単3単4充電池活用法」カテゴリーアーカイブ

大量の電池を持ち運ぶために

 サブバッテリーやポータブルバッテリーを併用されている場合は別ですが、私のようにニッケル水素電池を中心に旅行中の電気をまかなおうと思われている方は、持っていく電池の数は多ければ多いほどいいといえるでしょう。携帯電話やスマートフォンの充電に使うため、ポータブルバッテリーに入れかえて使ったり、夜の間扇風機を動かすために使うような場合は、一日にかなりの数の電池を使い切ってしまうことが予想できます。当然充電のための機器は持って行くにしても、何らかのトラブルで充電できなくなるような状況も考えられるため、やはり10本~20本くらいのストックがあると安心です。

 しかしながら、そうした大量の電池をまとめて持ち運ぶのは結構大変です。多くの単3電池用の携帯ケースは4本一組のものばかりで、20本を持っていくためには5つのケースを用意しなければなりません。ケースの代わりに袋の中に入れて持ち運ぶことができればいいのですが、袋の中で電池の+-端子がショートしてしまったりする可能性もなくはないので、安全に多くの電池を持ち運べるケースの用意が必要不可欠だと思います。

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 写真の電池ケースは、両開きになっていてそれぞれ6本ずつの単3電池が入ります。一つのケースで12本入るので、2つあれば24本になります。ちなみに、このケースは100円ショップのセリアで購入したものですが、これだけ大量の単3電池を同時に収納できるケースは電気屋さんやパーツショップでもそうそうお目にかかることはなく、むしろこれを買いに100円ショップのセリアまで行った方がいいのではないかと思える逸品です。

 とりあえず私は写真のように2個確保していますが、先日購入したニッケル水素電池を車内のシガーソケット経由で同時に16本充電できる充電器を活用していくと、もう一個ぐらい手に入れて、徐々にその中に入れる電池の数も増やしていけば、まず旅行中に電池の不足になることはないだろうとふんでいます。今はまだそんなに電池を持ち運ばないと思っている方も、単3電池を使う機器を普通に使うようになっていくにつれて、使う電池の個数も増えていくようになっていくでしょう。エネループやエボルタの電池特性は満充電してかなりの長い間使わずに保管しておいてもそれなりに使えるだけの性能を持っているので、充電済みの電池をこうしたケースにまとめておけば、いざという時に持ち出しやすくなります。普段は非常用持ち出し袋にライトやラジオと一緒に入れておけば、いざという時には専用バッテリーのように使い方が限定されない分、役立つ状況も多く出てくるでしょう。


そもそもニッケル水素電池のみで車中泊可能なのか

 ここまで、ごくごく一般的な単3型のニッケル水素電池について紹介してきました。私自身の目的は、あえてサブバッテリーやポータブルバッテリーに頼らず、ニッケル水素電池で車中泊に使うであろう電源を確保することにあります。実際問題としてそんなことが本当に可能なのか、改めて検証してみることにしましょう。

 まず、乾電池では絶対無理な電装品というのは残念ながら存在します。湯沸しのための電気ポットや電気炊飯器などのクッカー類、冷蔵庫や、さらに究極では電子レンジは火を使わないで調理ができるため、車内で調理をしたい場合はサブバッテリーの整備が不可欠です。しかしながらこの点については、電気を使わない代替品を整備することでも対応は可能です。具体的にはどこでも使うわけにはいきませんが、カセットコンロやキャンプ用のストームクッカーやアルポットなら燃料さえ確保しておけばそれなりに使えます。冷蔵庫についてもカセットガスを使って冷やすものもありますし、先日紹介した+6℃で固まる保冷剤を高性能なクーラーボックスに入れて旅先で入手した氷で固めて使うことで、冷蔵庫と同等の保冷力を電気を使わないでも確保できます。

 また、冬の車中泊で電気毛布を使っている方もおられるかも知れませんが、車の外でお湯を沸かせるなら、湯たんぽで代用するという手もあります。お風呂上りのドライヤーというのはさすがに無理ですが、自然乾燥がどうしても無理なら熱風は出ませんが乾電池式の扇風機を使うという解決策しかないので冬はつらいかも知れませんが(^^;)。

