テレビがなくてもテレビ番組を見られる環境を作る試み

 ここのところ、地方在住の私にとっては地域格差というものを感じるニュースが多くなってきました。難視聴地域対象のBSによる東京地区で放送されている全地上波を再送信していた放送が終了するとか、NHKが将来的にNHKオンデマンドを見られる可能性のあるインターネットを利用している人からも(つまりはアンテナもテレビもなくても)受信料を徴収するとかいう話もあります。いわゆるテレビ東京系の放送局や、他の民放系列の放送局がない地方にとっては受信料だけが全国と同じレベルで、地上波で見られる放送に格差があるというのに納得がいかないという方も多いのではないでしょうか。

 そんなテレビ東京ですが、予定では4月13日からいわゆる「見逃し番組」を放送終了から1周間の間は見られるようにするサービスを、インターネットサイトの「Gyao!」で始めるという話が入ってきました。見られる番組は「Youは何しに日本へ?」「チマタの噺」「ヨソで言わんとい亭」「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」「ゴッドタン」の5つのバラエティだけということはありますが、今までどうしても見られなかった地方にいる人にとってはネット環境とGyao!が見られるハード環境を揃えれば会員登録などしなくても見られるようになるというのはいいですね。詳しくは以下のページを確認してみてください。

http://gyao.yahoo.co.jp/special/tvtokyocatchup/

 この、Gyao!が見られる環境ということで言うと、今まであえて興味のないふりをしてきた(^^;)、Googleの「クロームキャスト」というハードをテレビのHDMIポートに差してコントロールするパソコン・スマートフォン・タブレット端末があれば大きなテレビの画面で見られるようになるということになります。クロームキャストについては改めて語ることもないほど売れているハードですが、今後、こうした民放の見逃し番組視聴のサービスが拡大してくるならば、TVチューナー自体がいらなくなる状況も見えてこようと言うものです。

 以前から、NHKが映らないテレビがあれば、受信料を払わなくてもいいのにという話はありましたが、日本および海外のメーカーがNHKの映らないテレビを販売するわけがありません(^^;)。しかし、ネット上からのニュースと動画だけでいいとなれば現状でテレビ受信契約をしないで正式にテレビ局が配信した番組を大型ディスプレイでも楽しむことができるようになりますね。

 これはクロームキャストがすごいというよりも、今後のネットによるテレビ番組の配信サイトがクロームキャストに対応するかがポイントです。これからの状況によっては、NHKを除く民放がネット配信をクロームキャストに対応させながら内容を充実させてくれるかによって、本当にテレビを購入して見なくて済んでしまうような時代が現実に来てしまうかも知れませんね。

 ただ、その際に注意したいことは、自宅にNHKの局員が来たとして、部屋の中にテレビ放送を受信できるものがなかったとしても、ワンセグの受信できる携帯電話やスマートフォンがあると認識された場合、同じように受信料を請求されてしまうことになります。この点ではiPhoneやNexus5 ZenFoneなどの日本仕様でない端末が有利です。

 そんな状況だから今、NHKがインターネット環境がある所にも同じように受信料を請求しようとしているのだと思います。ただ、もしインターネット環境があるだけでNHKが受信料を徴収することになるなら、従来の受信料を払っている人には、過去のアーカイブスを今より格安で公開する(受信契約をしていない人との料金の差はあってほしいですし、衛星契約があればBSの番組も見られるとかの措置は必要でしょうが)というような事はやってくれないと(^^;)。さらにその内容をクロームキャストから大型テレビで見られるようにしてくれれば、アーカイブスをいつでも利用できるようになり、受信契約をするメリットも出てくるように思います。

 とりあえず、今回のニュースを受けて、私も遅まきながらクロームキャストを導入してみることにしました。今のテレビが駄目になる頃に、果たしてネット配信の環境がどうなっているのか期待半分不安半分といったところでしょうか。


スポンサーリンク

コメントを残す