月別アーカイブ: 2011年10月

椙山三太さんとホンダ「シティ」のCM

 昨日の新聞の訃報欄で、CMディレクターの椙山三太氏が亡くなられた事を知りました。椙山さんのお知り合いの方のブログによると、数年前に脳溢血で倒れ、ずっと意識がなかったとのことですが、全くそのような状況にあったことを知らなかったので、突然のことでびっくりしました。新聞やネットニュースの紹介では大橋巨泉氏の「ハッパふみふみ」の万年筆のCMや、サミー・デービス・ジュニアのウィスキーのCMが代表作という風に紹介しているところがほとんどです。しかしながら私としてはやはりホンダ「シティ」のCMを作った人としての印象が大変強いので、なぜこのことがあまり出ていないのかというところについ不満を持ってしまい、こんな文章を書く気になりました。

 コマーシャルで紹介される以前も、UKでは出す曲がことごとくチャートインする活躍をみせていたバンド「マッドネス」も日本での知名度はそれほど高くなかったため、このコマーシャルによって知った方も多かったでしょう。聴いていてとにかく楽しくなるようなサウンドは、このコマーシャル用に作られたもので、何と作曲者はマッドネスのメンバーではなく、井上大輔氏だと聞いてまたびっくり。私はそれまで日本のポップミュージックというのはアメリカやUKのものと比べてはまだまだ太刀打ち出来ないのではと思っていたのですが、この事実を知って日本の音楽業界についての認識が変わりました。ムカデ競争のようなパフォーマンスは以前から行なわれていた彼ら独特のもので、コマーシャルのために作られたものではありませんが、スポンサー名を連呼する手法や楽器を持って行列するのはチンドン屋さんを連想させ、当時から見ても古くさい手法であったに関わらず、出演者と音楽・演出をうまくアレンジすることにより実に新しく、見ていてワクワクするようなコマーシャルに仕上げた腕というのは、さすがだなと当時から感心して見ていたことを思い出します。

 そして、忘れてはいけないのは「シティ」自体の車としての魅力です。当時はまだ本田宗一郎氏がホンダの経営者として活躍していた時期でしたが、この車は当時の若手社員がすべて取り仕切って作った新たなコンセプトの車ということで、その魅力を知らしめるためのテレビコマーシャルの威力は絶大でした。従来の乗用車と違った背の高いスタイリングに、「モトコンポ」というスクーターをハッチバックを開けて出し入れできるという遊びのための車というイメージを十分に伝えていたのではないかと思います。これ以降背が高く収納を充実した車の面白さが認知され、それがホンダだけの事ではなく、メーカーは違いますがワゴンRや新型ソリオ、ダイハツムーヴのような一連の車にも影響を与えたのではないかとすら思います。

 今後、こうした人をワクワクさせてくれるような車が出てくるのかどうかはわかりませんが、車を作っているメーカーの力だけではなく、さまざまな人たちが評価することによってよりよく変化するというのは、このシティから派生して行った多くの車が出てきたということにちゃんと表れています。しかし現在、そうした安定の上にあぐらをかいたままで冒険をしなければ、新車販売も尻すぼみになっていくのではないでしょうか。単なる燃費がいい車をその性能を中心に紹介するのではなく、こんな面白いことができるという強烈なメッセージを消費者に訴えかけるような車のコマーシャルを私は待っています。できればシートアレンジで車中泊がしやすい車であればさらに嬉しいですが(^^;)。


修行のような旅もやり方次第で面白い

 衛星放送のBSジャパンで、以前テレビ東京で放送された路線バスによる長距離の旅のシリーズ「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が放送されています。基本的に鉄道や高速バスは使わず、ひたすら路線バスを利用して目的地を目指すのですが、これがなかなか厳しい旅なのですね。行き先に着くまでその後の行程が確保されるかわからないので(複数のバス会社をまたいで乗車するので)、宿泊の予約も現地へ行ってからになるということは、最悪の場合野宿も覚悟しなければならないこともあり得ます。ちなみに、第2回の放送では東京から京都へと行かれていたのですが、そこで通った私の住んでいる静岡県では、交通の難所といわれている由比から興津へ抜けるさった峠(機種依存文字のためかなで表記させていただいております)を通る路線バスは運行されていなかったりします。そういった場合のみは例外としてタクシーに乗って移動するのが認められているようで、由比駅から興津駅まではタクシーで移動していました。

