車中泊関連ニュース」カテゴリーアーカイブ

社会の中で車中泊に関連するニュースや報道があった場合、面白いものがあればこちらで紹介します。

利用者側からの食中毒を避けるアプローチ

ここのところ私の住んでいるところは夜でも気温が下がらず、「食中毒警報」が出されているような状態です。テレビではお惣菜のポテトサラダや焼肉店での食中毒がニュースになっていますが全く他人事ではありません。今週末に夏休みの最後のお出掛けを考えている方もいるかも知れませんので、ここでレジャーなどで外出される際、出先で食中毒に自分の対策の甘さからなってしまわないように、心掛けたいことを簡単にまとめてみたいと思います。

まずは、食中毒のO-157菌というのは下痢を起こした人から出てきたものが移ってしまうということで、公衆トイレで菌をもらわないような注意が必要です。というのも、個室トイレのドアや便器、さらにトイレ内の洗面所などに、もしかしたら菌を持っている人が触ったことで菌が付いている場合があるので、もしその菌が付いているところに触ってしまった場合でも、手から落とすための「手洗い」が大切になってきます。

この時期は特に、トイレを済ませて出る前に手を洗う場合、水だけでざっと洗うのではなくシャボネットのような液体の石けんを十分に付け、手の表裏および爪の間や指の間、さらに手首まで、しっかり洗って菌を洗い流す入念な手洗いを家族間で実行しましょう。詳しい手洗いのやり方については、以下のようなサイトが参考になります。厚生労働省が世間に出している印刷可能なPDFファイルになりますので、印刷してその内容を家族で十分に共有しておくだけでも食中毒対策に関する意識は高まるでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000090171.pdf

次に、今回ニュースになっている手作り惣菜やお弁当についてですが、車で旅行する中でありがちになるのが、すぐ食べるからと買ったおかずやお弁当をポリ袋に入れたまま車内の温度が上がる所に置くことで、菌が増殖してしまう可能性が出てくることです。車でそうしたものを運ぶ際には、購入した所でもらえる氷や保冷剤を入れたクーラーボックスに入れて運び、できるだけ早く食べることを心がけることです。さらに食事の前には念入りに手洗いをすることを忘れないで下さい。

また、食品を車の中で常温にしたまま放置する事の危険性が指摘されているのがペットボトルです。人の口の中には常に菌がいるので、一度口を付けたペットボトルを温度が上がる車内のドリンクホルダーに入れたままにしておくと菌が繁殖しますので、できれば時間を置かずに全て飲むか余ったら捨てるなどの処理が必要な場合も出てくるでしょう。あまりに長時間、中味の入ったペットボトルを放置した場合、ペットボトルが破裂するというケースもあると、雑誌の女性セブンで報じられていたという話もあるほどです。コンビニなどで飲み物を購入して、いったん開封したものを飲み忘れてしまった場合は、もったいないですが安全のために廃棄することも必要です。

さらに食事の中でも焼肉店で食事をするとか、野外でバーベキューをする場合、肉の表面に付いていたり、中にいる菌をさわったり差したりした箸をそのまま使って肉を食べてしまうことで食中毒になってしまうケースがあります。

生食で食べられる肉というのも確かにあります。私の住む静岡県のレストランで牛肉100%のハンバーグを食べさせてくれることで有名な「炭焼きレストランさわやか」がありますが、ここのお肉は工場から出荷してすぐに調理すれば菌が繁殖しないようにきちんと管理されているために、中がレアの状態でも食中毒を起こさないようになっています。県外から食べに来る人も多く、なぜ首都圏に進出しないのかという疑問を持つ方も多いと思いますが、一番の理由は自社工場からハンバーグ用の肉を運ぶ際に、食中毒が出る恐れのない距離が静岡県の店舗のみということなのです。それくらいシビアな問題であることをこの例からも理解していただけるのではないかと思います。

