特別な事をせずキャンプ用の装備をするだけでできる防災の考え方

このブログでは早くから車中泊と災害時の生活をセットにして色々と考えを巡らせてきました。自宅でそのまま過ごせるような場合は、寝るための設備は必要ありませんが、避難所で過ごさなくてはならないような場合には、キャンプ用のマットやコットを使ったり、テントを室内に設営したりすることで、避難所生活の苦労が少しはやわらぐのではないかと思います。

今までは、このように主に地震の後の避難生活について考えていたのですが、今年も多くあった大雨による被害についての対応で考えなくてはいけないのが、自宅は大丈夫でも電気や水道、ガスが使えない中でいかに自宅で過ごすようにするのかという事も考えなくてはいけないと思います。

つまり、電気・ガス・水道が使えない場合にどのようにして自宅で過ごしていくのかというような事です。私の場合、徐々にそうした場合に何を用意し、食事をどうするのか? というような事なのですが、その前に電気・ガス・水道が使えなくなるとどうなるのか? という事をまずは考えてみたいと思います。

基本的に電気がないと昼間はいいですが夜はまっ暗になりますので、部屋ごとの明かりを用意する必要があります。また、水道がなければ水を汲みに行くための水ボトルを用意しなくてはなりませんし、お風呂・トイレも使えないことを覚悟しなければなりません。先に水道・ガスが復旧したとしても、ガス湯沸かし器には電源が必要なので、停電が終了しないと何もできない可能性もあります。トイレについては、もし外に災害用の臨時公衆トイレがあるようなら、そちらを使った方がいいでしょうが、外に出られない中で用を足すためには、自宅のトイレに一回ごとに固めて処理する災害用トイレを用意することは必要なこととして、災害用トイレを準備しておくことをおすすめします。

お風呂については体を拭くことで対応し、髪の毛が洗えない場合に備えてベビーパウダーを用意しておくと、「水のいらないシャンプー」の代用品として髪にまぶしてタオルで汚れを取るような事ができます。洗濯も水がなければ難しくなりますので、できれば転がして持って行ける大きめの水タンクか、キャリーバッグに水用の容器を入れて歩いて移動できるような準備をして、頻繁に必要な水汲みに備えることも忘れないようにしましょう。

電気については、今の時期だとエアコンが使えませんし、当然テレビも見られません。冷蔵庫が使えないことで、備蓄食料は常温で保存できるものを多く保存した方が防災の点からはおすすめです。停電がわかったら冷蔵庫に入っていた最低限必要なものは、クーラーボックスに移すにしても停電が長く続けば続くほど中味は傷んで行きますので、冷蔵庫で保存するものは最低限にするか、傷んできたものは体調管理を優先して諦めるしかないでしょう。

ポータブル電源がある場合、それを何に使うかというのも大事な選択になるのではないでしょうか。私の場合は日が出ていれば複数のポータブル電源をソーラーパネルで充電することができるので、スマホなどの充電については普段通り使っても問題ないくらいの電源は確保していると思います。スマホが使えれば、テレビとネットの同時配信がされていれば、スマホがテレビの代わりになります。

スマホ充電以上の余剰があれば、今の時期ならDCモーターで省電力の扇風機を回すことを優先するのではないかと思います。逆に言うと、普段の生活で必要がないと思われても、DCモーター採用の扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用することは大事ではないかと思います。少ないエアコンの出力でもそこから出る冷気を拡散して部屋全体を冷やすことができますので、今後シーズンオフのセールでDCモーターの扇風機が安く売りに出た場合には購入を考えてみてもいいのではないでしょうか。

非常用食料については、基本的に、日本での備蓄食料といえば「米」に勝るものはないと思います。昔から通貨の代わりとして取引してきたもので、戦の前にはいかに米を集められるかで勝負が決まるようなこともありました。今の時期だと専用の保管庫がないと長期保存はできませんが、日常生活での主食をお米にしておけば、常にストックが有るような感じにはできると思うので、しばらくの食事をキープするには十分だと思います。

そこで問題となることがあります。皆さんはお米を炊く場合、何をお使いでしょうか。電気炊飯器を使っている方は、停電が収まるまでは炊飯器は使えません。自宅ではガステーブルに炊飯機能があるので、ガスで炊いています。ですから、停電でもガスが通っていれば何とか炊飯をはじめとした調理ができるのですが、炊飯の場合はきちんと測って火に掛ければ自動炊飯ができるので、停電でも同じように操作するだけなので慌てずに済むということがあります。

もしご自宅がオール電化の家だったり、IH調理器を主に使っている場合には、別の熱源が必要になるでしょう。一般的にはカセットコンロがあると便利なのですが、残念ながらカセットコンロでは自動炊飯はできません。

私の場合は、キャンプ飯用にメスティン小・大を揃えていて、小で一合、大で二合の自動炊飯ができるようにしています。これは、今では100円ショップでも売っているポケットストーブもどきの小型の五徳に固形燃料やアルコールストーブをセットし、お米の量に応じて固形燃料の大きさやアルコール燃料の量を変えることで、火を付けてから消えるまで何もしなくても炊きあがるようにグッズを準備しているからです。私は主にアルコールストーブを使うのですが、20mlで一合、30mlで二合の自動炊飯が可能になっています。

メスティンを使った炊飯においては、事前にクッキングシートを「メスティン折り」したものを先にセットし、その中にお米と水を入れて炊けば、炊きあがった後には中のクッキングシートのみを捨てれば良いので、洗い物がその分減ります。災害時の調理においては、食器は自宅にありますが、ラップを事前に巻くことで、食事が終わったらラップのみを捨てるようにするのと同じやり方です。そんなわけで、もし自宅で長期避難生活を電気・ガス・水道がない状態で行なう場合でも、温かいご飯をその都度炊いて食べられるだけでも安心するのではないかと思います。クッキングシートを折ってメスティンを汚さない方法については以下の過去に書いたものがありますので、参考にしていただけると幸いです。

https://syachu.net/2021042701

 


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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