 テレビ番組の企画で予算のことは考えなくてもいいとはいえ、見ている分にはいいとしても実際に同じことをやろうと思う方はなかなかいないと思います。こんな旅をするくらいなら、全行程一人で運転する車中泊の旅の方がいかに気軽で楽に行程をこなせることかと思う方もいるでしょう。しかし、番組を見た方ならおわかりかと思いますが、そうした比較はしてもしょうがありませんし、番組の演出がどの程度あるのかという事を差し引いてみても、次の展開が読めないという点ではこういう旅のやり方もありではないかと思わせるものがあります。

 私自身の旅のやり方として、できるだけ事前に調べたり、行く先でもカーナビやパソコン、スマートフォンなどを使ってできるだけスムーズに進むことを目的にている点がありました。そんなやり方を捨て、とりあえずの目的地だけを設定して大まかに地図は見ても、道路上の標識や看板だけを頼りにできるだけ幹線国道を使わずに適当に進み、面白そうな場所を見付けたらブログのネタにもなるということで、積極的に寄り道し、その過程で失敗してとんでもない状況の中で車中泊をすることになってもそれを受け入れるだけの覚悟があれば、かなりスリリングな旅を体験できるかもしれません。

 私自身が単なる観光旅行に飽きてきたという事もあるのかも知れませんが、全く土地勘のない都市を抜けることを目的とした旅(例えば西からだと東京を抜けアクアラインを渡ってゴールとか(^^;))なんていうのも試してみる価値はあるかも知れません。とにかく、行こうと思ったら何の用意もせずにすぐ出掛けられ、宿が取れなくても全く問題ないという車中泊環境があるからできる旅というのも今後はやっても面白いかなと思います。


いざという時の車両牽引について

 今日いきなり知り合いに呼び出されまして、故障車の牽引を頼まれました。私の車の中には念のため牽引用のロープを忍ばせておいたので、それを見越して声がかかった次第です。安全のためにはレッカーを呼んで動かしてもらうのが一番いいとは思うのですが、今回は牽引する距離がそれほど遠くはないということと、ロードサービスに頼むと料金はともかく時間がかなりかかりそうだということで、近くの修理屋さんまでその知り合いと一緒に動かすことにしました。

 基本的に牽引して車を移動させる場合は、前の車はできるだけゆっくり発進し急ブレーキをかけないことが大事で、停まる際には手などで後ろの車へ速度を落とすことをしっかり知らせるのも大事なことです。速度は闇雲に上げず、それが原因で渋滞を引き起こしたとしても安全に牽引できる速度を保って進むことを心がけます。

 そして、今回私は後ろの故障車に乗って動かしたのですが、実際問題として後ろを走る方が大変だと言われます。結局知り合いの方は後に乗って動かすことに自信がないということで私を呼んだらしいのですが、こちらもそんなに牽引を行っているわけではないのではらはらしながら運転したのでした。故障の内容はエンジンがかからないということで、とりあえずハザードランプを点灯させ、座席を普段よりも前に移動させます。というのも、エンジンがかかっていない状態の車でブレーキペダルを踏んでも、通常のようにすぐにブレーキが効かないのです。エンジンをかけないとパワーステアリングが効かないのと同じで、ブレーキも力いっぱい踏み込まないと制動を止められないのです。いざというときのために常にブレーキペダルに足をかけて前の自分の車にぶつからないよう、牽引ロープがたるまないように気を付けます。ちょっとたるみを見付けたらブレーキを踏み、ピンと張るように注意しながら進みます。信号で止まる時にも前の車の状況を確認しながらブレーキにより車のスピードを落とし、ロープを張った状態で双方の車が停まるようにします。そうしないと、もし勢いよく前の車が発進してしまったとしたら、かなり強い力がロープにかかりますので、ロープの強度にもよりますが、いきなり切れてしまう可能性もあります。何とか無事に目的地に着き、お礼を言われて帰ってきましたが、あんまりこういうことはまたやりたいとは思いませんね(^^;)。

