月別アーカイブ: 2012年2月

CASIO G’zOne TYPE-X

 防災用品と一口に言っても、備蓄することにより効果を発揮するものや、常に手元に置いておきたいものなどさまざまな範囲があります。これからどのような災害に各々が襲われるかはまったくわからないということもありますので、ここでこうして紹介しているようなものも全く無駄な準備に終わる可能性さえあります。

 そんな中、私たちが活動している中、常に手元にあるものはと考えると、個人的にはスマートフォンよりも携帯電話ということになります。いざという時に持っていて頼りになる携帯電話ということで考えてみると、以下のような条件を多く満たすことでさらなる安心に繋がります。

・電池容量が大きいもの
・簡単に充電できるもの(アダプタが必要になる独自規格の端子は×)
・ワンセグ対応
・おサイフケータイ対応
・防水機能
・防塵機能
・耐衝撃性能

 特に最後の3つの条件というのは、大雨に降られたり、海や川に落ちたりして泥だらけになっても電話としての機能を利用できるかどうかの分かれ道で、あればそれに越したことはありません。現在は防水機能を搭載した携帯電話やスマートフォンが多くありますが、落下して本体にひずみができた場合、その隙間から水は簡単に侵入して電話としては使えなくなってしまう危険性をはらんでいます。ここまでの性能を有する携帯電話はかなりごついものになってしまいますが、非常時にはそんな事など言っていられなくなるわけで、心配な方はタフな携帯電話の導入を模索するべきではないかと思います。

Gzonex

 今回、具体的なリンクは貼りませんが、auのオンラインショップですでに店頭から消えて久しいタフネス携帯「CASIO G’zOne TYPE-X」が新規・乗り換え・機種変更のどれでも2012年2月8日現在、購入できるようになっています。恐らく旧機種を使っているauのユーザー対策だろうと思いますが(古い携帯電話の場合、今の携帯電話に変えないと使えなくなるため)、この端末は防水・防塵・耐衝撃性において日本ではこれ以上の携帯電話はないと言えるほど頑丈です。機能的にもほぼすべて入りといってもよく、上で挙げさせていただいた条件を全てカバーする他、カメラの性能も上がっていますしWi-Fi WINも使えるようになっているので、とりあえず昨日オンラインショップから機種変更の手続きをしてみました。こちらの契約状況などの確認をされると思うのでまだ確実に手に入るということではないのですが、手に入ったら予備電池のストックがなくなるまで使い倒そうと思っています。

 今後の携帯電話各社の端末の作り方や売り方はどうなるかわかりませんが、高性能を欲すればスマートフォン、通話のみのシンプルさを求めるなら従来の携帯電話というような住み分けがされてしまった場合、もうこのような携帯電話は発売される余地がなくなってしまうので、できれば災害用として生産は続けてほしいと切に思うところです。そうは言っても単なるユーザーの要望などはなかなか叶わないものですので、水没や落下などで携帯電話が使えなくなって大変な思いをした方や、災害用の携帯電話や悪天候の下で使えるカメラとして用意しておきたい方は、あると安心できるでしょう。オンラインショップはauのホームページからリンクがないようですが、興味のある方は頑張って購入先を探してみてください(^^)。


NEC Aterm WM3600R

 今や携帯電話およびPHSは、格安の料金で使うためにはほぼ例外なく2年間の契約を前提とし、途中での解約には違約金がかかるようになっています。そうした状況をうまく使うためには、2年ごとに契約を見直すことが必要になってくるわけですが、2年間と簡単に言っても、その間には実に多くの新製品や新しい技術が出たりするといくら魅力的であっても今の契約が満了するまで我慢しなければなりません。

 携帯電話を通話を主として使っている場合は今以上の劇的な進化というのはそうそうないと思いますので、例えばソフトバンクのホワイトプラン980円のみのプランを長期間維持するという選択も十分にあり得ます。しかしながら、スマートフォンとセットされている高速通信サービスについては、今後ますます新しく快適な技術が導入されていくことが予想されます。そう考えるとできるだけ長期契約に縛られることなく安く導入したいというのが正直なところです。

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 今回、今まで使っていたWimaxのプロバイダを切り替えることにしました。というのも、以前このページでも紹介していたNECの新しいWimax用ルータWM3600Rが2012年2月から発売されたということと、今まで使っているプロバイダが年間契約を満了し、解約しても違約金がかからない更新月になったということがあります。Wimaxの事業者の場合、いつでも解約できる通常料金の他、1年契約や2年契約のプランもあります。もし購入翌月に新しいサービスが発表されたとしても、1年契約ならまだ我慢もできようというものです。今回はso-netでの契約を選んだのですが、そのためso-net限定モデルということで、写真のようなPostPetのキャラクターがデザインされたモデルも選べるようになっています。今回は最初からクレイドルが付いたセットを購入したことで多少の負担はありますが、プロバイダによってはクレイドルセットでも端末代や初期手数料がサービスされるところもあります。自宅で使っているプロバイダがWimaxのサービスを行なっている場合は月額費用も多少安くなりますので、十分に吟味した上で加入するかどうかの判断となるでしょう。

