OCNモバイルONE終了で強まる「ahamo」標準化の流れは通信料の値上げと感じざるを得ない

先日、MVNOの「OCNモバイルONE」をドコモが吸収するというニュースがあったばかりでしたが、昨日の2023年6月20日の発表で、OCNモバイルONEというサービス自体が無くなり、ドコモは低コストのエコノミーユーザー向けのサービスである「irumo」、現在のドコモサービスの一本化で、無制限プランありの「eximo」、そして「ahamo」の三つのプランに絞って通信サービスを提供していくことを発表しました。

「irumo」の最低料金は月550円の月500MBプランと、OCNモバイルONEの最低料金プランと変わらないように思えますが、通話料がドコモと同じ30秒20円に上がり、恐らくOCNのプランにはあった10分相当の無料通話は無くなると思われますし、高速でも最大3Mbpsまでに制限がかかり、現在OCNの全プランであるミュージックカウントフリーのサービスもどうなるかわからないので、単に回線を寝かすのではなく、通話や音楽を聞くのに使いたいと思っている方は、今月中にOCNモバイルONEへの申込みを考えた方が良さそうです。

くわしい料金の話(irumoとeximo)については改めてその内容を確認してもらえば良いと思いますが、何の割引もなく入り、それなりに使うのであれば、ドコモのプランの中では低速でも最大1Mbps出て、5分以内の通話定額が付いた「ahamo」一択になってしまったことだけは確かですね。となると、「irumo」の低額プランが合う人であれば良いですが、無制限までは使わないものの、そうでなく通話もデータもそこそこという人は月3千円を払ってahamoに行くしかなくなります。

こうした危惧は、先日auグループでサブブランドのUQモバイルが新プランを発表した時にも抱きましたが、今回本当に昼間も安定して使えるキャリア回線を使うためには、月3千円くらいの負担を覚悟しなければならないような状況に大手キャリアが変えていこうとする意志が見えてしまいます。

こうなってくると、まだプランの変更を発表していないソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルとLINEMOがどうするのかということですが、特に何の抱き合わせプランなく月990円で使えるLINEMOのミニプランが終わってしまったら、本当に月3千円以上出せないと、まともに通話もデータ通信も難しいような状況になってしまいます(大手キャリアおよびサブブランドでの話ではありますが)。

大手キャリアでなくてもよいなら、ドコモのスマホを使いながらahamoよりも安く通話もデータ通信も行なおうとする場合、日本通信の「合理的みんなのプラン」(月1,390円でデータ通信月10GB/無料通話月70分or5分以内定額)にした方がシニアの方々には安心して使えるようになると思いますが、ドコモ契約でないと困った時にお店で聞けないというのがネックになる人もいるでしょう。まさにそういうところを人質に取りながら、一人あたりの単価を上げる(最初は安いプランにしても、今後のスマホの使い方で最安プランでは使いものにならなくなるので結局ahamoあたりに流れざるを得ない)ことを狙っている感がありありとします。

本当は、そうしたキャリアの選択肢を閉ざすようなプランについて、きちんと指導するのが政府の役割だと思うのですが、このままだと、全てのスマホプランの本流が月3千円以上のプランに固まってしまうようにもなりかねません。

月3千円くらいなら十分安いのでは? と思う方もいるかも知れませんが、ガラケーをずっと変えないで持っていても支障がない昔の状況と今は違います。店頭で端末も買うとなると、iPhoneであればなかなか一括での購入は難しく、通信費に分割の端末料金(場合によっては契約満了時に端末を返すという「端末利用料金」の負担になる場合もあり)を加えた額を毎月支払い、その支払いが終わった時には新たな端末をまた分割で払いながら使うような事になると、生活費における通信費の割合はさらに増えるということになります。

こうなってくると期待したいのが、スマホの中古市場の活性化で、全国に中古のスマホを売るお店ができ、そのお店で格安の通信会社の斡旋なり、スマホの操作についてわからない事があれば聞けるような事ができないと、いつまでも大手キャリアによって縛られてしまう状況は続くのではないでしょうか。今後は今以上に、スマホの通信プランについて知っている人とそうでない人との月々の負担額の差というものが出てきてしまうように思います。そして、自分のプランが高いと思ったらすぐに契約を乗り換える事ができる環境(端末の購入を含めて)を作っておくことが大事でしょう。今までの「通信費を安くする」ための業界の取り組みとは何だったのかを考えてしまう今回のドコモの発表でした。


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てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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OCNモバイルONE終了で強まる「ahamo」標準化の流れは通信料の値上げと感じざるを得ない」への2件のフィードバック

  1. ahiru

    てらさん
    おはようございます!

    OCNモバイルは以前格安スマホ目当てで加入した事があります。
    自分の使用環境では通信速度に不満があり解約しましたが、格安スマホとコストメリット面では良かったので、実質選択肢が消滅してしまったのは残念ですね。

    他社サブブランドのLINEMOミニプランとpovoは現状レベルで継続して欲しいです。。

    政府もマイナカード等、スマホ依存を強めていくのであれば、
    端末代金や料金プラン等、使用頻度が少ない人には、低コストで使える様に指導や許認可を進めて頂きたいですね。
    では~

  2. てら 投稿作成者

    ahiru さん、コメントありがとうございました。

    UQモバイルの新プランや、ドコモがOCNモバイルONEを潰したここまでの状況を見ると、全くユーザーの方を向いていないし、光回線や同社のクレジットカード、電力会社への加入を条件に安くするというのは実質的な契約しばりに当たるのではないかと思うので、個人的には知り合いに今後はこれらの通信会社の契約を勧めることはなくなると思います。ドコモについては一部地域でのパケット詰まりの問題もまだ解決していませんし、まずはそちらの方を何とかして欲しいですが。

    かつてのOCNモバイルONEで端末を安く購入することができたのは、別会社だったからということで、今後はそちらの方も望み薄ですね。まあ、そうした逆風に負けることなく、賢くユーザーが通信会社を選ぶことができる方法について、今後も色々と考えていきたいです。

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