月別アーカイブ: 2011年4月

ドウシシャ コンパクトデスク扇風機 LPM-1081U

これから夏に向けて、今年の夏がどうなるのか心配になっておられる方も多いかと思います。一般的な話として、車中泊を夏にするというのはかなり大変な事で、よほどの事がない限りやらない方が賢明だとは思いますが、どうしても車中泊をせざるをえないような状況に追い込まれるということも考えられるので、一応の対策をしておくのも必要な事なのかも知れません。

夏の暑さの中で車中泊をするためには多少窓を開け、虫よけのための電池式の蚊取り器を設置するとともに、扇風機の導入が欠かせないというのが個人的な考えです。ただ、お断りしておきますが、エアコンを付けての生活に慣れすぎてしまっていると、扇風機での涼にも限界があります。今年の夏はエアコンが使えない状況も考えられますので、日々の生活の中で扇風機のみで熟睡できるような体質に変えていく取り組みがまずは大切だろうと思います。

そうした上で扇風機を選ぶということになるのですが、車内で扇風機ということですと、12Vのシガーソケットに差すプラグが付いている首振りの扇風機をポータブルバッテリーで動かすというのがまずは考えられるところです。家庭用のコンセントの付いたミニ扇風機をインバーターを介して動かすのでもいいかと思いますが、車用バッテリーの12Vを100Vに変換するのには多少ロスが出ますし、小さめのシガーソケットしかないポータブルバッテリーを使う場合は、車用に作られた扇風機を使うのが簡単で、長時間動かし続けることができます。

ただ、私の場合徐々にではありますが、サブバッテリーは無理で車自体の収納スペースも少ない軽自動車ということもあり、ポータブルバッテリー依存からの脱却を模索しているところです。ポータブルバッテリーの代替ということになると、小型のリチウムイオンバッテリーか乾電池で動くものという風になってしまうことは仕方のないことです。扇風機の中にはパソコンなどのUSB端子から電源を取って動かすものや、単三電池4本で動くようなものも存在します。こうしたものはポータブルバッテリーで動くものと比べるとどうしても小さいため風量も弱いのですが、あえてそうしたものの中で検討した結果手元にやってきたのが写真のコンパクトデスク扇風機でした。

この扇風機はあくまで一人用としての機能しかありませんが、さまざまな電源供給(AC電源・USB・乾電池)に対応しているのが一番のポイントでしょう。風力も「弱」と「強」の二段階あります。ただ、その形状からおわかりの通り、首振り機能はありません。単三アルカリ電池4本で、4時間連続動作すると説明書にあるので、就寝時にそよ風程度でもよければ、水まくらや額に貼る冷却シートなどと併用しながら、何とか我慢しながら寝られるだけの最低の能力はあるといった感じでしょうか。

本体付属のACアダプターは、写真のようにとても興味深い形をしています。出力は5V0.5Aと、一般的なUSB出力と同じなのですね。つまり、このアダプターを使えばスマートフォンの充電はできないものの、携帯電話の充電なら100円ショップで売っている充電用のコードと組み合わせて家庭用コンセントから充電ができるアダプターとして兼用できるのです。

そういう意味ではこの扇風機は、USBで動くものを強引にコンセントから使えるようにした感じになっています。USB経由でという事だと、普通の外部電源でも動くので、今回エネループモバイルブースターKBC-L2BSの500mA端子の出力でつないでみましたが、かなり連続して使えています。あくまで私の場合ですが、風力を弱にして7時間以上回りましたので、朝方まで付けておきたくない方にはむしろ乾電池を使った方がいいのかもしれません。

この他にも乾電池やUSBで動く扇風機はありますが、写真の通りフラットな形状をしていて、接地部分が可動式になっていて平らにした状態になりますので、車内の空いたスペースに放り込んでおいてもきれいに収まるのも自分で気に入っている点です。USB接続のためのコードが乾電池収納スペースに入ればなお良かったのですが、残念ながら入らなかったので、ハンドル部分に巻きつけておいてあります。

この種の扇風機は、普通の扇風機と比べると貧弱で、家庭内で使う場合は、冷房の効いた室内でパソコンなどを使っている時に冷たい空気を送るための一人用といった位置づけであろうと思われます。見ようによってはおもちゃみたいに見えるかも知れませんが、こんなものでも暑さに苦しむ車内で使えば多少は暑さをやわらげてくれるでしょう。多人数で車中泊をするためにはもっと大きなものの方がいいと思いますが、一人で使うには何とかなるぎりぎりの性能ではないかと思っています。夏までまだ間がありますが、本格的な暑さがやってくる前に暑さ対策の扇風機についても考えておいた方がいいかも知れませんね。