 その他の器具については、結構乾電池が使えるものも多いので、そこに充電式のニッケル水素電池を入れて代用するパターンが使えるものがあります。具体的には、

・室内照明
・水用ポンプ
・テレビ
・ラジオ
・携帯電話、スマートフォンなどの充電
・扇風機、換気扇

 あたりでしょうか。テレビについては携帯電話やスマートフォンのワンセグで我慢できればいいでしょうし、パソコンを持って行く場合にはさすがに電池で充電するわけにもいかないので、走行中にバッテリー充電を行ない、夜間のみ利用可能なくらいの大型バッテリーを付けておけば何とかなる気もします。

 こうしてみると、全ての事を車の中でやりたいと思われる場合はサブバッテリー導入という方向になっていくとは思いますが、普通車での車中泊で装備のスペースがない場合もあるでしょう。今後は改めて乾電池で使えるグッズについて、ニッケル水素電池の性能を生かす使い方なども含めて紹介させていただきたいと思っています。


車中泊の旅で私の選んだ充電器

 ニッケル水素電池は、それだけ買っても充電ができないので初めて購入する場合は必然的に充電器も購入することになります。電池のメーカーでは同じ会社の出している充電器を使うように注意喚起がされているのですが、私の場合多くのメーカーの電池が混在してしまっているのでそうした注意をいちいち守っていたら充電器にいくらお金をつぎ込んでもきりがないわけですし、そもそも太陽電池パネルを使った充電の方法は推奨されていないのではないかと思います。そんな中で、車中泊の旅で使える充電器について考えていきたいと思います。
 
 まず、一般的な充電器ということで言えば家電量販店で充電池とセットで売られているものではないかと思います。基本的には4本まとめて充電できるものが主だと思いますが、車中泊で使う場合の問題は、コンセントから電源を取る関係上、車で使うためにはシガーソケット経由でインバーターを挟む必要があります。他の家電製品も利用するならこの組み合わせもありでしょうが、ここでは応用範囲が広く簡単にシガーソケットから充電可能な2つの製品について紹介しましょう。

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 まずは、USB経由で充電が可能なエネループ用の充電専用機「NC-MDU01」です。USB経由で充電できるものは他にもありますが、エネループでの動作が確認されていることがポイントが高いですね。最大2本しか同時充電ができないものの、先日紹介したシガープラグに差して使うUSBアダプタのようにUSB端子が2個付いているものなら、この製品を2つ繋げば4個の充電ができます。また、2本ずつでなく1本単位の充電も可能ということと、特別なアダプタを使わなくても単4型電池の充電が可能というのも便利です(単3と単4を混在した充電は1台ではできません)。USB経由で充電ができるということは、かなりの汎用性がありまして、パソコン経由やUSB端子のあるACアダプタ、ソーラーパネルと直結しての充電などさまざまなところで活躍させることができるということで、2個持っていてもそれなりに使いようはあるような感じがします。必要に応じて端子の数が2つ以上あるUSB出力のあるACアダプターや、付属のコードの短さを補う延長コードなどを揃えておけば、自宅でも出先でも、車の中でも同じように充電を行なうことができるでしょう。

 そしてもう一つ、安定した出力を車のシガーソケット経由で得るために、シガーアダプタケーブルが付いていて車のソケットに直結できる充電器というのも検討の余地があります。上の写真の製品は人によっては引いてしまうくらいのものだと思いますが(^^;)、個人的には究極の車旅に便利な充電器であると言えます。

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 これは楽天の上海問屋という、普通の方からするとかなり怪しげなお店で売っている型番DN-67992というものですが、私はこれをネットから入手しました。ニッケル水素電池を単3単4問わず、16本同時に充電できるというのが売りですが、実はこの充電器と同じものと思われる4本充電タイプのものをすでに持っていまして、使い勝手についてはだいたい承知していました。それにしても、普通の充電器を単純に並列に4個つなげてしまう思想には脱帽しました(^^;)。充電器の機能としては、充電管理を1本ずつ行なう方法で、液晶画面で充電状況や電池の容量の確認も可能です。エネループ以外の古いニッケル水素電池やニッカド電池を充電する際に必要な放電ボタンが4本ずつまとめて付いていて、時間はかかりますがいったん残っている電池の容量を放電してから充電を開始してくれる機能があります。エネループなどを充電する際に行うことはまずしなくていいですが、十分に充電したはずなのに思いの外使えないなどの症状が出た場合には放電ボタンを使って放電してから充電した方がいい場合もあるでしょう。