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 WM3600Rと旧モデルの3500との変更点ですが、写真のように一回りサイズが小さくなったことのほか、満充電での連続使用時間が10時間となり、通常の起動時間は1分程度ながら、休止状態を選ぶことで15秒程度ですぐ使えるようになるなど、モバイルでの使い勝手が向上しています。パソコン用だけでなくアンドロイド用のツールがあり、電池の状況を確認したりWimaxとWi-Fiの切り替え、モデム本体を休止状態にするなどの操作ができます。

 スマートォンやWi-Fi対応の携帯電話と一緒に使えば、使いたい時にすぐに使えるようになるので、Wimaxのエリア内の移動がほとんどなら動画を含む大きいファイルのコンテンツでも快適に使えます。月額料金はどこのプロバイダを選んでも1年契約でだいたい3,800円前後で使えるので、Wi-Fi専用のタブレットなどでもそれほど違和感なくモバイル通信できます。メールをすぐ受け取りたいような場合にはその都度接続するやり方は不満があるかも知れませんが、これも携帯電話の方でメール定額を付けた端末の方に転送しておけば、それほど問題にはならないでしょう。携帯でメールを受け取ったらこのモデムのスイッチを入れて、パソコンやスマートフォン、タブレット端末経由で返信するというようなやり方でも十分カバーできるのではないでしょうか。

 旅先でももしWimaxのエリアで車中泊ができるようなら、パソコンを車内に持ち込めばほとんど自宅にいる時と同じ環境が実現します。情報収集だけでなく暇つぶしに動画を見るとか(^^;)、どれだけデータのやりとりをしても大丈夫なWimaxの強みが出てくると思います。

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 また、車内にテレビを持ち込んでいる方もいるかも知れませんが、その際はインターネット接続可能なLANポートのあるものにし、ルータのみでなくクレイドルとセットで購入すれば、テレビからLANケーブルを使ったネット接続ができるだけでなく、オンデマンド配信のサービスも利用できます。もちろん、写真のように自宅のテレビにつなげてネット関連のサービスを利用するというのもありです。このやり方は単にケーブルでつなぐだけでよく、細かい設定などは必要ありません。出先に普通のテレビを持ち込んで見る場合は電波の具合で見え方にかなり影響を受けますが、ネットが安定して繋がる場所であれば、どの程度のスピードが出るかにもよりますが、本放送は見られないものの、おおむね配信される番組は良好に見られると思います。今回紹介したルータを含め、WM3600Rを含む最近のルータは電波が弱いところでも快適に使えるというWimaxハイパワー機能が導入されることで、自宅に設置して使うことも考慮されています。今後のさらなる進化の度合いによっては、わざわざ高いお金を出して光インターネットに変えなくても低速の光接続に匹敵するようなスピードも出先で可能かも知れません。そうした新しい技術が出てきた時のために、こうしたモバイル通信サービスは短期間拘束の料金プランで継続しておいた方が結局はお得だと思います。スマートフォンとセットでのテザリングサービスもいいですが、以上のような事も考えながら選んでみてくださいね。


電池劣化の説明責任は?

 アメリカのロサンゼルス郡地裁は、ホンダのハイブリッド車を購入した女性の訴えについて注目すべき命令をホンダに出しました。その女性は2006年モデルのシビックを購入し、広告ではリッター約21キロと宣伝していたものの、バッテリーが劣化するに従ってリッター13キロ以下に燃費が落ちたため、差額のガソリン代を請求するための訴訟を起こし、結果986ドルの賠償を勝ち取ったのだそう。

 これだけの事実を見ると、訴えるほうがどうかしていると思われる方は多いでしょうし、当のホンダも上告する意思は固いようです。電池は劣化していくのに従ってアシスト機能が働かなくなり、結果として燃費が落ちることは普通に予想できますが、まさかこんな感じで訴訟を起こされるとはホンダも思っていなかったのではないでしょうか。しかしこれは対岸の火事ではないような気がします。というのも、今の日本においても実に興味深い宣伝活動が行なわれているからです。