 牽引した経験がない方の場合、安全に車を牽引によって移動させることは難しいかも知れませんが、状況によってはとりあえず安全なところまで移動させるために牽引する必要が出てくる場合もあるでしょう。そうなったら、とにかく牽引ロープをたるませないように注意してください。もし、他に車の来ないところで下り坂があったら、一度エンジンをストップした状態でブレーキがどの程度利くのか試してみるのもいいかも知れません。旅先のトラブルで自分で何ともできなそうな場合はロードサービスに頼むのは原則だと思いますが、電話が通じないとどうしようもありませんから、そうした際には自分で何とかする覚悟を決めることも大切です。旅の前にはタイヤ交換とともに、牽引の方法についてもおさらいしておくことをお勧めします。


新たな充電技術と電池の互換性

 先日、リチウムの代わりにナトリウムを使った充電池の研究について紹介したばかりですが、今度は大阪大学の研究チームが別の方法でレアメタルを使わずに大容量の充電池を実用化するための開発に成功したという話が入ってきました。

 有機分子「トリオキソトリアンギュレン(TOT)」を使用しての電池だという事ですが、携帯電話やスマートフォン用に使えるだけの安全性が保てるのかなどまだ実用化に向けてのハードルは越えなければならない所は多いと思いますが、これら新技術で家庭用の電気が賄えるだけの大容量の充電池が安価に提供されるようになれば、日本だけでなく世界のためにもなるでしょう。

 ナトリウムやTOTを使った電池は、まさにリチウムイオン電池に代わるものとしてという事で期待されていますが、これらは従来の電池のように満充電に時間がかかります。家庭用としては夜間電力を蓄電し、昼間に使うのに最適な電池となるでしょう。当然、電気自動車やハイブリッドカーの電源としても期待の技術であると言えます。

 そして蓄電池の技術としてもう一つのキャパシタを以前紹介した事がありましたが、もしこれの大容量化が可能になれば、太陽光や風力で作った電気を効率よく貯めるのに適していると言えそうです。車中泊カーにはサブバッテリーの代わりに大容量のキャパシタを積んだ方が少し走っただけでも早く満充電にすることができるでしょうし、車の屋根に太陽電池を仕込んでもそれなりに車内で使う電力分くらいを貯められるかも知れません。ただ現状では電気自動車にキャパシタを使った場合は、長距離の走行をカバーするには足りないとのことなので、将来の電気自動車には普通の電池とキャパシタの双方を載せるようになるでしょう。

 そう考えると、今電気自動車やハイブリッドカーを購入するのは、あくまでそうした究極の電池を搭載するまでのつなぎに過ぎないという事も言えそうです。でも新しい大容量電池が実現されたら、今の車にも載せ替えることのできる互換性だけは確保してほしいと思います。ハイブリッドカーの発売当初から今まで電池を利用した車を購入し、乗ってくれた人がいるからこそ電池の技術が進歩するわけですし、メーカーにはその点だけはきっちりとお願いしたいものです。


SUZUKI 新型SOLIO 開発過程からの評価

 昨日新聞のテレビ欄を見ていたら、私の住む静岡地区のみの番組として、スズキ自動車の宣伝番組とでも言うべき、「新型ソリオ開発物語」というのが放送されました。全国向けにはBS朝日にて同日放送があったので、ご覧になった方もおられるかも知れませんが、本当に企業宣伝そのものの作りでした(^^;)。ただ、この番組を視聴したおかげで、どのようにしてこの車ができたのかだいたいのことがわかりました。

 元々新型ソリオの企画を出したのは営業畑出身の役員の方だったそうで、軽自動車からステップアップしたいと考えられている人を取り込むための新しい小型車の開発が必要だと考えられていたそうです。もっと具体的に言うと、今私が乗っているワゴンRからステップアップする車というのがスズキになかったというのが一番の問題だったとか。ワゴンRは今日本で一二を争う売れ筋の車ですが、家族の人数が増えたりして手狭になってしまった場合、セールスが従来の顧客に営業をかけても、スズキにはそうした方のニーズを満たす車がないため、競合他社のミニバンの方に流れてしまうことに危機感を持って、ワゴンRを少し大きくした車の開発を他社に先駆けて行なう必要があるということで、かなり開発の途中を省略して製品化したとのこと。

