世の中の動向にともなって多くの商品が開発されている中で、より多くの人たちが便利だと思い、普通に利用しているような方向に向かって製品の仕様が決まっていくのは仕方のない事です。ただそれは、もしかしたら購入した直後から「使い捨て」を前提としたものかも知れません。
新品の製品の耐用年数を考えた場合、昔なら壊れて部品も無くなったら仕方なく買い替えるということが普通だったと思うのですが、今ではまずスマホなどOSのバージョンが上がったことにより、低バージョンのOSでは使えなくなることによるソフト的劣化によって使えなくなることも普通になっています。これは、もうすぐセキュリティなどのサポートが終了するWindows10しか動かないパソコンからWindows11が動くパソコンへの買い替えという形になって現れます。スマホでもOSが古くなると、最新のアプリの中には使えなくなるものもありますので、最新アプリを使いたければハード的に問題がなくても買い替えになってしまうというのが今では普通になっています。
さらに、電子機器の場合はもう一つの故障でないのに買い替えになってしまうケースがあります。それが内蔵充電池の劣化に伴う買い替え需要です。もちろん、修理扱いで内蔵電池を交換してもらう方法はあります。ただ、電池交換の費用よりもスタンダードなスマホの方が安く性能も上がっているとなれば、どうしても電池交換とはいかず、買い替えに向かってしまうのは仕方ないことなのでしょう。もし、昔のガラケーや初期のスマホのように電池パックを自分で交換できれば今よりもスマホの製品寿命を伸ばすこともできるのかも知れませんが、内蔵式にすることでスマホが薄く軽くなるというところで、これはある意味世の中の流れであると言えます。
私自身も数々のスマホを乗り換えて使っていますので、こうした事も当然理解していて、高額なスマホではなくスタンダードくらすで安いものを買ったり、キャンペーンで電池交換が安くできるような時を狙って交換をお願いしたりしています。ただこれは、常に最新の機種を追っていかないと進化していかないパソコンやスマホについて言えることでしょう。逆に、あまり使い勝手は長く使っていても変わらないような家電製品・電子機器であれば、内蔵式の充電池を採用することでは個人的にはディメリットしかないような気がするのです。
一つ例を挙げると、私は長年フィリップスの回転刃を使った電気シェーバーを使っているのですが、昔は回転刃が2つしかないものの、単三乾電池2本で使えるモデルが有りました。最近の電気シェーバーの能力は上がり、自動洗浄や圧倒的なパワーなど、乾電池の非力さではとても実現できない機能を売りにしているものが主力製品になっています。ただ、シェーバーの掃除は手作業で自分でやり、回転刃の特性をうまく使えば十分探剃りはできるので、私は今だに乾電池式のシェーバーを使い続けています。製品の特性上ほぼ毎日使うものですが、モーター自体は全く音を上げず、替刃は新しい機種と同じものなので、それを定期的に替えることで十分実用になります。
ちなみに、メーカーの推奨する使用法ではありませんが、アルカリ乾電池の代わりに充電式のエネループを使っても、少々力は落ちるものの、私の場合は問題なく使い続けられています。このように、一つの技術として完成している製品については、内蔵充電池を使うものよりも自分で電池の交換が可能で充電もできるエネループ対応のものの方が便利な点もあるということです。
ただ、エネループを入れて使う製品については、電気が切れたら充電して使うことになるので、その一連の作業がめんどくさいという事もあるでしょう。私の場合は多くの乾電池仕様の製品があるので、複数のエネループと充電器を持っているので、今は常に充電されていていつでも交換可能な単三・単四型電池を常備しています。こうした準備がないと、安易に便利な内蔵充電池の方を選んでしまう人が多く、それに伴って乾電池仕様の製品が生産されなくなっていってしまっているのだろうと思いますが、私はまだまだ乾電池仕様の家電製品・電子機器にこだわっていきたいと思っています。
今考えているのは、ネット上からのダウンロードで無料で読むことのできる作者の著作権が切れた文学作品を出している「青空文庫」用のリーダーを乾電池仕様にできないかということです。私の手元には白黒で電池の持ちが良いアマゾン用のkindleがあるのですが、これも内蔵充電池使用なので、ずっと放っておいても長時間充電をかければ使えるようになるのですが、「すぐ」使えないというのがウィークポイントです。これが、乾電池仕様のリーダーであれば使わない時期には電池を抜いて保存していたとしても、使いたい時には充電済の電池を入れればすぐに使えますし、いざという時には外でアルカリ乾電池を買って使うことも可能です。
先日このブログで紹介したように、USB経由でモバイルバッテリーからエネループの充電が可能な充電器を常備しているので、私の場合はむしろ内蔵充電池よりも便利ではないかと思います。
実は、青空文庫用リーダーとしても使えそうな乾電池対応(しかもエネループにも対応する)古い電子機器を入手することにしているのですが、これからその顛末を書くと長くなるので、それは稿を改め、実際に物が手元に来てからさせていただこうかと思います。充電式のニッケル水素電池は、セールの時期にアマゾンベーシックのニッケル水素電池をまとめ買いするとコストもかからず、USBケーブルから充電できる充電器とセットで購入すれば、気軽に始められます。ライト系やラジオなど、最新の機能を必要としないものは乾電池式のものでも十分なので、興味のある方はぜひ自分で電池を充電して交換できる生活を考えてみてはと思います。