被災地方面への旅について

一昨日の大きな余震によって停電が起き、まだまだ被災地では非日常の状況なのだということが改めて実感しているところです。それに加えて、福島県の原発周辺では事故に伴い避難された方々の家を目的にした空き巣らしき人たちがさまざまな場所で出現しているらしいということが明らかになってきたなんて話を聞くにつけ、本当に悲しくなってしまいます。

恐らく現地ではさまざまな不確かな情報が錯綜し、不安に思われている方々も多いと思います。噂の類もいろいろ出ているかも知れませんが、犯行に及んでいるところに出くわさない限り、不審な他県ナンバーの車がどこそこに停まっていたというレベルで相当に疑われてしまうだけでなく、現地でのトラブルの元になるようなところまでいってしまうかも知れません。

以前にも現地の方々に不審者と思われがちな車中泊の旅の行動について書かせていただきましたが、たとえそれがボランティア目的のものであっても、自分の車で現地に赴くというのは誤解の種になる可能性は十分にあると言わざるを得ません。

今、東北地方の産業は壊滅状態で、特に観光業の方々は風評被害とあいまって大打撃を受けているようですが、そうした人たちを助けるために積極的に被害の少ない地方の旅館やホテル、温泉を利用するということで支援するといった行動を計画されている方もいるかも知れません。その場合は、できるだけ被災地をウロウロするような行程を取らないようにした方が私はいいのではないかと思います。

そして、被災地周辺での車中泊の旅というのも、当分は控えたほうが無難だと思います。そもそも、そんな場所では車中泊する場所が限られてくるということもありますし、そうした限られたスペースの取り合いの中に割って入るような状況になるなら、地元の方や被災者の方に譲るべきでしょう。多くの車が車中泊をしている中に紛れ込んだとしても、まわりからどう見られるかというと、旅行者というよりも被災して逃げてきた人と思われるか、窃盗犯ではないかと疑いのまなざしで見られる場合もあるでしょう。全く悪気はなくても、どこから来たのかわからない不審な車が停まっていると思われたら、現地の方々にいらぬ疑念を生じさせるかも知れません。全く周辺に車がいないような場所で車中泊をする場合でも、地元の方々の往来があれば、長い時間停まっている車があるということで通報される可能性も考えなければなりません。

どうしても現地の方々の役に立ちたいと思われる場合は、お住まいの役所であったり、地元で活動するボランティア推進団体に問い合わせ、車でなくそうした方々が計画したツアーに参加するというような配慮が必要ではないかと思います。実際に作業をする場合、なれない仕事をやることで自分が怪我をしたり人に怪我をさせたりする可能性も考えられます。しっかりした団体で派遣されるボランティア活動には、ボランティア保険といって行動中の事故についての賠償責任や怪我の補償のある保険に加入することが義務付けられている場合が多く、安心して現地の方のお手伝いができるようになっています。そうしたきちんとした団体に登録し、しっかりとしたレクチャーを受けてから被災地に入るようにすれば、地元の方々に誤解を受けるような事はまずないでしょう。

被災地の方々への援助というのは、相当長い期間にわたって考えなければならないことだと思います。今どうしても行かなければならないという理由がなければ、もう少し待ってから出掛ける算段をしてもいいと私は思います。そうして出掛けた時に、自分なりに現地の方々にできることについて改めて考えるようにしてはいかがでしょうか。


深夜の地震対策は

昨日深夜に東日本であった一連の地震の最大の余震は、3月の地震当初にこれから1ヶ月は注意が必要だと言われていた通りになりました。かなりの揺れで、直後に東北のかなり広い範囲で停電になったようで、一部のテレビ局は自家発電で放送を続けているとのこと。恐らく普通の家庭では大きな揺れの後で電気が消えてしまったわけで、改めて大変なことになったという感じが時間とともにこちらでも感じられます。

震源からかなり離れたここ静岡でも、小さい揺れがかなり長い時間続き、まさに3月の地震を彷彿とさせました。とにかく、明かりがないと不安になると思いますが、これまでは徐々に被災地も復旧していく中でライフラインの電気も使えるようになったとたんの停電ということで、停電対策グッズを被災地に行き渡らせるために、何らかの対策が必要になってくるのではないかと思います。