 番組内でも紹介されていましたが、新型ソリオは軽自動車よりサイズに余裕があるため、リモコンを使ってスライドドアを開けて後部座席から乗り込み、そのまま運転席や助手席に乗り移ることが可能です。これは、混みいった駐車場で隣の車にぶつける恐れがないだけでなく、悪天候の際にもできるだけ車の中を濡らさずに出入りできるというメリットがあります。当然室内は広く、車高も余裕を持って取ってあるので、室内空間の広さは軽自動車とは別格であると言えるでしょう。番組の最後に、スズキの社長兼会長の鈴木修氏のインタビューがあり、現在本社から浜松駅までの間、利用している車がまさに新型ソリオなのだそうで、車内で着替えができるほど室内に余裕があると売り込んでいました。ただ、開発の話があった時にはこうした小型車の開発には疑問があったそうで、はっきり言うと売れるとは思っていなかったとのことだったというのにはびっくりしました。

 新型ソリオのその他の特徴として、部品の軽量化による燃費の向上と静粛性がありますが、こうしたものも現場のセールスが吸い上げたニーズであったでしょう。それまではワゴンRで用が足りていた家庭で、子どもの数が増えたり大きくなったりした場合、どうしても軽自動車では物足りなくなるような感じの方には確かに魅力的な車に映ります。しかしここは車中泊をテーマにしたブログなので、この車を車中泊のための車として評価してみたいと思います。

 この車の開発のコンセプトが軽自動車の売れすじの改良版を作ることであることはおわかりと思いますが、そうなると私が今使っているワゴンRとどう違うかというと、エンジンの大きさによる走行性能は除くとして、やはり居住空間の良さとスライドドアにあります。深夜でも音を抑えて出入りができ、隣の車を傷つける心配も少ないスライドドアは車中泊でも便利な装備であると言えるでしょう。

 ただ、シートアレンジを見てみると、この点はワゴンRとほとんど変わりません。2人以上で車中泊をする場合は、軽のワンボックスタイプの車やミニバンタイプのものと比べると前の席もベッドメイキングに使わなければならないという事で、荷物を多めに積んでいる場合は、寝るまでの作業に多少手間取ることも予想されます。一人で旅に出るのなら荷物は空いているスペースに移動させるだけですむため、最低限の快適さで十分ならワゴンR、さらなる快適さを求めるなら新型ソリオという感じで考えればいいような気がしますが、家族でしょっちゅう車中泊に使いたいという事なら、もう少しベッドメイキングしやすい車の方も検討した方が無難だと思います。

 そうは言っても、助手席を前に倒して手足を伸ばして寝られるスペースが作れるだけでも他社の車と比べてのメリットでしょう。ノーマル仕様のまま2名で快適に車中泊をしたいような場合、私ならコット(キャンプ用の組み立て式ベッド)を助手席側に設営し、コットの下のスペースに荷物を押し込むことで何とか運転席側の方も寝られるように作れるのではないかと思っています。主に一人で出掛けるものの、たまには2人でという場合におすすめです。参考までに、私がワゴンRで試したボイジャーコットの設営の様子を以下に紹介しておきます。

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 新型ソリオは当然ワゴンRより横幅が広くゆったりしているので、これでも何とかなるでしょう。コットの方は在庫さえあれば円高の影響もありそれほど費用はかかりませんので、高いお金を出して専用のフラットマットを誂える前に試すのもいいかと思います。ただ本音を言えば、標準のシートアレンジで家族が川の字で寝られるような設計で小型車を作ってくれないかなと思うのですが。


PlayStation Vita 争奪競争に巻き込まれる前に

このブログでも何回かその動向について紹介させていただいたソニーの新しいポータブルゲーム機PlayStation Vitaの事前予約が昨日ネットや実店舗で行われました。午前0時からネットでの予約を開始した大手通販サイトは一瞬で予定数の予約を完了してしまっているため、追加で予約を受付するのかどうかはわかりませんが、実際の発売日である12月には、iPhoneとは比較にならないほど多くの人が発売日に手に入れるために争奪戦が繰り広げられるでしょう。

これだけ人気があると、またぞろ定価で購入して高値で売りぬけようとする輩が続出するのはすでに確実といった勢いです。残念ながら私は発売日に購入できそうになく、こうした争奪戦に参加するつもりもないので、発売日にすぐレビューをお届けすることはできそうにありません。しかしここだけは声を大にして言いたいのですが、いくらお子さんにせがまれたとしても、転売をもくろむ人から高いお金を出してまでクリスマスに間に合わせようとか、そんなことは考えない方がいいと思います。