 というのも、今の日本のハイブリッド車は家庭用のコンセントから充電できるプラグインハイブリッド車が出てきて、ありえない燃費性能をうたっています。あくまで一つの例として挙げさせていただきますと、プリウスのプラグインハイブリッド車などは、ガソリンをほとんど使わないEVモードというのがあるそうです。そのモードで使っていれば、リッター60キロという驚異の燃費となり、報道でもこの数字が一人歩きしていたような感じを私は受けました。そんな印象をもとにトヨタのホームページで確認したところ、運転方法やエアコンの可動、道路状況などで燃費は変化する旨の記載はあるものの、バッテリーについては「リチウムイオンバッテリーの状態」としか書かれておらず、バッテリーが劣化したらどうなるのかという説明は驚異的な燃費の書かれたページには一切書いてありませんでした(2012年2月6日現在)。使用頻度にもよりますが、今回のような訴えが出るくらいバッテリーを酷使したまま交換をしなかった場合、リッター60キロのモードは使用できなくなるのではないかと思いますし、ハイブリッドでないエコカーと比較できるレベル以下の、かなりガソリンを消費する車になりさがる可能性は高いと言わざるを得ません。そういったプラグインハイブリッドを乗り続ける事に対する不安な点を、販売するにあたりきちんと説明してきたのかというのがまずは企業が確認しなければならないでしょうし、今後の日本のメーカーが特に海外で営業活動をするなら、こうしたディメリットをきちんと説明していかないと、さらなるトラブルが待っていることでしょう。

 それにしても、購入して(おそらく新車だと思いますが)5年ちょっとで最大のメリットである燃費ががた落ちになってしまうというのは、かなり買った人のショックが大きいでしょうね。その点については訴訟を起こした女性に同情します。今の日本のテレビでは連日ハイブリッド車や電気自動車についてのコマーシャルを流し、それほど批判をすることもせずに普及を煽っているようにも思えるのですが、このままでいいのかという気もします。昨年あたり政府の補助金のおかげでで売れまくったハイブリッドカーが電池寿命を迎えたら、ちょっとした社会問題になってしまうのではないかと思うと、人事ながら心配になってしまいます。すでにハイブリッド車を新車で買ってしまっている方は、下取りや買い取りで評価されるうちに乗り換えるのが無難だと私は思うのですが(^^;)。


1-4 auの独自性とSIMカード

 携帯電話というのは電話そのもので通話やデータ通信ができるわけでなく、さまざまな端末の中に小さなSIMカードと呼ばれるカードを挿入することによって電話としての機能が使えるようになっています。SIMカードの形状は普通サイズとマイクロサイズがありますが、それぞれの電話事業者のSIMカードは同じ会社の端末でないと使えないというのがいわゆる「SIMロック」と呼ばれている仕組みです。

 今の日本ではそれぞれの携帯電話会社で携帯電話やスマートフォンを販売しているため、当たり前のように携帯電話会社のロゴが入った電話を使っているわけですが、こうした制限をなくしていこうという動きもあります。ただ、日本の携帯電話サービスは独自のメールやウェブ接続のサービスがあり、現状ではドコモとソフトバンクの携帯電話やスマートフォンならSIMロックを外せば通話はできるようになるものの、普通の携帯電話特有のメールやウェブ接続は使えないという落とし穴もあります。

 auはドコモやソフトバンクのように、気軽に別の端末とSIMカードを入れかえて使うことができないようになっています。会社をまたいで別のカードを入れて使えないようになっているだけでなく、例えば中古ショップでSIMカードのない本体のみという、いわゆる白ロムを買ってきて、自分の電話に入っているカードを入れ替えたとしても、そのままでは電話として使えません。使いたい場合はauのショップへ出向き、使いたい端末を持ち込んで有料で登録してもらう必要があるのです。

 普通に考えると、お金を出して中古としてでも買ったものについてでさえ、有料で登録が必要というのは納得のいかない点もあるでしょう。しかしながら話はそう単純ではありません。その昔、携帯電話ショップを狙った窃盗団が横行したことがあります。まだ登録していない携帯電話をごっそり盗み、それを売りさばくことで金を稼ごうとしていた人が多くいたのです。最新の携帯電話やスマートフォンは、本体の価格が6万とか7万とか、かなり高い値段でユーザーが月賦で購入しており、出たばかりの端末の白ロムということでは、やはりそれくらい出しても欲しい人がいるため、安く最新機種を仕入れることができさえすれば、おもしろいくらいに儲かるでしょう。

