熱海駅でいよいよ、宇都宮駅直通の普通列車に乗り換えます。静岡県民が夜にこういう電車に乗って寝過ごした場合、気付いたら北関東に行ってしまうという恐怖の電車であるとも言えますが、今回の旅の移動手段という点で言えば、実に快適な旅を提供してくれる電車であるという事が言えるでしょう。
一般的にJR東日本を走る普通列車のグリーン車は、4号車および5号車の2両が連結されており、2階建て車両になっています。そこで、乗る際には1階か2階かという選択を迫られることになります。実は、選択にはもう一つあります。というのも、車両の両端は移動できるように狭いスペースが有り、その部分にも座席があるのです。
当日は天気も良く、海や富士山がきれいに見られる状況にありました。基本的に上り列車は右側が海側になり、左に富士山を望むという感じになりますが、富士山については右からきれいに見られる場所もあり、見たいものによって座る場所を決めるというのがポイントでしょう。2階からの方が上から景色が見られるので景色を見たい方には良いですし、1階はホームの下から見上げるような形になるので、これはこれで非日常の世界を体験できます。また、2階よりも1階の方が人は少ないと思うので、まさにお好みでということになるでしょうか。
私自身は2階でも1階でもない平屋部分の方が定員も少なく、1階・2階席には設置されていない上部の網棚(実際は網ではない)が設置されていて、4号車と5号車の間であればグリーン車専用のトイレ・洗面所にすぐ行け、さらにゴミ捨てスペースにも近いので、その方が良かったのですが、今回は初めてこの列車を使う人が2階から景色を見たいという声に応えて、2階に上がりました。
前回紹介したように、グリーン車利用については、Suicaでタッチは使わずに、普通列車のグリーン券をみどりの窓口で事前購入してから乗り込みました。当然、そのままだと座席の上のランプは人が乗っていない事を示す赤ランプが付いたまま(グリーン車乗車手続きをした場合、ランプはグリーンに変わります)なので、乗車スタッフ(アテンダント)が回ってきた時には当然、グリーン券の提示を求められます。
最初に回ってきたのは若い男性の乗務員の方で、グリーン券を見て「青春18きっぷですか?」と声を掛けられました。まさにお察しの通りですと応え、検札作業を済ませたのですが、実はその後にちょっとしたサプライズがありました。
この路線は観光路線と言うよりも、短い区間でも手軽にグリーン車を使うビジネス利用の方や、地元在住の方の移動手段ということでグリーン車を使う事がほとんどだと思うので、あからさまに観光利用だということを知らせたことで、その男性乗務員の方から乗車記念のカードをいただいたのです。上の写真が表面で、写真では見ずらいかも知れませんがカードが光の具合でキラキラ光るようになっています。
そして裏面には、まさかのアテンダントの方からの直筆のメッセージをいただいてしまいました。私自身も一人旅ではこんな事をしてもらったことはなかったので、やはり旅初心者らしい人を連れての集団旅だったからこそ、こういったサービスを受けられたのだろうと思います。これは同行者にもかなり好評だったようで、私自身としてもこういったことで電車旅を楽しんでくれて、また乗ってみたいと思ってもらえるとうれしいですね。
列車は東京から埼玉県を過ぎ、宇都宮方面に入っていきましたが、長時間の電車旅に同行者も退屈することなく、あっという間に宇都宮駅まで着いてしまいました。心配していた人身事故による遅延もなく、宇都宮駅着はちょうどお昼前だったので、いよいよ餃子食べ歩きへと出掛けることになります。
※以下に今回の旅について書いたものをリンクにしてまとめています。