これから夏に向けて、今年の夏がどうなるのか心配になっておられる方も多いかと思います。一般的な話として、車中泊を夏にするというのはかなり大変な事で、よほどの事がない限りやらない方が賢明だとは思いますが、どうしても車中泊をせざるをえないような状況に追い込まれるということも考えられるので、一応の対策をしておくのも必要な事なのかも知れません。
夏の暑さの中で車中泊をするためには多少窓を開け、虫よけのための電池式の蚊取り器を設置するとともに、扇風機の導入が欠かせないというのが個人的な考えです。ただ、お断りしておきますが、エアコンを付けての生活に慣れすぎてしまっていると、扇風機での涼にも限界があります。今年の夏はエアコンが使えない状況も考えられますので、日々の生活の中で扇風機のみで熟睡できるような体質に変えていく取り組みがまずは大切だろうと思います。
そうした上で扇風機を選ぶということになるのですが、車内で扇風機ということですと、12Vのシガーソケットに差すプラグが付いている首振りの扇風機をポータブルバッテリーで動かすというのがまずは考えられるところです。家庭用のコンセントの付いたミニ扇風機をインバーターを介して動かすのでもいいかと思いますが、車用バッテリーの12Vを100Vに変換するのには多少ロスが出ますし、小さめのシガーソケットしかないポータブルバッテリーを使う場合は、車用に作られた扇風機を使うのが簡単で、長時間動かし続けることができます。
ただ、私の場合徐々にではありますが、サブバッテリーは無理で車自体の収納スペースも少ない軽自動車ということもあり、ポータブルバッテリー依存からの脱却を模索しているところです。ポータブルバッテリーの代替ということになると、小型のリチウムイオンバッテリーか乾電池で動くものという風になってしまうことは仕方のないことです。扇風機の中にはパソコンなどのUSB端子から電源を取って動かすものや、単三電池4本で動くようなものも存在します。こうしたものはポータブルバッテリーで動くものと比べるとどうしても小さいため風量も弱いのですが、あえてそうしたものの中で検討した結果手元にやってきたのが写真のコンパクトデスク扇風機でした。
この扇風機はあくまで一人用としての機能しかありませんが、さまざまな電源供給(AC電源・USB・乾電池)に対応しているのが一番のポイントでしょう。風力も「弱」と「強」の二段階あります。ただ、その形状からおわかりの通り、首振り機能はありません。単三アルカリ電池4本で、4時間連続動作すると説明書にあるので、就寝時にそよ風程度でもよければ、水まくらや額に貼る冷却シートなどと併用しながら、何とか我慢しながら寝られるだけの最低の能力はあるといった感じでしょうか。
本体付属のACアダプターは、写真のようにとても興味深い形をしています。出力は5V0.5Aと、一般的なUSB出力と同じなのですね。つまり、このアダプターを使えばスマートフォンの充電はできないものの、携帯電話の充電なら100円ショップで売っている充電用のコードと組み合わせて家庭用コンセントから充電ができるアダプターとして兼用できるのです。
そういう意味ではこの扇風機は、USBで動くものを強引にコンセントから使えるようにした感じになっています。USB経由でという事だと、普通の外部電源でも動くので、今回エネループモバイルブースターKBC-L2BSの500mA端子の出力でつないでみましたが、かなり連続して使えています。あくまで私の場合ですが、風力を弱にして7時間以上回りましたので、朝方まで付けておきたくない方にはむしろ乾電池を使った方がいいのかもしれません。
この他にも乾電池やUSBで動く扇風機はありますが、写真の通りフラットな形状をしていて、接地部分が可動式になっていて平らにした状態になりますので、車内の空いたスペースに放り込んでおいてもきれいに収まるのも自分で気に入っている点です。USB接続のためのコードが乾電池収納スペースに入ればなお良かったのですが、残念ながら入らなかったので、ハンドル部分に巻きつけておいてあります。
この種の扇風機は、普通の扇風機と比べると貧弱で、家庭内で使う場合は、冷房の効いた室内でパソコンなどを使っている時に冷たい空気を送るための一人用といった位置づけであろうと思われます。見ようによってはおもちゃみたいに見えるかも知れませんが、こんなものでも暑さに苦しむ車内で使えば多少は暑さをやわらげてくれるでしょう。多人数で車中泊をするためにはもっと大きなものの方がいいと思いますが、一人で使うには何とかなるぎりぎりの性能ではないかと思っています。夏までまだ間がありますが、本格的な暑さがやってくる前に暑さ対策の扇風機についても考えておいた方がいいかも知れませんね。