決して宿代を節約するための手段ではない MIHO氏の車中泊スタイルと期待されるキャンピングベース車

テレビ朝日系列で放送されている「ノブナカなんなん?」という番組があり、主にMCの方々が「なんなん?」と思える女性に密着したVTRを流しているのですが、先日の放送は車中泊仕様に改造したハイエースベースのキャンピングカーを運転して全国を車中泊しながら回っているYouTuberのMIHO氏に密着していました。

女性の一人旅ということで、安全のためにしっかりとした車選びをされているようで、900万円で購入したというハイエースの内部も紹介してくれていました。その内部というのは正に「走る家」と呼ぶこともできるくらい充実していて、大き目のベッドにリビング、当然トイレ付きでシンク、そして冷蔵庫もありました(ただし調理機具は電子レンジはあったものの、鍋はカセットコンロを利用していました)。

その中で一番びっくりしたのは、家庭用(6畳用)のエアコンが付いていて、オールシーズンで車内で快適に生活できるようになっていたことです。電子レンジやエアコンは、屋根に設置したソーラーパネルで賄うということでしたが、もちろんAC電源付きのオートキャンプ場から電源を使っての利用や、バッテリーの充電もしないとなかなか好きな時には使えないような気がするのですが。

それ以外にも車内のポータブルトイレの処理や、お風呂の問題(日帰り入浴施設を利用するので問題なしということでしたが)、いくら自由とは言え、自宅に帰らずにずっと車中泊旅をするのは大変です。ただ、それ以上にYouTuberということで仕事の場所を選ばないことから、人生の時間の多くを一つの場所に留まらないで日本国中を回っていられるのは羨ましいですね。

彼女の場合、私のように車中泊用の車に900万円も掛けるということが信じられないと思う人もいるかも知れませんが、やはりそこには未だに「女性の一人旅」というのにハードルが高い事情があると思います。私自身が車中泊をする場合には、さすがに全ての窓に目隠しはしますが、夜にトイレに行きたくなった場合には普通に降りて公衆トイレを使用します。女性が一人旅をしているのでは? と思われた場合、一番危険なのは人の出入のない駐車場であってもきちんとロックされた車から降りて外に出る時であり、少なくとも女性の方で気ままな車中泊を楽しみたい場合には、少なくとも車内にポータブルトイレを設置し、夜が明けるまでは一人で外に出なくても大丈夫なだけの装備の整った車を用意する必要が出てきます。

私が驚いた家庭用エアコンを車内に設置してある点についても、特に夏などは車中泊にとっては難しい季節で、暑いからと言って窓を開けたまま寝てしまうと、その隙間から覗かれたり侵入を許してしまう可能性も出てきます。さらに、ハイエースの場合はトラックに居住スペースを付けたキャンピングカーとは違い、ベッドやリビングから直接運転席に移動できるので、本当にまずい場合は外の雰囲気を察したらすぐその場から逃げることもできるというメリットもあります。

MIHO氏の活動が話題になり、様々な動画関連の仕事を受注し、テレビにも取材されるというのは、女性であるという事も珍しがられるということもあるのかも知れませんが、同じように好きな時に好きな所へ出掛けるようなライフスタイルを実践したいと考える女性の方は少なくないと思います。キャンプもそうですが、芸人のヒロシさんやバイキング西村さんが牽引した部分はあるにせよ、やはり女子のキャンプブームがあって様々な経済効果が出たことも事実です。

私自身はそうしたブームにのっかるような形でそのおこぼれに預かれないかとついよこしまな事を考えてしまいますが(^^;)、今後の車中泊用キャンピングカーのベース車となる車を、日本の自動車メーカーには出して欲しいものです。今興味があるのは、三菱自動車のPHEVで、ガソリンを使って発電機を動かし、それを走行のためだけでなく車内に持ち込んだ1500Wまでの家電製品を使うことができるというのが、車中泊車のベース車として最適ではないかと思います。

恐らくMIHO氏の車中泊仕様ハイエースの場合、車両価格に占める電源関連の費用がかなりのものになると想像されるので、その分をメーカーの標準装備で賄え、さらに全国にあまたある電気自動車用の充電スタンドを利用できるということができれば、それはかなり大きなポイントです。こうしたPHEVで、コンセントからの給電以外に暖房・冷房を車のエアコンを動かすことで居住空間をまかなえるなら、バンタイプのベース車を出してくれれば、カスタムするには電気についてはソーラーパネルに依存することもなくなるので、トイレ・シンク・ベッドとテーブルくらいの加工だけで済むことになります。

一人での生活空間であれば、ハイエースほど広くなくてもいいと思うので、500万円くらいでPHEVのキャンピングカーがあれば、自由に車中泊生活を楽しみたいと思う人(男女問わず)にかなり売れるのではないでしょうか。今の世の中は、インターネットについては大手キャリアの無制限プランを契約すれば、何しろネットが使えるエリアを探して移動すればいいので、テレビの電波が届かなくてもネットが繋がれば十分生活や仕事は可能になると思います。

新型コロナウイルスと共生する生活スタイルとして、人と会わずに車内に引きこもるキャンピングカーでの移動というのは奨励されるべき行動パターンともなるでしょうし、レンタカーではなく、自分だけで使える車内空間を安く快適に持ちたいと思う方は多いと思います。多くの需要があって売れれば価格は下がるわけですから、今後の自動車メーカーのこうしたニーズの掘り起こしには大いに期待したいところです。


カテゴリー: 車中泊に適した車種 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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