MVNOの良さは「安さ」だけではない

ここに来て、今契約している格安SIMの構成を変えてみようと思い立ちました。先日、サブ回線として使っていたドコモ回線のWonderlinkを今月いっぱいで解約したので、残っているデータ専用回線はLINEモバイルのスタンダードプラン(ドコモ回線)、イオンモバイル1GBプラン(au回線)と、ロケットモバイル神プラン(ドコモ回線)の3つも残っているのですが、この3つの契約を合わせても1,500円も行かないくらいの安い維持費なのですが、どれも最安プランなのでいざという時に不安が出てきたのも確かです。

というのも、先日起こった北海道での地震の時に思ったのですが、停電になるとまず間違いなく自宅で使っているインターネット回線は電気が復旧するまで使えなくなります。その間はモバイル回線を予備に使うことになるのですが、メールやウェブの見るくらいならいいですし、低速無制限のロケットモバイル神プランでもradikoや音楽くらいはストリーミングで聞けるのでいいのですが、動画については特にYouTubeは時間帯によっては最低画質で何とか我慢すれば見られるものの、かなり頻繁に一時停止してしまいます。

せめてYouTubeでライブ放送している「ウェザーニュース」が止まらないで流し続けられる程度のプランを出しているところと再契約することを考えているのですが、2018年9月現在では、他サイトのお勧めとして挙がるのが楽天モバイルの「スーパーホーダイ」があります。このプランは何と2年間は月々1,480円(高速クーポン2GBのプランSで契約の場合)で利用でき、さらに通話定額が10分も利用できるだけでなく、データ通信においても時間による制限はあるものの、高速クーポンを使い切った後でも最大1Mbpsという中速を通り越したストレスなく動画を見られるスピードで利用が可能なプランです。

先日私が解約したWonderlinkは同じように高速クーポンを使い切った場合には最大700kbpsのスピードが出るもののデータ通信専用SIMで1,580円(税抜価格)というスーパーホーダイよりも高いということで、確かに楽天モバイルの方が安くてさらにできることも多く、2つのプランを比べたら勝負にならないという感じもします。しかし、この月々1,480円のスーパーホーダイは、ある意味採算を度外視した今だけのプランということも言えるもので、将来の第4の通信業者としてこのプランがどう変化していくかということはにわかにはわかりません。そして、実は月々1,480円という価格にもカラクリがあるということも忘れてはいけないでしょう。楽天モバイルの公式ページにある説明には以下のような記述があります。

(引用ここから)

「スーパーホーダイ」では最低利用期間を1年、2年、3年の中から選択でき、(中略)3年を選んだ場合は2年間の月額基本料から毎月1,000円、2年を選んだ場合は2年間の月額基本料から毎月500円を割り引く「長期割」を適用します(注3)。加えて、楽天会員の場合「楽天会員割」として最低利用期間に関係なく2年間500円の割引が適用されます。

(引用ここまで)

つまり、スーパーホーダイを月々1,480円で利用する場合には、3年間の長期契約を楽天モバイルと結び、月々1,480円で利用できるのは2年間だけで、それ以降は「長期割」と「楽天会員割」(非楽天会員の場合でも同時申込で割引きを付ける人がほとんどでしょう)の合計1,500円がなくなり、2,980円がかかってくるということになります。

個人的には最初からスーパーホーダイのプランSが月額2,980円でも十分安いと思いますので、もしかしたら3年のうちに気が変わってしまうことを予想し、長期の縛りに違和感を感じる場合には縛り期間の短い1年契約のパターンでの契約も十分有りだと思っています。その場合は2年間は2,480円にはなりますが、通話が10分定額でデータ通信もスマホで動画を見るくらいのクオリティが保てるわけですから、そんな格安SIMは今までなかったことを考えると、来年の今ごろにもっと画期的なプランがどこかから出るのでは? と思っている方はあえて最安にこだわる必要はないと思います。ただ、楽天モバイルがそこまでのインパクトある価格にしたのは、やはり将来第四の携帯キャリアとして多くの契約者を集めなくてはならないというところから、早めにユーザーを囲い込む戦略なのだと思います。それが、「月1,480円」という安さの代償としての「3年縛り」ということにつながってくるのだろうと思います。

さらに、今の楽天モバイルでも設定がありますが、ここにきて改めて思うのが、「格安SIM」という言葉だけが先行するような形で、安いMVNOでも端末との同時購入によって端末の価格を下げる代わりに端末を割賦販売することで長期契約をしたり、音声通話付きSIMでないと端末が安く買えなかったりするなど、単なる安さの提供ではなく、やっている事は大手キャリアと変わらないような売り方になっているということです。

今回私は、同時購入で端末を買う予定はありませんし、いつ新しいサービスをどこがやるかわからないので、できる限り長期契約をしないでいつでも引っ越せるようなデータ専用プランを契約するのがいいかなと思っています。

となると、Wonderlinkを解約すべきではなかったのか? という話にもなってくるわけですが(^^;)、低速であっても24時間のデータ利用量が1GBを超えるとスピードの制限を食らう可能性があるので、動画を見続けるような使い方では不安が出てきます。

今のところデータ通信専用のSIMで気がねなく動画を見られそうなのは、最低画質でぎりぎり何とかなりそうな「OCNモバイルONE」の低速固定200kbpsで使うか、それより品質の高い動画を見るなら「UQモバイル」の500kbpsのデータ通信無制限プランにするかというところになります。どちらの業者もNTTとauという大手キャリアと関係のあるMVNOになっています。この2つの事業者は比較的安定して公称のスピードが出ると言われています。

本当は、多くの業者がスビードの上限をうたっていながら、今までは帯域の関係でそこまでスピードが出ず、MVNO同士でもバラツキのある速度になっているということがありました。ただ、この点については政府が是正をするように通達を出していて、他のキャリアとの関係がないところでもUQモバイルやOCNモバイルONEのように安定して低速から中速くらいのスピードが出るようになれば、選択の余地はさらに広がります。この文章を書いている段階ではまだ、他のMVNOのプランでは目立ったものは見付からないので、しばらく様子を見つつ、今後の状況の変化をこの点は期待したいものです。

具体的な希望としては、自動車の燃費表示と同じで、実測の時間別のスピードを計測したものをMVNOはホームページやチラシに掲載することで、回線のクオリティを誰もがわかっている状況でユーザーがサービスを選べればいいと思います。今までユーザーの大部分はそうしたスピードの事情についてそこまで詳しくは知らず、さらに料金の問題にした方がわかりやすいために、なかなか「安定したスピード」にこだわるようなケースが少なかった気がします。ユーザーとしては、実測の数値を比較しながらいつでも解約することのできるプランの中で乗り換え先を考えるのが、日々の利用でも満足するための最も現実的な格安SIMの利用の仕方なのではないかと思っています。

カテゴリー: モバイル活用ガイド | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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