solo stove をペレット燃料で使う(2)

 前回はコンパクトなウッドガスストーブであるsolo stoveでペレット燃料を使うために工夫してみましたが、今回は実際に火を起こしてみます。ペレット燃料は他の燃料と違って火が付くまでに大変なのですが、今回はアルコール燃料をペレット燃料に振り掛けるようにしてから火を付けるとうまくいきました。ただ、液体やジェル系燃料はよく燃えるので、火種が付いている状態で投入すると爆発的に燃えて火傷や火事の恐れがありますので十分にご注意下さい。

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 いったん燃え出すと、かなり強い勢いで火柱が上がってきます。普通に焚き火をする場合とは違ってきますが、これは、木材が燃える際に出てくるガスに引火して二次燃焼が起こっているためです。

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 solo stoveの内側に空気穴が開いていますが、そこから出てきたガスに引火しています。写真はその部分を拡大したものですが、これによりストーブから出てくる勢いはすごいことになります。

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 湯沸し用のステンレスポットを載せても、このようにかなりの火が外側に回っていってしまいます。ただこれだけの勢いがあるので、ポット容量の900ml近い水を入れて、風の影響のない場所で10分程度で沸騰したお湯が得られました。火の勢いを保ちたい場合はこの状況で追加のペレット燃料を投入していけばいいのですが、ある程度燃焼して火の勢いが収まったところで鍋にかけた方がいいような場合もありますので、細かい調理をするためには使いこなしのコツがいるかも知れません。ちなみに、一回のペレット燃料の用意のみで30分以上は燃え続けていました。先に湯を沸かし、必要に応じてペレット燃料を追加しながらご飯を炊くようにすれば、結構効率よく調理ができるように思います。

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 あと、このストーブを使う上で問題なのはこのようにポット全体に強烈な煤が付くということです。これはペレット燃料を使うのですから仕方ありませんが、けっこう鍋の後処理が大変になりますので、その点は了解の上で使うようにしましょう。ただこのストーブのサイズは、中にアルコール燃料を使ったトランギアのアルコールストーブがすっぽり入ります。アルコール燃料を燃やしても煤はほとんど付きませんので、ちょっとの時間で外でお湯を沸かす程度だったらアルコールストーブとの併用がおすすめです。

 今回使ったペレット燃料はカップ一杯ほどで、それほど多くありませんでしたが、燃料を全て燃やし尽くしてしまえば後には少しの灰が残るのみで、持ち帰って大変な量ではありません。暖房という点でも少人数で囲めば火柱が上がる分結構暖かいものなので、このストーブの上に網をのせて何かを焼きながら暖を取るなんてのもいいかも知れません。ペレット燃料は雨など水がかかるとすぐに元の木くずに戻ってしまいますので雨の時に使うのは難しいかも知れませんが、ペレット燃料と一緒に車の中に入れておけば、液体燃料やガスのように爆発する危険もなく、実に頼りになるでしょう。また、大きさも小さいので、ソロ行程であればキャンプ用としても十分実用になります。

 今回は安定して燃えるということで購入したペレット燃料を使いましたが、非常用としてはそこらへんに落ちている乾いた小枝や割り箸、短冊状に切った牛乳パック、廃材など、ストーブの中に収まるサイズにできれば何でも燃料として使えます。そういう意味ではこのストーブ単体が災害用品として機能することもできるわけですので、そんな用途での使用も想定している方にとっても魅力があるでしょう。


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solo stove をペレット燃料で使う(2)” に1件のフィードバックがあります

  1. 藤井未央 投稿作成者

    アウトドアメディア「CAMP HACK」のライターです。「ソロストーブ」特集記事にてこちらの魅力的なお写真を是非使用させていただければと思います。ご都合悪い場合は削除いたしますのでご連絡いただければ幸いです。info@spacekey.co.jp

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