えてみました。

恐らく300万人は一年間無料とぶち上げたキャンペーンではありますが、SIMカードだけを購入してほとんど経費を使わずに利用できる人というのは全体のわずかで、楽天モバイル対応の端末の購入が必要な人が多く、それほど申し込みは伸びていないのではないかと思えてしまうのです。

そこで考えたのが、無料で、しかも楽天モバイルのエリアに住んでいない人が申し込むにあたって、さすがにauローミングのデータ通信が基本料金だけだと2GB/月までしか使えないというのはインパクトが弱いと考えた人がいて、当初から楽天が説明していたauローミングの高速クーポンをあと3GB有料で購入しても広告の1,500円で収まるという毎月の利用料金で比べてもらうように強調したかったのかも知れないと思うのです。

ただ、これはご存じの方はよくご存知でしょうが、楽天モバイルがau回線の高速クーポンを追加で利用したい場合に設定している額が、1GBあたり500円(税別)であり、基本プランで用意される2GB+3GBの合計が5GBだけで、5GBそのもののデータ通信料が1,500円(その場合は1GBあたり300円と多少お安い印象になりますが)ではないことに注意していただきたいと思います。

もしどうしても月5GBは使いたいというなら、月3GBまで高速通信が使えるUQモバイルのデータ専用の「データ高速プラン」のSIMカードを追加すれば、「2回線使っても月980円で5GB使える」という風になるでしょうし、私の今契約しているmineoのデータ専用500MB/月のプランに「パケット放題」のオプションを付けると、低速専門でも最大500kbpsのスピードが出るので、「月1,080円でも楽天エリア外でも動画視聴可」という風になります。回線を増やしてもデータ通信のSIMカードなので使わなくなったらいつでも解約可なのでわざわざ毎月3GB分も追加のクーポンを購入することはないと思うのですが。

こうした広告を楽天モバイルが出してきたのは、端末の同時申し込みの問題もあって当初の予想からするとかなり申込が少なかったのでテコ入れのために言い方を変えることその効果を狙ったところもあるでしょうし、日本には一定の人数がいる「ただより高いものはない」と思って警戒している人に申し込みを促そうとしているところもあるのかとも思ってしまいます。

すでに楽天は先日紹介したように、対応端末を回線と同時に申し込んだ人に対して、後日に期間限定の楽天ポイントで還元することを表明したように、楽天モバイル契約へのハードルを下げようと必死という感じさえします。それにしても、表題の広告というのは別の見方をすると、「最初は無料と言っていたのにいきなり値上げ?」という風に誤解する人も出てくるのではないかという気もします。もちろん、広告の小さな字ではここで説明した月額1,500円になるのはどんな場合なのかをきちんと説明してあるのでその広告自体が悪いということは一切ありません。しかし、まだサービスも始まっていないうちに売り方もこれだけ変わるのかということを考えると、前途多難な船出になってしまうのかと心配になります。

個人としてはこの一年間のうちに自前のエリアを全国の限られた地域だけでも整備することができれば、公衆Wi-Fiよりも使える場所は多くなると思うので、「どこでもつながる」よりも「ある場所ならフルスピードでつながる」ことに意味を見出す人はいると思うので、自分の住んでいる地域で楽天の電波を拾えるという口コミが広がればその事実がセールスマン的な役割を果たすようになり、一部の地域では大手3キャリアを脅かす存在になる可能性もあると思うのですが。楽天モバイルには、出してきたプランに自信を持って、利用ユーザーを増やしていただきたいと改めて思います。


キャンペーンを利用して新端末を入手しやすくするには

一昨日になって新しい楽天モバイルのプランと端末を同時購入した場合に期間限定(ポイント付与から6カ月)ながら14,500ポイントか9,500ポイントを貰えるキャンペーンをはじめました。ただし先日の新プランに申し込んだ人のために、端末ポイントについては新プランを発表してからにさかのぼって適用になるそうです。

