過去には銀行のシステム不具合といえば、特定の銀行がシステム変更をした際や、連休をはさんで利用が集中し過ぎることによって起こることがありましたが、先日発生して復旧まで時間がかかっている全銀システムの不具合による、他行からの振り込みができなくなっていた(現在は解消)ことによって、色々なところに実害が生じているような状態です。
全銀システムに加盟している銀行を使っている方が、口座から他行への振り込みをしようと思っていてもできないということなのですが、個人が直接振り込みできない場合は、現金を出して別の方法で送金することは件数がさほど多くなければ何とかなるレベルかも知れません。ただ、給与の支払い元が全銀システムを利用していたり、各種公的な手当てや年金の場合もあり、そのいずれも毎月(手当などの種類によっては2ヶ月に1度のこともありますが)入ってくるはずの収入が入ってこなくなってしまうので、振り込みがされなかった当月から深刻な影響が出てくることが今回のトラブルでははっきりしてしまいました。
少なからぬ人が、銀行口座からの口座振替を利用したり、クレジットカードで毎月利用した買い物の代金を翌月にまとめ払いしていると思うのですが、もし翌月の給料の入金を見込んで口座の残高以上の買い物をしてしまった場合、もしかしたら口座からの振替が行なわれないことになったら大変です。入金されないことで信用取引の根本が崩れてしまいますので、クレジットカードの信用について問題が起き、新たに別のクレジットカードを作ろうとした場合に、実際に利用料金が引き落とされなかった事実が残っていることで、新たなカードやローンの契約が成立しなくなるということもあるかも知れません。
今回のトラブルの場合は、利用者側に問題があって支払いが滞ったということはないので、何らかの救済策が出るとは思いますが、例えばクレジットカードの引き落とし日直前になって口座残高が足りない場合、支払い方法を変えたり、キャッシングを行なって本来入ってくるべき分の不足分を補ったりした場合、果たしてその金利などを銀行が補償してくれるのかどうかについては、私が見た限りはテレビニュースでは触れられていませんでした。もし自分のところでそんな事になった場合は、まずはクレジットカード会社の方に問い合わせをしてみて、とりあえず自分で対策するのか、そのままにして銀行やクレジット会社の対応を待つのかをしっかり確認して動くことが大事だろうと思います。
このようなことが実際に起きてしまうと、やはり日頃から自分の口座に振り込まれるものがすぐに振り込まれないのに、引き落としだけは普通に落ちてしまう場合の対策を考えておくことは大事でしょう。それこそ、安易に何でも口座振替にすることを止め、電子マネーによる支払いの方へ移行したり、複数回払いを止め、お金を用意した上で翌月一括払いの方にシフトするような事もそうでしょう。また、毎月多くのお金が入ってくるあてがあるので無駄遣いしても何とかなるというような考えから、日頃から無駄を極力抑え、一回ぐらい給与の支払いが滞っても、十分な口座残高を確保するような生活に切り替えるような事も大事になってくるように思います。
最近は生活に関わる様々なものが値上げされ、中には今までの貯金を切り崩しながら生活している方もいるかも知れません。そんな中で蓄えをするというのは大変であることは十分に理解した上で、いかに今の生活を維持しながら使うお金を少なくしながら、少しでもいざという時に役に立つように口座にお金が残るような生活をするように考えを切り替えるのも大事です。これは何も毎月の給与が安い人だけの問題ではありません。生活が便利になる中で、気付かないうちに必要のないところに必要以上のお金を掛けて手間を減らすことに慣れてしまうと、一気にそうしたサービスを止めたり、使っている商品のレベルを下げる事ができなくなってしまう事も起きます。見栄を貼るということとも違い、ある程度毎月決まった金額のお金を使う生活が当たり前になってしまうと、節約をしながら生活をすること自体が難しくなるということは良く言われています。
私の場合を考えても、収入が低い時でも高い時でも、毎月残るお金はほとんど同じだったような事を経験していて、後から考えてみると、収入の低い時には色々なことを我慢してきたことで、収入が入るとそのタガが外れたように自分でもわからないうちに、色々な必要のないものまで買ってしまうというような事がありました。今はそうした事について反省し、本当にそれは自分にとって必要なのか? ということを考えながら物やサービスを購入することを実践しようと思っています(まだ完全にできているわけではありません)。
ただ、あまりに我慢する生活を続けてしまうと逆に生活自体が面白くなくなってしまい気が滅入ってきますので、自分で限度を決めながら生活を楽しむための出費も必要になってくる部分はあるでしょう。しかし今回のような事は、規模が大きい場合も小さい場合も、システム変更やハード変更のタイミングで起こり、たまたま自分の口座利用がストップさせてしまう可能性は0ではありません。そんな、いざという時にお金が足りなくなった時の事を考えて、お金に対しての問題がない時からその対策を立てていくことは、中東での戦争のような状況に触れてしまうと、やはり大切なことだろうと思います。支出をセーブしながら生活を楽しむような事について、これからも考えていきたいなと改めて思った今回の全銀システムの不具合に関するニュースでした。