今年の東日本大震災であらゆるものが買い占められ、特にラジオや懐中電灯、ランタンの価格がぼったくりに近いほど急上昇しましたが、現在家電店では潤沢にそうした製品が陳列されているのにも関わらず、競って買いに走る状況はありません。ひとときの狂乱の時期さえ過ぎれば、品物は潤沢に供給されます。もっとも、以前の携帯ゲーム機の売り方と同じように設定された定価からディスカウントされることはないでしょうが、いつでもどこでも買えるようにならなければメーカーとしても困るわけで、大手量販店における抽選や整理券発行による販売で買うならともかく、ちょっとの間我慢するだけで手に入るのですから焦ることはないわけです。

さらに、ゲーム以外にさまざまな機能を使うためには専用のメモリーカードを同時に購入する必要というのも考えなければなりません。その他、液晶保護シートやケース、クレードルなど本体価格以上にかかる費用が多いのもこうした製品の特徴でありますし、こうした周辺機器の導入費用を加味すると、プレミアム価格で買うことのバカバカしさがはっきりしてくるのではないでしょうか。

ちなみに、私は以前にも書きましたが、カーナビ&ドライブレコーダーとして使えそうなソフトが出たら、内容を吟味し、使えそうだと判断したらソフトだけは先におさえると思います(^^;)。しかし、そのようなソフトが出るかどうかは現時点ではわかりませんし、今の時点で予約しても私の目的に合った使い方ができるかわからないうちは、にわかには手を出せないというのが正直なところです。どちらにしてもまず何にPlayStation Vitaを使うかという明確なビジョンがないまま予約を先にするよりも、今後出てくるであろうハードやソフトの情報を十分吟味してから買うかどうかの判断をするのが大事でしょう。

ちなみに、ゲーム機として利用するのとは別に、旅のお伴としてネット接続を前提に使うことを主な目的にPlayStation Vita購入を考えられている場合、あえてすぐ購入しないで、安いアンドロイドのタブレット端末を先に手に入れるという選択もあり得ます。このくらいの価格で比較するならば、Wi-Fi接続のみということはありますが、最近の新製品情報で注目されるのが、Lenovoから新しく出る「IdeaPad Tablet A1」というAndroid 2.3搭載7型画面タブレットです。実勢価格は16GBモデルが2万7000円前後、2GBモデルが2万円以下で販売されるようなので、価格面ではPlayStation Vitaが特別安いわけではない事がわかります。これもまだ出ていないのでうっかりしたことは言えませんが(^^;)、アンドロイドOSで使えるということは大体の利用シーンも想像できますし、私もGalaxy Tabを持っていなかったら買ってしまったかも知れません。とにかく、せっかく買ってもすぐに使わなくなってしまうことがないように、事前の情報収集はちゃんとやって、自分の利用シーンで役に立つのはどれかという事を考えていれば、お金を無駄にするようなことにはならないような気がします。


Willcom SOCIUS で強引にwebページを見よう!

 昨日はiPhone4Sがauとsoftbankで販売を開始しましたが、今の旬のものを最も注目されている時に使うというのは実にワクワクすることでしょう。スマートフォンの持つさまざまな機能を使えば旅行にも役に立つものですし、手に入れられた方は十分にその魅力を堪能してください。

 ただ、全ての人がiPhoneにした方がいいかというとそういうものでもありません。一度機種変更をすると端末代金を分割で支払っている方は残債を一括で支払うのでなければ最長2年間の割賦支払い期間を終了しないとなりませんし、今ある端末をいかに活用して使うかといったアプローチも大切だろうと思います。

 今回、紹介しようと思うウィルコムの通話に特化した端末、SOCIUSの更なる利用法ですが、この端末はカメラなしブラウザなしというある意味スマートフォンからすると全く逆のコンセプトで開発されたようなモデルです。データ通信はスマートフォンでする代わりに、通話は全てこの端末にまとめ、Bluetooth経由でスマートフォンの方の発着信もSOCIUSでできてしまうというのが売りのモデルです。