しかし私の場合は端末とセットで申し込まなかったので、後から端末だけ追加で申し込んでもこのキャンペーンは適用にならないようです。ただ、このキャンペーンではあくまで後日に期間限定の楽天ポイントがもらえるだけなので、いわゆる「実質」のメリット享受であり、金銭の負担が減るわけではないことに注意しましょう。ポイントを貰っても有効に使う手立てがなく、期限ギリギリにどうでもいいものを買ってしまったら、まさに楽天にとってはいいお客さんになってしまいます。

私の場合は今回の楽天の新プランにSIMカードだけの契約にして、開通手続きとアプリの楽天Linkの利用によって合計6,300ポイントが付与されるだけですが、こうしたキャンペーンをスルーしたのは、ガラケーに入れているかけ放題のドコモの場合だけSIMをあと9カ月使い続けないと解約金の9,500円がかかってしまうからです。

この件については、同じ大手キャリアの場合、2019年10月以降に出てきた新プランに移行すれば、その時点で2年縛りが消えるようになっているのに、ドコモはかたくなに以前からの利用者に2年縛りを続けることを契約の時点の意思を尊重する形で続けているので、ドコモユーザーにとっての選択肢はありません。

一つの考え方として、解約金の9,500円を支払っても早く端末を購入したほうがいいということもあるでしょう。ドコモの番号をそのまま移行するには手数料が税別2,000円かかりますので、更新月以外にドコモから他のキャリアに移るためにはドコモに11,500円を支払う必要があります。

そもそも3月の時点ではドコモから楽天モバイルの新プランにMNPで移行すること自体ができませんし、まだ回線の状況がわからない中での移行は危険なので、ここでは前回紹介した電話のかけ放題プランが選べるUQモバイルに移行しつつUQモバイルでも使える楽天モバイルの端末を購入するというちょっと複雑な方法での購入ということで考えてみます。というのもこの時期にUQモバイルはSIMカードのみの購入でMNPしてスマホプランを契約した場合、ポイントではなく1万円のキャッシュバックキャンペーンをはじめました。キャッシュバックまでにタイムラグが有り、申込みをし忘れたりきちんとキャンペーンに適用する申込みを行う必要はあるものの(オンラインショップ以外での手続きや初期手数料がかからないエントリーパッケージを利用しての手続きは対象外になるため注意)、後日送られてきたメールの内容に従って手続きをすれば実質ではなくお金が戻ってくるので、こうしたキャンペーンを利用しないと損です。

エントリーパッケージをキャンペーンでは利用できないので、実質では約7,000円のキャッシュバックになりますが、もしドコモ契約のタイミングで解約月だったりガラケーのかけ放題をドコモ以外のキャリアで使っていたなら2枚SIMを指して使える楽天モバイルの端末に楽天モバイルとUQモバイルの2回線を入れて運用するという選択もあったのですが、できないことをああだこうだ言っても仕方ありません。

ちなみに楽天モバイルで販売している端末の中では、おサイフケータイと防水機能のあるOPPO Reno Aが楽天モバイル限定で128GBとメモリが2倍になっているモデルがおすすめです。この機種を選ぶと期間限定9,500ポイントが追加でもらえるので、契約に関するポイントとの合計は15,800ポイントになりますが、こちらはUQモバイルのキャシュバックとは違って使う場面が限られるので注意しましょう。

期間限定ポイントの使い道としては、スマホに関する周辺機器(ケースや充電ケーブル、モバイルバッテリー)を買ってもいいでしょうし、近所に楽天ポイントと提携していて普通の買い物で使えるお店があったら「端末の実質価格」が現実に限りなく近づきます。私の場合は利用しているガソリンスタンドが楽天ポイント払いに対応しているので、半年あれば使い切れると思います。逆に言うとポイントを貰ってもいつもの買い物で使い切る自信がないような場合は、安易にキャンペーンに乗らないほうがいいこともあるかもしれません。

