災害時に備えて衛星インターネットのStarlinkを自分で持っておくべきか?

道路の復旧が遅れ、携帯電話の基地局や地上波テレビの中継局の予備電源が切れて通信ができなくなった能登半島の先端付近の状況を見ていると、これは自分でインターネット環境を作ることができる衛星インターネットを持っておいた方が良いのか? と考える方もいると思います。

ただこれは、車中泊で旅をすることが多く携帯電話がつながらなさそうな場所まで足を伸ばすような方でないと、毎月の維持費がそれなりにかかるので、光回線と同時にというのはちょっと私には抵抗があります。また、災害対策だけで使いたいと思っている方でも、比較的人の往来がある都会住まいであれば、ちょっと移動すればどこの基地局も使えないということはそうそうないと思うので、ここで考えるべきは、光回線のサービス対象外の場所で住んでいる方であればどうか? さらには、メインの回線を衛星インターネットにする場合でも、開けた場所にアンテナを設置できるのか? という事が導入のカギになるのではないかと思います。個人的には光回線からの乗り換えで使うというイメージで使えるようになれば、光回線からの乗り換えも良いかなとは思います。

今回の能登半島の地震というのは、道路が使えなくなって救援に長く入れないような悪条件が重なった結果だと言えます。そして、昨今のニュースではまだ携帯電話の基地局が復旧するのに時間がかかりそうだということと、各キャリアが無償で被災地に衛星インターネットのStarlinkの器具一式を避難所に導入したというニュースがありました。避難所では、アンテナを立ててネットが通じた段階で、そのネットをWi-Fiで共有し、避難所内で生活をする人たちは特別な機材を使わずに、手持ちのスマホがインターネットにつなげられるようになっていたようです。

そう考えると、こうした機材というのは個人で持つというよりも、今回のように企業からの提供でやってくるのを待つか、あくまで自力でインターネットの回線を確保したい場合は、主に普段でも携帯電話の電波が入りにくくなるような集落で一つ用意するという選択肢も出てくるでしょう。いざという時に使いたい人が、アンテナを設置した場所の近く、Wi-Fiの届くところに集まり自分のスマホやパソコンでネットにアクセスしたりするような事ができればそれで十分なのかも知れません。

ニュースだと、Starlinkで提供されるのはデータ用のインターネット回線だけなので、LINEのアカウントを持っていない人が親戚などに連絡を取るのにはまだ時間がかかるというような情報も出ていましたが、例えば楽天モバイルの「楽天LINK」アプリはStarlinkのインターネット回線を使って利用できるのか、その場合どのくらいの通話品質なのかというのは気になるところです。

というのも、テレビニュースで放送中、現地にいる被災者から電話でお話を聞いている際でも、話しているうちにかなり通話品質の低下がみられ、しばらく待って同じ内容を話してもらわないと言っていることが伝わらないような状況も出ていました。楽天モバイルの楽天LINKは、確かに通常時でも通話品質について色々言われていますが、私の場合は自宅のWi-Fiに接続している場合には比較的品質が良く通話可能です。通話自体にそれほどのスピードは必要ないと思いますので、集落で一台Starlinkを用意できるのであれば、それに接続して集落のだれでも無料で使える電話を作ってしまうというのも一つの方法としては面白いのではないでしょうか。

用意するものは楽天モバイルの回線を一つに、タッチパネル方式を採用しているパソコンと通常の電話の受話機の形を模したイヤホンマイクになります。パソコンにはデスクトップ用の「楽天リンク」アプリを導入しておき、電話を利用したい場合には楽天のSIMの入ったスマホを同じところに置いておき、画面をタッチしてパソコンを電話機のように使えるようにすれば、ちょっと見てくれば電話には見えないかも知れませんが、ネット回線を利用した電話機が日本国中どこでへも通話無料で(0570から始まる番号は除く)使えるようになるでしょう。

もちろん、タッチパネル式のパソコンでなくても、ノートパソコンにテンキーをセットして使っても良いのですが、大事なのは、いざという時に本当に使えるだけの通話品質があるのかということと、誰でも使えるくらい、操作がどれくらい簡単にできるのかということでしょう。個人的には楽天モバイルには、Wi-Fiルーターと電話機能が一体化した固定電話もどきに楽天LINKが使えるハードを出して欲しいと思います。普段はスマホで普通に回線を使っていても、電話の使えるハードとスマホを紐づけすることで固定電話のようにStarlinkと接続すれば使えるようになるのなら、単なる災害用の電話としてだけでなく、十分固定電話の置き換え用途として使えるのではないでしょうか。

でも、今の状況でもそれなりにスマホ操作が使えない人でも電話番号を入力するアシスト役の人がいれば、Starlinkだけでも何とかなるような気もします。ちなみに、今の世の中はスマホに登録している人以外から電話がかかってきた時に電話を取らない人もいます。その場合は、先に相手先のスマホに楽天LINKのメッセージ機能を使って、電話する前にこの番号からの電話には出てくれるようにとメッセージを入れて送ることもできます。メッセージを見てくれないとどうにもなりませんが、それでも全く連絡を取れない状況よりも何らかの進展が望めるのではないでしょうか。

もし今後、携帯電話が使えないエリア(Starlinkが避難所に設置されていることが前提)に行く予定のあるボランティアの方で楽天回線を使っている方が、避難している人の中に、まだ携帯電話の電波が使えなくて家族と電話できないと困っている場合には、自分のスマホを被災者に貸してあげ、楽天Linkから電話させてあげるのも良いのではないでしょうか。その際は不審電話だと思われないような対策として、前述のように先にメッセージ送信してから電話を掛けるようにすれば、被災者とその家族をつなぐお手伝いになるのではないかと思います。今後のの基地局の復旧が待たれますが、かなり多くStarlinkの端末は入っているようなので、こうした方法で無料電話を提供する方法もあることを覚えておきましょう。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す