 料金体系はウィルコム同士24時間無料の新ウィルコム定額プランS1,450円というのが主で、さらにだれとでも定額980円を追加すると国内通話(ウィルコム以外)は月500回までなら1回の通話10分以内については固定費以上の課金がされません。ただ、ここで一つ忘れがちのポイントがあるのですが、新ウィルコム定額プランSの特徴としてもう一つ、ウィルコムのアドレスを使ったemailの送受信料が無料(つまり定額料金に含まれるということ)ということがあります。

 こうしたメール無料を生かす端末として、普通はカメラ付きのモデルを選び、友人とのメールのやり取りに使うというのが一般的だとは思いますが、実はもう一つウィルコム限定での活用の方法があることはあまり知られていないのではないでしょうか。それが、メールを利用してウェブページを読むことができる「メール銀河」というシステムです。

http://yuki-lab.jp/ginga/mailginga.html

 こちらのリンクに詳しい使い方や設定の仕方が紹介されていますのでここではその内容について改めて紹介はしませんが、テキストベースのウェブページを読むにはこれはこれで十分だと私は思います。このシステムを使えばメールの送受信だけで完結するため、追加のパケット料金も発生しませんし、スマートフォンをwi-fiモデムやWimaxで利用していて、ネット接続に時間がかかるような場合でもメール銀河の仕組みを使えばそちらの方が必要な情報にたどり着くのは早いかも知れません。

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 ただし全てテキストになって配信されてくるため、いくらかの対策は必要です。ブログや掲示板を読む際にはパソコン用のページアドレスではなく携帯電話用のページでアクセスする方がいいでしょう(写真は、メール銀河を使ってこのブログの携帯電話用のページにアクセスした結果の画面です)。なお、派生的な利用法としてgoogle検索やWikipedia検索をしてくれる設定もあります。旅先で出会った人名や史跡など、詳しく知りたい場合はWikipedia検索を利用すれば、簡単に詳しい情報をすぐに入手できます。

 ウィルコムのデータ通信というのは携帯電話やWimaxと比べてしまうとどうしても劣る部分はありますが、通話用にウィルコムの電話機を導入された方はほぼ新ウィルコム定額プランSで契約していると思いますので、ぜひ一度メール銀河を試してみてください。また、スマートフォンで登録したGmailのアドレスからウィルコムのアドレスに転送をかけておけばメール確認のためにスマートフォンを常時接続状態にしておかなくても済みます。スマートフォンをメール確認のために同期する設定にしているだけでパケット料金がかかることを考えると、ウィルコムに転送したメール内容を読み、必要な時だけスマートフォンでwi-fi経由のネット接続をするような使い方にすれば、ほとんど携帯電話回線のインターネットを使わずに運用することも可能でしょう。ウィルコムのサービスエリアは携帯電話ほど広くないので万全ではありませんが、制限された使い方の中でいろいろ自分で工夫することによってスキルもアップするものです。興味のある方はぜひお試しあれ。


車の安全装置は本当に万全なのか

 いわゆる、「おもしろニュース」の類に入ってしまうかも知れませんが、昨日の全国ニュースで興味深いものがありました。82才の男性が運転する車が踏切内で脱輪による立ち往生してしまったことがそもそもの始まりでした。何とかして踏切外に脱出しようとしているうちに、なぜか線路内に入ってしまったのでパニック状態に陥り、そのまま線路の上を1キロも走行してしまったとのこと。その際、対向してきた電車とすれ違ったという事で、次の駅で車を停車させられ、線路走行は終わったのですが、幸いなことにけが人や大きな物的被害はないとのことでした。もし車が電車と接触や衝突の事故を起こしたらと思うとぞっとします。

 この文章は毎日新聞のネットニュース、10月13日・12時05分更新分に基づいて書いていますが、この82才の男性が年齢のせいで起こしたとは必ずしも言い切れない部分もあります。踏切内で脱輪し、遮断機が下がるなどということはあまり考えたくないことですが、自力では脱出が不可能な場合、私たちはどのような行動を取ることができるでしょうか。