とりあえず私は、4月からの楽天モバイルのSIMカードはすでに持っているP30 liteに入れて利用するつもりにしているので、新しい端末を必要とするのはドコモから乗り換える予定の2020年末以降になります。その時にはもう少し状況が変わっている可能性がありますが、SIM購入でもらえる楽天ポイントの利用期限ぎりぎりで楽天で回線対応のOPPO Reno Aが売っていれば一部ポイントを利用して端末を買えば、端末購入時のポイントとドコモ回線の違約金分が相殺されるので、焦って端末を購入することもないかなと思います。時間の経過とともに端末の代金も安くなるかも知れませんし、期間限定ポイントを端末購入に集中して使うことができる分、無駄遣いも減らせます。

そもそも、時間の経過とともにUQモバイル以上に使える通話放題を出してくるMVNOがあるかもしれません。ただスマホに関しては機能と価格のバランスを考えると2021年になってもなおOPPO Reno Aを購入すれば間違いないと思っていますので、今回の楽天モバイルのキャンペーンには感謝しています。

今回はあくまで私の複雑な契約の移行にともなった一つの例ということで紹介しましたが、新しいスマホが欲しい場合には様々なキャンペーンを利用しないと損です。さらに、キャシュバックの場合はいいのですが、ポイントバックの場合は今回の楽天のようにタイムラグが有るだけでなく一定の期間を過ぎると無効になってしまうケースもあるので、ポイントの多さに惑わされることなくあくまで自分に合った条件で利用するようにしましょう。


UQ「スマホプラン」と楽天モバイルの合せ技も

文字を使ってのコミュニケーションが当たり前になる中で、あえて通話を無制限に使うことに意味があるのか? と思う人もいるかも知れませんが、現在の新型コロナウイルスによって生み出された状況の中、病院に自分や家族の病状について相談するような状況になったらどうなるかということを考えてみてください。

病院の先生と直接話をするために長い時間保留にされているうちに10分過ぎてしまっても、話をするまではこちらから電話を切ることは難しいのではないかと思います。普段はほとんど電話を使わない人であっても、5分10分という限定されたかけ放題ではなく、料金の多少の違いだったら無制限に使えるかけ放題をできるだけ安く利用する方法を考えたいというのが今回の目的としたいところです。

スマホを利用した料金プランの中では「24時間掛け放題」と「データ通信の利用」の双方とも使い勝手がいいのは、前回の最後に紹介したUQモバイルの「スマホプランS(月3GB)」に「24時間掛け放題オプション」をセットするのが現状ではベストの選択になるのではないかと思っています。その場合の料金は(これ以降の料金についても税抜・ユニバーサル利用料別での表示になります)2,980+1,700円で3,680円で利用できます。大手キャリアのプランと違うのは、データ通信の使い方がMVNOに寄っているのが大きなポイントです。

大手キャリアでは何故かできないアプリによる高速と低速の切り替えができ、普段使いでは低速でも最大300kbpsのスピードが出ます。大手キャリアでは最大128kbpsに制限されますのでその2倍以上出ますし、各種格安SIMの業者の場合の最大200kbpsよりも早いです。常に200kbpsくらいのスピードが出るOCNモバイルONEのSIMでも音楽ストリーミングや各種動画の再生についても、アプリの設定で最低画質で我慢できるなら十分に使えることはわかっているので、それより早ければ同等以上に利用できるということになるでしょう。もし低速通信では待たされる場合があれば、その時だけアプリ操作で高速に切り替え、使い終わったら元の低速に戻せば一番安い月3GBのSプランでほとんどの方は大丈夫だと私は思います。

自宅のWi-Fiや公衆Wi-Fiでの通信を利用すれば、さらにいざというときのために高速クーポンをためておけます。翌月末まで貯めた容量は利用でき、さらにUQモバイルの高速通信は大手キャリア並みに早くて安定して使え、さらにテザリングも無料でできるので、パソコンを持ち出しての作業にも使えます。あらゆる動画を外で見まくるようなことをしたり、パソコンのテザリングを延々と使うような目的でなければ、消費税を入れても月額4千円くらいで通話もデータも過不足なく利用することが可能なこのプランの加入を現状では考えています。

