自動集中ロックは便利だが……

車で避難をする中で、急に周辺が増水してきたことでそのまま車の中で身動きが取れなくなる状況というのは、実際に自分が遭遇したらかなりのパニックになるように思います。前回のエントリーで説明した事前に用意したグッズを使って命の危険から逃れるためのステップはだいたい以下の通りになるかと思いますが、この一連の動作をスムーズにできるかどうかというのが問題ではあります。

1 ドアロックをしている場合は解除する
2 シートベルトを外し必要があればライフジャケットやヘルメットを付ける
3 シートベルトが外れない場合、シートベルトを切る
4 自分の力でドアが開けられるならそのまま開けて脱出
5 ドアが開かない場合専用ハンマーで窓を叩き割る
6 飛び散ったガラスに注意しながら外に出て、安全な所に避難する。

これだけの手順を事前に考えてみましたが、実際に現場に立ち合ってみないとわからない事が多いので、いざという時にしっかりと脱出までできるのかどうかというのは正直わからないということはあります。こうして文字にして手段をおさらいしてみると、窓を叩き割るのはハンマーのある場所をわかっていれば手に取って叩くだけなので、勢いでもどうにかなりそうですが、シートベルトを切るためにはカッターが必要なので、できれば脱出用のハンマーにシートベルトを切るカッターが付いているものを選び、その使い方についても理解しておくことが大事です。

あと、もう一つの問題は、「車の自動ロック」です。私の車には付いていないのですが、昔からある車でもドアを閉めて一定の速度で走行することによって自動的にロックするような仕組みになっている車もあります。これは、あおり運転の被害に遭い、急停車させられて相手がこちらに歩いてきて強引にドアを開けようとした場合や、お子さんがドアをいじっていて走行中に中から開けてしまって転落する危険を防止するためには有効ですが、今回のような車が水没の危機にあるような場合には、そのままにしていると車の電気系統がいかれてしまうとロック解除ができなくなってしまい、ロックがかかっていなければ簡単にドアを開けて外に出られるところが、中からドアが開かないことでパニックになり、事前に考えていた手順をこなせないまま車から脱出できないというような事も起こり得ます。

私の車の場合は自動的にロックされないので、外から人や動物が車のドアを開けようと迫ってきた場合、手動により集中ロックを動かして外から開けられないようにロックをする必要はあります。逆に自動ロックがかかる車に乗っている場合には、車が冠水した道に入ったら、まずは手動でロックを解除するように心掛けておけば、車の周りに水が迫ってくる前だったらドアを開けて脱出することができます。

どちらにしても、最後に脱出するのか車の中に留まるのかの判断をするのは人間です。雨は雨でもひどい雷雨の場合は、車の中にいた方が雷の直撃を受けることはないので、車の中に留まった方が安全だと言えます。雷が鳴り続けている中で避難しなければならないような場合は、いつでも車外に逃げられる状況を作りながら車内で雷を待つしかないでしょうが、それも車が流されてしまうような事になったら変わってきますので、あくまで冷静に行動することが大切でしょう。


カテゴリー: 防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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