被災地で車中泊をされている皆様へ

東北地方から直接の情報を入手する事のできないままこのようなブログを書いておりますが、今起こっている事や、様々な報道などを記録するというにこだわって色々と書かせていただいております。車中泊旅行をテーマにしたブログという事で、もしかしたら直接的・間接的に被災者の方の目に触れる機会があるかも知れません。今回は、主に実際に罹災されて、避難所へ行かず、車中泊をされている方に向けて書かせていただきたいと思います。なお、今回のこととは関係なく、将来災害に遭遇した時に車中泊する可能性というのは今後も十分有り得る事だと思います。今回のエントリーはそうした場合も想定し、一般的な書き方になる部分もあるかと思いますが、その点はご了承下さい。

避難所が用意される中、あえて車中泊を選ぶのには様々な理由があるだろうと思います。避難所での生活というのは自宅で過ごすのに比べてかなりの非日常の生活です。夜泣きをする赤ちゃんがおられたり、ペットと一緒の生活以外は考えられない方、下の世話が必要な要介護認定の方がいる場合など、同じフロアで生活すると他の人に迷惑がかかるという理由から車中泊を選ぶという例が今回の震災でも多くあるようです。

ここで改めて「車中泊」という言葉について考えてみます。私が推奨している車中泊というのは、単に車のシートを倒すだけではなく様々なアイテムを使って、車内でできるだけ足や手を伸ばしてリラックスして寝られるような空間を作る事を前提にしています。そのために車の購入前から、できるだけシートアレンジだけでフラットな空間を出せる車種ということで、軽自動車ではありますがスズキのワゴンRを選びました。ただ、この車で十分に休めるのは基本的には一人のみで、無理をすれば二人までといった感じで考えています。それ以上の人数が休息を取るためには別にテントの用意が不可欠で、もし私が家族ともども罹災した場合はテントと人数を分けるか、素直に避難所に入ると思います。

現在避難生活を車の中で送られている方の中には、いわゆる車中泊に適した車を使っていらっしゃる方もおられるとは思いますが、もし車の中で寝る事を考慮していない車の中で強引に毎日寝ていらっしゃる方がおりましたら、テレビや新聞で言われている通り、エコノミークラス症候群による血栓ができ、最悪の場合生命の危険があります。逆に言えば、地震に影響のない地域におられる方で、もし自分の住んでいる地域で大きな災害が起き、避難所での生活など考えられないと思われている方はある程度のお金を掛けてでも、自家用車を家族で手足を伸ばして就寝可能な車中泊仕様にしておく事は重要だと思います。

もし今、実際に被災された方々の中でボランティアをされている方がおりましたら、どう見ても普通の車の中で過ごしている方を見付けたら、現在車中泊しているのかどうかという確認とともに、車中泊せざるを得ない原因を聞いてみて下さい。もしその理由が避難所で生活する中で対応可能なら、早急に車から避難所へ生活の基盤を移してもらうよう説得してみて下さい。そのことによって、すでに避難所で生活されている方から苦情か出るかも知れませんが、車中泊を続ける事で生命の危険にさらされる極限状況に成り得るということは、現在では大いに認知されています。地震に直接関係ない事で命を落とす方がこれ以上増える事のないよう、非常に大変な事だとは思いますが現場でのご理解を得たり、根本的な車中泊せざるを得ない原因を解消できるような援助のノウハウを持つ専門家に相談してみてください。

なお、今回の文章を書くにあたり、現場で避難されている方を実際に診察した新潟大大学院医歯学総合研究科助教の榛沢和彦氏にメールさせていただき、内容の参考となるご意見をいただきました。昨日の朝日新聞に「危険なので車中泊はやめて」という氏の発言が紹介されています。きちんと準備をして車中泊を楽しんでいる方にとってはこの言葉だけをとらえるとなぜ車中泊がだめなのかと思われるかも知れません。しかしながら、避難所に入らないで車中泊をしている方の多くは、着の身着のままで逃げる中、何の用意もなく車の中で窮屈な体勢のまま車中泊をしているのだそうです。私もそうした状況の中、準備も何もないままの車中泊は肯定する気にはなれません。命を大切にして、車中泊から撤退する勇気も必要だということも僭越ではありますが申し述べさせていただきたいと思います。


カテゴリー: 車中泊での心構え | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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