あれだけの揺れですと、棚から物が落ちてしまい、移動しようとしても落ちてきたものにつまづいてしまってそれで怪我をする恐れがあります。ランタンや懐中電灯よりも、頭に付けたり首からぶら下げる方式のヘッドランプの必要性を強く感じます。現状で直接地震とは関係ない地方の方は、できるだけ被災地に出回るようにあえて今は自分たちで抱え込まないような心がけをお願いしたいところです。

とにかく今は、地震や津波による被害がこれ以上出ていない事を祈るのみです。


ペットボトルを侮るなかれ

季節は春になり、日照時間が増える中、放っておくと車内の温度はどんどん上がる季節の到来ですが、こんな時期ですので、日中の車内で昼寝をしていて熱中症にならないように注意しないといけなくなりました。車中泊の旅だけではなく、長距離ドライブにおいてもきちんと水分補給する事が大事です。自分では車を出ることのできない幼児やお年寄りと一緒の旅では、車を一時離れなくてはならない場合には、十分気を付けないとならないでしょう。

ただ、そうした暑さを逆手に取って、車内環境を良くする方法があります。車中泊の旅でかなりの方が頭を悩ます事に、車内でお湯をどうやって調達するかというのがあります。全く日が差さない日は無理ですが、車内に水を入れた容器を日に当てることで、熱湯とはいかないまでも水はそこそこ熱くなります。金属製の容器なら熱くなりますが、日差しが強い場合は、下手をすると火傷をするくらいまで表面の温度が上がってしまう危険性があります。ある程度熱くなっても何とか手で持てる容器として、私がお勧めするのはペットボトルだったりします。ペットボトル自体の破裂や変形に気を付けるのは当然として、車内に置いておけば、夏場はかなり熱いところまで温まります。ただし、こうして温められるペットボトルというのは、ホットドリンクとして販売されているものを使うようにするのが無難です。

写真のペットボトルのキャップの色に注目してください。キャップがオレンジのものがコンビニでも温められて販売されているものである事を覚えておきましょう。写真のものの容量は345mlと小さいステンレス水筒のサイズとほぼ同じですので、十分温まったと感じたら、早めに水筒に移しておけばある程度の温度を夜まで保つことも不可能ではありません。車内でお湯を沸かすグッズとして必ず出てくるシガーソケットから電源を取り水を温めるポットを活用する場合でも、ある程度温まった状態から加熱すれば短い時間で沸騰するわけで、この辺は太陽エネルギーの特性をうまく活用して効率的にお湯を作る方法として覚えておいて損はありません。

ペットボトルはそれ以外にも、水を凍らせて保冷剤代わりに使ったり、以前紹介した結露取りに付けて使ったり、先日紹介した漏斗を使って米びつ代わりに使うなど工夫次第でさまざまに使えます。一人か二人で出掛ける場合、米びつとしては500mlだとちょっと心もとないので、1Lのペットボトルにいいものはないかということで、数点集めてみました。

写真の一番左は比較用に普通の500mlのペットボトルを置きましたが、右の2つはどちらも1Lのペットボトルです。それほど500mlのものと違わない大きさだと私は思うのですが、車の中で収まりがいい方を持っていくことにしようかと目論んでいます。

どちらにしても、ペットボトルというのは特別にお金をかけなくても手に入れることができ、旅先での調達も容易です。今まで紹介してきた活用法については、何もペットボトルでなくてもできる事ですが、改めてお金を出して容器を購入するのも莫迦らしいので、荷物にならない程度に用意して持っていくのも悪くはないと思います。何よりさまざまな工夫によってここで書いた事以上に役に立つ場面も出てくるかもしれませんので、実際の旅の中で更なる活用法を見付けられればとも思っています。


MINI MAGLITE 2AAA 単四電池2本用ミニマグライト

前回紹介した太陽電池による充電器、バイオレッタソーラーギアを活用するのに、単四電池2本で動くものについて家にあるもので何かないかと思ってさがしたところ、出てきたのがかなり昔に購入した覚えのある、写真のマグライトのシリーズでした。マグライトは単三2本用と単四1本用も持ってはいますが、単三2本用は富士市在住の親戚に計画停電対策にということで貸してあげてしまいました。単三2本用はレンズ部分を本体から外すとかなりの明かるさを持つロウソクのような感じで使え、光も強力なので一般的にお勧めするならこちらの方になるかも知れませんが、この単四2本用というのは筆記用具と同じサイズで収まりがよく、手に持った感触もいいので、これはこれで気に入っています。