 たまたまこの男性の場合、バックで脱輪を抜けようとしてうまくいかず、逆にアクセルを踏み込んだところ車が動いて線路上に乗ってしまったとのこと。この時点ですでにこの方はパニック状態になっていることが推測され、とにかく現場から離れるために線路上を走行したということなのかも知れません。このような精神状況には年齢に関係なく誰もが陥る可能性はないとは言えません。高速道路を逆走するというのも、もちろん加齢が原因で間違えるということもあるかも知れませんが、初めて走る道で夜になり道路標示がわかりにくく設置されている場合には自分でも100パーセントそんなことは起こさないとは必ずしも言えません。そこで大切なのが、事前に最悪の場面での対応をシミュレーションしておくことでしょう。

 車を運転していての大トラブルといえる線路侵入、高速道路逆走など車を侵入させてはいけない場所へ侵入させた場合、まずは安全な場所に車を停め、助けを呼ぶことが冷静に考えれば最善の策のはずです。しかし、常に危険を伴う場所で立ち往生しそうになった場合、そのまま車を捨てて逃げると大事故を誘発する可能性も大ですから、運転者としてできることはやるべきだと思います。いざという場合は自分の車を傷つけたり、他人の財物を破損させたとしても、強引にその場から離れる判断も必要な場合が出てきます。

 そこで、私が気になるのが、最近いろいろ出てきた「ぶつからない車」との関係です。先日、スバルだけでなく日産からも前方だけでなく全方向からの障害物を認識してアクセルを踏み込んでもそのまま進まず、バックでも急発進させないような高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違い事故防止のための機能を持たせて市販するため、現在研究中のようです。

 これが市販されればまさしく夢の車と言えるかも知れませんが、上記のような多少車を破損させても車を自走して移動させたい場合にちゃんと動かすことができるのでしょうか。自分の思い通りに車を加速させて脱出できないとしたら、それこそパニックに拍車がかかることにもなりかねません。そんな事など起きないと思われる方もいるでしょうが、こんな状況に出くわした場合はどうなるのでしょう。道の駅に車を停め、車中泊をしていたところに集団暴走を繰り返すような人たちが入ってきたとしたら、とっさに急発進して逃げられるのかとか、入口をバリケードのように車でふさがれたところから強引に脱出できるのかとか、そんな想定もできるわけです。どんなに安全と言われていても、原子力発電所のように事故が起きて深刻な影響が出るわけですから、道の駅などで車中泊をする事を考えつつ、実際にそうした車を購入候補に入れている場合は、これら車の安全装置の機能を解除することができるのかという事も確認しておいた方がいいように思います。


ナトリウムイオン電池という技術

私は、現段階では電気自動車が今の技術で広く普及するとは思っていません。コンセントで充電する大型のリチウムイオン電池(携帯電話やパソコンの電池がこれ)はいわゆるレアメタルのリチウムを使っているがゆえに価格が高く、たとえ今政府の補助があって多少は安く電気自動車を買えたとしても、内蔵電池の充電を繰り返していくうちに電池が劣化し、電池交換する際にいったいいくらかかるのかわからないからです。

大震災の後、にわかに電気自動車が注目されるようになりました。テレビなどの説明によると電気自動車の充電は安い夜間電力で充電しておいて、もし大きな災害が起きて停電という状態になったら電気自動車の中にある電池から家庭用の電気を得るようにすればいいとのこと。ただこれは、以前に紹介した家庭用の蓄電池と同様に計画停電や1日くらいの停電には有効ですが、一週間以上停電が続いたらすぐに電池はなくなってしまいますしさらに車は走らなくなりますし最悪ですね(^^;)。災害時に問題になるのは、どうして使い切った蓄電池を充電するのかということに尽きるでしょう。以前紹介したリチウムイオンキャパシタは充電時間が少なく済む反面、まだまだ容量の点では不足ということで、別の方面からの取り組みにも期待が集まっています。

昨日のテレビで東京理料大の研究チームのナトリウムイオン二次電池への取り組みを紹介していました。リチウムはいわゆるレアメタルで、大型のリチウムイオン電池が高価になるのはしょうがない点もありますが、ナトリウムというのは塩なので資源としてはほぼ無限にあるものだけに、安全性の問題やリチウムイオン電池と比べた性能に追い付くだけの技術革新があれば、大型の蓄電池の価格が劇的に下がることも予想されます。となると上記のように電気自動車を家庭用の電源として使う場合、気軽に予備の蓄電池が用意でき、非常用電源と走行用の電池を別に用意する事もできるわけです。詳しい内容については東京理科大学のサイトでごらん下さい。

