東京では何故固定電話への通信を規制したのか? ワクチン接種予約のための第三の方法を考える

NTT東日本は、2021年5月6日9時頃から11時43分頃まで「東京都内の固定回線宛」の着信制限を実施したという事がニュースで流れてきました。テレビなどではそこまで大きいニュースにならなかったと思いますが、同時に「何故着信規制をしたのか?」という点については当初私が確認した限りではほとんど報道されず、改めて色々調べたところで一つの可能性が浮上しました。

というのも、規制が行なわれた時期には、東京都内の高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種に関しての予約を各自治体が開始しており、恐らくその影響があるのではないかと思われます。

固定電話の着信規制といえば、昔はインターネットがない頃のコンサートチケット予約は電話予約が主だったので、予約専用の電話番号には予約開始と同時に一斉に通話が集中するので、固定電話でなく携帯電話やPHSから掛けた方が良いとかどうとかいう話が広まったりして、恐らくその際には規制がかけられたと思うのですが、これだけインターネットが普及した現代にこのような事が起こるというのは、やはりピンポイントで「インターネットが使えない」人が、「電話を使って予約を取ろうとした」回数が相当あったのだろうと思われます。

過去にこのブログで紹介した0570から始まるナビダイヤルでも同じような事が起こっていたとしたら、相手先につながってテープ案内が流れる前にNTTの方から混雑メッセージが流れてくれた方が料金がかからないのか? とも思いますが、どちらにしても今では一人に一台携帯電話(スマホ)を持つ人がいて、なかなかスマホの小さな画面で予約の手続きを進めようとするよりも、直接相手と話しながら予約を取りたいと思う人が多いということの現れという気がします。

私の住む静岡ではまだ高齢者へのワクチン接種に関する案内は来ていないと思います。そうなると、時間の経過とともに日本の多くの地方でも東京と同じようにワクチン接種予約の窓口への電話連絡をする場合、単に通話が集中して話し中になるだけでなく、NTTの方でも規制される可能性は大きいのではないかと思われます。

こうした規制を回避するためには、どちらにしても忍耐が必要になるとは思うのですが、同じスマホを使う場合でも電話するのではなくインターネットを使った予約を利用することではないかと思います。そうなると、過去に私自身が経験したのですが、いつ予約サイトと繋がるかわからないながら何度もブラウザをリロードしつつ、途中で止まって最初からやり直しになってもめげずに何回もトライし、必要ならばあまり他の人がサイトに接続しないであろう未明から早朝の時間に予約するようにするなど、やり方によっては電話よりも早く予約が取れる可能性はあります。

自国でワクチンを製造しているアメリカでは、ネットが使えない人のために予約なしでもワクチンを打つことができるシステムがすでにできているそうですが、完全にワクチンを海外からの輸入に依存する日本では、あらゆる方法を使いつつ、ネットから予約を行なう方が現状では予約が取り易いのではないでしょうか。

ただ、この対策というのは当然ですがワクチンが限られている中では根本的な解決になるものではありません。自分や自分の家族だけがワクチンを打てたとしても、ネットが使えずに電話をつながらないとワクチンの接種を諦める人が増えてしまったら、用意したワクチンが余ってしまうかも知れず、接種していない人が感染してそこから感染が広がってしまう恐れもあります。

難しい事だとは思うのですが、電話でもネットでもない、例えば地域の様々な場所での整理券の配布のような方法(情報を用紙に記入し、専用ポストに投函することで役所の担当に届くようにするとか)でも接種の予約ができるように自治体が考えていかないと、現状で接種を諦めてしまう人は出てくるのではないでしょうか。緊急事態でなければ、スマホが使えない人が不便を強いられることも致し方ない面はあるものの、少なくともワクチンを打ちたいと思う人全員にはトラブルなく接種できる環境を作ることがこれからは必要になっていくのではないでしょうか。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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東京では何故固定電話への通信を規制したのか? ワクチン接種予約のための第三の方法を考える」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    現実問題として供給に比べて需要が過大な現状ではいかなる方法でも限界があり、希望の時間を選択するのは無理だと思います。
    せいぜいどの日の午前中・午後くらいでは。となれば公平さを考えれば抽選方式が良いのでは。
    ○○日の午前中あるいは午後で希望を郵送の葉書で求め、抽選して通知する。急に来れなくなる人もいるだろうと予想出来るのでキャンセル待ちは外れた人の中でまた抽選して順位を決める。
    マスコミがコロナの恐怖感を煽っている現状ではテレビなどしか情報源を持たない高齢者は恐怖で冷静さを失っているので彼らを納得させるのは不可能だと思います。
    情報伝達手段としては音声通話と言うのものが不効率であると言う現実を理解出来ていない人が多い。災害時に公衆電話に固執する声が多いことが日本人の感情で考え、合理的に考える習性に欠如している事を表していますが、今回の件でも同じです。
    ネットで予約が取りやすいのはネットの情報はコンピューターシステムの中で処理されるので処理速度が速いからと言えるでしょう。多数集中しても処理可能。人力では不可能です。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    今回の場合はワクチンの絶対量が足りないことに加え、人が集まること自体が危険だという認識があるので、募集を掛ける方も非接触で案内ができるインターネットと電話を選ばざるを得ないということですね。ただそんな中でも接種の希望を持っている人に順番に打っていく必要があり、事務の多くが地方自治体に任されているというのも大変な事だと思います。

    逆に言うと、インターネットが使える人は電話を使わないでネットだけで予約が完結できるようにすることも今後は大事になっていくのではないかと思います。

    未だに普及率が高くないマイナンバーカードの申請でも、わかっていれば申請用紙を提出しなくてもスマホで写真を撮ってネット上から申し込めば、スマホ一台で完結させることができ、役所の方々の仕事を減らすことができるように思います。徐々にではありますが、全てを役所に丸投げするのではなく、できることは自分で率先してやることも必要なのかなと思うので、自分の番が来たら極力ネット上からの手続きを利用しようと思います。

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