ただ、この金額だと私が今使っているガラケーのかけ放題(ドコモのカケホーダイプラン税抜2,200円)とmineoの最大500kbpsのパケット放題(月500MBとのセットで税抜1,050円)との合計3,250円や、データ通信のみのUQモバイルのデータ高速プラン(月間3Gで税抜980円)との組合せによる合計3,180円と比べると少し高くなります。しかし、UQのスマホプランはいつでも解約可能な契約なので、2年間の継続契約前提のドコモのカケホーダイプランの料金とは違います。私の使っているプランを2年定期契約なしにした場合は2,200円が3,700円になり(旧プランなので高く、新プランに変えても二年縛りはドコモに限っては継続します)、現在の最新のケータイプランでもかけ放題をつけると高速クーポンは100MB付くものの3,070円かかるので(二年縛りなしの場合)、UQモバイルのスマホプランSにかけ放題オプションを付けた方が安くなります。今後の通信プランの5Gによる再編が予想される中、極力長期契約は避けたいところです。その点でも長期契約に紐付けされずに安いUQモバイルの優位性が今のところは出てきています。UQモバイルで使えるauのエリアでの使用に問題がないようなら、考える価値はあると思います。

さらに今回は通話品質がわからないのでまだどうなるかわからないものの、楽天モバイルの新回線と組み合わせて安く通話無制限を実現するという方法もあります。楽天モバイルの通話については、Wi-Fiに接続して発信した場合、自分の番号が通知されないという問題があるのですが、これは逆に考えると先に「いったん電話を切って別の電話から掛けるので、番号が表示されなくても受けて下さい」と言うことで、「非通知」でも「通知不可能」の番号からでも通話してもらえる可能性があります。そこで、電話を受けたりちょっとした電話を受けるための回線をUQモバイルの「スマホプラン」で契約し、その通話オプションに「24時間つなぎ放題(月額1,700円)」ではなく、10分間までのかけ放題(月額700円)か、月間60分まで追加料金なしで利用できる通話パック(月額500円)をセットにして運用するということでトータルの出費を安くすることも少々せこいかも知れませんが可能です。

付けるオプションの選び方は、たまにしか電話しないようなら通話パックの方にして、長くなりそうな時には楽天Linkアプリから掛け直すようにすればいいでしょうし、トータルで60分以上掛けるようなら、10分間かけ放題にして一回の電話が10分をオーバーしそうな時にはこちらも楽天Linkアプリを使ってじっくりとお話するということもできるでしょう。その際、正直に「この電話では(10分間しか)かけ放題ができないので、番号は変わりますが(非通知になるかも知れませんが)別の電話から掛け直させていただきます。そちらの方では時間制限がありませんので、よろしくお願いします」と言えば文句も言われないでしょう。

しかも、楽天LinkはWi-Fiに接続していれば番号通知はともかく使えるので、楽天の電波が入らないような場所では公衆Wi-Fiの利用の他、低速制限でも最大300kbpsのスピードが出るUQモバイルの「スマホプラン」からの低速テザリングでも問題なく電話できるでしょう(楽天のエリア内ではつながらないからといってau回線には切り替わらないという話があります)。楽天Linkはキャリアとは関係なく電話できる仕組みなので、どうしてもドコモエリアで使いたいという場合には、ドコモの格安SIMとの併用もありでしょう。

楽天回線で電話している時にUQモバイルの方に電話が入っても、先方には電話が入っていることを直接伝えることができます。これで楽天モバイルの無料期間が終了しても2回線で6千円弱に収まり(UQモバイルのオプションをかけ放題プラン以外にした場合)、将来的に楽天のエリアが広まれば通話に加えて高速データ通信をほぼ無制限で利用できることになるので、使い方の幅は更に広がるのではないでしょうか。