今の車中泊用に使われている車内バッテリーは鉛蓄電池が中心ですが、これが電気自動車を動かせるだけの大型化したナトリウムイオン電池に取って代わり、その価格もお手軽なものになれば、もっと気軽に家電製品を車内に導入する人が増え、載せる蓄電池の容量によっては車内クーラーでさえ実現できるようになるかも知れません。現状でも高速道路のパーキングスペースや有料駐車場を中心に電気自動車充電用のステーションがありますが、これも電気自動車だけでなく、車載用の大型充電池も充電できるようになれば、寝ている間に充電が可能になるので、更に車中泊を楽しもうとする人にとっては行く末が気になるのではないでしょうか。

実際問題として、今よりコストを大幅に下げた大型充電池が一般化され、さらにそのリサイクルがしっかりとできるようになれば、原子力に頼らないライフスタイルも現実のものとなるかも知れませんね。資源のない日本のような国ではこうした技術こそが未来への期待となりうるので、こうした研究には皆で後押しをしたいですね。


アップルのパソコンと私

 iPhoneがいよいよ予約開始になり、2社ともかなりの人気のようですが、そんなさなかに伝わってきた創業者のスティーブ・ジョブズ氏の訃報にはびっくりしました。私が最初に購入したパーソナルコンピューターはアップルの「カラークラシック2」で、モデムを繋いでメールやデータのやり取りができるのは何と素晴らしいものかと思ったことを覚えています。その当時のマイクロソフト陣営はまだウィンドウズが出ていない頃だったので、今私たちが当たり前のように使っているパソコンの操作方法はマックを持っている人しか体験できませんでした。

 その後、口の悪い人に言わせるとマックの操作方法を露骨に真似したウィンドウズが登場し、一般ユーザーにとってのマックの優位性は薄れていきました。それでも私はマックに愛着を持っていましたし、デスクトップタイプだけではなくノートパソコンもマックで揃えていたのですが、ある一つの事が妥協できなくなり、現在はウィンドウズ系のパソコンに鞍替えしてしまいました。

 アップルは昔も今も、ソフトとハードを自社で作り、他社で作られたものというのは一部例外はあるもののほとんどありません。そのため、どうしても製品のラインナップが少なくなり、選択の余地が無い場合もありました。特にiPhoneが出るまではモバイルに特化したものはなかったように思います。はるか昔にはPowerBook duoというモバイル用途に特化した製品がありましたが、さすがに個人で購入するには高過ぎたので(^^;)、廉価版のPowrBookで我慢していました。そうして持ち運びしやすいマックのノートパソコンが販売されることを待っていたのですが、その後出たiBookはとても日々持ち歩くには大きく重く、旅にも自宅での環境を持ち歩くためには、マックのパソコンを諦めるしかなかったのでした。

 今の状況で最初にスマートフォンを選ぶとしたら、iPhoneという選択もあるかも知れませんが、問題はandroidを含めたスマートフォンで文章を書く場合で、私の場合はとてもこのくらいの量の文章をスマートフォンで書く気がしません。物心ついた時から携帯電話があった世代の方なら片手での日本語入力に何の違和感もないのかも知れませんが、私の場合は両手打ちのキーボート入力にこだわっているので、旅や外先であってもスマートフォンとは別に小型のパソコンがまず必要ということになってしまいます。さらに厄介なことに、詳しくは説明しませんが、ローマ字入力や一般的なかな入力と違う、思ったことを実に一般的でない入力方法をパソコン内に仕込んでいるので、マックに再度乗り換える場合、肝心の日本語入力がウィンドウズ7と同じ使い勝手でできるかということが問題だったりします。

 ただ、ウィンドウズのパソコンというのは便利で安い半面、物としての愛着が湧きにくいという事はあるかもしれません。仕事で使う場合はどうしてもウィンドウズでなければできないことがあるのでウィンドウズを使っているという方も多いのではないでしょうか。ジョブズ氏亡き後、アップルはどのような経営戦略を取るのかという事を今後期待しながら、これなら使えると思わせるような製品が出てくるのを待ってみたいと思っています。