スーパーや普通の焼肉店で用意されている肉というのは、基本的によく焼くことで問題なく食べられるものの、生の状態では表面や中に食中毒を引き起こす菌が付いているということをまずは理解した上で調理することが必要になります。ですから、肉を焼くために生の肉を取って鉄板にのせるための取り箸と実際に焼けた肉を食べる時の自分のお箸とは明確に分けることが必要になるのです。

一番わかりやすいのは、肉を取って焼くのには箸は使わずにトングにし、箸は焼けた肉を食べる時だけにするということです。キャンプ用に焼肉用のセットを車に積んで持って行く荷物の中には、ぜひお肉を扱うためのトングを一つ用意して持って行くことが大切になります。100円ショップでも売っているものですので、バーベキューの道具の中にトングがなかった場合には目的地へ行く途中に買い求めてもいいかも知れませんね。

とにかくこの時期、外へ出た時には公共のスペースで過ごすことも増えると思いますので、思わぬところに食中毒を引き起こす菌が付いていることを考えるべきだと思います。トイレから出る時や食事の前には必ず手洗いをし、自分で焼く肉はしっかり焼くことはもちろん、直接口に入れる箸やスプーンでは生の肉を触らない。これらのことを守るだけでも食中毒になる危険性を減らすことができるので、旅先ではぜひ実践してみてください。


「プレミアムフライデー」2017年2月から実施されると?

月末の金曜日、可能ならば午後3時で仕事を終わらせることで金曜の夕方から休む社会を作ろうと、政府主導で「プレミアムフライデー」構想が実施される運びになったとのニュースがありました。恐らく2017年2月24日に第一回のプレミアムフライデーの実施がなされ、午後3時で業務が終了する企業が出てくるだろうと思います。

果たしてこんな風に早く仕事を終わられることができるのかという疑問が湧くとは思いますが、昔は土曜日でも半日は働いていたところが一日休みになったように、月一回だけの限定なら大手企業を中心に普通にやっていくことも不可能ではないように思います。政府や経団連ではこうした仕事から離れる時間を増やすことで消費の増加をという目論見もあるようですが、お金を使わずに過ごす時間というのも工夫仕第で作ることができますし、プレミアムフライデーが実施されたら、その時間をどのように有効に使うかということは利用する側でも考えておくことが必要だと思います。

このプレミアムフライデー実施により伸びが期待されるのが旅行業界だという報道が一部あります。普通なら金曜日の深夜から土曜日の朝にかけて出発していたのが、うまくいけば月に一回金曜日の夕方に出発できる環境が整ったということにより、より遠くへ行くもよし、飛行機を使えばその日の夕食を旅行先で食べるような日程を組めるようになることで、行動計画も立てやすくなりました。これは、車中泊の旅についても同様の事が言えるでしょう。

今までは家族旅行でも仕事をやっているお父さんお母さんが帰ってきて仕度をしてということになると出発時間がどうしても遅くなりがちでしたが、もしプレミアムフライデーに早く帰って来られるなら、子供の帰ってくるのを待ってすぐ出発することもできるようになるでしょう。全ての日程で車中泊をするのではなしに、金曜日にどこかで夕食を取りつつできるだけ遠くまで行き金曜日に車中泊し、土曜日は早朝から遊べる施設に行くような日程にし、一日遊んだところで土曜日は家族で楽しめる宿に宿泊して日曜日にはゆっくりと帰るというような形なら、一人お父さんが運転するような事でも無理をせずに全ての行程を終えられるのではないでしょうか。

一人で体力に自信のある人が出掛けられるなら、かなり遠くまで出掛けられると思うのですが、スタートが早くなる分、高速道路を利用する場合には金曜日の23時59分までに高速道路を出てしまうとETCの休日割引が使えなくなってしまうので注意が必要です。逆に言うと、夕方から深夜まで高速道路に乗り続けるような遠方へ行くか、途中のサービスエリアなどで仮眠を取るような日程でないと、せっかくのプレミアムフライデーのメリットを金銭的に受けられない事にもなるでしょう。

