ドコモの「U15はじめてスマホプラン」は本当にお得に利用可能なのか

大手キャリアに限らず通信業者は、いかにして最初のスマホを使う場合に自社を選んでもらおうと、様々なキャンペーンを行なっています。現在では小学生からスマホを使う時代なので、今回紹介する16才になる月までしかお得な内容で契約できない学校の中でも低年令を対象にしたプランというのは、成人が契約できるプランと比べればかなり安くなっているような感じはするのですが、今回新たに発表されたドコモの「U15はじめてスマホプラン」(2021年7月7日から)は、小学生~中学生が高校生になるまでのプランであると思うものの、個人的にはそこまでのお得感は感じられないのですね。

モバイル系のニュースサイトによると、見立しには「5分間までの通話無料」「3GBまでの高速通信(満16才になる当月まで・以降は1GBに削減)」が月額980円(税込1,078円)で利用可能とあります。しかし、この価格というのは2つの割引が利用された場合の金額で、さらにその割引の中には契約時から1年間のみ有効という、以前から大手キャリアがお客さんを呼び込む手法がそのまま使われているような感じで、長く使う場合には月額も変化するようになります。ここで、もう少し詳しくこのプランについて調べてみました。

・割引なしの場合は月額1,650円(税込1,815円)
・支払いにdカードを使うと月額170円引(税込187円引)で月額1,480円(税込1,628円)
・契約時から12ヶ月間は月額500円引(税込550円引)で最大割引となるdカード割引と合わせると月額980円(税込1,078円)

つまり、支払いにdカードを使わないと、当初は月額1,150円(税込1,265円)でも一年後には月額税込1,815円、dカードを使って支払っている間であれば月額税込1,628円となります。あと、データも通信もデフォルト以上に利用する場合には通話は5分を超えた場合には30秒ごとに20円(税込22円)を払うか、さらにオプション料金の月額税込1,100円を出して国内通話かけ放題にするかの選択になります。その場合は月額税込2,915円(割引なし)、2,728円(dカード支払割)、最初の12ヶ月間は2,178円となります。さらに、データ容量が足りない場合は1GBごとに税込1,100円で高速クーポンを利用できるとのことです。

こうしてみると、家族のスマホまで全てドコモ契約をしていて家族割などを上手に使っているのでなければ、別の会社との契約を考えてもいいのではないかと思います。具体的にはドコモに宣戦布告するような形で新たなプランを次々出している日本通信(HISモバイル)のプランと比べてみましょう。日本通信・HISモバイルはNTTから回線を借りている関係から、どちらも通話に関してはVoLTEでの高音質通話を専用アプリ無しで使うことができるので、MVNOとしてデータ通信の質が気になるものの、小学生から中学生が使う分についてはそこまでシビアに考えることもないと思ってしまいます。ということで、これからはここまで紹介してきた「U15はじめてスマホプラン」の内容と対抗し得る日本通信(HISモバイル)のプランについて比較してみることにします。

まず、国内通話時間無制限を「U15はじめてスマホプラン」でする場合、dカード決済では初年度こそ2,178円(税込)となり、日本通信の「合理的かけほプラン」(月額税込2,728円 通話定額・高速3GBまで・追加1GBごと275円)と比べると、一年間は安いので契約するのはいいと思いますが、もし思いの外高速クーポンの追加購入があるなら、一年間の割引が終わった段階で「合理的かけほプラン」に移行した方がトータルの支払は年齢に関係なく安くなります。

次に、オプションなしの5分定額で比べてみると、こちらはHISモバイルの「格安ステッププラン」が比較対象になります。3GBスタートで5分定額のオプションを付けると月額税込1,490円と、これも1年間は「U15はじめてスマホプラン」の方が安くなりますが、HISモバイルでは高速データ追加が日本通信と同じ追加1GBごと275円で、5分を超えた通話料はドコモの半額である30秒11円なので、5分以上の通話が多ければ初年度でもHISモバイルの方が安くなる可能性もあります。1年経過後は料金的にHISモバイルの方が安くなるので、当初「U15はじめてスマホプラン」に加入して月額1,078円で使えていたなら、別の選択肢を取る方が良い場合もあります。

というのも、HISモバイルでは3GB必須ではなく、最低1GBで税込590円から(3GBは税込790円)スマホを利用することが可能で、月額700円の5分定額はオプションなので外すことも可能ですし、通話料金はドコモの半額なので、発信が少なければドコモの割引額よりも安く済む可能性もあります。ですから、一年間は「U15はじめてスマホプラン」を使うにしてもそこで使われている内容を分析し、「5分定額が本当に必要か?」「毎月の高速データは3GB以上必要かもっと少なくてもいいか」というようなことを考えた上でさらに考えると、HISモバイルのデータ別プランで行くケースとは別に、月70分まで国内通話無料・月6GBまでの高速通信可能な日本通信の「合理的みんなのプラン」(月額税込1,380円)というのも視野に入ってくるのではないでしょうか。