 そして、標準でACアダプターだけでなくシガーアダプタも付いていて、車で走行中に充電を行なうことができます。さらにそれだけでなく、USB端子も2個付いているので、充電をしながら他のUSBを使う機器を使うことができるので、携帯電話の充電やアンドロイドスマートフォンを利用したカーナビとの併用も行けます。

 恐らくここを読まれている方の中には、16本も同時に充電できてもそこまで使わないと思われる方もいるかも知れません。しかし、今後単3や単4電池を使えるさまざまなグッズを紹介していくことになると思いますが、本格的に車の中で使うものの電源をニッケル水素電池にシフトしていくようになると、これでも足りなくなることも出てくるかも知れません。以前紹介した大型の電池扇風機は電池8本駆動なんてものもあり、毎日動かしたいような場合はその都度8本ずつの充電は必要になってきます。その他にもスマートフォンを満足に充電するためには単3電池4本を使うモバイルバッテリーパックを用意したいところですし、決して大げさなものではないということをご理解いただきたいと思います。

 将来的にはこの充電器にソーラーパネルを直結し、走行していない時には太陽電池から充電し、走行中にシガーソケット経由で充電することでさらに効率的にニッケル水素電池を車内で充電できるようなシステムを整えたいと思っています。ただ、車の中で使う場合は充電時に本体および電池が温まってきますので、設置場所には注意した方がいいと思いますが。


充電式ニッケル水素電池の選び方 その2

 前回は同じニッケル水素電池でも高性能なものとそうでないものとの違いについて書いてみましたが、高性能な充電池であるエネループ(およびその類似品)にも実はいろんな種類があります。他社のシリーズでもだいたい同じようなものなので、今回はエネループの商品構成について説明しましょう。果たして何がどう違うのかというと、単3型の場合ですが、電池の容量(数字が多ければ容量も多い)と性能を維持したまま充電できる回数の違いになります。

・エネループ(Min 1,900mAh 1,800回再使用可)
・エネループ Lite(Min 950mAh 2,000回再使用可)
・エネループ Pro(Min 2,400mAh 500回再使用可)
・エネループ Plus(Min 1,900mAh 1,800回再使用可 誤使用でも熱くならない設計)

 この中で「エネループ Plus」は、お子さんなどがおもちゃなどに電池を入れる際、+-を逆に入れてしまっても熱を持たない設計になっているということ以外は普通のエネループと性能は変わりません。あくまで値段と性能で比較するなら上に挙げた中の最初から3種類ということになるでしょう。一番の高容量はエネループ Proですが、容量の差はそれほどないのに関わらず、充電回数が極端に低くなってしまっています。長時間電池を交換せずに動かしたいものがあれば別ですが、普通の場合はスタンダードタイプのものを選ぶのが無難でしょう。エネループ Liteはスタンダードのものと比べると値段が安いのでつい買ってしまう方も多いかと思いますが、多少充電回数が多くても容量が約半分ということで、充電時間が短いというメリットはあるものの、その分利用できる時間も半分になってしまいますので、あわてて安いから買うという前にじっくりと考えた方がいいでしょう。また、単4型の場合は、スタンダードタイプのみとなっており、最新のエネループでの容量はMin 750mAhで1800回再使用可となっています。

 他社のニッケル水素電池を選ぶ場合も容量と充電回数のバランスを考えながら、店頭やネットなどで売られている価格なども総合的に把握すると、安く高性能な充電池を手に入れることができるでしょう。一般的には国内メーカーが出しているエネループ類似商品のスタンダードタイプを購入しておけばまず間違いないと思います。


充電式ニッケル水素電池の選び方 その1

 様々なものに充電池を利用するにあたり、まずはどんな電池を選べばいいのかということを以前のエントリーの繰り返しになるかも知れませんが、改めて書いていこうと思います。

