大阪~埼玉間の夜行バスが京都で運転を打ち切った事に関して旅行者が考えるべきこと

この文章を書いている2022年9月は台風シーズンで、台風が日本にやってくる前に鉄道などが計画運休を行なうような事も考えられる中、事前に計画した旅行が台無しになる可能性が高くなります。

そんな中、私はネットの騒動を先に知ったのですが、大阪を出発して京都を経由して、最終的には埼玉県まで行く夜行バスが、車内エアコンの故障という、いわば運行側の都合によって京都で運転を中止し、深夜の京都駅に乗客を降ろしたまま運転手が立ち去ったということについてバス会社がけしからんという流れで盛り上がっているのを知りました。先日いわば後追いでテレビ局がこのニュースを報道していたのですが、格安な夜行バスなだけに、目的地までへの運賃とともに、直後のホテル代まで含めた金銭負担をバス会社に保証させるというのは、かなりの経営負担になり、そんな補償のやり方が定着してしまったら、中小のバス会社は夜行バスの営業から撤退してしまうのではないかと思ったりしました。

ちなみに、この会社の大阪(梅田)から埼玉(大宮)までの片道料金は5,800円から7,000円(四列シートで車内装備により料金が違う)と、新幹線と比べると格安です。今回の運行中止によるバス会社の対応策として出してきた条件は、京都駅までの運賃返還及び、京都から東京までの新幹線代として後日15,000円を振り込むというものでした。

ちなみに、新幹線の京都~東京は自由席で13,970円です。京都発6時14分の「のぞみ200号」に乗ると8時23分に東京に着きます。東京で夜行バスを降りた場合と比べると2時間くらい到着が遅れることになり、翌日に仕事や学校がある人であれば、ぎりぎり間に合わなくなることも予想されます。

夜行バスが車の事故ではない、車内冷房の故障という事で運転中止になるということはめったにあるものではありませんが、かなり正確に運行する新幹線と比べるとバスの場合は渋滞に遭遇した場合にはむしろ新幹線の始発に乗って行った方が早く東京に着くような事も有りえます。だから、新幹線と比べると半額という運賃で成り立つのだろうと思いますが、今回のようなトラブルが起きる可能性は0ではないので、帰ってそのまま会社や学校に行くような計画を立てるのはあまりおすすめしません。

ちなみに、翌日を休みにしてあれば翌日夕方くらいまでに目的地に着ければ良くなるので、今回のバス会社から支払われる15,000円を以下のように使うことで、騒ぎの原因の一つとなっていた「現地までの交通費とは別に京都でのホテル代を支払え」という条件もクリアできていた可能性があります。

もし私が翌日休みで京都駅に深夜に降ろされた場合、東京までの新幹線代を15,000円出してくれる目処が付いた時点で、翌日の朝に出発する昼行便の京都~東京行の高速バスをネット予約します。JRバスの便を調べたら午前9時10分京都発、東京着17時7分のバスが4,700円と5,800円の席がありましたので(最安の3,500円という席もありますが、恐らくその時点では売り切れていると思うのでこの金額での試算はいたしません)。最高額の5,800円の席が取れれば、残りはホテル代として9,200円まで充当できます。

運が良く5~6千円のビジネスホテルが取れれば、到着時間は遅れるものの、深夜2時くらいから朝8時くらいまで(現場では深夜1時過ぎまで騒ぎになっていたそうなので)は寝られ、当面の自己負担は出るものの後から全額回収してお釣りが出るので、高速バスの休憩中の昼食代や、うまく行けばお土産代まで自己負担なしということになっていくでしょう。

また、バス会社の方で提案したと言われるインターネットカフェの利用であれば(今後の事を考えるとバス会社は運転を中止した最寄り駅から近いネットカフェのリストを本社から送ってもらい、それを印刷して乗客に手渡しすることも対策の一つになるのではないかと思います)、ナイトパックを使えば2~3千円で鍵のかかる個室が使え、シャワーも利用可能だと思いますので、ビジネスホテルよりは居心地が悪いものの、深夜2時から新幹線の始発のある6時くらいまでは何とかやり過ごせます。最近ではインターネットカフェもスマホから個室の予約ができたりしますので、もはやバスの運行が中止になることがわかった時点でそうした予約を入れ、そこからバス会社の対応を聞き、その内容に沿って、いつまでも抗議をするのでなくとっとと次の行動を取るというのが安旅を行なう場合の基本だと私は思います。

もちろん、相手に全く誠意が感じられず、チケット購入時に確認した事項すら行なわない悪質な業者であることもあるでしょう。ただその場合でも、現場でどのような提案がなされ、一連の行動がわかった時点できちんとその証拠を固めた上、一旦はその条件に沿って自分の帰りの心配をしなければなりません。抗議をするのは自宅に帰った後でもいいわけで、ゴネることが逆効果になったりすることもありますので、その点には注意して欲しいと思います。

新幹線がストップすればそれがニュースになりなぜ予定通りに帰ってこないのか理解が得られやすく、JRでは車内を開放してくれて「列車ホテル」のように使え、夜食や朝食を出してくれたり、特急料金を払い戻ししてくれます。また大手航空会社であれば、自然現象ではなく自社都合による欠航・遅延であれば、自宅までのタクシー代や翌日までのホテル代(私が経験したトラブルでは北海道から何とか代替機が飛び、羽田に代替機が到着したのが終電が終わった後だったので、羽田空港内にあるホテルを取ってもらえました)を負担してくれる場合は確かにあります。しかし、決して大手ではないバス会社であれば、運行中止をした分の運賃は負担してくれても、本来の目的地までへの費用までは出してくれない場合も十分に考えられます。LCCなどの航空会社も、代替便の手配すらしてくれず航空券の払い戻しのみで対応させられることが普通です。航空機の場合は、一部の「国内旅行傷害保険」のオプションで宿代(代替交通費は不可)を実際に支払った場合に宿泊代を保証するプランがあるので、そうしたオプションを含めた旅行保険への事前加入というのも必要になる方もいらっしゃるでしょう。

いちいち自分で全てやりたくない場合は、パックツアーの利用や、やはりしっかりと乗客のその後を考えてくれる、大手の交通機関を選択し、格安旅を考えるなら先行割などで、あくまで大手路線から選び、格安業者は考えないようにすべきでしょう。トラブル対応のために高めの運賃を払っているという側面もあるのです。逆に安い運賃や宿泊を基本にする旅を計画する場合には、常にトラブルが起こった時にどうするかということを考えておくことが大事になります。今回紹介したように、今の時代はスマホを使ってトラブルになっている状況の中でも次の行動のための予約をすることができるので、トラブルを後から笑い話として語ることができるくらいの気持ちでいることが、旅を楽しむためには必要なのではないかと個人的には思うのですが。

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