マグライトについて、ここで改めて紹介することもないかも知れませんが、防水性能を持ちとにかくタフに使えるだけの頑丈な作りになっています。スイッチはなく、本体上部を回すことによって電球が付き、照らす範囲を可変することができます。最近ではLED球を使ったタイプも市販されていますが、当然私の持っているのは従来のクリプトン球のものです。LEDと比べると暗くて球切れも起こしますが、本体下部に替え球を収納するスペースがあり、いざという時にはその場で交換できます。LEDライト全盛の時代になり、すっかり時代遅れになったかのようなマグライトですが、先述のLEDを搭載したモデルの他、電球と周辺の部品を交換してLED化する製品も出てはいます。しかし、これはこれである程度完成されたライトですし、LEDのライトは別に持っているので、あえてお金を出して新しくしなくても私には今あるもので十分だと思っています。ちなみに、単四アルカリ電池2本で2時間半の連続点灯をサポートしています。今回の記事を書くにあたり、単四のニッケル水素電池を入れてみたところ、何の問題もなく使用できました。ほぼメンテナンスなんてことはしたことはないので、このメンテナンスフリーさは物としての安心感に満ちあふれています。

電池によるさまざまな照明器具にはさまざまな特徴があります。LEDのランタンは部屋の中や車の室内に置いて、全体を広範囲に照らすのに向いています。ヘッドランプは両手を自由にし、常に自分の目線の範囲を照らしてくれるので、歩いて移動する時に便利です。ミニマグライトの場合は、移動時にも使えますが、車中泊の旅では特に細かいところの探し物をするのに重宝します。特に私の場合、狭い軽自動車の中にいろいろなものを詰め込んでいるため、どこに何をしまったかついつい忘れてしまいがちです。そういった時限定で使うのでもあればあった方が便利になるでしょう。

皆さんのお宅でも、もしかしたらこうした小型の懐中電灯がどこかで眠っているかも知れません。ただそうした懐中電灯の中で、あえてマグライトを紹介させていただいたのは、長いこと使っていなくても、電球が球切れを起こしていたり、電池が液漏れをしていない限りは、新しい電池を入れればまず問題なく動くだろうというその耐久性の良さがあるからです。現在、ほぼ全国的にラジオと懐中電灯の類はなかなか店頭でお目にかかることができませんが、もし以前写真のライトと同じようなものを家の中で見た記憶がある方は、ぜひ見付け出して復活させてあげてください。


太陽工房 バイオレッタソーラーギアVS01 その2 応用編

太陽電池を使っての充電は、家庭用電源や車のシガーアダプター経由からの充電とは違って、お天気しだいという点がひとつあり、さらにはバイオレッタソーラーギアくらいの大きさの太陽電池では大した発電能力はないという点をまずは理解した上で使っていく覚悟が必要になってきます。メーカーのカタログでは自社の単三ニッケル水素電池(容量1600mA)2本を空の状態から充電すると日射約14時間と、最速で2日、下手をすると満充電まで3日かかるという計算になります。また、単四2本(容量800mA)では日射約5時間と、こちらなら一日で何とかなりそうです。

ちなみに、純正の電池はエネループやエボルタのように長期間放置しておいても自然放電が抑えられるような設計にはなっていないので、普段使っていないでいざという時に使うとなったら、すぐに問題に突き当たります。ここまで書けばおわかりでしょうが、自然放電した容量がほぼ0の純正電池をバイオレッタソーラーギアで充電してすぐに使おうと考えること自体が無謀でありますし、充電するたびに上記で紹介した時間がかかるとしたら、それだけで充電するのがいやになってしまうのではないでしょうか。その点において、エネループやエボルタをバイオレッタソーラーギアの中に入れておけば、多少の追加充電時間は必要になるでしょうが、すぐに使える状況で保管することができます。ですから、メーカー保証外の使い方であることは十分承知していますが、自己責任の範囲でエネループやエボルタを使うことが私の場合には大切だったりします。

そうしてバイオレッタソーラーギアで充電を行うにあたり、長時間の充電時間をまかなうためには予備本数を多めに用意することも大事です。2本の単三電池を使い回す場合、スペアを2セットくらい用意しておけば、上記のカタログデータのように空の状態まで電池を使い切ることもないと思いますので、早めに使用した分の電池をバイオレッタソーラーギアに入れ、ダッシュボードに放置しつつ常に昼間は充電し続けるような体勢を常に取っておくことができます。

それでも、天候に左右される太陽電池による充電ですので、計算通りうまく充電できるとは限りません。その場合、シガーソケットから充電できる機器と組み合わせる事で、効率的な充電が可能になります。

