災害に関する「デマ」に惑わされないために

熊本を中心とする地域に大きな地震が起こってから一週間が経ち、まだ終息したとは思えない中で多くの方が現地で不安を抱えながら過ごしていることと思います。日常とは違う非日常の中で、現在さまざまな震災に関するデマの流布が問題になっているようです。

避難生活の中で様々な話が交わされると思いますが、その中で話された単なる居酒屋談義のようなたあいもない話に尾ヒレが付いて、大きなデマとして流れていってしまうということは今後も起こる可能性がありますので、出所のわからない情報の受け取り方には十分注意をしていただきたいと思います。

震災というのは、一般的に言って単純に誰が悪いという判断は付けられないものですが、不自由な生活をする中で誰が悪いのかという事を言っても仕方がないものの、あえて悪者を作ってストレス解消を図るような会話をする方もいるかも知れません。それがまともな情報のように流されることによって、あたかも真実のようにネットを通じて拡散していくという事は十分に考えられることです。

ここでは、過去の例もひきながら、具体的なうわさの傾向からその対処方法について考えていこうと思います。

・その1 (具体的な日付を挙げて)大きな地震が起きる?

こうした情報は地震が起きていない地方でも起こり得ます。過去には富士山が噴火するといった話もまことしやかに語られたことがありますが、それこそ今回の熊本の前震や本震を予知することができなかったのですから、気象庁発表の警戒情報以外には信頼に足る情報というのはほぼないと言うのが実際のところでしょう。ですから、こうした情報が具体的であればあるほど、その本質を疑う事が大切てす。

・その2 原子力発電所の火災や事故関連のうわさ

東日本大震災で実際に放射能漏れが起きてしまったことにより、九州や四国にある原子力発電所が放射能漏れを起こしたというデマも起こるかも知れません。ただ、そんな事故が本当にあったら、テレビやラジオですぐに報道されるでしょう。電力会社や政府の中枢にいる人が事故を隠すのでは? という不安がこうしたデマを拡散する可能性はありますが、特に現在の事を言えば、もし事実を隠した事が後から発覚したら、電力会社も政権も今まで行なってきた政策全てがふっ飛んでしまうくらいのしっぺ返しを受けることは容易に想像できます。

また、放射能に関する誤った情報が回ってくる可能性があります。東日本大震災の時にはうがい薬を飲むと内部被爆を抑えられるだとか、塩が放射能に効くといった誤った情報から商品の買いだめが起こったほどです。もちろん、そうした情報は正しくなかったことが後で判明しています。

ただ、東日本大震災の場合には放射能汚染が心配される地域の発表をすぐには行なわなかった事により、政府の避難行動についての発表を信じてその場に留まって被爆してしまった方少なからず出てしまいました。こうした教訓を踏まえると、きわめて深刻な事態が予想されるほどの事故が起きたことが明らかになった場合は、日本のマスコミだけでなく、ネット上で海外から危険情報を入手することも重要です。

特に周辺国では風向き一つでいつ自分の国が汚染されるかということには神経を尖らせているので、日本政府やマスコミの出したくない情報もつぶさに明らかにされる可能性があります。ただその際も、データの発表元に直接当たって確かめることをしないと、間違った情報に躍らされることになりかねません。、現地周辺でモニタリングを過去から継続して行なっている方が発信している情報があれば、そちらの方の情報にも合わせて当たってみることも大事です。

・その3 現地状況における悪意あるうわさ

今回の熊本地方を襲った地震では、大きな余震が何回も起き、まだ終息しているとは言い難い状況のため家に入ることができないまま避難所や他の場所で避難生活を続けている方が多くいます。そのためどうしても起こってくるのが、空き屋を狙った空き巣の存在で、その事がうわさの元になっています。

過去の東日本大震災においても、空き家を狙った外国人窃盗団が暗躍しているというデマが起こりました。逮捕された窃盗犯の中には外国籍の人間がいた可能性はありますが、そもそも窃盗団のような組織化がされていたのかどうかはわかりませんし、窃盗という事実よりも特定の外国人の存在の方がクローズアップされて、例えば避難所で一緒にいる外国人にも嫌疑の目が注がれる事も起こり得ます。

また、被災地に支援物資が届かないのは誰のせいだとか、避難所周辺で放していた(大型)犬が人を襲って大怪我をさせたとか、普通に考えればおかしいと思えるようなデマも避難生活の不安とともに広がり、避難している人同士のイザコザの種になったりするかも知れません。

もしそうしたうわさを口コミで聞いた場合は、誰から聞いた話か確認するとともに、それが具体的にその場で起こった事なのか、単なる伝聞に過ぎないのか確認してみましょう。本当か嘘か判断に困った場合は、避難所の運営を行なっている責任者に直接聞いてみたり、現場で取材を行なっているマスコミにこのような噂があるが本当に起こったことなのかと直接問い合わせてみる事も効果的です。

うわさやデマの出所として最近クローズアップされているのが、元が口コミであったとしてもそれがネットのSNSで拡散される場合や、最初からネットで嘘の情報を流される場合です。もし、ネットの情報で【拡散希望】とあったとしても、自分で拡散する前にしっかりと情報の出所を確認する必要は出てくるでしょう。

ネット掲示板の情報の場合、リンクで大手ネットニュースやマスコミのニュース記事がリンクされているかどうか確認した上で拡散するようにした方がいいですし、ツイッターでの情報については、元発言がどこなのかを確認してみましょう。

あと困るのが、悪意ある情報発信者が信頼できるアカウントを騙って情報発信をしている場合もあるということです。情報ソースを見付けて間違いないと感じた場合も、改めてそのアカウント全体の内容を閲覧し、そのアカウントが本当に信頼すべきアカウントで、過去の災害においても情報発信をしているのかということまで確認しておいた方がいいでしょう。早まってアカウント偽装が発覚する前に拡散させてしまったら、自分が悪意あるデマ拡散に一役買ってしまうことにもなりかねません。

もしお互いに疑心暗鬼になって収集が付かなくなったら、必要に応じては大手マスコミに電話して確認することも必要になってくるかも知れません。こんなデマがあったということがニュースになれば、以降はそうした情報に踊ってしまう人も無くすことができるでしょう。

今後、地震活動そのものが少なくなることによってこうした流言も減っていくと思われますが、こうしたデマが回る時というのは、一般的に以下のようなケースが考えられます。多くの人が災害についての情報を求めている中で曖昧な情報しか入ってこないため、マスコミも不確かな事を報道できないような状況が長く続くような場合が危ないです。多くの被災者は情報に飢えているようなところがあるので、裏を取っていないため、まだマスコミに載らないような不確かな情報が口コミ(口コミを聞いたネット発信も含みます)で回ってしまうという可能性は高いと言えます。

テレビやラジオから情報が取れる場合はまずはその内容を十分に確認し、口コミ情報として流れてきた情報がマスコミの発した内容と一致したら、少なくともデマに惑わされることはなくなります。心理的に弱くなってしまう中で平常の心理状態を保つのは難しいとは思いますが、誤った情報を基に行動を起こすことは更なる疲弊だけでなくその後の人的な対立をも生むかも知れません。情報を受け取る時にはもちろんですが、入手した情報を伝えようと思っている時も一呼吸置いて十分確認してから行なうことを心掛けていただきたいものです。

これは、被災地だけの問題ではありません。私自身も十分に誤った情報を発信してしまうことの恐さを認識していますし、これから被災地のためにブログを書いたり、ツイッターで情報発信しようと思っている方も、もし自分の流した情報がデマだったとわかった時の恐ろしさを考えていただきたいと思います。


カテゴリー: 防災コラム, コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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