道の駅での車中泊は今後更にいい顔をされなくなる?

今年が東京オリンピックの年で、今年を目指して日本にやってくる多くの観光客を見込んで多くのホテルが作られたり、民泊の規制緩和が行なわれたりしてきたわけですが、さらに将来に渡って地方でのホテル建設計画があるということを知りました。

これは、共同通信が住宅メーカーの積水ハウス社長の仲井嘉浩氏に取材したインタビュー記事に端を発しています。積水ハウスでは、各地の「道の駅」周辺を中心にホテルを展開する計画があるのだそうで、どのくらいの規模かというと、全国23道府県で計約3千室を提供するのだそう。

まずは2020年秋以降に栃木、岐阜、三重、京都、奈良、和歌山の6府県で15施設、約1150室を開業し、その後さらに開業を加速していくのだそうです。ただ、ホテル運営は積水ハウスが行なうのではなく、アメリカのマリオット・インターナショナルとタッグを組んで施工を積水ハウスが行ない、運営をマリオット・インターナショナルが行なう予定だということです。

これはもしや、日本では全国チェーンになっている「旅籠屋」さんのようなアメリカのモーテルのような安宿かと思いきや、そうではないようです。訪日観光客を主に狙い、地域と密着した経営にするためホテルでは基本宿泊特化型にして、一室あたりの料金は1万円から1万5千円くらいのものを想定しているそうなので、いわゆる安宿では全くなく、ビジテスホテルでもない快適さを提供する空間を考えているのではないかと思います。地域密着のため、食事や観光を道の駅を中心とした地域とタッグを組んで行なっていくという話なのですが、確かに一定の需要はあると思います。

先日、中国からこの旧正月にやってくる観光客のホテル志向についてのテレビニュースのレポートが有り、彼らは必ずしも安い価格というものを追求しないのだという実情があることがわかりました。これは確かに思い当たるところがあって、過去に日本に来て炊飯器を買い漁るような状況があった時、「高級機をディスカウントして安く手に入れる」よりも、「日本円で10万円以上する高級機をそのまま買う」ことに意味を見出す人が少なからずいたというのと似ています(つまり自分の家では10万円を出して炊飯器を買える財力があるということ(^^;))。一泊5千円前後のビジネスホテルではステータスが満たされないという人が多くいる中国からの観光客を取り込むには、確かにマリオット・インターナショナルの運営する素泊まりに近い状態でもそれなりの宿泊料がかかるホテルの方が人気になるということは十分に考えられることです。

ただ、こうした高級志向のホテルが道の駅の周辺にできるということになると、今まで以上に道の駅の駐車場で仮眠を取るような人は地域に落とすお金が少ないということになるので、地元の人たちからはあまりいい顔をされなくなるかも知れません。

日本国内を車で家族全員が旅をするような場合、できれば家族5人くらいまで一室の料金で使えるようなリーズナブルな宿があった方が少なくとも私はいいですが、私自身が積水ハウスの作るホテルを使うかどうかは、あくまで料金に見合った設備やサービスが行なわれるかどうかを把握してからということになるでしょう。まあ、そんな事を考えている間にも多くの訪日観光客がそのホテルを占拠するほど繁盛し、もし宿泊したとしてもその場所が日本なのか海外なのかわからなくなくなるのなら、改めて宿泊するかどうかを考えてしまうでしょう。ただ、日本好きな海外の人が増えていけば、今まではあまり海外からの観光客が行かなかったような場所に行きたくなるのは道理で、そこまで考えてのホテル建設計画だと捉えることもできます。

そうは言っても最近の京都をはじめとして、京都駅からの市バスにも満足に乗れなくなってしまい、京都駅から三十三間堂で降りたいのに大量に乗っている観光客に遮られて清水寺までバスを降りられないような状況が海外からの観光客によって起こっている中、もはや京都というのはわざわざ観光で訪れようとは思えなくなっている自分がいます。車中泊込みの旅で出掛けるというのはできるだけ日常生活とはかけ離れた体験をしたいと思っている所が私にはあるので、逆にこうした計画が明らかになったことで、自分の目的地がホテルができる近くの道の駅を避けるような形になっていくのかとも思います。道の駅の目的というのは作られた時から変わっていることは確かではありますが、これで逆に、鉄道駅近くの安いビジネスホテルの空きが出るようになれば安いコストで旅をしたいと思っている方にはいいニュースになるかも知れませんね。


カテゴリー: 地域情報・イベント | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す