写真のもののうち、右側にあるのはエネループの三洋が出している単三2本用の充電器兼用のモバイルバッテリー、エネループモバイルブースターKBC-E1ASです。満充電したエネループやエボルタ(一応、エボルタはメーカー保証外なのでご注意を)2本をセットすると、USB出力でDC5V/500mAの電力を約70分出力可能のものです。シガーソケットから使うためには、USB出力のアダプターと、携帯電話用の充電コードが必要になりますが、これを使えばスマートフォンは無理でも携帯電話なら十分充電できるだけの電力を供給できるでしょう。ちなみに、この充電器でエネループを充電する場合、単三2本を満充電する場合は4時間40分もかかってしまいます。さすがにこれだけ長い時間車を運転し続けるのは長距離移動の時でないと無理でしょう。そこでまず、バイオレッタソーラーギアである程度まで充電しておき、満充電にするためにエネループモバイルブースターを使うようにすれば、効率的に満充電にすることができるようになるでしょう。

スマートフォンを充電したい場合は、写真左側にあるシガーソケットアダプタが標準で同梱されている充電器、MyCharger viewが便利です。単三も単四も、一本のみでも充電が可能、電池容量も液晶表示で確認可能と、太陽電池でどの程度充電されたのかの確認もできるので、確実に満充電を確認することができます。ただ、スマートファンを単三電池で充電するためには以前に紹介した4本収納タイプの外付けバッテリー、サンワサプライ BTN-DC2BKが必要で、さらに、常に単三4本を太陽電池で充電状態にしておくため、バイオレッタソーラーギアがもう一台欲しいところです。こうして見ていくと、全て揃えるとかなりの出費になるのがネックです。

しかし、考え方によってはこれだけ揃えても実用範囲は広く、何より単三や単四の充電池自体がいろんなものに使用可能なので、ポータブルバッテリーやサブバッテリーを充電するために大きめの太陽電池パネルを設置する事を思えばそれほどの出費ではないような気もします(^^;)。普段使っている懐中電灯・ランタンなどの明かりや髭剃り、ラジオなどを単三・単四の偶数本(二本ないしは四本)で動くものに切り替えられれば、家庭用コンセント得られない長旅も怖くありません。単四2本の充電は太陽電池でも短時間で終了しますので、単四で動くさまざまなものに注目してみると、さらにバイオレッタソーラーギアの活躍の場は広がるような気がします。


太陽工房 バイオレッタソーラーギアVS01 その1

震災から3週間が過ぎ、直後には全く手に入らなかった物も徐々にではありますが手に入るようになってきました。相変わらず一次電池のアルカリ電池は単一を中心にほとんど手に入りませんが、直接被害を受けていない所にお住いの方は、極力物資を被災地に回していただくと共に、使い回しのできる充電池にシフトする事をお勧めします。

計画停電対策としては、充電池と充電器があれば停電する時間以外に充電を完了すればいいだけなのでここではこれ以上触れません。今回は、そこから一歩踏み出した、ちょっとマニアックな方法について紹介します。というのも、私の準備している車中泊用の車にはサブバッテリーシステムを搭載していません。家電製品は使わないようにはしているものの、携帯電話やスマートフォンの充電には電気が必要で、その全てを走行中のシガーソケットから供給するというのはなかなか難しいということがあります。以前紹介した小型のリチウムイオンバッテリーを準備し、走行中にUSB経由で充電するというやり方を使えば短期間の旅には対応可能なものの、それが長期間に及んだ場合は少々心もとないというのが正直なところです。何より今回の地震のようなガソリンが使えない状況を見てしまうと、ガソリンを使わずに何とかならないかと思ってしまったのです。そこで、必要な電力を車のバッテリー以外から得るための方法として、太陽電池パネルを使った充電器、太陽工房のバイオレッタソーラーギアVS01を手に入れてしまいました。ここではまず、バイオレッタソーラーギアについて、その概要を紹介しようと思います。

まず最初にお断りしておきますが、この充電器を使って充電する充電池は、同じ太陽工房が出している充電池バイオレッタでの使用しかメーカーは保証していません。これは、どこのメーカーでも自社製品の電池の充電は自社が出している充電器でしか保証しないのと同じだろうと思います。私はメーカー推奨の電池は使わず、現在の充電池の主流である三洋のエネループやパナソニックのエボルタを使っていますが、もしこれらの電池を使って何らかの不具合が起こったとしても、メーカー側の責任を問うことは出来ません。ただ、エネループやエボルタは自然放電も少なく、継ぎ足し充電をしても電池自体の性能が極端に落ちにくいという性質があり、個人的にはバイオレッタソーラーギアとの相性はいいと思っています。しかしながら、もし不具合が起こったらただちに使用を中止するなど、あくまでも自己責任の範囲で使用して下さい。

