マイナンバーカードの電子証明書をスマホで使える動きが

電子決済やネット銀行の利用というのは本当に便利で、スマホから決済できるのはいいのですが、現状ではもしパスワードを抜かれてしまうと簡単に悪意を持ってパスワードを盗み出した人に口座を乗っ取られてしまう危険性も持っています。

そんな中、政府では2019年の国会に合わせる形で、現在は複製が許されていないマイナンバーカードの電子証明書の覆製をスマホやタブレット1台に限って認めるための法改正を行う方針であることが明らかになったというニュースがありました。

現在、ICチップの内蔵されたマイナンバーカードには個人情報を含むものと含まないものの2種類の電子証明書のデータが記録されているそうですが、今回スマホで使えるように覆製を認める電子証明書は個人情報を含まないものであるということです。もし法案が国会で認証されれば、スマホでマイナンバーカードの電子証明書を作り、その際パスワードで覆製の電子証明書を管理する必要がありますが、マイナンバーカードを携行しなくても、電子決済やネット銀行を利用する際の本人確認が楽になります。実際にスマホなどに電子証明書を導入する方法としては、ネットからのダウンロードが健闘されているそうです。

実際問題、パスワードをハッキングされたらどうなるのかということですが、電子証明書の覆製は1台のスマホやタブレットでしか許されていないので、第三者が悪意でパスワードだけを入手したとしても、電子証明書自体のダウンロードはできません。その点は安心ですが、この構想が現実のものとなる前に考えておかねばいけないことはあります。

たとえば、スマホにウィルスを仕込まれて自由にスマホの操作をコントロールされてしまったとしたら、勝手に自分の口座のお金をまるまる送金されたり、勝手に買い物をされてしまう危険性はぬぐえません。リモートコントロールでスマホが乗っ取られた場合の対策についてのアナウンスが期待されます。

そしてもう一つ、たとえば自分の親や祖父母が使っているスマホにこの電子証明書をセットし、スマホ自体を勝手に持ち出した子や孫が自分の財布代わりにネット銀行の口座やクレジットカードを使ってしまう場合や、生活保護を受けている人を管理する目的で、彼らのマイナンバーカードの電子証明書を勝手に管理しようとする業者が現れたらどうするのか。なにも手続きしないで一瞬で取引が終了するというのは確かに便利でいいですが、先日紹介したATMの顔認証と紐付けたり、携帯電話の契約時のようにタブレットにサインすることで本人確認をするとかの本人確認の仕組みと合わせないと、新たなトラブルの元になる気もします。

この方針の背景には、まだマイナンバーカードが普及していないので、もっと多くの人にマイナンバーカードを作ってもらいたいという思惑もあると考えますが、今後様々な想定の元、マイナンバーカードの電子証明書をスマホに入れても安心して使えるという政府の説明能力が問われることになると思います。

これが実現するとオリンピックのチケットでも複雑な本人確認の手続きが省けると言うことですので、政府は東京オリンピックのチケット発売前までには何とかしたいと思っているでしょう。とりあえずは東京オリンピックのチケットを購入してオリンピックを楽しみたいと思っている方は、この制度に乗るかどうか(チケットの提示から入場までのプロセスに違いが出てくることが考えられます)早めに考えておくのがいいかもしれません。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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