テレビ地上波同時配信と車中泊旅行

先日紹介したNHKの総合とEテレの番組を同時配信する「NHKブラス」は、200kbpsくらいだとしばしば止まってしまいますが500kbpsまでは出なくても400kbpsくらいなら(私のmineoを使っての印象です)何とか止まることなく外でテレビ放送を見られるようになっています。まだ民放の同時配信はテストのみで、現状では自由には見られないものの、番組放送終了後の見逃し配信を行う「TVer」は今でも利用できます。今後その「TVer」では民放地上波の同時配信をするためのテストを行ったりしていますので、そうしてNHKと民放の同時配信が日本全国で実現されるようになれば、かなり車中泊での夜の過ごし方も変わって来ることが想像できます。

かなり以前から車中泊の旅をする中で、日常の生活から離れて自分を見直すという意味で旅に出ている方にとってはなにも旅の最中にテレビを見なくてもという意見があることは重々承知しています。ただ、車の中でもテレビを見たいという人は昔からいて、車にサブバッテリーを入れるだけでなくテレビを設置した上、アンテナにも投資して地上波の難視聴地域では衛星放送用のパラボラアンテナを設置し、移動しながらも常に衛星を捉えることのできるシステムを搭載したキャンピングカーを自慢されていた方とも会ったことがあります。しかし、衛星放送はともかく、地上波テレビについてはスマホ一つでも移動しながら難視聴地域でもネットが繋がれば見られるような状況になるに従って、いわゆる「車中泊道具」がどんどんスマホに置き換わっていっているように感じます。

かつてはスマホやタブレット端末にテレビを楽しめるようにワンセグだけでなくフルセグチューナーが付いたものが結構ありましたが、この機能は地域を移動せずに使うなら最強です。特にフルセグチューナーが付いたタブレットを災害用品として用意しておけば、大きな災害が起きて停電し、ネットが不通になったとしても、本体内臓のアンテナだけでも視聴可能地域なら、モバイルバッテリーから充電したり、そんなに大きくない太陽光パネルの充電システムがあれば、テレビの継続視聴が可能になります。

これはこれで用意しておいていいものだと思いますが、車旅で使おうとすると、移動することによって頻繁にエリアを変える必要があるので運転しながらの利用には向きません。さらに、車中泊場所を探す中で、どうしても地上波テレビの電波が入りにくい場所が静かに寝るためのベストポジションだったりするのですね。そのような時に、高速インターネットでなくても300~500kbps、さらにできれば1Mbpsくらいの速さのデータ通信を制限なく使える環境があれば、携帯電波さえ繋がっていればテレビ放送を見ながら移動したり、車中泊の寝るまでの間を普段のようにテレビを見ながら過ごすことも今後の状況によっては十分可能になってきたわけです。

また車の中でテレビを楽しむためには、スマホ本体の音の出口であるスピーカーの性能に左右されるところがあります。特に雨が強く降っているときだと雨が車のボディに当たる音が大きいので、スマホのボリュームを最大にしてもほとんど聞こえないというようなことがあります。私は車のドリンクホルダーに収まる大きさのBluetoothスピーカーを常備し、移動しながらでも割とはっきりとスマホの音を車内で響かせる事ができるようにしています。

スマホとBluetoothスピーカーを用意するだけで、音楽もラジオもテレビも車内で楽しめるようになるわけなので、常に同時配信が快適に見られたり聞けるような通信環境を整えると、他の持ち物はいらないということになります。つくづくいい時代になったものだと思いますが、こういうことも知らないと便利さを享受できません。

まだ新型コロナウイルスの脅威があるなかで出かける手段としては、自家用車を使って他人からウィルスを伝染されないようにと考えている方も少なくないと思います。ちなみに、いつまで使えるかわかりませんがMVNOの楽天モバイルの「スーパーホーダイ」なら、お昼でも最大300kbps、その他の時間なら最大1Mbpsのスピードが低速制限されても出ることがアナウンスされているので、あえて消滅寸前のドコモ回線の「スーパーホーダイ」に駆け込み加入するということも考えられるのですが、どちらにしても一定の期間が経過した後は新プラン固定で移行案内される(楽天回線ならハイスピードで使い放題ですがエリア外は2GBを超えると128kbpsに制限)と思うので、私の使っているmineoのオプションプラン「パケット放題」なども視野に入れながらモバイル回線の再編を考えてみるのもいいのではないでしょうか。ただ、くれぐれも事前の確認をした上で利用回線を考えてみてください。


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