IP電話の楽天Linkの通話品質がどうなるのかということと、Wi-Fiに接続しての楽天Linkアプリ使用時の通知の問題が解決すればいいですが、携帯電話回線の品質を考えると、やはりUQモバイルのかけ放題のほうが安心かなとは思いますが、今後もっと良いプランが他社から出てきたらいつでも解約して乗り換え可能な状態で使えるメリットは大きいです。

これはあくまで2020年3月現在の話で、私が乗り換えをする予定にしている年末あたりにはもっと違う選択肢も出てくるかも知れません。とりあえず楽天の新規契約は一年間無料で使えるので、このプランを一年間使いながら新たな動きを待つというのもいいでしょう。そもそも、楽天の回線においても、まだ使っていないものなので予想より良い事や悪い事など、たくさん出てくると思いますので、4月に入りましたら改めての評価をさせていただきたいと今は考えています。


かけ放題のプランの違いを理解しよう

改めて携帯電話の「かけ放題」とは何だ? ということについてまず書いてみたいと思います。なぜそんな風に思ったかと言うと、現在の大手キャリアとMVNOの比較サイトを見ると、通話の「かけ放題」についての説明がおざなりで、キャリアのかけ放題とMVNOのかけ放題、さらにIP電話やIP電話の一種であるLINE電話や楽天モバイルが提供する楽天Linkアプリを使ってのかけ放題について、その仕組みの違いと品質の違いについてあまり語られているのを見たことがないからです。

対外的な問い合わせはメールで済ますことが増える中、友人との連絡だけなら電話番号を利用しての発信自体を行わず、LINE電話でのかけ放題を主に使っている人もいるかも知れませんが、LINE電話を使ってキャリアのVoLTEを使った通話品質と比較すると、言うまでもなく相当な違いがありますので、安易に「LINE電話のかけ放題で十分」ということも言えないでしょう。シニア世代の方であればあるほど、通話品質にこだわった電話を使ったほうがまず相手の声が聞きやすくなり、さらに自分の意志をしっかりと伝えやすくなります。時間を掛けてでも自分の意志を伝えるためには料金に納得できるなら「かけ放題」を選択して欲しいと思うのですが。

それでも、家族や友人との会話がほとんどの場合で、LINE通話の品質に耐えられる人とだけ通話するなら、本当の格安で通話無制限が実現するデータ通信専用SIMを使って安く上げるのもいいと思います。何と言っても低速限定のデータSIMだけなら、月額500円以下でも利用できるわけですから。しかし、通話にある程度の品質を求める場合には音声通話付きのSIMを契約し、提供される電話サービスの内容把握や、通話時間の選択にもこだわっていただきたいと思います。それでは具体的な内容について説明していきましょう。

いわゆる「かけ放題」プランで大手キャリアの売れすじの通話オプションでも、MVNOのかけ放題の場合でも、一般的なのは回数は無制限ではあるものの一回の通話については5分ないし10分までの限定かけ放題であることが多いです。このプランは毎月の料金が安く利用できるということと、統計上普通に電話を使っていれば、一回の通話がそれほど長くならないというデータのもとで多くの人が契約して使っていると思います。

この限定的なかけ放題が広がっている廃鶏には、大手キャリアでないMVNOでは24時間かけ放題というサービスは一部の例外を除いてはないということも関係しているのではないかと思います。MVNOでは10分のかけ放題というのが一般的で、格安SIMでかけ放題を実現するためには時間限定のかけ放題を選択するしかないのか実情です。ちなみに大手3社以外のMVNOでは殆どの場合、IP電話や専用アプリから発信することでかけ放題を実現していることも忘れてはいけません。

専用アプリから利用できるのが、いわゆる「プレフィックス発信」という仕組みです。多くのMVNOでは専用アプリを使っての通話料金を普通の発信時より安い30秒10円で設定しているので、10分を超えても大手キャリアで時間制限付きのかけ放題(大手キャリアでは5分までというパターンなのでその点も注意)よりは費用の面だけで言えば有利ではあります。