 ただ、現在では携帯電話会社はそうした素性のわからない携帯電話本体についての対策を行なっています。別の可能性として、料金の支払いが滞った契約の端末を、ネットオークションで売ることで手っとり早くお金を得る方法というのも以前は横行していました。ドコモやソフトバンクの場合、識別番号が盗難品として登録されたものや、まだ割賦契約の料金が支払い済みでないまま放置されているような端末は、正規のSIMカードを入れても全ての機能が使えないようにロックがかけられる「赤ロム」という処理がされるようになり、これはオークションに出ているものだけでなく、お店に置かれているものでも同じような可能性は残っているのです。今後中古の携帯電話やスマートフォンを購入する場合、ドコモやソフトバンクのものの場合はこうしたリスクを購入時には負わなければならないという事も覚えておいた方がいいでしょう。

 その点auは電話として使うためには必ずショップの手続きを通す必要があるため、中古の白ロムであってもショップで手続きさえ通ってしまえば、使っている中で突然赤ロムになって使えなくなるような心配をする必要がありません(ただし盗品や料金未納の端末の場合は手続き自体ができないので、手続ができない場合の保証のあるショップで購入するのが無難です)。ただ、ドコモやソフトバンクのように、今使っている携帯電話が壊れた時にSIMカードを入れかえて使える端末の範囲が狭いので、修理補償のサービスにはちゃんと入っておいた方がいいでしょう。

 こういった事情をわかって使うというのが基本になりますが、私が契約しているのはスマートフォンではない普通の携帯電話で、メールのやりとりが定額の「プランEシンプル」にメールやウェブを使う前提となる「EZ WIN」をまず組み合わせます。スマートフォンで読むことのできるGmailのほとんどをauのアドレスに転送させていますので、メール定額でないとそれだけで3千~5千円もパケット料金がかかってしまうのでこれは外せません。スマートフォンを持っていれば携帯メールはいらないだろうということもあるのかも知れませんが、いざという場合にはスマートフォンよりも携帯電話の方が充電も少ない電力でできますし、メールだけでもブログの更新やTwitterもできますので、他の回線をスマートフォンにしたとしてもauは携帯電話のまま行くと思います。さらに、auしか格安でのサービスを展開していない携帯電話によるWi-Fi通信サービス「WiFi WIN」のオプションサービスを契約しています。このサービスが画期的なのは、一切携帯電話のパケット通信を使わず、携帯電話によるウェブ接続が可能になることです。auの携帯電話がネットに接続する場合、設定をしておけばwebに繋がる前に暗証番号の入力が必要なように設定できます。先に携帯電話を無線LANに接続しておけば、ネット経由で動画を見ようがおサイフケータイやアプリを使おうが全て無線LAN経由となりパケット料金の請求がされないのです。さまざまなメールサービスを受けるためにはいったん携帯ブラウザによるネット接続が必要な場合がありますが、そうしたことは自宅や公衆無線接続の可能の場所の他、テザリングのできるスマートフォンやイーモバイル・Wimaxなどの無線ルータがあれば外でも問題なくできるのです。

 唯一の難点は、このWiFi WINが使える機種が限られていることですが、私はこのサービスのおかげで、携帯補償サービスを付けても月2千円弱でメール及び携帯サイトへの接続(おサイフケータイ含む)に困ることはありません。WiFi WINサービスの今後が心配ではありますが、最低限のネット接続をスマートフォン以外で安く使いたいと思われる場合はこのサービスに無線ルーターを使ったインターネットを使った方が、多少はめんどくさくなるものの、全てを一台でまとめるよりも利便性は高くなるでしょう。私はこうした文章を書くためでもないのですが、一通り携帯電話会社と契約をしてしまっているのですが(^^;)、とりあえず一台携帯電話を契約したいという場合は、WiFi WINが使える携帯電話がまだ手に入るうちはおすすめすると思います。

 その場合、メールは即時受信の携帯メールを使わずにウェブメールで済ますのなら、基本プランを無料通話ありのプランや、同社間の通話定額プランにするのも面白いでしょう。なお、WiFi WINを使う場合は必ずEZ WINにも加入しなければウェブ接続ができませんので契約の際にはご注意ください。

(追記 2012.2.14)

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 以上のように述べた携帯電話の使い勝手を貫くため、防水防塵耐衝撃性を兼ね備えた上でWiFi WINも使えるというG’zOne TYPE-Xに機種変更しました。詳しくは別のカテゴリーで紹介しますが、今回この携帯電話にしたことで、当分は今のパターンの契約を続けようと思っています。キャリアを選ぶ際には回線の安定感やサービスを考慮する向きも多いかと思いますが、他のキャリアにはこんなに頑丈な端末はないわけで、端末でキャリアを選ぶのも十分あり得ると思います。


1-3 ソフトバンクの今後の展開は?

