100円ショップのグッズだけで実現可能な災害用の湯沸かしセットについて

先日、災害対策としてのアルコールストーブの自作のススメについて書かせていただきました。今回は具体的に、自作したアルコールストーブの他に何を揃えれば、災害時に使えるようになるかということを考えていきたいと思います。災害用ということは、キャンプ趣味とは違いますので、全国どこでも100円ショップへ行けば揃えられ、なおかつ効率的に400ml(カップ麺一回分、コーヒー二杯分)のお湯を作るための装備について紹介していこうと思います。車中泊の簡易湯沸かしとしてもかなり優秀かつコストが抑えられますので、興味のある方はごらんになって下さい。

まず、肝心なお湯をわかすための鍋として、100円ショップのダイソーで売っている450mlの「フック付ステンレスマグカップ(大)」が火にかけられるタイプで結構しっかりしているので選びました。ちなみに、400mlの水を入れるとこのくらいの水量(下の写真)になりますので、ご参考にしてください。

お湯を効率的に沸かすためには、できればマグカップの蓋が必要なのですが、これについては、同じ100円ショップに置いてあるステンレスの小皿を蓋代わりに利用しようと思います。どちらも税込110円で揃うので、これで220円となります。

また、マグカップの持ち手にはバックに付けておくためのフックがあるので、これをお皿のところに付けておくと、どこかに行ったりしないだけでなく、フックの部分が下がって火に当たって危険な目に遭うこともありませんので、強引にフックを取り外さないなら、こういった形でフックが下がることを防止することも考えてみて下さい。

このマグカップを乗せるグルーブストーブクレセントについては、190gのコーヒー用のショート缶のサイズ(直径53mm)のもので製作することにしました。一般的な缶飲料(350ml・500ml)の直径66mmのものよりも、サイズ的にダイソーのマグカップで効率的に使えそうだということと、直径66mmの使用済缶がもしあれば、適当な高さで切り、底の部分を上にしてアルコールストーブの消化蓋としてセットで使えるということも考慮しました。アルコールストーブは慣れない人だとびっくりするくらい炎が上がる(カップや鍋などを載せていない時)ので、沸騰したら速やかに消火できる方が安全性の面でも良いですし、多少多めにアルコール燃料を入れていても、すぐ消せば直後にはまだアルコールストーブ内には液体燃料が残っているので、それを速やかに回収できるというメリットもあります。

今回は無風の室内で湯沸かしをしましたが、野外で今後行なうことも考えると、ほとんどの100円ショップでは税込330円~550円(長さにより価格は変わります)ぐらいでウィンドスクリーン(風よけ)が売られていますので、必要に応じで購入するのも有りです。ただ、災害時には風よけの代わりとして使えるものは見付かると思うので、必ずしも無くても大丈夫です。室内利用でもし倒れてしまった場合の備えとして、写真では金属のお盆を敷いていますが、100円ショップでは税込110円でステンレストレーを売っていますので、これも必要に応じて用意しておくと良いでしょう。

グルーブストーブクレセントを載せているのは、セリアで売っている「固型燃料ストーブ」をひっくり返したものです。こうして53mmのアルミ缶で作ったグルーブストーブクレセントを乗せると、ちょうどくぼみのところにぴったりとはまり、安定して使えるだけでなく、ストーブが発する熱を床にほとんど伝えずに使用できます。詳しくは以下のリンクを参照していただきたいですが、これも税込110円で購入できます。必要に応じて以下のリンクにあるシェラカップ用網(ストーブ本体にピッタリハマるので本来の使い方をする場合に口径の小さなカップでも安定して載る)、や固型燃料用の皿、ミニキャンドルを追加して飲み物の保温に使うなど、単なる湯沸かし以外にも用途が増えます。

セリアの「固型燃料ストーブ」はシェラカップ関連商品と組み合わせると使い勝手が変わる

ちなみに、グルーブストーブクレセントとダイソーのマグカップに簡易的な蓋をした場合、400mlの水はだいたい8分から8分半で沸騰し、基本は15mlのアルコール燃料で沸騰するのですが、この組み合わせは効率が良いため14mlのアルコール燃料を計って沸騰させたところで消化蓋で消したら、約1mlのアルコール燃料を回収できました。あくまで参考ではありますが、この組み合わせでは約13mlで400mlのお水を沸騰させることができるという計算になります。

ちなみに、燃料である燃料用アルコールは全国の薬局でだいたい500mlの容器のものが税込330円(私の住む場所の場合)で購入できるので、同じように400mlのお水は38回も沸騰させることができるという計算が成り立ちます。一回の燃料代は約8.7円ということになり、燃料容器はプラスチックなので、ガス缶と比べても片付けを考えればずいぶん楽になります。

最後に、私がすでに持っている100円ショップグッズを加えて一式まとめたものが上の写真になります。この他には火付け専用のライターも100円ショップで買えますので、それを加えて770円(110円商品7個)ぐらいで、湯沸かしだけでなく温かい飲み物をキープするミニキャンドル(写真では一個ですが、これは100円で同じものが15個付くダイソーのパッケージを購入しています)も付けることができます。キャンドルは明かりとしても使えるので、災害用としては相当充実しているのでは? と思っています。予備として2~3個のキャンドルと一緒に入れておけば、いざという時の備えとしては十分なのではないかという気もします。また当然、このセットを車の中に入れておき、火器が使えるような場所を見付けたら、そこで湯沸かしをするために使うようにしても便利です。日常的にこのセットを使えるようにしておくと、いざという時にも慌てずに使うことができるようになります。特別に高価なものでなく、あとはグルーブストーブクレセントを作るための空のアルミ缶と製作する人間の意欲だけがあれば良いわけです。多くの方の参考になれば幸いです。


スポンサーリンク

コメントを残す