地方の名店を流れのまま閉店させていいのか

新型コロナウィルスの影響は多くの飲食店を直撃していますが、長年地方の顔として営業してきた飲食店が今回の感染症の影響もあってか閉店するというのは寂しいものです。特に今の時期は全国的に「旅行」というものが自粛傾向にあるので、営業最後という話があっても現地に駆けつけることも難しく、遠方からその様子を黙って見ているしかなく、ショックも大きいのではないでしょうか。

昨日(2020年12月25日)、静岡駅の南口(新幹線改札に近い方の入口)から出てすぐのところにある食堂「おにぎりのまるしま」(昭和38年創業)が閉店し、最後の営業になりました。このお店は名前の通りおにぎりを店頭に出して販売しているのですが、店内でも食事ができるようになっており、「静岡おでん」として有名になる前からおでんを販売していました。

個人的にはかつては午前7時の早朝から営業していたので(閉店時には朝8時からに変わっていました)、電車で出掛ける前の腹ごしらえがしやすく、駅に近いことから早朝でもいったん静岡駅で降りた人がわざわざ店まで来ておにぎりやおでんをテイクアウトしていくことも結構ありました。お店のポリシーとしては、店内で飲食はできるもののお酒の類は出さなくて、この点は他の静岡おでんで有名なお店とは違っていました。

お店の並びで、これも早朝から開いていた街のパン屋さんとして同じく市民に親しまれていた「クリタパン」も少し前に閉店してしまい、早朝から静岡駅を使ってお出掛けする際にはコンビニか牛丼店の朝食にならざるを得ず、その辺は静岡ならではの朝食のメニューが減ってしまったということで、残念な気分ではあるのですが、さすがにお店を切り盛りするご夫妻も大変だし開けていても利益は減るだけだし、今回の判断も仕方がなかったのかなということですね。

改めて思うのですが、地方では観光客を呼び込むために、地方の色を出してアピールしようとします。その中で、全国を旅していてわかるのは、地方に住む人が普通に食べているものの、なかなか全国的な知名度に乏しい、いわゆるB級グルメの存在です。こうした地方発祥の食べ物というのは、大きなマーケティングの結果生まれたものではなく、あくまで地元の食材や食習慣、地方の人の味の好みなどを見ながら、地方の食堂の方々が工夫して作ってきたものです。それを広くアピールするのはいいと思うのですが、その味を作ったお店自体を長く営業できるようにフォローしていく(後継者問題を含めて)というのも、地方の活力を伸ばしていくためには必要になっていくことではないかと思います。特に「静岡おでん」というのは最近になって全国に広まってきたものなので、そうした中での老舗の一つが何の対策もないまま閉店してしまう現状というものは地元民にとっては悲しいですし、今後同じような状況になった時に何かできないかという風に考えてしまいます。

これは、静岡に限ったことではなく、今後も全国で多くの地元グルメの名店が経営危機になって閉店というような流れは止めようがありませんので、そうなると体力のある全国チェーンの外食店しか残らなくなるような事も現実に起こり得ます。この問題は時間の経過とともに顕著になっていくことが予想されますので、今のうちに「地元の味」をそれを生み出したお店とともにどう残していくかということを、地域全体で考えていくことも必要ではないかと思ってしまいます。


カテゴリー: 地域情報・イベント, 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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