しかし、専用アプリから発信する事を忘れて、汎用のダイヤルアプリから発信してしまったら、大手キャリアの回線をそのまま使うことになるので、10分間まで定額にならないどころか、最初の30秒から20円ずつ課金されるという、青天井な通話料金が発生するということになります。当然SIMを専用アプリが使えないガラケーや、専用アプリを入れていないスマホを使って電話する際には、通話定額を利用するためにはサービスを申し込んだ上で、いちいち電話する前に共通の番号をダイヤルする必要があります。プレフィックス電話には通話料が安くなるというメリットもありますが、電話回線を使いつつも、別の経路で電話を使うため多少通常の回線より通話品質は落ちる可能性があり(通話品質は「VoLTE」>「プレフィックス電話」>「IP電話」という感じです)、通常電話に影響がなくても、プレフィックス発信用の専用回線のトラブルがあった場合にはかけ放題が使えなくなる可能性もあります。そういう意味からも、様々な電話の仕組みの中でどちらかを選べと言われれば、プレフィックスの仕組みを使わないで汎用のダイヤルアプリから通話定額やかけ放題、通話無料の仕組みを使えるなら使えるほうがいいわけです。

しかし、その仕組みを用意している大手キャリアの契約というのは一度契約すると安く利用するためには2年などの長期契約が紐付けされてしまっています。大手キャリアはデータプランもMVNOに比べると高めですし、低速制限のスピードもMVNOより遅くなっています。今後の5Gの展開を考えると、新しく魅力的なプランが出てきても契約解除料を気にして解約できないというのはやはり不便です。今私が使っているドコモのガラホ契約が年末に更新月を迎えるのですが、以上のことを考えると2年縛りを嫌だと思ってもキャリアの契約を続けなければいけないのか、悩みどころなのですね。そんな中で楽天モバイルの提供する「楽天Link」アプリを使ってのIP電話の品質はどんなものだろうと思って4月からのテスト契約を思いついたわけです。

そんな中、私が知らないうちに現状での私の希望に沿ったプランを出している業者がありました。大手キャリアとMVNOの間の業者として双方のいいとこ取りをしていると思うのが、auのサブブランドとして展開しているUQモバイルが2019年末から始めた「スマホプラン」のつなぎ放題オプションです。詳細は改めて紹介しますが、SIMカードのみの契約可・契約はいつでも解約可能・通話には専用アプリ必要なし・データ通信についてはアプリで速度を切り替えれば高速クーポンを利用しない(残った容量は翌月繰越可)運用可・低速回線でも最大300kbpsでの利用可能とキャリアとMVNOのいいところを取ったプランなので、通話もデータもこなしたい場合には候補の一つとして考えておこうと思っています。次回はこのプランについて詳しく解説します。


よく調べないで買った後に文句をつけても

前回予告した内容について、今回は先送りさせていただくことをまずはお詫びします。ちょっと見過ごせないようなニュースを目にしたからです。このエントリーを書いている現在は、まだ新型コロナウイルスの脅威は日本から去ってはいませんが、恐らく一連の騒動が去った後には、何を恐れ何を恐れる必要がなかったのかがわかってくるような気がします。とにかく現状では感染しないように努力し、過剰に反応することで感染症とは関係ないところでのトラブルというものは避けたいものです。ただ、今の段階でも今回の新型コロナウイルス騒ぎで踊らされるだけ踊らされた人が出てきているのでその事を記録するとともに、今後ニュースになりそうな事柄について予言めいたことを書いてみたいと思います。

2020年3月10日のニュースで、静岡県富士市のふるさと納税担当の人に取材したところ、今回の新型コロナウイルス騒動を受けてとんでもないことになっていることがわかったということです。現在も使い捨てマスクの入手困難は続いていて、すぐには解消する気配は見えませんが、マスク不足を紙そのものが不足しているとネットで発信した人がいたらしく、結果お店からトイレットペーパーやボックスティッシュがすごい勢いでなくなったことがありました。

