車中泊やキャンプ用に野外でも調理できる火器について、昨今ブームの焚き火ではなく、私はコーヒー沸かしに使う燃料用アルコールを使ったアルコールストーブをメインに使っています。
当然ながら、煮込むような料理には適さないので、その時にはカセットガスの使えるバーナー(カセットコンロ)を使いますが、野外で何をするかというと、炊飯と湯沸かしぐらいしか使わないなら、アルコールストーブが一番経済的に不燃ごみも出さないので、かなり前からアルコールストーブをメインに使用しています。
アルコールストーブは国産や海外産のものを購入して使っていたのですが、アルコールストーブは他の(ガス・ガソリン・灯油)ストーブより構造が簡単なので、アルミ缶を加工して自作している人が結構います。ただ、過去に紹介した100円ショップで販売していたアルコールストーブが、使用上の注意を守らない使い方をすると爆発するようなこともあり、自作するのは躊躇していました。それは、注入したアルコールが燃焼中に外に漏れ出さないようにしっかり蓋をしたりするようなタイプのものは恐くて作れないと思っていたということもあります。
しかし、底の部分から切り出したアルミ缶に、筒状に切り出して折り曲げ加工したアルミ缶を組み合わせるだけで市販品にも劣らない性能が実現できる「グルーブストーブ クレセント」の存在を知り、とにかく作ってみたのが、以下のリンクの記事ですが、作った当初は調整が難しく、作っても安定した性能を引き出すことは難しいものでした。
ただ、上のリンクにあるように、一度折り曲げたところをさらに溝を作るように加工するよりも、差し込んだ時の高さを調整するだけで、私の場合は安定した結果が出るようになりました。それまでは5mmから7mmくらいで作っていたものを、10mmを目安にして作り、あとは実際に燃焼させて上に乗せるクッカーから炎がはみ出さないくらいに調整してやると、本体加工は軽く折り曲げるだけで安定した性能が出せることがわかりました。上記リンクの追記欄に写真を付けたのですが、ここでも同じではありますが、出来上がりの写真を紹介しておきます。
これなら、手持ちの安定して使えるグルーブストーブの寸法をそのまま計って、寸法通りに作れば、作業にむらがあるとは言え、ほぼ同じものが完成します。小学校の図工の授業ぐらいの難易度で、カッター・工作用はさみ・定規・マーク用のマジックペン・紙パンチ・型紙取り用のコピー用紙・セロテープといった災害時の避難所に指定されやすい学校には必ずある道具とアルミ缶があれば作ることができます。
当然ながら避難所でアルコールストーブを使う場合は外に出て使用するなど細心の注意は必要なものの、焚き火のように地面をこがしたり大きな音を出したり、匂いや煙を出す心配のないアルコールストーブをピンポイントで使えれば、お茶を飲んだりカップ麺用のお湯を作るツールとして十分使えるのではないかと思います。写真のストーブは直にカップを載せられる「ゴトクいらず」のストーブであるということも、災害時には心強いと思います。
しかも事前にアルコールストーブ本体を用意することもなく、必要なだけどこにでもありそうなアルミ缶を使って作ればいいだけなので、作り方を知っている人を増やせば、冷たいお弁当と冷えたペットボトルを冬の避難所で食べたり飲んだりするような状況が変わってくると思います。今までは作っても性能がバラバラだったので他人に使ってもらうのにも躊躇するような感じだったのですが、今後は興味がありそうな人には作ってあげるというより、その作り方を教えてあげるようにしたいと思います。