大型書店の存在意義とFireタブレットを使った電子書籍の可能性

大都市以外の地方都市では、なかなか大手の小売店でも売上が上がらずに撤退ということがしばしば起こります。普通の小売店の場合はそこまで驚かないのですが、私の地元である静岡駅から歩いてすぐのところにある、市内でも最大規模を誇る書店がこの5月半ばにも閉店になるというニュースを聞き、改めて活字本を売るということは難しいということを感じざるを得ません。

ちなみにそのお店の規模は雑誌から専門書まで約60万冊を揃えているところで、急に本が欲しい場合にその場で購入できる他、どうしても見付からない本も書店経由で注文することで送料がかからずに取り寄せてもらえるのですが、そうしたお店がなくなると大変だなと思う半面、私自身も紙の本を買うよりも電子書籍にという風に流れになってしまっているので、時代の流れ的に仕方ないのかなという感じもします。

活字を読む文化自体は、こうしたブログやTwitterで単文を追ったりしている人も多くて、活字そのものがすたれるものではないと思います。今回の新型コロナウィルスの騒動の中で考えると、電子書籍の利用に本格的に移行している人であれば、サンプルをネットで見て、買いたいものを電子書籍という形で購入するのには実際の店舗に行く必要もないですし、さらにネット通販のように注文から配達までのタイムラグもなく購入したらすぐにダウンロードして読むことができるので、家から出ずに楽しめるという点で優れています。私が電子書籍を利用する場合、Amazonが提供しているKindle形式なのですが、一度Kindle本として購入すれば、同じIDとパスワードでアクセスすれば、手持ちのスマホに入れたKindleアプリだけでなく、専用のKindle本リーダーでも読めますし、Amazonが販売しているFireタブレットには購入時にKindleリーダーアプリが入っていますので、こちらでも問題なく読めます。

なかなかそういった事をご存じない方も多いのか「Fireタブレットはセールでかなり安くなっているが、一体何に使えるの?」というような質問を受けることがあります。個人的にはFireタブレットはカラーでKindle本を読むために使うだけでも十分元が取れるのにと思っているのですが、なかなか私の周りでは理解されないのが残念です。

私自身は7インチのAlexa搭載モデルを、キッズ用の耐衝撃カバーといっしょに利用しているのですが、AmazonのスマートスピーカーであるAlexaには私が知っている限りでは電池内蔵のケーブル無しでも動作するモデルがなく、Amazonのスマートスピーカーをどこにでも持ち運びたい場合にも役に立つのです。本稿とは関係ありませんが、無線Wi-Fi環境のあるホテルの部屋で使えば簡単にモーニングコールのセットができるので手放せません。

KindleとAlexaの機能を組み合わせた便利な使い方としては、本によって利用できないものもありますがAlexaの中の女性の声でKindle本の中味を読んで聞かせてもらうことも可能です(FireタブレットではKindleアプリから目的の本を呼びだした上で手動での合成音声による読み上げも可能です)。もちろん、正しい読み方をしなかったり微妙にイントネーションがおかしくなるところはありますが、単にスマホや専用リーダーで紙の本の代わりに読むだけのものだと思っている人からすると、音声読み上げ機能というのは便利で、紙の本にはない魅力の一つになるでしょう。

Fireタブレットにはその他に8インチと10インチのものがありますが、セール時期には10インチタブレットが1万円そこそこの価格で買えるので、絵本や漫画用に使ってもいいと今後の利用の状況によっては買い足そうかとも思っているくらいです。

ただ現状でもなかなかこうした使い方が普及しないのは残念ですが、現在のFireタブレットもカバーを付けたことで衝撃には強くなったものの、水にはやはり弱く、大人の考えられないような使い方をする小さな子に使わせても安心なモデルの販売を待ちたいところではありますが、現状でも十分Fireタブレットは電子書籍リーダーとして使えるので、このような使い方を多くの人が知ってしまうと既存の書店は本当に大変になってくるだろうと思います。

ちなみに、著作権の切れた文学作品を電子書籍化して提供している「青空文庫」から気に入った作家の小説やエッセイをFireタブレットにダウンロードしてくれば、ダウンロードにかかる通信費のみの負担で、国内外の有名な作品を無料で楽しむことができます。なかなか外に出掛けられなくてイライラするような時、そうした本を自宅にいながらにしてダウンロード入手し、読むのが大変ならFireタブレットに文章を表示しつつ活字を目で追いながら読み上げの音声を聞くという形でなら今まで読めなかった名作を読むこともできるでしょう。小売業の方々には大変な状況が続きますが、なかなか家から出られない中でもすぐに利用できる電子書籍から奥深い本の世界を覗き、改めて直接本屋さんを訪れて本の魅力を再確認するようなこともあると思いますので、今後も何とか電子書籍と紙の本の共存ができることも合わせて望みたいですね。


カテゴリー: モバイル活用ガイド | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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