この充電器は単三電池および単四電池(付属のアダプターを本体内に入れて使用)を2本充電できます。1本のみの充電はできませんので注意が必要です。この製品に使われている太陽電池の性質から、蛍光灯の光では充電できませんが、日陰や曇り空でも充電は可能のようです。充電が可能な状態かどうかは本体写真の右にあるボタンを押しランプが赤く光るかどうかで確認ができます。

電池自体の充電状況については、左側のボタンで確認可能です。使えない容量ではランプは全く光りませんが、一応使える程度に充電が完了するとオレンジにランプが光り、満充電されたらしい時には緑色に光ります。判定基準は割と渋めな感じで、AC電源使用の充電器で満充電を完了して数日放置しておいたエネループでも、多少の充電要という判定が出る事があります。ただその場合には少しの間太陽に当てておけば早めに充電完了状態になります。また、面白いのはアナログチューニングのラジオで十分に使えていた状態の電池をバイオレッタソーラーギアで判定したところ、一応使用可どころか全く使用できないという判定のLEDランプ全く点灯せずという結果になったということです。以前紹介したソニーの災害用ラジオICF-B100の電池残量判定ボタンで、電池を入れ替えてからかなりの期間が経った状態で、まだ電池残量十分のはずの電池がそうでした。逆に考えると、満充電でなくても日中に充電池をセットしておけば、消費電力の少ないアナログチューニングラジオならそこそこ使える程度の充電ができる可能性が大きいということでしょう。

そういう意味では、バイオレッタソーラーギアで充電した電池と単三2本使用のアナログチューニングラジオとの組み合わせは、停電してどこからも電源が取れないような状況の中で、準備しておけばかなり使えるという印象です。ただ、今回のような震災の被災地にバイオレッタソーラーギアだけを送ったとしても、十分に活用できるノウハウを持たない方には、なかなかうまく使いこなせない可能性が大きいと思います。そういうわけで、被災地にはまずアルカリ電池など一次電池を使ってもらい、十分に状況が落ちついてきたところで、充電池の使い回しについて考えてもらえばいいのではないでしょうか。ただ、どちらにしてもここまでマニアックに充電地のみで使い回そうとする方もいないでしょうし、避難地域というのは日常とはかけ離れた世界ですから、一般の方はこうした電池管理のめんどくさいシステムを組む必要もないでしょう。繰り返しになりますが、今回紹介する太陽電池からの充電システムというのは、今被災地で援助物資として出すようなものではなく、日頃使っていた方がいざという時に役に立つものかもしれないという程度のものです。

太陽電池を導入する際の宿命として、基本的にはその日の天気頼みという感じはぬぐえませんし、とにかく必要な分を急速充電したいという方には向きませんが、さまざまな他の周辺機器と組み合わせることで、やり方によっては旅で使う電力をまかなうことも可能ではないかとすら思っています。その方法については、次回以降のエントリーで紹介させていただく予定です。


曙産業 米びつろうと

普段の車中泊の旅では自炊を行なう事はまれですが、キャンプ場でゆっくりできるような日程を組める場合は、簡単な調理くらいはやってみたいものです。

今回の震災で地震と関係ない所でもインスタント食品を中心に物がなくなってしまいましたが、やはり米に勝る保存食料はないように思います。旅に出る際、全く調理するような予定がなくても、新たに買うのではなく、自宅のお米を一応持っていけば、思わぬ旅先でのトラブルにも強くなりそうです。

旅慣れた方は落としても破損せず、荷物のすき間に収納しやすいペットボトルに米を入れて運ぶ方も多いですが、写真のようにペットボトルにねじ込んで一体化できる、移し替えや計量のための漏斗や計量カップがセットになったアイデア商品が今回紹介する「米びつろうと」です。

パッケージには2リットルのペットボトルに使うように説明されていますが、あくまで非常用にと考えているため、1リットルのペットボトルに私はセットしています。付属の漏斗でお米を移し、旅で使わなければ再度自宅の米びつに戻します。メモリには通常米の他に無洗米用の目盛りも付いていて、旅の途中で無洗米を買っても水加減を間違わずに済みます。