逆に言うと、多くの人をプレミアムフライデーで旅に行ってもらい、多くのお金を落とさせたいと考えている方がいるのなら、高速道路のサービスエリア駐車場の中で自家用車が仮眠を取ることを認める方向で施設を整備していただいた方が、金曜から土曜にかけて車で遠方へ出掛けようと思う人が増えるのでサービスエリアの売リ上増にも繋がるし、高速を降りた場所にある観光地にも人が多く訪れて活性化する可能性も出てくると思います。

また、こうした事に全く関係ないような自営業者についても、このような試みは有難いところもあると思われます。というのも、周りが誰も休んでいないのに自分だけ遊びに行くことに躊躇する人も少なくないと思うので、普通に社会の中でプレミアムフライデーが実施されるようになれば、その日には早く店を閉めてもいいかなと思って休みにして出掛ける人も出てくるのではないかと思います。ともあれ、ニュースになるだけのかけ声で大々的に行なうことが予定されているのですから、より多くの企業がこの動きに賛同し、本当に月末の金曜夕方から遊びに行ける環境が整うことを期待したいと思います。


高速道路のSA・PA活用法を国土交通省が提唱

年末年始やゴールデンウィーク、夏のお盆の時期にはどうしても高速道路に車が集中してしまい、多くのドライバーにとってストレスが溜まる時期になります。レジャー利用だけでなく車中泊や仮眠を車内でする人にとっては大変な時期になりますが、SA・PAが混んでくればくるほどトラブルの種になるのが駐車場所の確保をどうするかというところになるでしょう。

レジャーで移動する側からするととにかく空いている所に停めたくなってしまいますが、そうなると困るのが仕事として荷物の輸送を行なうトラックドライバーです。彼らとしては遊びで車を使ったり、好んで車中泊をするわけではないのですから、大型車のスペースまで小型車が侵入してくるというのはかなり腹の立つ事に見えるでしょう。夜中に休めると思ってSA・PAに入って来たトラックが、全く停める所すらないというような状況になったとしたら、休まないでさらに進むしかないわけで、大きな事故の発生も懸念されます。

先日テレビを見ていたら、国土交通省がトラック輸送の省人化および生産性自体の向上もはかるための実験を行なっていることがニュースになっていました。今ある普通のトラックにさらに車両を付けた「ダブル連結トラック」の導入を目指しているというのが一つですが、個人的に興味深かったのは「高速道路のSA・PA を活用した中継輸送実験」というものです。

私が見たニュースでは実験に参加した企業が三重県鈴鹿市から群馬県太田市へ荷物をやり取りするのに、鈴鹿市と太田市から一台ずつ同時にスタートするのがポイントになります。スタートした二台は、このルートのほぼ真ん中である静岡県中部の新東名清水PAまで移動したところで、このSAの特徴を生かして車中泊を回避するのです。

高速道路のサービスエリアには上りと下りは別のところも多いですが、清水PAの場合は施設は共用で駐車スペースだけが上り下りで分けられています。つまり、車の行き来はできませんが人の行き来はできるということで、お互いのドライバーがキーを交換して車を乗り換えることで、本来なら鈴鹿市から太田市まで(もちろんその逆も)を一直線に走り続ける必要があった運行を、それぞれ鈴鹿市から清水までと、太田市から清水までの往復運行に変えることができるのです。

そうなれば来た道を帰る事になるので休憩は取るにしても車中泊はせずに自宅に帰って寝ることも可能になるので、かなりドライバーの負担が減るのではないかと期待されるわけです。もちろん、ドライバーが入れ替わるためには駐車スペースをしっかり確保したり、お互いの運行状況について連絡を取りながら交替地までの時間的なロスをできるだけ無くす事が必要ですが、なかなか面白い試みではないかと思えます。