すでにこの情報は間違った情報であることが判明し、私の近所のお店でもトイレットペーパーとボックスティッシュはいつでも買えるようになっているのですが、こんなことは普通に考えればわかることです。奪い合いのようにして品物をゲットした方々は、かなりの高値でしばらくは買わなくていいくらいの量を買ったことを後悔している人もいるかも知れません。その延長上に起こったのが今回ニュースになったふるさと納税についての話なのです。

富士市には多くの製紙工場があり、先日紹介した「道の駅富士」にもお土産用のトイレットペーパーが置いてあるくらいの名物になっています。当然富士市のふるさと納税の返礼品にもトイレットペーパーがあり、どうしても店頭でトイレットペーパーを買えなくてパニックになった人たちが富士市にふるさと納税をしてトイレットペーパーを得ようと押し寄せたのです。しかし、この話には続きがあります。

トイレットペーパーがなくなるというのは嘘で、近くのお店で問題なくトイレットペーパーが買えることを知った人たちの間で、富士市に寄付したはずのふるさと納税をキャンセルするというケースがかなりの数に上っているというのです。可哀想なのは、この騒動に振り回され、入るはずの寄付金が入らなくなった富士市の人だと思うのですが、そもそもふるさと納税をキャンセルしようとした人たちは、あまりにもあからさまに返礼品狙いで寄付をしているということがわかってしまい、これで改めてふるさと納税の制度について、その内容が変わってしまうと、ふるさと納税をあてにしていた地方自治体の方でも困るところが出てくるかも知れず、何か後味の悪い騒動になってしまったように思います。

現在のふるさと納税はネットから簡単にできるので、余計衝動的になってしまうところがあるのでしょう。同じようなことは、この4月以降にも「楽天モバイル」の一年間無料の申し込みが進むにつれ、じわじわと出てくるのではないかと心配になります。ちなみに私は、端末は同時に申し込まずにSIMカードだけの契約にしたのですが、よく内容を理解してSIMカードだけの申込みをしないと、下手をしたら大量のキャンセル祭りになる可能性は大きいと言えます。

まず、楽天モバイルで購入した端末はSIMフリーの端末なので、手持ちのiPhoneを含むSIMフリーのスマホにSIMを入れれば普通に使えるように思っている人がいたら、それは大きな間違いです。まず今回の申し込みでは楽天モバイルはiPhoneおよび、楽天モバイルが販売していないAndroidスマホでの開通作業について保証していません。私の場合はたまたま先日OCNモバイルONEから購入したファーウェイのP30 Liteが、すでにテスト利用している人が楽天が公開している本体のビルド番号で開通作業に成功したという口コミ情報を見て申し込んだに過ぎません。今回のSIMが、ビルド番号が合っていても楽天モバイルが販売していたP30 Liteでなければ開通できないように調整されていたとしたら、楽天モバイルを一年間無料で使うためには改めて楽天から端末を購入する必要が出てくるかもしれません。

そうしたリスクを十分承知の上で私は申し込んでいるのですが、もしそのようなことを考えないでSIMだけを購入し、開通できないとクレームを言うような人が増えるかもしれないということは、富士市のふるさと納税をキャンセルした人のことがニュースになるくらいですから、かなりの数になるのではないでしょうか。

このことに限らず、インターネットだけで完結してしまう取引というのは、購入するものについての詳しい知識とともに、いざというときのトラブル対応や、クーリングオフについての知識もないと不利益を被ったとしても自己責任ということになってしまうので十分気をつけるとともに、噂くらいの情報で安易に動かないことが大切ではないかと思います。楽天モバイルのサービス開始日は2020年4月8日ですが、この時に新型コロナウイルスの勢いがどうなっているかということとともに、楽天モバイルが開通できない人がニュースのネタになっていないことを祈りたいですね。