 携帯電話の会社を私たちが選ぶにあたり、少なくともそれが通信という私たちの生活から切り離せないライフラインであるということから、本来は電話自体のつながりやすさやエリアが重視されるということは当然のことでしょう。ただ、携帯電話と比べるとエリアに不安のあるPHS事業者も経営を続けていける現状もあり、人々の行動範囲の中にエリアがあればいいと割り切ることもできます。そんな考え方で行くと、都市部を活動範囲にしている人たちから見ると、3社ある携帯電話会社のうちどこを選んでも同じだという考え方になるのも仕方ないところで、そこであのソフトバンクのコマーシャルや契約時にもらえるプレゼントが意味を持ってくるのです。

 ソフトバンクが携帯電話の事業に乗り出してすぐに出してきたのが時間制限付ではありますが、月980円で同社間の携帯電話同士の通話が無料という「ホワイトプラン」で、他社にはそんなプランはありませんでしたから、家族や友人同士くらいしか電話しないという人を中心に携帯電話会社の乗換えがかなりの数発生しました。かくいう私もその当時に家族や知り合いの中で示し合わせてソフトバンクの携帯電話を持つことにしました。このようにして獲得した顧客は、家族や友人全体が乗り換えない限り移りたくても移れませんから、やはり先発の強みというのはあります。こうした思い切ったプランを打ち出すことのできる経営というのは一時は他社を凌駕していたと思います。今はありませんが、契約から2年間は最低料金月8円で維持できるようにして売り出した事もありました。これもとにかく契約者数を増やすためのなりふり構わないやり方だと言えますが、そういったやり方に加えテレビコマーシャルのイメージ戦略や、iPhoneを早く使いたいという人に本体を日本で一番早く提供するなど、他社にはなかなか真似できないやり方で顧客を増やしてきたとも言えると思います。

 しかしながら、同社間の通話無料を他の会社も行ない、iPhoneをauが出していく中、基本的なインフラの整備が急がれるとともに、ソフトバンクが逆に他社に追随できないものがあります。それがスマートフォンによるテザリングなんですね。

 もちろんこれはソフトバンクだけの問題ではありません。スマートフォンユーザーの増大による通信インフラの整備は大きな問題で、ドコモはクロッシィに移行することを明言し、auはWimaxを組み込むことで対処しようとしています。最初に紹介したように、両社はすでにスマートフォンにこうした通信方法を組み込んで、携帯電話網の負担を減らすとともに、高速通信でのテザリングを提供しています。ソフトバンクもそうした高速データ通信をウィルコムを吸収することでAXGPという通信方式を展開してはいるものの、現在は主にデータ通信専用の端末によってサービスを行なっています。近い将来には同社のスマートフォンにでも使えるようにするというアナウンスはありますが、データ通信のスマートフォン対応の遅れは気がかりであり、更にこうした高速通信のサービスエリアを拡充できるのかなど今後に向けての課題というのもも徐々にではありますが見えてきつつあります。

 データ通信偏重の流れがソフトバンクを苦境に追い込んでいるかもと思ってしまうのですが、ソフトバンクがおかしなことになればその配下にいるウィルコムも影響を受けると思うので、まずは旅先でも他の2社並みにつながるような回線の整備をお願いしたいところです。個人的にはホワイトプランを契約した端末を便利に使わせていただいているとともに、番号が知り合いにも教えてあるため、メールなしの通話のみプランで維持していますが、今後のデータ通信への取りくみ具合いによってはメイン回線になる可能性もあります。とにかく、ソフトバンクには他の2社と肩を並べるよう、様々なサービスを拡充していって欲しいと思っています。

(2012.2.7追記)

 現状でソフトバンクの端末はホワイトプラン適用時間にのみ通話するためか、番号を知らせてある知り合いのために携帯しています。

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 ただ、通話自体はウィルコムのソキウスで発着信ともまかなえるので、Bluetoothが使えるものであれば何でもいいのですが、コンパクトサイズの816SHをポケットに放り込んでいます。

 携帯電話自体がスマートフォンに置き換わっている中、シンプルでBluetoothが使えるこういった端末は通話のためには本当に役に立ちます。さすがにもう新品で購入することはできないので、大切に使い続けようと思っています。


ソニーはどこへ行くのか

 ソニーの社長が交代したことがニュースになっていますが、やはりというかものづくりをしていた方面の人ではないようですね。私の場合はソニーはソフトやゲーム関連の会社ではなく、バラ色の未来を私たちに見せてくれるような電化製品の数々を出してくれるメーカーという認識でした。今でもソニーの日本製のラジオについては信頼して使っていますし、このブログでも過去の素晴らしいラジオについてはたびたび紹介させていただいております。