逆に言うと、日本通信・HISモバイルはどちらもNTT本家から回線を借りてこの料金を年齢に関係なく提供しているので、単体プランで比較する場合いかにドコモのU15プランが加入から一年間のみしか有利にならないかということを示しています。もちろん、家族割で全てドコモ契約をしている場合は別回線の割引率との関係も出てきます。さらに高速通信の品質はMVNOよりドコモの方が良いのでしょうが、今はドコモもauも無料で会員登録すれば、自社のWi-Fiネットワークを無料で開放していますので、日本通信のLTE通信が不満ならWi-Fiでカバーするというのもありのような気がします。逆にそうして使うことを覚えれば、自分からお金を掛けずに上手にスマホを使うことをお子さんが覚えるのではないかという気もしますし、複数の通信会社をまたいで使っているご家庭であれば、あえてドコモの「U15はじめてスマホプラン」に固執することもないのではと思います。

ちなみに、紹介した日本通信・HISモバイルのプランには年齢制限もなければ、期間限定の割引もないので、他に使いたいプランが新たに出てきたら、とっとと移ることも簡単にできます。特に年齢の関係で学割の対象にならない方については、こういったプランがあるということをしっかりと認識して欲しいなと思います。


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ドコモの「U15はじめてスマホプラン」は本当にお得に利用可能なのか」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    料金的に考えるとドコモのメリットは無いと言って過言では無いと思います。MVNOはデータ通信は混雑時には確かに極端に落ちると言う問題もありましたが、最近はコロナ下で勤務形態も変わった事もあり、以前より改善されているのではないでしょうか。
    ただ音声に関しては通話定額が難しく提供されていなく、アプリを使わないと通話料金が高いと言う問題もありましたが、OCNではアプリ不要で通話定額が提供されるなど変化してきています。
    ただMVNOの場合ネットが使えるなどある程度のスキルが必要と言う事もあり、機械に弱い人が多くネットでの取引に抵抗感があったり、トラブルに対応出来ない人たちには壁がありますね。
    手取り足取りでユーザーを劣化させてきたキャリアの目論見がものの見事に決まっていますね。
    そのようなキャリアの営業体制は人材の確保が欠かせませんが、スキルを持った人材を確保する為のコストが高くなり、一方携帯・スマホの普及で必要な人材数も多くなり、管理コストが多くなる半面増加するユーザーの多くは初期のように収入に余裕がある人々が少なくなり、価格維持が難しくなっていますね。その為に管理コストの引き下げが避けられない。
    しかし銀行も同様の状況だと言えると思いますが、人による対応のコストは多くの一般ユーザーには想像できず理解されない。ATMの維持コストも理解されていないのが劣化した考えないユーザーの現実だと思います。
    年輩者の多くはやってもらうのが当たり前の為考えようとしない。バブル時代を経験してきた高齢者層は使う以上に稼げば良いと言う意識が浸透しているせいかぼったくられていると言う現実を認めようとすらしない。
    ドコモは看板で勝負出来るから良いと思っているじゃないかと思います。
    今年になってからUQモバイル・ワイモバイルは60歳以上の通話定額の割引の機種限定を無くしましたね。叔母は家族の関係でワイモバイルですが、店頭に同行しましたが新プランに切り替え家族割と通話定額の割引で支払額は通話制限がなくなった上に半額近くになり喜んでいました。ただ多くの人はそういう情報にも疎いのが現実だと思います。
    UQモバイルは高齢者層の小家族化・単身化も考えたのか地域電力会社との連携も利用して負担軽減を図れるしauショップで対応と言う事もあるので勧めやすいですね。
    60歳以下だと質と通話定額なども考えるとOCNを勧めようと思っています。
    コロナで海外には行きにくい状況ですが、海外旅行愛好者にはデュアルSIM端末でのドコモahamoと楽天モバイルの組み合わせはお勧めだと思います。滞在国内の通話はドコモの方が安いし、ahamoのデータ通信で楽天Linkを利用すれば日本国内に通話とSMSも無料で可能です。
    au&UQモバイルは海外は弱いですね。

  2. てら 投稿作成者

    MVNOへの入り口は、一回移ってしまえば次からはでると思うのですが、まだまだ実店鋪での手続きでないとだめな方がいますよね。私の知り合いをUQに変えるようにアドバイスした時は、auショップでの取扱いがあったので直接行って手続きしてもらいました。海外旅行用ということでは、それこそHISモバイルは旅行の申込みついでに海外用のSIMを契約したり、国内用なら取り扱い店舗へ(国内通信用SIMの取扱いはHIS店舗ではないようです)ドコモのガラホを持っていれば、直接端末を持ち込んで安いSIMを契約したりできそうなので、他業種からの展開を考えているところは、意外と穴場でネットリテラシーがなくても移行できる場合があるので今後に向けて要検討かも知れません。

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