改めて「火」の恐しさを考える

日々多くのニュースがある中で、火事のニュースというのは気のせいかも知れませんが、それほど大きな扱いではない事が多いような気がします。火災の規模が大きい場合や、それによってライフラインが止まったり電車が止まったりすると、火災と言うより停電や電車が止まった方がメインの扱いになることも過去には少なくなかったような気もするのです。

それと同時に思うのは、最近は「○○大火」というような町一帯を焼いてしまうような事も起きていないように思います。これは過去の反省を現在の生活に活かすことで、火事そのものを防ぐ取り組みがなされていたり、火事が起きても一帯に燃え広がらないように考えていただいていることの成果が出ているとも言えるのかも知れません。

そんな中、東京の神宮外苑で現代美術の展示物が全焼し、幼い命が犠牲になってしまったことが大きなニュースになりました。展示物は、公園などによくあるジャングルジムのような形の作品で、小さい子が中に入って遊ぶこともできるようになっていたということです。さらに後からの情報として、ジャングルジム型の展示物の底にはおがくずが敷かれていて、そのおがくずの部分に強力なライトが当てられていたという情報をテレビでアナウンサーが読み上げていました。

野外で使うライトというのは、光とともに熱も出すようなものも過去にはありました。イベントなどで舞台を照らすためにセッティングする際にはやけどをしないように気を付けてやっていたことや、暖房器具がなくて仕方なく照明を暖房代わりにして手を温めていたことも思い出されます。

今回の美術作品を照らしていたライトは熱を発生しないLEDライトかも知れないのではっきりとしたことは言えませんが、もし作品の底に敷かれたおがくずから火が出たということになると、ライトの光か、それとも漏電で火花が出たか、はたまたそうした設備とは関係なく観客の投げ捨てたタバコに引火したのかはわかりませんが、防災の観点からはおがくずよりも燃えにくいプラスチックのボールとかにすれば、今回の火災自体が防げたのではないかと思うのですが、単にこうした考えを押し付けては美術作品としては成立しなくなるかも知れないので、あえて言ってもしょうがないのかも知れませんが、公に開かれた場で展示するのなら、まず安全なものを作ってもらわなければ困るということもあります。

そしてこれは、自分自身でも不安に思うことなのですが、今の社会で生活する中で、焚き火はおろか直接マッチから火を付けるガスバーナーも使ったことがないか、点火手順を忘れてしまった人が大人の中にも多くいる時代に私達は生きているということをもっと深刻に捉えなければいけないのではないかと思います。

大きな地震による災害を受けた被災地において、車中泊をすることの危険性は広く指摘されていますが、支援物資のテントの中に生活の基盤を移したとしても、たった一人の誤った火器の使い方や使っては危険のある車内やテント内での使用によって大きな火事になる危険というのは、火を扱った事のない人が増えれば増えるほど、今後大きな二次災害として起こり得る人災になってしまうかも知れないと私は危惧します。
キャンプ用品の火器にも色々ありまして、ガスを使ったものを室内で使うと一酸化炭素中毒の恐れがあり、液体燃料の場合はこぼした燃料に引火したら大変に危険です。どちらにしても狭い室内で使うことは避け、回りに燃えるものがない所で使うようにしないと自分だけでなく周りの人にも迷惑を掛けてしまいます。

そういう意味では火を使わずに調理できるヒートパックを用意しておくことが得策なのかも知れませんが、安定していつでも使うというよりも急場しのぎに過ぎないということもありますので、長期にわたり自宅に戻れない中で温かい食事をするためにはいかに安全に火を扱い、周りに迷惑を掛けない使い方ができるかという心掛けが大事になるでしょう。すでに災害用にとキャンプ用品を用意しているものの、まだまともに使ったことがないという方は、これからの行楽シーズンにデイキャンプにでも行かれて、湯煎する程度の調理でもやっておいて火器の扱いに家族で慣れておくことも必要だと思います。


カテゴリー: 防災コラム, コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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