 しかしながら、あの大震災からもうすぐ1年経とうとしているにも関わらず、今だに災害用ラジオの新たな形というものはソニーから提示されていません。一応新製品として手回し充電機能の付いたICF-B03というのが出たようですが、形状は前々機種および前機種と全く変わらず、詳細を確認すると、携帯電話の充電だけでなく一部のスマートフォンにも充電できるような改良があったとのこと(iPhoneと一部のスマートフォンには対応していないとのこと(^^;)。はっきりとは断言できませんが、これは単に100円ショップで売っているようなマイクロUSB端子の付いたケーブルが付いているだけなのかとも思えてしまいます)。あと、これは本体機能とは全く関係ありませんが、緊急用のホイッスルが付属する程度で、相変わらず内蔵の充電池が寿命を迎えたら実質的には電池駆動できる携帯電話充電器に成り下がってしまうポテンシャルの低さです。さらに言うと携帯充電用のケーブルは独自仕様なので、いざという時にケーブルを無くしてしまったら携帯電話やスマートフォンの充電さえできないという災害に不向きな傾向もそのまま前機種から引き継いでいます。今このようなラジオを買うなら、汎用のUSBケーブルが使える東芝の災害用ラジオの方がまだましでしょうが、はっきり言って今売り出されているソニーのラジオがアジアや世界のマーケットに並んだとしても、ブランドイメージだけで今後も選ばれるかどうか怪しいものです。ラジオなどテレビ以上に1つ買ってしまえばそれ以上に必要とされないもので、儲けにならないことはわかりますが、そうして創業時からのイメージを崩していくことが全体的なブランドイメージの崩壊につながり、長い目でみた会社の業績とつながってくることもまた確かでありましょう。

 昨日あたりのニュースでは、パナソニックやシャープでもかなりの赤字を出しているとのことですが、もう少し国内のユーザーに向けた魅力ある製品開発をしてくれていたら多少は違ったのではないかと思うのですが。今後の日本では家庭における電力消費の意識が変わり、ラジオに限らず家庭用のコンセントに依存しないような製品全般が災害用途としてニーズは多いと思うのですが、社長の交代でソニーのラジオはどうなってしまうのか、そこのところが何よりも気になったりします。注文生産でもいいですから、災害用として本気になったソニーのラジオがぜひ見てみたいものですが。


1-2 ウィルコムの活用法を考える

 携帯電話各社の話をする前に、PHSという携帯電話とは違うシステムを使っているウィルコムについて先に紹介することにしました。PHSというと普通に携帯電話を使っている方にとっては違和感のある選択かも知れませんが、組み合わせ方によっては便利に使えると私は思っています。

 前回書かせていただいたスマートフォンで実現できる条件の中で、唯一完全でないのが普通の通話に関するものでした。今のところドコモは同じドコモ同士なら24時間定額のコースがあるものの、auとソフトバンクについては、午後9時から翌日の午前1時までは同社の携帯電話に掛けても別料金が発生します。むろん、そうしたところでの収入を見込んでの携帯電話会社の思惑のあるプランであるわけなのですが、利用する側としてはできるだけ余分なお金を払いたくないというのが正直なところでしょう。

 携帯電話でどの程度通話されるかによって変わってきますが、家族や友人で同じ携帯電話会社に契約しておいて、別料金を適用される時間に話さなければお金はかかりませんので、それだけで済めばウィルコムの入る余地はありません。しかし、家族以外にさまざまなところに掛けなくてはいけない利用の仕方をしている場合は、その分の料金を支払うか(ソフトバンクのダブルホワイトという選択肢もありますが)、同キャリアの無料通話発信用プランを諦めて、毎月使う通話料をうまく補填するぐらいの無料通話がセットされたプランで契約するかどちらかを選ぶのが一般的だと思います。

 また、無料通話はないかわりにメールの発着信が定額という基本料を抑えたプランも存在しますが、今回私がおすすめしたいのは、そうしたメール定額のプランか、1,000円分だけ無料通話が付いた格安基本料のプランを利用して、もう一台買い増しでウィルコムを契約するというパターンです。

 ウィルコムの特徴として、月1,450円のプランで同じキャリア同士が24時間定額(1回あたり2時間45分を超える場合は超過分別料金になります)で、オプションとして月980円の「誰とでも定額」を付けると、一部の回線をのぞき、他の携帯電話や一般電話にも10分以内なら月500回までは追加料金がかかりません。一つの例として、現在ドコモの「タイプLバリュー」(月4,200円で無料通信6,300円分)を契約している場合、基本契約を「タイプSSバリュー」(月980円で無料通信分1,050円)に変更し、ウィルコムとの二台持ちにすればウィルコムがほぼ繋がるところで電話できるならば、いざという時のための無料通信分を確保しながらほぼ定額の通話プランが完成します。もし携帯電話の機能として、ヘッドセットマイクでのBluetooth通信をサポートしている場合には、ウィルコムの端末のうちでWX01S <SOCIUS:ソキウス>を選べば、ウィルコムの端末の方で携帯電話の発着信もできるようになりますので、携帯電話の番号しか知らない人からの連絡でもスムーズに受けられ、すぐにウィルコム経由でコールバックすることによってもう一つの番号も知らせることができます。

