家庭用入浴剤は清拭に使えるか

日々のんべんだらりと過ごしているようでも、はっとするような情報が入ってくることがあります。昨日が防災の日ということもあったのか、たまたまラジオのショッピングコーナーで、現在会社の名前をバスクリンと変えてしまった入浴剤メーカーの「薬用入浴液」の紹介に耳が止まりました。

基本的にはお風呂に入れて使う液体の入浴剤なのですが、少量のお湯で薄めてタオルに浸したもので体を拭けば、清拭用としても使えるという商品のようでした。小さなお子さんやお年寄りと一緒に生活をしている場合、日々の入浴でも使えるし、お風呂に入れない状況でもオムツかぶれの対策として有効だということでした。ただし、使う人の体に合うかどうかは使ってみなければわかりませんし、何よりも私が常用しているわけではないので、ここでこの商品がどうかというような話ができるものではありません。ただ、自分の体に合ってそれなりの効果があるものなら、普段使いのものをそのまま災害用にも流用できるグッズとして使えるのではないかと思ったわけです。

もちろん、清拭というのは日常的な介護に必要な作業であり、専用のタオルや薬剤、保湿用のクリームなどが用意されているわけですが、実際に介護を必要としている人が家族の中にいれば使っているものを災害用に充当できます。ただそういう人がいない場合はもしもの時だけのためにそうした物を買っても、商品としての賞味期限が切れてしまえばそれまでです。

そこで、改めて災害時における入浴剤の利用方法について考えてみることにしました。入浴剤とはよくある粉末のものから液状のものまでいろいろありますが、まずは少量をお湯に溶かして使う場合です。

この場合は大きめの洗面器と沸かしたお湯があれば、お湯の量に合わせた入浴剤を入れることで簡易的な足湯として体の疲れを取る効果が期待されます。カセットコンロとナベがあればお湯は作れますし、飲まないなら備蓄しておいたものの賞味期限切れになった水でも行けるかも知れません。保管した水についてはあまり長く時間が経ち過ぎていると菌が発生しているリスクも有りますので、給水車によってある程度まとまった水が入手できれば、そうした水を使う方がいいかと思います。

足湯として使えるだけのお湯を沸かせなかったり、足をつけられるだけの大きな容器がない場合には、普通の洗面器に入るくらいのお湯に入浴剤を入れ、その中にタオルを入れて絞り、体を拭く方法が考えられます。ただ特別に清拭に使用できるとは書いていない商品で体を拭くのはどうかという疑問も出てくるでしょう。実はこの点については同じ入浴剤を毎日使っているなら答えはすでに出ているのではないでしょうか。常に入浴剤を入れたお風呂に入っているなら、浴槽にタオルを入れてそれを絞ったもので体を拭いていても皮膚などに問題が出なければ、少なくとも体に悪影響は出ないということになります。

お湯や水にタオルを浸して体を拭くだけではさっぱりしない場合は、入浴剤の量に気を付けつつも試してみる価値はあるでしょう。メーカーの方では入浴剤を入れたお風呂の残り湯で洗濯をした場合にどうなるかという事も試した上で製品化しているわけですし、何より毎日使っていて肌がひりひりするなどの不具合があればずっと続けることはないわけですから、体を拭くために少量のお湯と入浴剤を使って作ったものにタオルを漬けて拭く行為というのにも、それなりに安心はできるのではないでしょうか。

今回の結論としては、毎日使っている入浴剤があるなら、念のためそれも容器ごと持ち出して、お風呂に入ることができるかどうかの見込みが全くない場合には体をさっぱりさせるためと、気分転換のためにも入浴剤を入れた水やお湯に浸したタオルで体を拭いてみるという方法を試してみるのもいいということになるでしょうか。

そのように考えると、非常用に持出袋を用意している方であっても家族全員が体を拭くためには用意していたタオルの量ではとても足りないということも考えられます。タオルは私も阪神・淡路大震災の時にトラックに乗って現地のボランティアセンターに届けたのですが、いくらあっても足りるということがない有効に使える支援物資です。自分が被災しなくても他の地域て大きな災害が起きた際には支援物資として送ることもできるものですので、いただいてすぐには使わないタオルはまとめていつでも出せるようにしておくこともまた大切なことではないかと思います。


カテゴリー: 防災グッズ | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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