TVerというのは放送直後の民放の番組をネットでだいたい一週間くらい配信するサービスです。私はかなりこのサービスを利用していて、先にTVerで配信される予定の番組をチェックしておいて、見たい番組がかぶった場合にはTVerで配信されていない方の番組をリアルタイムで見たり、今まで録画するのが当り前だった番組もTVer配信されるものはあえて予約録画しなくなりました。
それは、大型テレビにAmazon Fire stickを繋ぎ、その中にTVerアプリをインストールするとほとんどテレビ録画を見る感覚で多くの番組を楽しむことができるようになったからです。リアルタイムに放送を見るのは、先日紹介したスポーツのライブ放送は当然ですが、すでに録画であるとわかっている番組や、翌日朝早くから出掛けなければならない時には後でどこにいてもネット環境さえあれば一定期間最新の番組が配信されるというのは本当に便利で、もっと多くの人に知らせたいサービスです。
ただ、そのTVerにNHKが今月には参加を開始するということが発表され、少々戸惑っているというのが正直なところです。ただ、これにはNHKが常時ネット配信を行なう前にあたっての準備だというところもあったようです。NHKが「常時同時配信」を今年度中に実施する条件の一つとして、総務省の有識者会議から民放との連携を求められ、その具体策として昨年、TVer参加を表明していたそうなのです。
ということは、ワンセグ付きでないスマホを持っている人でもTVerをインストールできるスマホやブラウザから見られるパソコンを持っているだけで、NHKは個人からでも受信料を徴収できる根拠にTVerがなり得るということになります。
こうしたサービスは一般ユーザーに有無を言わせない状況の中で始まり、そこで配信される番組については8番組とも10番組とも言われています。具体的に名前が挙がったのは「ダーウィンが来た!」くらいですが、大河ドラマや朝ドラは配信されないようです。そもそも、NHKには有料配信のサービスである「NHKオンデマンド」があり、このサービスは受信料を払っている人でも追加料金を払って利用していたというのも、今後変わっていくのかそのままなのか、良くわからないので様子を見るしかないでしょう。
国会では良くも悪くも「NHKをぶっこわす」という公約を掲げた政党が注目を集め、今後NHKも予定通りに常時同時配信ができるのかどうかは不透明です。まずは、NHKがTVerにどんな番組を回すのかということで、単なる次へのステップアップのための試行に過ぎないのか、有料ではなく無料の見逃し配信を本気で行なおうとしているのかを見極める必要があるような気がします。