米びつろうとをペットボトルにセットすると、これ自体でペットボトルにフタができるようになるので、そのままだとペットボトルのフタが余ります。ただ、車の収納スペースが限られる場合、小さめのペットボトルではかなりろうとが出っ張りますので、用意するペットボトルの大きさによってはペットボトルのフタの方を使い、別々に持ち運んだ方がいいかも知れません。

ちなみにこのろうとは、120度までの耐熱温度性能があるので、HOT飲料として売られている、ある程度耐熱性能のあるペットボトルと組み合わせれば、もしもの場合、湯たんぽとしてペットボトルを使うことになっても、安全にお湯を入れるためのグッズとしても使えそうです。

私はこのセットを空のクーラーボックスの中に入れていますが、さすがに道の駅では自炊はしたくないので、今まではここで紹介するのもどうだろうかと思っていました。ただ、大雪で車が動かなくなったり、地震で身動きが取れなくなったりした場合、やはり頼りになるのはお米であり、非常食やインスタント食品のように賞味期限を気にしないで持ち運びできるということで、使う予定のない旅でも念のため用意することにしています。できれば旅先で使うことがないようにしたいものですが。


被災地で車中泊をされている皆様へ

東北地方から直接の情報を入手する事のできないままこのようなブログを書いておりますが、今起こっている事や、様々な報道などを記録するというにこだわって色々と書かせていただいております。車中泊旅行をテーマにしたブログという事で、もしかしたら直接的・間接的に被災者の方の目に触れる機会があるかも知れません。今回は、主に実際に罹災されて、避難所へ行かず、車中泊をされている方に向けて書かせていただきたいと思います。なお、今回のこととは関係なく、将来災害に遭遇した時に車中泊する可能性というのは今後も十分有り得る事だと思います。今回のエントリーはそうした場合も想定し、一般的な書き方になる部分もあるかと思いますが、その点はご了承下さい。

避難所が用意される中、あえて車中泊を選ぶのには様々な理由があるだろうと思います。避難所での生活というのは自宅で過ごすのに比べてかなりの非日常の生活です。夜泣きをする赤ちゃんがおられたり、ペットと一緒の生活以外は考えられない方、下の世話が必要な要介護認定の方がいる場合など、同じフロアで生活すると他の人に迷惑がかかるという理由から車中泊を選ぶという例が今回の震災でも多くあるようです。

ここで改めて「車中泊」という言葉について考えてみます。私が推奨している車中泊というのは、単に車のシートを倒すだけではなく様々なアイテムを使って、車内でできるだけ足や手を伸ばしてリラックスして寝られるような空間を作る事を前提にしています。そのために車の購入前から、できるだけシートアレンジだけでフラットな空間を出せる車種ということで、軽自動車ではありますがスズキのワゴンRを選びました。ただ、この車で十分に休めるのは基本的には一人のみで、無理をすれば二人までといった感じで考えています。それ以上の人数が休息を取るためには別にテントの用意が不可欠で、もし私が家族ともども罹災した場合はテントと人数を分けるか、素直に避難所に入ると思います。

現在避難生活を車の中で送られている方の中には、いわゆる車中泊に適した車を使っていらっしゃる方もおられるとは思いますが、もし車の中で寝る事を考慮していない車の中で強引に毎日寝ていらっしゃる方がおりましたら、テレビや新聞で言われている通り、エコノミークラス症候群による血栓ができ、最悪の場合生命の危険があります。逆に言えば、地震に影響のない地域におられる方で、もし自分の住んでいる地域で大きな災害が起き、避難所での生活など考えられないと思われている方はある程度のお金を掛けてでも、自家用車を家族で手足を伸ばして就寝可能な車中泊仕様にしておく事は重要だと思います。

もし今、実際に被災された方々の中でボランティアをされている方がおりましたら、どう見ても普通の車の中で過ごしている方を見付けたら、現在車中泊しているのかどうかという確認とともに、車中泊せざるを得ない原因を聞いてみて下さい。もしその理由が避難所で生活する中で対応可能なら、早急に車から避難所へ生活の基盤を移してもらうよう説得してみて下さい。そのことによって、すでに避難所で生活されている方から苦情か出るかも知れませんが、車中泊を続ける事で生命の危険にさらされる極限状況に成り得るということは、現在では大いに認知されています。地震に直接関係ない事で命を落とす方がこれ以上増える事のないよう、非常に大変な事だとは思いますが現場でのご理解を得たり、根本的な車中泊せざるを得ない原因を解消できるような援助のノウハウを持つ専門家に相談してみてください。

