ポータブックは普通のノートパソコンと比べると、ちょっとクセのある内容になっています。キーボードが広がるように出てくるバタフライ型のキーボードはいいにしても、64bitのWindows10が基本OSで、さらにMicrosoft Office Mobileまでプリインストールされているため、32GBしかない本体の記憶容量は圧迫されています。
その上、使い始める前にWindows Updateを掛けるとさらに空き領域は少なくなり、ソフトのインストールやデータの保管にも影響が出ることになります。Windows Update自体についても大きなupdateがある場合は本体の容量が足りずにupdateすらできない状況も起こる可能性が高いです。
さらに、もしも電源を入れても起動しないというような恐ろしい事が起きた時に何とかするために、使い始める前に準備をする必要があり、本体とは別に購入しておいた方がいいものがあります。今回はそうしたものについて紹介しましょう。
・その1 USBメモリ
今後、細かくポータブックをカスタマイズしていく中でソフト的なトラブルが起こり、最悪の場合起動すらできなくなってしまうというのがWindows10を積んだノートパソコンの恐ろしさでもあります。さらに、ポータブックにはリカバリ用のディスクも付いていませんし、さらにUSB端子はあるものの、バスパワー式のDVDドライブがうまく動かないという報告があるなど、購入時の状態に戻すための方法について購入前から対策しておくことが大切になります。
他のモバイルパソコンでも行なわれている回復用のデータを流し込むものとしておすすめなのが、USB端子があることを生かしてのUSBメモリです。一般的に16GBあたりを推奨する場合が多いのですが、もしもWindows Updateが本体の容量不足で進まなくなった場合、そこに10GB以上の空き領域のあるUSBメモリを差して一時的なデータの置き場所にして使うことも可能ということで、32GB以上の容量のあるものを用意することをおすすめしておきます。
具体的にどんなものがいいかというのは価格や性能など考えるべきところはあるかも知れませんが、ポータブックでは差したままフタが閉められるような超小型のUSBメモリなら、差したままでもじゃまにならず、状況に応じて常用も可能というメリットがあります。
・その2 microSDカードとSDカードアダプター
ポータブックに付いているSDカードスロットというのは、標準サイズのSDカードをそのまま挿入すると、少しばかりはみ出してしまう仕様になっているため、この時点でSDカードの常用化を諦めてしまう方も少なくないかも知れません。しかし、SDカードを標準でなくmicroSDにし、ポータブックのSDカードスロットにすっぽり入るカードアダプターを併用する事により、microSDカードを常用し、データなどを本体メモリから逃がすことができるようになります。
まず、microSDについてですが、アクセススピードの関係から安くてもclass4のものは避け、class10のものにしましょう。容量はできれば32GB以上は欲しいところです。価格的には32GBでも千円前後で購入できるものが多いので、気に入ったメーカーのものから選べばいいでしょう。
そしてSDカードアダプターですが、実は今使っているモバイルノートのSDスロットでも同じ問題が起きたことから、本来はMAC用に作られたSDカードアダプターを購入し、便利に使っています。ポータブックでもアダプターがきれいに収まることが先人の利用者からネットで紹介されているので、安心して購入することができます。
今回紹介した品はだいたい合計で3千円ちょっとという感じですが、少なくともこうした用意がなければまともに使えない事だけは確かなので、購入手続きをした後には必ずこれらのものを用意してから本体の到着を待つようにしたいものです。
※キングジムの出したモバイルパソコン「ポータブックXMC10」について書かせていただいた記事を以下にまとめさせていただきました。興味がある方はどうぞリンク先の記事もご参照下さい。
・その1 約2万円なら買う価値があるか?
・その2 購入前に用意したいもの
・その3 回復ディスク作成とドライババックアップ
・その4 本体Cドライブ容量減への対策
・その5 OneDrive DropBoxをSDドライブに設定
・その6 導入すべき最低限のソフト
・その7 ポインティングデバイスについて
・その8 旅行時に一緒に持って行きたいもの
・その9 まとめと改めての評価