Rakuten UN-LIMITとahamoがきっかけとなって起こった携帯電話料金値下げの経緯 そして今後への展望

政府が各携帯電話会社に毎月の携帯電話料金を値下げする勧告をする中で、多くの事業者が新しい料金プランを出してきましたが、今月ahamoがサービスを始めるにあたり当初発表していた5分間以内の通話定額込みの月20GBプラン「ahamo」は、サービス開始前にさらに価格を見直すという異例の展開を見せ、まさにチキンレースのように各社が魅力的なプランを出してきています。

ahamoが最初の発表をする前に意識していたのは、言うまでもなく第四のキャリアとして参入してきた楽天の「Rakuten UN-LIMIT」の月額2,980円(料金は以降の料金についての表記も税別表示ですが、300万回線に達するまでは1年間無料)だったと思われます。楽天の新プランは楽天エリアならデータ使い放題・通話もアプリの楽天LINKを介したものではありますが追加料金なしのかけ放題ということで、この内容と戦うには相当思い切らなければならなかったでしょう。ただ楽天がサービスを開始した当初は楽天独自のエリアが整備されていなかったので、ahamoはその楽天を潰そうという気合いで、月額を楽天と同じ2,980円にし、安定してつながる自社回線のメリットを打ち出してきました。それがその後の他社の新料金の価格にも影響を与えたと言えるでしょう。

ahamoの発表を受けて、まずはMVNOの日本通信が「合理的20GBプラン」(通話月/70分まで定額・20GB/月で月額1,980円)を出し、auが「povo」、Softbankが「LINEMO」をともに通話定額なしのプランを選べて月額2,480円で出してきました。

ドコモ以外のサブブランドでもUQモバイルとワイモバイルが3GB・15GB・25GBと利用者の予算に合わせたプランを出してきました。この中でUQ・ワイモバイル3GBのプランだけが低速制限時に最大300kbpsとなりますが(日本通信はMVNOなので従来の低速200kbpsは変わりません)、その他のプラン(楽天のパートナーエリアやahamoなど三キャリアのプランも含む)は低速時でも最大1Mbpsで利用できることが当り前になりました。ここまでは日本通信を除き、昼間でも速度の大幅低下が起きにくい回線が安価に提供されるということも画期的な点です。

そんな中で、楽天が打ってきた起死回生の策がプラン名や最大料金は変わらないものの、利用するデータ量に応じて毎月の料金が変わるという「仕様変更」でした。月使用のデータ量が1GB未満なら0円、3GBまで980円、20GBまで1,980円、それ以上が2,980円と、ヘビーユーザーから節約して使おうと思っている人まで一プランで収まるアイデアに、今度は毎月のデータ量が3GB以下のプランを安く出してきたMVNOも新たな展開を迫られるようになったわけです。

MVNOではmineo・BIGLOBEなどが先行し、先日のIIJmioがデータ通信専用ながらeSIMで2GBながら月額400円、SIM有りで音声通話込みの「ギガプラン」2GBで月780円という今まででは考えられないくらいの安さで勝負しに来ています。MVNOということで、お昼のスピード低下に不安はありますが、今までは音声回線付きのデータプランでは最安でも千円以上かかっていたことを考えると、楽天が修正プランを出してきたことで、とりあえず電話番号付きのデータプランを契約したい場合はこのIIJmioのプランがターゲットになってきそうな感じです。

今後のスケジュールとしては、先述のahamoの修正プランの発表とともに注目されるのが同じNTT系列のMVNOであるOCNモバイルONEの新プラン発表ではないでしょうか。すでにahamoはかなりの予約を受けているということなので、povoやLINEMOとの横並びを考えたプランになると思いますが(予想を裏切るような発表であればそれはそれでうれしいですが)、OCNモバイルONEの方は楽天だけでなくIIJmioの動向も見ながらそれに対抗してプランを出す必要があるのではないかと思います。とりあえず今月はahamoとOCNモバイルONEの動向を見れば、それなりに高速を使う人、とにかく安くスマホを維持したい人、さらに通話定額が欲しい人別のプランが揃ってくるのではないかと期待しています。個人的には高速データ不要で、最大1Mbps無制限で使えるようなプランが安く出てくれないかなと思っているのですが。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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