テクノロジーの進歩で今後必要になるのは「修正力」か

スマホが高性能になるに従って、手帳の代わりとして使われていたものがゲーム機になったりカーナビになったりするなど、全てをスマホで済ませてしまうような状況がもう来てしまっているようです。

先日、Googleが同時翻訳が可能なアシスタント機能を発表しましたが、このサービスを使えば少なくとも海外旅行における意志の疎通ぐらいだったら何とかなりそうな気がします。さらに、まだ日本語では実現されてはいないものの、スマホのアプリとして自分が喋った言葉をテキスト化するようなレコーダーアプリについてもGoogleは開発しているようで(現在は英語のみで日本語にはまだ適応していないそうです)、もはや人間の知力で行なってきた仕事の一部がAIによって代行される未来も予想することができます。

特に私たちの話し言葉を翻訳したりテキスト化するという事で言えば、キーボードからの入力自体がいらなくなる状況も見えてきます。文字数が少なくつぶやくツイッターだったらあえてスマホのフリック入力をしなくても、今より迅速に発信することができるでしょう。

しかし、こうした音声認識の技術については、私たち人間の耳でも誤認識することが多く、AbemaTVでよく使われるAIによる字幕の内容を見ていると、まだ複雑な日本語をきっちりと認識し表示することは難しいと思われます。

ただし、そうしたAIの能力を最大限に使うことで、これからのパソコンに向かう作業を効率化することはどんどん可能になっていくでしょう。翻訳については、話す前に自分の中で内容を整理し、難しい言葉を使わないで易しい日本語で言い直すことができれば、それを翻訳するAIの能力に限界があったとしても自分の伝えたい事はしっかり伝えることができるでしょう。そういう意味では、現在の学習においても「国語」をしっかりやらないと、英語を含めた他の教科もうまくいかなくなることが予想されます。理系の方も論文を書くのに、あまり専門的な事がよくわからない人にどう説明するかということができなければ限られた人からしか評価が受けられなくなります。常日頃、他人に読んでもらうことを前提に文章を書くということの大切さというのを改めて考えてしまうところです。

パソコンに向かって文章を書くためには、キーボードの打ち方をきちんと学習しないとなかなか難しいという事がありますが、この点はAIの進化とともにキーボードを必要としない流れになればいいなと思う方も少なくないでしょう。かなりの精度で自分の発する言葉をテキスト化できるようになれば、ほとんどキーボードからの入力も必要としないで文章書きおよび修正までできるようになるとは思いますが、一つ問題があります。

日本語というのは「ひらがな」「カタカナ」の他に「漢字」があり、その読みによって多くの同音異義語があります。例を挙げると「対象」「対照」「対称」はどう使い分けるのか、「意義」「異議」「異義」はどうかなど、言葉の意味をきちんと理解していないと迷う場面というのは多くあり、さらにAIによる自動変換が行なわれると、AIをそのまま信じていいのかというところでもつまづくところが出てくるでしょう。

さらに個人の名前に使う漢字には普段私たちが使わないような漢字および読みが使われているものが少なくなく、これらを音声認識が全てやってくれるというのは相当に難しいと言わなければなりません。となると、必要な事というのは、一気に喋り通して長文を書いた後で、その内容に誤りや誤変換かないかをチェックし、さらにその違った部分を迅速に修正できる人間の能力を上げていく必要性があるのではないかということになってきます。

例えば「椙山」さんという人がいたとして、AIが「杉山」と認識して表示してしまったような場合、手書きなら「杉」を「椙」に書き換えるだけで済みますが、全ての作業をパソコン上から行なうとなると、「椙」という漢字を単体でどうして入力するのかと作業が止まってしまうより「すぎやま」と入力して変換する方が早く修正することができます。

現実的にはパソコンよりもスマホやタブレットを使い、手書き文字を一文字たけ認識させるような機能が付いたエディターが一般的になれば、今までの漢字の学習能力が無駄にならず、スマートに早く自分の喋った文字をキーボードで打つよりも仕上げることができるようになるでしょう。ただ、後から読み直して恥ずかしい間違いをそのままにしないようなチェックは必要で、さらに喋り言葉特有の表現に終始していないかなど、きちんとした推敲も今までより必要になってくるのではないかと思います。

それでも、AIの翻訳や音声認識機能を十分に使いこなし、人間の作業を修正をすることに絞り込んで行けは、会議の内容のテープ起こしやインタビューの文字化などの作業もかなり楽になることが考えられます。

私の場合はこのブログは全てキーボードからの手打ちですが、これが全て音声入力に代わるかというと、人が多くいるところではさすがにマイクに向かって大声でしゃべるわけにもいかないので、完全にパソコンのキーボードがなくなるということにはならないと思います。さらにキーホードを使い間違った漢字の変換方法についてもそれなりの経験を繰り返せば、人並みくらいの入力速度であっても音声入力との併用でさらなる高速のテキスト入力も可能になるのではないかと思っています。キーボード入力のスキルというのは今後も無駄になることはないと思いますので、様々な技術が話題になる時期だからこそ、基本的な国語力やキーボードの学習など、地道に覚えることの大切さというものを忘れないようにしたいものです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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