地震と「震災」の違いを「関東大震災」を記録したテレビプログラムを見ながら実感したこと

先日、今年の9月に放送されたものの再放送で、関東大震災についてのニュースフィルムを高画質化およびカラー化したことにより、より深く理解できるNHKの特集を見逃し配信を使って見ることができました。本放送(再放送を含む)から一週間あるので、気付いてしまったと思っても多少猶予があるのは有難く、そのおかげで今回震災について書くことができます。

私が最初に関東大震災について知り、ある時には旅先でたまたま宿を経営されていた方が幼い頃に震災を経験したということで、その様子を伺ったことも有りました。ただ、その方は当時横浜で震災に遭ったということだったので、今まで知っていた東京以外での被害の広がりについて知ることはできましたが、震災の話としては地震の様子などしか聞くことができず、そんな感じだったんだなあと思うだけでした。

しかし、その後に関東大震災で多くの人が亡くなった原因は火災によるものだということがわかり、さらにその火災の規模が尋常でなく広く、さらに言うならまだ日本ではラジオ放送が開始される前に起こったことだったので、誰もどこで何が起こっているのかということについては新聞で知るしか手段が無く、そのためにどこにどのくらい被害が出ていて、かなり広範囲に火の手が上がっていることを知らなかった人が多かったことで、逃げ道を失って被害に遭われた方が本来の地震で被害に遭った方よりも断然多かったということを知りました。

今回のテレビプログラムでは高画質化・カラー化したことにより、かなり画象にリアル感が増し、100年前の出来事であったことを忘れるくらいでした。それと同時に、当時の人々の様子がタイムラグが無いような感じで現実感があり、同じような状況下で自分は生き残れるのか? という疑問も湧いてきました。当時と比べると、ラジオ・テレビだけでなくインターネットから情報も取れるので、いくらかはマシかとは思うのですが、それでもパニックになって逃げる人と一緒に群衆事故のような状況になってしまわないとも限りません。

今回のテレビプログラムを見てわかったのですが、関東大震災は「地震」だけでなく「火事」だけでもなく、さらに恐ろしい生命の危険が二重にも三重にも庶民を襲った災害であったことがわかりました。まず、当時の人々は借家住まいで耐震性のある住居に住んでいなかったので、家を失くした後には大八車や手に大きな荷物(布団や生活用品)を持ちながら避難していたのですが、その多くの荷物が往来を通りにくくさせ、さらには当日の強風による飛び火が布団に燃え移るなどして、火事が広がる原因にもなってしまいました。現在でも大きなリュックを背負って逃げようとする方はいると思いますが、個人的には満員電車に乗るくらいの混雑に遭遇しても大丈夫なくらいの荷物だけを持って逃げることの大切さを感じます。また、地震や火事でなく人が集まってその中に入って圧迫されて生命の危険を感じるような事にならないように、冷静な判断をすることも必要になってくるでしょう。

そして、火事が沈下しても、今のようなネットによる情報収集ができる時代になっても、様々な噂やフェイクニュースの類が出て人々は疑心暗鬼になることは十分にあり得ると思いました。動物園から猛獣が逃げ出したという噂は関東大震災でもあったと言いますが、同じ噂でも写真を入れることによって熊本での近年の地震でも同じような噂が広がるとは思いませんでした。また関東大震災の時には当時朝鮮半島から日本にやってきている人が、自警団のターゲットになってしまいましたが、現在の日本はさらに多くの国から人々がやってきているので、単に同胞が心配で集まっているだけなのに、それを自分に対して何か集団でされるのではないかという不安を、そのまま口に出したり、SNSに投稿すろことによって、今でも後から考えれば何の落度のない人に対してひどい行ないをしてしまう事が起きる可能性は0ではないような気がします。逆に自分がそのような対象者に間違われてしまう可能性だってあるのが、こうした人の噂の恐しいところです。

そもそも、関東大震災の際にはかなり早い段階で警察庁の建物が焼けてしまい、東京の警察の活動ができなくなってしまい、戒厳令が敷かれたため、軍による支配が行なわれることになったのですが、そこでも何が正しい情報なのかをわかっていた人は少なかったことが、本来の地震・火災とは全く関係ない悲劇が起こってしまったというところもあるとは思います。そんな事は現代では起きないとは思いますが、局地的にはどんな事が起こるかわからないのが恐いことには変わりありません。大事なのは、やはり大きな地震や火事に遭遇した人々の中にはパニックになってしまって正常な判断ができなくなってしまった人が多くいたということなので、自分は決してそうならないように冷静に行動し、行動するための情報はきちんと複数のメディアで確認するくらいの事はしたいものです。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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