 ここまでは、かなり通話をする人にしかウィルコムとの2台持ちはメリットがないような書き方をしましたが、これを書いている現在のキャンペーンとして、2012年3月31日までは同時に3台までの契約で基本料金が無料となるキャンペーンが行なわれています。追加の契約の場合、だれとでも定額を付けるにはそれぞれ980円の支払が発生しますが、もし御家族で3台同時に契約するような場合は一台あたりの費用は1,500円弱となり、上記に例としてあげさせていただいたドコモのプランで言うと、「タイプMバリュー」あたりでも十分2台持ちの効果が出てきます。これも、家族の移動範囲がウィルコムのサービスエリア内で間に合うかという問題もあるものの、お子さんが電話とメールで携帯電話のお金がかかって困ると嘆いている親御さんにとっては、10分間という時間制限に気を付ければ、ネットを見ない限り月980円しかかかりませんので、それほど大変でない家計の圧縮策として考えておいて損はないでしょう。そもそも、通話中心に友達とのコミュニケーションを楽しもうとすでに友人同士で通話はウィルコムというように、お子さんの方が先にウィルコムに変更しているところも結構あるのではないかと思いますが。

 また、携帯電話について、特に最大手のドコモで通信に関するトラブルが頻発したことでむしろ都市部において、今後データ通信量の増大によるトラブルが再度起こるのではないかという不安を私は持っています。天災で物理的にケーブルや施設が壊れてしまったなら仕方ありませんが、そうでない場合なら、通話についてもバックアップ回線を用意しておくという意味で、携帯電話と一線を画すウィルコムの電話を併用することはいざという時に頼りになるという側面もあります。以前はデータ通信用として使われていたウィルコムですが、現在は基本料だけでも無制限にメールの送受信ができるところにその名残があるくらいで、通話用としての利用が一般的になりました。携帯電話との二台持ちを毛嫌いする向きもあるかも知れませんが、ここまで書いてきたようなウィルコムの特徴を十分に理解した上で選ぶのも一つの方法です。

(2012.2.7追記)

 今後、私自身の契約内容の変更や機種変更した機器などを追記という形で紹介していきます。これを書いている現在、私が使っている端末、WX01S(ソキウス)です。

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 本文中にも書きましたが、通話を他の携帯電話をまとめて受けられるようにすることで、とにかくこのソキウスが鳴ったら取ればいいですし、携帯電話の方から掛けたい場合でも、ソキウスから発信する機種を選ぶことができます。

 こうした機能が広く受け入れられることによって、防水機能が付いたような後継機が出てくれれば機種変更もと考えてはいるものの、当分は通話専用のメイン端末として使っていくことになると思います。今後のウィルコムの方針があくまで通話中心にサービスを展開していくならば、ぜひとも通話に特化したさまざまな魅力的な端末を出してほしいですね。


1-1 携帯電話およびPHSを選ぶ前に

 普段使いが主ではあるものの、旅にも便利に使え、しかもいざという時に役に立つように携帯電話・PHSを選ぶと一言で言っても結構大変です。その人その人によって通話が主なのかメールとデータ通信が中心なのかによっても変わってきてしまうものですから。

 昨年あたりから携帯電話からスマートフォンに移行することが当然のような風潮もありますが、通話とメールだけでなくパソコンでできることまで一つにまとめられるメリットがあるものの、便利だからと使いまくると電池がもたないなどの問題も出てきます。特に電源の問題は常に充電ができるわけでない旅の際には致命的な影響を及ぼす場合もあります。

 車での旅と言っても災害や天候の急変により助けを呼ぶような場合に備え、データ通信が使えなくても音声通話はできるように用意しておくことが必要といえば必要でしょう。電池の消耗に備え、内蔵電池を充電できるように外付けのバッテリーを用意することがまずは大切です。その際、普通の携帯電話を充電できるバッテリーではスマートフォンの充電ができない場合が多いですから、スマートフォンに機種変更を考えられている方は、スマートフォン対応の外付バッテリーを選ぶようにしましょう。なお、外付バッテリーについては稿を改めて解説させていただきたいと思います。