こうした運送業者さんのトラックの利用方法が普通になれば、一般ドライバーのSA・PAの利用方法も変わってくるかも知れません。ただ、車中泊する大型車が減るからといって、夜間に指定外の場所に無茶な停め方をしたり、駐車エリアに車を残して長時間停めたままにするようなことがあれば逆に一般車への規制が入ってくる可能性もあります。

一つ言えることはこうした実験が行なわれるにしたがってSA・PAの利用方法も変わってくる可能性があるということです。それが仮眠や車中泊をする人にとって追い風となるのかそうならないのかはわかりませんが、SA・PAは長時間の運転を避けるための休憩施設というところだけは変わらないで変に仮眠すら規制されることがないようにお願いしたいものです。


こんな時だからこそ車の設計に「災害対応」を

熊本の地震から3ヶ月経ち、先日になってようやく崩壊を免れている熊本城の修復についての映像がテレビから流れてきて、さらには補助による九州への旅行に割引きが出るチケット「九州ふっこう割」も売れゆきが好調らしいとのことで、ようやく復興に向けての流れが出てきたように感じています。

そんな中、政府では4月に発生した熊本地震の初動対応に関する検証報告書を公表し、その中で車中泊をしている人の把握がうまくできなかったということと、同様の災害で車中泊を解消するために、避難所確保などの改善策を年内にまとめる方針だという事です。

こうして内容を紹介すると、車中泊をしている人というのは避難をしている人の把握を難しくしていて、更にはエコノミークラス症候群になる可能性もあるので、できるだけ車中泊をさせないという方向性を政府が打ち出していることがわかります。

今後、避難所を確保して今回の地震で車中泊をしていた人を誘導するための改善策を出すならば、そもそも多くの人が車中泊をせざるを得ない原因もつぶしていく必要が出てくるでしょう。具体的には、

・ペットの避難場所の確保も同時に行なう
・就学児未満の子供のいる家族の避難場所は一般とは別に確保する
・避難所内での近隣トラブルを未然に解消するための人員を確保する

今思い付くだけでもこれだけの事はしっかりと対策しないと、避難所に行かないで車中泊をする人を減らすことはできないように思えます。避難生活における車中泊というのは体を伸ばして寝ることができないというケースにおいて生命の危険もあるということで、車中泊はしないで欲しいというような論評も多く、このブログでも無理な姿勢で車の中で寝るよりも、足を伸ばして避難所で寝る方がいいということは書いてきましたが、今後の災害対策ということで考えるなら、あえて車中泊できる環境を作るような取り組みも有りなのではないかとも思えます。

現在日本で売られている車には様々な種類がありますが、シートを折りたたんでも大きな段差が残るためそうした車の中で車中泊を強行するには、単にシートを倒しただけで体に負担が出るような寝かたしかできないケースが多くありました。もし政府レベルでいざという時の対応を考えてくれるのなら、国内の自動車メーカーに打診してシートを倒して前列と後列が一直線になる形でフラットになるような車も設計して欲しいと頼むこともできるのではないかと思います。

例えばセダンタイプの車であってもトランクスペースまで使えるようなシートアレンジにして、さらに前席とつなげてミッションもフロアにすれば、大きめのエアマットを敷けば家族で足を伸ばしていざという時は寝られる車となります。非災害時には車中泊用として使い、いざという時にはエコノミークラス症候群発生の恐れなく車中泊できる車が多くなっていけば、あえて避難所拡充という対策を取らなくても、とりあえずは車内に避難できる環境は整うわけです。

車のメーカーとしてもいざという時には車の中で足を伸ばして寝られるという事はいわゆる災害シェルターの代わりになるということで、セールスポイントの一つになるような気もするのですが。少なくとも今回の熊本地震ではきちんと避難場所が用意されていてもあえて車中泊を続けた人が多くいたわけですから、車中泊の環境を上げる方策も同時に取って行って欲しいと思います。