なお、今回の文章を書くにあたり、現場で避難されている方を実際に診察した新潟大大学院医歯学総合研究科助教の榛沢和彦氏にメールさせていただき、内容の参考となるご意見をいただきました。昨日の朝日新聞に「危険なので車中泊はやめて」という氏の発言が紹介されています。きちんと準備をして車中泊を楽しんでいる方にとってはこの言葉だけをとらえるとなぜ車中泊がだめなのかと思われるかも知れません。しかしながら、避難所に入らないで車中泊をしている方の多くは、着の身着のままで逃げる中、何の用意もなく車の中で窮屈な体勢のまま車中泊をしているのだそうです。私もそうした状況の中、準備も何もないままの車中泊は肯定する気にはなれません。命を大切にして、車中泊から撤退する勇気も必要だということも僭越ではありますが申し述べさせていただきたいと思います。


火事場泥棒は誰だ?

震災の影響でいろんなものが品不足になって、人間の本性が現わになったというか、見ていておぞましいものもいろいろあります。電池や水、ここでも紹介した災害用ラジオを高値で売ろうとする輩というのは、経済が正常に戻ったら商売ができなくなることを見越してそれでもやっている感じがします。需要が上がれば価格は高くなるという事は仕方ない点ではあるものの、日常生活において消費されるだけで残らないものに価格を上乗せして売るというのは、お金が無い人は生きていけないという事を意味するのではないでしょうか。

今回の震災で改めて思ったのですが、ガソリンというのは本当に日々の生活の中で無くてはならないものだということです。阪神淡路大震災や中越地震ではガソリンは何とか手に入ったので、避難所に入らないで車中泊をする場合でも、寒さを凌ぐためにアイドリング状態にしてヒーターをかけるという手段が使えました。しかし今回の震災では今だにガソリンの入手が難しく、スタンドの開店前から店の前に並び、長時間車の中で車中泊をしながら待っている状況で、車内で暖房器具を動かしたことによる中毒死するというパターンが何度も起こっています。人々はそこまでしてもガソリンが欲しいのです。現在かなりガソリン価格が上がっていますが、お金の問題ではなくとにかく売ってくれれば価格に関係なく買わざるを得ないという所にまで多くの人達が追い込まれています。

そうした状況を見た上でなのか、政治の世界ではガソリン高騰時の減税特例の廃止を検討しているのだそうです。経済財政担当大臣がそうした発言をし、今まで政府のやる事
全てに反対してきた野党の自民党もこれには賛成の方向なのだとか。ガソリン高騰時の減税特例というのは、ガソリンの値段が3カ月連続で1リットル当たり160円を上回った場合、ガソリン税の上乗せ課税を一時的に停止するというもので、当初ガソリンの暫定税率を廃止することができず、妥協の産物として生まれた経緯があります。

話はガソリンに関する税金の事ですので、東北地方だけ除外できたとしても、今はもう東北から全国の色々な所に疎開してしまっている震災の被災者を除外するような事は無理でしょう。まだ日本赤十字社の義援金の使い道も明らかになっていませんが、被災者に渡されるであろう善意のうち、相当の額が税金として収められる事はこのままでは確定してしまいます。本当にそんなことになってしまっていいのでしょうか。

もし本当に減税特例が実施されないまま廃止されるとしたら、私には政府のやる事が、被災者を鞭打つ火事場泥棒のように感じられてしまうかも知れません。根本的な解決に向けては、世界中の人たちの必需品である石油や穀物までマネーゲームの材料とした一部の投機筋を何とかするために考えを巡らせるべきでしょう。日々のパンが食べられない国々と共闘し、世界の国々にアピールする事こそが重要だと私には思えます。すでにアメリカは原油の輸入を中東に依存する体質を変えるために、代替エネルギーであるバイオエタノールなども検討しているらしいですが、そうしたニュースにより市場が動くでしょうし、その結果とうもろこしを主食にしている人たちの食事はどうなってしまうのか、考えただけで気が重くなります。

今回の件でもう一つ気になることは、テレビはこのような増税につながるニュースを私が確認させていただいた範囲ではほとんど流していないように思えることです。私のたまたま見た民放のニュース番組では、自動車産業などを引き合いに出し、復興のためにはお金がかかるということを殊更に強調していました。もちろん、お金を出せる人が復興のためにお金を出すことはいいことだと思います。しかし、税金による徴収というのは平等のようでいて金銭的に余裕の少ない人たちの生活をじわじわ圧迫していきます。被災地で苦しい生活をしている方々のためにも、政府には結果として弱い者いじめになるような政策は避けていただきたいものです。