 まず、これは基本的な話ですが、市販されている電池にはマンガン電池・アルカリ電池・オキシライド電池・リチウム電池のように使い終わったらおしまいで、リサイクルに出すタイプの充電できない電池があります。このような電池をニッケル水素電池専用の充電器にかけて充電しようとすると、液漏れや破裂の危険があるので絶対にやめてください。また、大人は大丈夫でも電池の種別のわからない小さなお子さんが間違えて充電できない電池を充電器にかけてしまう可能性もあるため、お子さんには特に充電器を触らせないなどの配慮が必要になってくるかも知れません。個人的には普段使いの電池は全て充電池に変えた方が便利なことが多いので、私自身は上に挙げたような使い切りの電池はほとんど使っていません。

 今後紹介していく充電のできる乾電池型の電池はほとんどがニッケル水素電池で、ここでもニッケル水素電池について紹介していきます。ここのところの技術の向上によって、エネルギーの気軽な保管方法としてもおすすめできるようになってきました。もっとも、ニッケル水素電池であればどれもおすすめかというとそういうことはありません。出た当初のニッケル水素電池は、だいたい以下の3点の問題点がありました。

・充電してもしばらくすると自然放電してしまい、使いたい時に使えない事がある。
・中途半端に使用した状態で再度充電すると、充電した分だけ使えなくなるメモリー効果が発生する場合があり、電池の充電管理が難しい。
・低温状況下では電池が使えない場合がある。

 このように列挙してみると、まとめて充電しておいてもいざという時には使いものにならず、決め細やかな管理が必要なら素人にはなかなか使いづらく、アウトドアで使うことを前提にした場合、冬や夜間早朝には性能が落ちる場合があるという散々な結果になっています。

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 しかし、こうした問題をクリアした新しいニッケル水素電池が開発されたことが、私たちが普通に単3や単4のニッケル水素電池を使って気軽にエネルギーを貯め、好きなときに使えるようになったと言えます。そのきっかけになったのが三洋電機が発売した「エネループ」で、現在は会社合併の影響でパナソニック名義になっています。パナソニックからは同じような性能を持つニッケル水素電池「エボルタ」が出ていますが、これら2社に追随する形で他のメーカーからも同様な電池が出ています。購入のポイントはまさに先ほど挙げた3点のウィークポイントをクリアした性能を持つ電池かどうかということなので、

・買ってすぐ使えるか?
・継ぎ足し充電はOKか?
・低温でも使えるか?

 この点についてしっかりと対応をうたっている電池にまずは注目しましょう。


新カテゴリ「単3単4充電池活用法」について

 こちらのブログでは開設当初から単3や単4のニッケル水素電池を使ったグッズの活用法について紹介させていただいてきましたが、東日本大震災で一時国内での原子力発電所のすべてが止まり、節電への流れが日常化してきたことによって新たな意味を持ってきたように思います。

 普段の生活で全ての電気を使わないということは無理ですが、車中泊の旅の中で使う程度の電気を置き換えることには可能性を感じます。以前紹介した最小の家「モバイルハウス」のような住居形態なら、それこそアフリカなどで試みられているようにある程度小さな太陽電池パネルによって小規模の発電をしながら日本の電力会社に頼ることなく電化製品が動く生活をすることも十分に可能です。さらに車の中で使う場合、車自体が小さな発電機を搭載しているということもあるので、シガーソケット経由で天候に左右されず電気を取り出すことができます。

 アフリカの住宅も車中泊のための車も、こうして蓄えた電気を蓄電池にため、利用することを前提に考えているとは思うのですが、私はあえて大きなサブバッテリーを使わずに、できる限り単3や単4型のニッケル水素電池でまかなってしまおうというのが目標としました。

 容量の小さい電池に充電し、直接入れて使える家電製品を使うことによって充電した電気を効率よく使うことができますし、1本単位で考えれば充電にかかる時間も少なくて済みます。最近の充電式ニッケル水素電池は性能が上がっていて、いったん満充電してしまえばしばらく使っていなくても自然放電によるロスが発生しにくくなっています。つまり多くのスペアの電池を用意しておくことによって、今使う電気をその都度充電しなければならないという状況からも脱却できますので、可能ならばより多くの電池をストックすればするほど外からの電気に頼らないライフスタイルを目指しやすくなるでしょう。

 このカテゴリでは今後、太陽電池や車のシガーソケット経由で充電したニッケル水素電池を使って何ができるのかということや、効率的な運用方法などを実際のグッズとともに紹介していこうと思います。