 さて、話を携帯電話にもどしますと、電話関連を一つのスマートフォンにまとめる場合、最大限どの程度のことができて、その場合どれくらいの費用がかかるのかというのをまずは考えることが大切だと思います。というのも、いわば最大でこれくらいかかるという費用を把握しておけば、自分にはいらない機能を引いていき、月額費用にどれくらいの差があるかだいたいのイメージがわくからです。では、最大限とはどういうことかといいますと、以下のような事が思い浮かびます。

・通話料が定額
・通信スピードは従来の携帯電話より速い
・メール、ウェブが使い放題
・スマートフォンだけでなく、パソコンや他の端末でも使い放題可能(テザリング)

 以上のような何でもありのプランを一台のスマートフォンに任せるためには、これを書いている2012年2月現在ではNTTdocomoの新しいデータ通信サービスの「Xi(クロッシイ)」と、auの提供する「+Wimax」のサービスが使えるスマートフォンを導入することが一番近いと言えるでしょう。ちなみに、ソフトバンクのスマートフォンではテザリングが可能な端末が存在しないので除外させていただき、イーモバイルやウィルコムについてはエリアの関係から考慮しませんでした。

 ドコモの場合は同じドコモの携帯電話と24時間通話定額のオプション契約を付けて月額が約8千円弱となります(2年契約の場合で、期間限定の割引は考慮していません。以下のauの試算も同様です)。このクロッシイのサービスは、パソコンなどでWiFi経由のルーターのようにスマートフォンを使いネットが使えるテザリングに今のところ対応していますし、クロッシイサービスが提供されていない地域ではFOMAでつながるようになりますのである程度の利便性は確保されています。ドコモの携帯電話以外に発信すると別料金になるのが痛いですが、そこのところは通話プランを見直すことである程度は対応可能でしょう。

 auの場合はドコモのように新しいサービスではなく、従来からあるWimaxでの通信との二刀流という感じになっています。スマートフォン自体の通信料に525円プラスすることで、制限の無い高速回線のWimaxを本体だけでなくテザリングで他の端末でのネット接続をすることももちろんできます。そして、こちらの方もWimaxの対応エリア外の場合は携帯電話のネットワークを使うことになります。通話については、同じauとの通話を午前1時から午後9時まで(いわゆるソフトバンクのホワイトプランの時間帯)が無料となるプランを付保してだいたい月額7千円ちょっとと、どちらも8千円でお釣りがくる計算になります。

 携帯電話の契約一つで通話料金まで含めると、状況によっては1万円を超えてしまう内容に高いと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしながら今紹介した2つのプランなら、スマートフォンひとつだけで電話からネットからパソコンまでどこにいてもできてしまうというメリットがあります。予算が許すならこうしたプランをお勧めしたいところですが、ここでの目的はそういうことではありません(^^;)。先に挙げた項目について、どれが必須でどれが要らないかの判断をする中で自分に合ったプランおよびキャリアが見付かるということになっていくのだということです。そして、条件を満たすために複数台を契約して旅に持っていく方もいるかも知れませんが、その際には上で挙げさせていただいたオールインワンの料金を意識しながら組み合わせを考えていけばいいのではないかと思います。

 そういうわけで、これからは具体的なキャリアを挙げながら私のお勧めプランを紹介していきたいと思います。


新カテゴリ「私の携行品」について

 これまで、思いつくままに車中泊の旅に利用する品物について書いてきましたが、そうした品物の中でも電話やネット端末など、外からのモバイル通信を意識した品物についてもその中に含めてしまっていました。

 それはそれで書いている方はいいのですが(^^;)、車中泊関連というよりもモバイル端末についての情報がかなりばらけてしまっているので、読まれる方にとっては不親切になってしまっているのではという危惧もあります。

 そんなわけで、月が改まったことでもあり、これまで書いたものと重複するものも出てくるかも知れませんが、実際に自分が携行しているモバイル関連機器(携帯電話・ネット端末・バッテリーなど)についてひとまとめにして紹介するカテゴリーを新設させていただくことにしました。

 これから書くものを全て持って歩くということになるとかなり重いので個人的におすすめすることはできませんが、旅に出る際にもモバイル関係の荷物は改めて用意する必要がなくなるので、今後これから書く内容からできるだけ減らせるように(^^;)、今の状況について状況が変わる都度に記録しておきたいと思います。

 そうしたことが他の方のお役に立てるのかどうかというのはわかりませんが、例外なく自分で持っていて実際に使っているものについて詳しく紹介させていただこうと思っています。もしかしたら更新も不定期になり、一通り完結するのに時間がかかるかも知れませんが、その点もどうぞご容赦下さい。