無くして困るデータはどのように取り扱えばいいのか クラウドが信用できない場合には

LINEのトークの内容や登録内容などが中国本土で同国の技術者に閲覧可能な状況に置かれていたということが明らかになったことで、LINE本社では中国や韓国からLINEのサーバーの中味を見られないようにするとか、サーバー自体を中国や韓国ではなく日本国内に置くということを個人情報漏洩対策として発表しました。

問題は、単にサーバーを国外に置いたり、技術者を広く国外に求めることなのではないでしょう。現在の国内企業でも海外拠点は多くありますし、外国籍の社員も普通にいます。問題なのは、ボーダーレスでどこの国に置いても物理的には問題ないサーバーを、国家権力で管理しようとする国に置くというのが問題なのです。

LINEが日本よりも厳しく個人情報について守る姿勢を打ち出している国にサーバーを置くことができていれば、ここまでの問題にはなっていなかったでしょう。中国にサーバーを置くことのメリットは何なのかは私にはわかりませんが、一つには国内にサーバーを置く場合、地震・水災など毎年広い地域で災害が起こっていることから、情報の分散化の方法としては有りだと思います。場合によっては大きな災害でデータを消失してしまう危険性がありますが、今回のような状況というのはある意味災害よりたちが悪いかも知れません。安心してデータを保管できる国にならサーバを置くこと自体に問題はないと私は思います。

少し話は逸れますが、今回問題になったLINEのトークを含めた内容については、自身でバックアップを取ることができます。スマホを乗り換える場合には、いったんクラウドにその内容を避難させ、新しいスマホでアプリ自体の乗り換えを終えたら、改めてクラウドにアクセスしてデータを読み込むようにすればそれまでのトークの内容などは元に戻ります。

私などは結構スマホやパソコンの原状復帰のためにクラウドを使うことが少なくないのですが、それは写真などでも他人に見られても困らないようなものを多く保管します。そして複数のクラウド(国内・国外を含む)と契約し、一部同じものを保管し、どちらかのクラウドが使えなくなっても大丈夫なようにしています。

ただ、問題はそれこそ他人に知られるとアカウントを乗っ取られたり、情報そのものを元に脅迫されるような個人情報の扱いをどうするかということです。重要人物でもなければ多少の個人情報が知られるのは仕方がないとは言え、各種サイトやネットバンキング、健康診断の結果、マイナンバーなどの情報というのはクラウドに保管するようだと、それをもしわかる人が解析したとしたら、知らぬ間に口座のお金が消えていたり、クレジットカードの不正使用にあったり、病歴などの情報をネットに晒される危険性は残ります。

ですから、自分の生活基盤を壊される可能性のあるデータについては、便利なクラウドであってもアップすることは避け、当然LINEのようなアプリでも個人情報に関係するような話をすることは避けることが大事になります。

ではそうした人に見られたくない情報はどのように扱ったらいいのかということになりますが、一つの方法としてはロックを掛けたUSBメモリ、ハードディスク、メモリカードに保存するという方法が無難なのではないでしょうか。私が使っているスマホとガラケーにはどちらもmicroSDカードが入っているのですが、具体的にはこのカード内に大事なデータを入れて、普段は別にそれを使うでもなく入れておきます。もちろん、内容が変わった場合にはデータの上書きをし、最新の情報に更新しておくことも大事です。

私の場合は、大切なデータはパソコンのメモリに入れておき、その管理の中でデータをスマホ内のmicroSDカードにコピーするためにはケーブルで直接行なってもいいのですが、写真のようなUSBメモリーとUSBメモリをスマホ(Type-C端子)に直結するアダプターをセットで用意しています。USBメモリは大事なデータを複数持つことになるので持ち出さずに、もっぱら家でデータの移動に使い、もしパソコンが壊れてしまった場合のバックアップと兼ねるように使うことにしています。

大きなハードディスクと違って持ち運びに苦労することもないですし、このUSBメモリ自体を自分で作った非常用持出品の中に入れておけば、新しいパソコンで作業する場合にはこちらの組み合わせの方が色々やりやすいように思います。

なお、こうしたやり方はあくまで私の方法であって、客観的に見るとかなりセキュリティ的に甘い部分があることは十分承知しています。ただ、万全のセキュリティを追求するとなると、その分日々の利用やデータ管理が煩雑になるので、どのくらい妥協して自分のセキュリティを守るかというのが今後に向けての課題になるのではないかと思います。

一昔前と比べると、ネットの情報を使って他人の口座からお金を移動させたり、他人のクレジットカードを使って買い物をし、それを現金化するような状況は、今のような閉塞的な状況が続くと、将来にわたってそうした被害が増えてくるのではないかと危惧しています。いつの時代も被害を最初に受けるのはセキュリティを守るという考え方をあまり持たず、スマホは便利だとしか思わない人であるのではないでしょうか。今回のLINEの問題を前向きに捉え、情報の保管については色々と考えておくべきでしょう。今回は主にクラウドやメモリーにデジタルデータを保管することについて考えましたが、自宅や貸し金庫などに安全に保管できる場合は、データをプリントアウトしたものを別に置いておくことも一つの考えだと言えましょう。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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