若者だけが割引の主役ではなくなる日も近いのか UQモバイルが標準化する「60歳以上通話割」について

携帯電話の料金割引サービスというのは、主に学生や26才未満のユーザーに適用されることが多い傾向にあります。これはなぜかというと、学生の頃からユーザーを顧客として囲い込んでおくと、会社を移してまでプランを変える相当な理由がない限り契約は続く可能性が高いからです。もし他社が画期的なプランを出したとしても、横並びに同じようなプランで追随できれば、他社への乗り換えを阻止できる可能性も高くなります。例えばドコモユーザーが他の事業者に移る場合でも慣れ親しんだ環境を引き継ぐべくドコモ系列のahamoに留まるようなことを期待してのことではないかと思われます。

別の年代の割引としていわゆる「シニア割引」(60才以上の方が対象であることが多い)は今まであったものの、個人的には簡単に入っていいものだろうかと考えてしまう内容になっていました。特にテレビコマーシャルが多いYmobileやUQモバイルでは、通話料無料というキャンペーンを行なっていたものの、一つ問題がありました。通話料の割引を受けるためには事業者が指定するスマホの機種に機種変更することが必要で、今ある端末を使うと割引がなくなってしまうだけでなく、端末購入にはそれなりに追加費用がかかります。さらにiPhoneなど特定の機種を使いたいというニーズにもマッチしませんでした。

今回、UQモバイルが出してきた「60歳以上通話割」は、UQの主力プランである「くりこしプラン」に「24時間いつでもかけ放題」をセット契約すると適用され、本来月額1,700円かかる通話定額料金が永年1,000円引きとなり(700円プラスでかけ放題が実現)、2021年3月1日からサービスが開始されます。具体的には、

・くりこしプランS(3GB)とのセット料金 2,180円
・くりこしプランM(15GB)とのセット料金 3,180円
・くりこしプランL(25GB)とのセット料金 4,180円

となります。これで通話についてはナビダイヤルなど一部の電話番号を除いて固定にも携帯にも24時間かけ放題(プレフィックス電話でないのでアプリの切り替えミスでの過請求の恐れがなく、いわゆるガラホにも活用可能?)になるわけです。

現在、24時間かけ放題の付いたプランで最安のものは日本通信の「合理的かけほプラン」で月額2,480円(3GBの場合)ですが、自分だけでなく親のためにスマホを契約する場合にこのシニア向け通話割引が使えるなら、UQモバイルの「くりこしプランS」に「60歳以上通話割」をセットした方が安くなるだけでなく、アプリで高速と低速の切り替えができ、低速でも最大300kbpsで無制限にデータ通信ができるので、radikoや音楽配信サービスの利用、さらには最低画質でのYou Tubeの閲覧などできることは増えます。

ただし日本通信の場合はドコモ網が使えるので、山間部での利用の際にはエリア的に有利ですし、ドコモのスマホ・ガラホがそのまま使えるので料金を比較して安いから良いということはありません。ただそうしたキャリアのしがらみがなく、普通に生活をしている中でならau網でも何ら問題ありませんし、もう千円プラスして「くりこしプランM」とのセットにすれば、低速でも最大1Mbpsで利用できるので、自分がその年令に到達したらこのプランにするのが一番割りが良いのではないかと思います(^^)。

現在の新型コロナウィルスの関係で、実家から離れて暮らしている親子の間での連絡手段はスマホを介してのコミュニケーションが主になりますし、あまりスマホを使ったアプリ活用ができない世代の人にとっては、音声通話が命綱になることもありますので、できれば24時間かけ放題を付けておきたいものです。家族で同居している場合でも、家族の中で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、家族とのコミュニケーションを取るには携帯電話でかけ放題があればいくらでも部屋を隔てた中で語ることができます。楽天モバイルの楽天Linkによるかけ放題の場合は、条件によって聞こえにくくなるようなことが起こるかも知れませんので、安心して音声通話のみをかけ放題にしたいということであれば(アプリのアップデート作業をする必要がありません)、音声回線をそのまま使えてかけ放題を実現している日本通信かUQ(ワイモバイルがこの割引を採用すれば選択肢に入ります)を選ぶ方がいいでしょう。

実際に契約する場合、基本的にはSIMフリーのスマホ(au系の電波を使えVoLTEも使えるもの)にSIMカードを入れて使うことになると思います。ただ利用対象の方が、もしどうしてもスマホに拒否感がある場合は、中古で以下のガラホを探し、UQ発売以外のものはSIMロックを解除すれば通話およびネット(テザリング含む)で使うことができるようになります。

・UQ発売のもの
DINGO Phone
・DOCOMO発売のもの
らくらくホン F-01M(テザリング不可)
・au発売のもの
GRATINA 4G KYF31
AQUOS K SHF33
AQUOS K SHF32

DOCOMOの場合は端末が対応するBandの問題がありますので、個人的にはおすすめしません。UQかau発売の中古の中から探して入手できれば、加入するプランは一番安い「くりこしプランS」で十分(ガラケーでネットを利用するだけの場合)です。通話専用プランとして考えても十分安いですし、家族の中に60才以上の人がいれば、その方の契約名義にして充電ホルダとセットで購入すれば、家族全員が違和感なく使えるということで固定電話の代わりに十分なると思います。そう考えると単にシニア向けのプランと言うよりも、シニアを含めた家族全員で使用する電話という意味で捉えても面白いプランではないかなと思いますね。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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